ロシア、欧米の経済制裁に報復措置
2014-08-08

奢る平家は久しからずや。
傲慢のかたまりとしか言いようのない米国のの単独覇権と、それに利害が合わないにもかかわらず追従するEU、カナダ、豪州。
ついにロシアは欧米の脅しと経済制裁に報復措置を決断した。
当面は農産物の輸入禁止である。
さらに可能性としては膨大な輸出がある。ガス、石油、電力、鉱物資源、農産物からロケットエンジンなどまで考えられる。
メドベージェフは欧米民航機のロシア上空通過の禁止あるいは通過料引き上げも検討するとした。
今回の農産物では、特にロシアの需要が大きいEUは、利益率を下げても第三国経由で輸出することになるだろう。
ロシアはBRICSなど米国に追随しない主要国の反応を確かめてから決断したようである。
報復措置対象国以外の農産物輸出大国としては、友好国の中央アジア諸国以外に、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ、ニュージーランド、インドネシア、メキシコなどがある。
少なくとも、EUよりもはるかにロシアは「困らない」。
ロシアは旧ソ連以来の自力経済体制、世界一の国土、鉱産資源、大量生産工業が弱いが、原材料から先端高度製品までの一貫した自立システムをもっている。
もともと基本的に「経済制裁」には強い体制、産業構造なのだ。
同時にウクライナは軍と社会施設の崩壊が進んでいる。
各都市でテッツからの温水供給が途絶え始めている。国民は冬の暖房を心配し始めているだろう。
ドネツク、ルガンスクを包囲したはずのウクライナ軍は、ロシア国境と義勇軍に逆包囲される形となり、輸送機が義勇軍に撃墜されて食糧、弾薬の補給も無くなってしまった。
負傷兵の手当もできず、ロシア国境に沿って包囲から脱出しようとしたが、もちろんロシア軍に発見されて無条件投降した。投降があきらかなだけで500人はいたようである。
同じ逆包囲、補給なし状態の数千人が投降する可能性。
ウクライナ空軍が機能しなくなった。陸軍は非武装住民混じりの義勇軍とは戦いたくないので負傷者が増えるばかり。
キエフ政権の武装勢力はネオナチ親衛隊と外国傭兵の合わせて数千人に減る可能性がある。
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ロシア政府 禁輸リストを発表 8/7 ロシアの声
プーチン大統領は水曜、対ロ制裁を導入した諸国からの農産物・原料・食料品の輸出を禁止する決定を下した。
内閣府のサイトに7日、ロシアが輸入を制限する品目のリストが掲載された。
文書には、「ロシアへの輸入が1年間禁止された米国、欧州連合(EU)、カナダ、オーストラリア、ノルウェーからの農作物、原料、食料品のリストが確認された」と記されている。
リストには、冷蔵、生鮮、冷凍の牛肉や豚肉、鶏肉、塩漬け、乾燥、薫製された肉、魚、甲殻類、その他の水産無脊椎動物、牛乳、乳製品、野菜、根菜、果物、ナッツ類、ソーセージその他これに類する肉製品、チーズおよびこれに類する製品、肉の副次品および血液などが含まれている。
リストには、植物性脂肪を基盤としたチーズ、カッテージチーズを含むそのまま食べられる食品や、植物性脂肪を基盤にした牛乳を含む食品も掲載されている。
なお、幼児食用の品は対象外となる。
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米国の命令には背けないEUや日本に合理的判断を期待できないと悟った露国は制裁への報復を決断 8/7 櫻井ジャーナル
ロシアのウラジミル・プーチン大統領は自国に「制裁」を科している国々、つまり日米欧に報復する決断をした。
今後1年間農産品の輸入を禁止または制限するのだという。
この段階まで報復しなかった理由はEUや日本がアメリカの暴走にブレーキをかけることを期待していたからだろうが、こうした国々の支配層はアメリカに抵抗できないことを確認し、踏ん切りをつけただけでなく、恐らく、アメリカが戦争を仕掛けてくるなら受けて立つと腹をくくった。
ロシアの報復を批判する声明をEUは発表したが、滑稽である。
制裁が話題になり始めた直後から、経済制裁で最もダメージを受けるのはEUだと指摘されていた。
ロシアはEUを必要としないが、EUはロシアが必要だからだ。
これまでロシアが報復しなかったことを感謝しなければならない。
実は、アメリカの経済界も政府のロシア制裁には反対している。
「西側」の経済がダメージを受けると認識しているからだが、そうしたことを気にしない勢力が現在のホワイトハウスを動かしている。
戦争自体を目的としたり、ウクライナやロシアを乗っ取り、略奪したいと望んでいる欲望で目の眩んだ連中だ。
