死者1850人負傷9000人以上、「撤退報道」の裏で集中虐殺行為
2014-08-05

【ガザ侵攻現地ルポ】「イスラエル軍撤退」報道の裏で地獄と化すガザ南部ー17人中12人死亡の家族も 8/4 志葉玲
イスラエル政府は、3日、「地上軍をガザとイスラエルとの境界まで引き下げた」、と発表。
だが、ガザ南部ラファでは、凄まじい攻撃が繰り返され、筆者も近づくに近づけない状況であった。ラファに近いハンユニスの病院には、次から次へと負傷した人々が運び込まれてきた。
ガザ南部の街ハンユニス。イスラエル政府の「地上軍撤退」報道とは裏腹に、この街のナセル病院には、隣町のラファからの負傷者が緊急搬送されてくる。
マフムード・アルグーリくん(10歳)と、ハニン・アルグーリちゃん(4歳)は、3日の朝、イスラエル軍の攻撃を自宅に受け、緊急搬送されてきた。
中東の家庭は往々にして大家族であるが、アルグーリ家は17人の内、マフムードくんら3人が負傷、彼らの両親や祖父母など12人が死亡、2人が行方不明、と悲惨すぎる被害を被った。
マフムードくんの親族は、「ラファは地獄そのものだ。雨あられのように砲弾が降り注ぎ、けが人や死人が続出している」と訴える。
「動くものは何でも爆撃される」という状況の中、筆者もまだラファ現地入りできていないが、筆者の通訳の友人である現地の若者と連絡がついた。
曰く、「ラファの主要病院であるアブユセフナジャール病院はイスラエル軍から総員移動する様に指示され、閉鎖されてしまった(つまり病院も攻撃範囲になり得るということ)。
負傷者は近く民間病院に移送されている。
電気は24時間前から寸断されており、電話もほとんど通じない。
攻撃される可能性が高いので、救急車も赤十字のコーディネートが無い限り、動くことができない状況。
自分も家から出られないのでラファ全体の詳しい状況はわからないが、何人もの隣人が殺された」。さらに、またも国連管理の学校に避難していた人々が攻撃を受けたという。
ベイトハヌーン、ジャバリア難民キャンプに続く、3度めの暴挙だ。
イスラエルがもし本当に地上軍をガザから撤退させるなら、それは歓迎すべきことだが、少なくともラファの状況を観るに、イスラエル政府の発表と現地の状況はまるで正反対である。
また、他の「境界線付近」の地域でも砲撃や爆撃は続いており、一部日本のメディアで報じられているような、「ハマスだけがロケット弾攻撃を続けている」というのは実態と異なる。
現地の知人に、「イスラエルは本当に軍を撤退させると思うか?」と聞くと、知人は顔をしかめ、こう答えた。「どうせ、国際社会に向けたポーズに決まっている。今までの『停戦』でもイスラエルが砲撃や爆撃を止めたことなんてなかった」。
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ガザ発】 46万人が避難 安全な場所なく 8/3 田中龍作ジャーナル

家を破壊されたのだろうか。母と子の目は不安におびえていた。=UNRWA避難所・ガザ市内
写真:筆者=
日本のある大新聞が「ガザの避難者は20万人を超えた」と書いていた。
これはあくまでもUNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)の施設に避難している人たちの数である。(日本のマスコミはどこまで行っても役所の発表ベースだ)。
実際はこの倍である。
UNRWAの施設に逃れて来ている人とほぼ同じ数の人が、親戚の家などに身を寄せているからだ。
ガザ全体で85ヵ所あるUNRWAの避難所に行かないのは、住環境のひどさだ。UNRWAが悪いと言っているのではない。
UNRWAが避難所にあてているのは、自らが運営する小学校なのだが、そこに収容能力をはるかに超えた避難者が押し寄せているのだ。
筆者は2日、イスラエルの猛攻にさらされたラファのUNRWA施設(小学校)を見てきた。
狭い教室に80人以上が寝起きしている。まさに すし詰め 状態だった。
蒸し暑い。バスルームはない。プライバシーもない。
家族8人と共に滞在する女性(60歳)は「精神的にまいる」と顔をしかめる。彼女の家は爆撃で破壊された。

教室に入りきれない人々が校舎の軒先にまで溢れていた。=ラファ市 写真:筆者=
親戚の家とて楽ではない。電気は止まっているし、調理用プロパンガスも欠乏している。水は断水しており、給水車頼みだ。
ラファのある家庭を訪ねた。親戚が押し寄せ、60人もが一軒の家で暮らす。大家族制度に慣れっこのパレスチナ人とはいえ、大変なストレスだ。
親戚の家が爆撃される恐れもある。
国連の避難所(UNRWAの小学校)とて安全とは言えない。ベイトハヌーンとシャバーリヤの避難所は爆撃に遭い多数の死傷者を出した。
UNRWAによればガザの約4分の1にあたる46万人が避難中だ。
家を失った人は6万人にのぼる。
東京23区の半分の面積しかないガザに爆弾が雨あられと降り注ぐ。
安全な場所なぞない。
戦争を終わらせない限り人々の安らかな生活はないのである。
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イスラエル軍のガザ攻撃が継続 8/4 イラン国営放送
ガザ地区各地に対する、シオニスト政権イスラエル軍の最新の攻撃で、新たにパレスチナ人の殉教者が出ました。
4日月曜、ガザ地区南部の町ハーンユーノスに対するシオニスト政権軍の攻撃により、パレスチナ人2名が殉教、ほか数名が負傷しています。
また、シオニスト政権軍はガザ地区の中心部にある難民キャンプをも砲撃しました。
ガザ地区では、難民キャンプ内にある居住用の建物がシオニスト政権軍に空爆され、複数名の子どもを含む15名が負傷しています。
シオニスト政権のラジオも、同政権軍の戦闘機が過去24時間に、ガザ地区内のおよそ100箇所を攻撃したと報じました。
情報筋の多くは、4日のシオニスト政権軍のガザ攻撃で、少なくとも10名のパレスチナ人が殉教したことを明らかにしています。
UNRWA・国連パレスチナ難民救済事業機関のアドナン・アブハスナ報道官は4日、「イスラエル軍の攻撃を受けた、ガザ地区南部の国境検問所のあるラファの町の学校は、非武装地帯にあり、この学校に居合わせた人々は全て、民間人であった」と語りました。
また、「イスラエルは、依然としてガザ地区の住宅地域を攻撃している」と述べています。
ラファでは、3日日曜に国連の管轄下にある学校がシオニスト政権軍に空爆され、少なくとも10名のパレスチナ人が殉教、ほかにおよそ30名が負傷しました。
ガザ地区にある国連傘下の学校がシオニスト政権軍に空爆されたのは、これで3回目です。
シオニスト政権軍による最近のガザ攻撃は、先月8日から開始されました。
この攻撃で、これまでに400名以上の子どもを含む、1850名以上が殉教、ほか9000名以上が負傷しています。
シオニスト政権はこの期間中に、ガザ地区を4686回攻撃しています。
ガザ地区の緊急医療センターのアルガドラ報道官も、ガザ地区の状況について警告を発し、「シオニスト政権は、ガザ地区における医療救命チームの活動を妨害している」と語りました。
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