EUは声明の中でクリミアの併合とウクライナの不安定化を自分たちの「制裁」を正当化する理由として挙げているが、クリミアの住民が独立の道を選んだ理由はウクライナの選挙で選ばれた政権をネオ・ナチが前面に出たクーデターで倒されたことに危機感を感じたからであり、ウクライナを不安定化させているのもそのネオ・ナチやIMFの要求。そのネオ・ナチを操っているのがアメリカ/NATOだ。(これは本ブログで何度も書いてきたこと。)
理由になっていない。
今回は農産物だけの話に止まっているが、エネルギーに波及するとEUは破綻する。
現在、EUは天然ガスの3分の1以上をロシアからの輸入で賄っているのだ。
これだけの量を補填する体制を数年で整えることはアメリカの能力を超えている。
この程度のことはEUの「エリート」も理解していただろう。
その上で、アメリカの命令に従ったのだ。
いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」で潰すべき潜在的ライバルとされた国々の中にはEUもロシアと同じように含まれていた。
アメリカの立場から見るとロシアへの経済制裁は一石二鳥ということ。
考えてみれば、第1次世界大戦や第2次世界大戦で戦場になったヨーロッパは衰退、それを利用して世界に君臨するようになったのがアメリカだ。
ロシア側から見ると、EUに替わる新たな天然ガスの販売先がすでに存在する。言うまでもなく中国だ。
ロシアと中国は5月21日に天然ガスの供給契約を結び、今後30年間にロシアは中国へ毎年380億立方メートルを供給することになった。
中国としてもこの取り引きには大きな意味がある。
アメリカは中国の石油や天然ガスの輸送ルートをいつでも断つことができるように、南シナ海での軍事力を強化している。日本の「シーレーン防衛」もそうした戦略の一環だろう。
そこで中国はミャンマーやパキスタンにパイプラインを建設しようとしてきたのだが、アメリカはミャンマーとの関係改善を図り、そうした動きを潰そうとしている。
そうした状況の中、ロシアからの天然ガスを確保する意味は大きい。
ロシアへ接近した中国に「制裁」を科すことはアメリカにとって自爆行為だが、それでもやりかねないのがネオコンと戦争ビジネス。
早晩、中国もアメリカに対して持っている幻影を捨てなければならない時が来る。
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フランス農家、ロシアの農産物輸入制限を憂慮 8/7 ロシアの声
フランスの農業団体FNSEAはロシアがEUからの食料品の輸入を制限する決定を下したことに憂慮を抱いている。木曜、フィガロ紙が報じた。
FNSEAのクサヴィエ・ベレナ代表によれば、これまでEUからロシアに輸出されてきた製品は今後欧州諸国だけで分け合うことになり、危機的状況が生まれることになる。
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EUが試算、ロシア禁輸で120億ユーロの損失 8/7 ロシアの声
ロシアの導入する禁輸措置により欧州諸国が蒙る損失は120億ユーロに達する恐れ。
ラジオヴィガウダス・ウシャツカス駐モスクワEU大使は「ガヴァリット・モスクヴァ(モスクワは語る)」に出演したなかでこう語った。
仏の国民農業生産者組合連合(FNSEA)のサヴィエ・ビョレン代表も7日、欧州の農産品の対露輸出の禁止によって、欧州市場は危機的状況に陥る危険性があると指摘している。リアノーボスチ通信が伝えた。
ビョレン代表は、ロシアへの輸出向け生産物がロシア市場に送れない場合は、欧州市場に流入しかねないと指摘し、これによって危機的状況に陥る危険性があると懸念を表した。
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米国農業界、ロシアの輸入制限に失望 8/7 ロシアの声
米国最大の農業団体AFBFはロシアによる制裁措置に失望している。水曜、AFBFのボブ・ストールマン総裁が述べた。
「明らかに政治的な措置だ。この中で一番の敗者となるのがロシアの消費者たちであるということが残念だ」。ロシアの制裁措置が米国農業界に与える影響について尋ねたリア・ノーヴォスチの照会に対して、ストールマン氏は以上のように回答した。
なおストールマン氏は、農業界は食料品輸入制限を発表したロシアの立場を理解している、とも指摘した。
「米国の農業・畜産業界は、もしロシアが食料品・農産品の輸入の禁止・制限について発表しなかったとすれば、むしろより驚いたことだろう」とストールマン氏。
なおストールマン氏は、ロシアの禁輸措置によって米国の農家が受ける損失の可能性については、コメントしなかった。
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ロシア政府: 米国とEUの航空機のロシア上空の飛行禁止を検討 8/7 ロシアの声
ロシアのメドヴェージェフ首相は7日、ロシアは航空会社「ドブロリョート」に対する西側の制裁への報復措置として、欧州および米国の航空会社によるロシア上空の飛行の禁止を検討していると発表した。
メドヴェージェフ首相は、「ローコストキャリアと呼ばれるロシア初の格安航空会社は8月4日、これらの非友好的な制裁の結果、活動の停止を余儀なくされた。
欧州の全ての取引先はリース契約、メンテナンス、保険、航空情報の提供の合意に基づく自分たちの義務の遂行を拒否した」と指摘した。
メドヴェージェフ首相は、「これが原因で、ロシア国民には問題が起こった。私たちはその問題を解決しなければならない」と述べた。
またメドヴェージェフ首相は政府会合で、ロシアはロシア領を経由するウクライナの航空会社の便のトランジットを禁止していると発表した。
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ウクライナの大都市でお湯が止まり始める 8/7 ロシアの声
ウクライナ南部・東部のマリウポリで6日からお湯が止まった。地元のウェブサイトが伝えた。なお地元当局はすでに、この決定を取り消すと発表した。
これより先、ウクライナの首都キエフでガスを節約するためにお湯が止まった。
多くの住民は、ボイラーを購入している。家電製品の店主がイタル・タス通信の記者に語ったところによると、「キエフでこれほど給湯器の需要が高まったことはなかった」という。
キエフでは大量の給湯器の設置を受け、電気温水器が使用された場合、送電網が加熱する可能性がある。
キエフ市議会の住宅に関する委員会の委員長を務めるアレクサンドル・クリュス氏は、「キエフには、電力の耐久性に余裕のある地域はひとつもない」と語り、「以前は週に1-2台のボイラーが購入されていたとしたら、今は1日に4-5台のボイラーが購入されている」と述べた。
(※ 旧ソ連と東欧諸国の都市はふつう暖房と給湯が地域集中の暖房センター(テッツ)から地下パイプで各戸に供給されており、個別住宅はその設備を持たない。
また、燃料と電気はソ連時代は無料、現在も非常な低価格であるのは友好国価格による。ウクライナはもちろん除外される。)
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ウクライナのスペツナズ、銃口をキエフに向けかえる用意あり (VIDEO) 8/7 ロシアの声
ウクライナ国防省諜報総局の特務班の戦士たちが記者らに対し、戦争および政権への自らの態度のあり方を明かした。
「権力者らには、人が何人死のうとどうでもいいのだ。彼らにとって我々は肉だ。
我々が誰のために戦っているのか分からない。どうやら彼ら(キエフの政治家ら)がよい暮らしをするために戦っているのだろう。
こんな英雄たちが誰に必要だと言うのか?負傷者が山積している。しかし戦地から運びだすことも誰にも出来ない。今に壊疽が始まるかも知れない。
上層部にとってはどうでもいいことなのだ。我々など一顧だに値しないのだ。
将軍らの知るただ一つのことは、テントはしっかり立たなくてはならない、ということだけだ。
政権は変わったが、国民は無視されたままだ。
ある一味が別の一味から政権を奪取しただけだ。
この間唯一の変化と言えば、クリミアが今や無く、多くの人が死んでいることだ。
2月のマイダンなど、彼らには取るに足りないことに思えるのだろう。我々は誰のことも哀れには思うまい。
我々は何のために死んでいくのか?雀の涙の俸給のため?
軍事委員部には太鼓腹が座って金勘定している。
われらが大国は肥溜めの中にあった、これからもあるだろう。
ウクライナ政権が本物の軍事政権に取って代わられるまで、いかなる変化も見込めない。軍隊が権力を握り、有力者の子弟どもを悉くナイフで貫くまでは。
彼らは絶滅させねばならない。まだ小さいうちに、根絶やしにしなければならない。そしたら奴らも怖くなるだろう。
そんな奴らが政権に、また買収された将官どもの中に残っている。奴らは胡坐をかいて、休んでいる。戦え、死ね、そしたら軍事委員会がまた新しいのを寄越すから、と。
ヤヌコーヴィチが退けられて、何が変わった?兵士たちは政権に欺かれている。もし彼らがそれに気が付けば、誰も武器を手放しはしない。
我々は武器・兵器とともにキエフに進撃し、全てを均し、そこに庭を作ろう」
ロシアのインターネットより
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