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マレーシア機撃墜の真相

マレーシア機撃墜

  マレーシア機撃墜の真相   7/24 「ふろむ京都山麓」氏から
  マレーシア機撃墜の情報戦でロシアに負ける米国  7/24 田中宇  
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 7月17日、マレーシア航空MH17機がウクライナ東部上空で、何者かに撃墜された。
 その直後から、米英の政府やマスコミ、ウクライナ政府は、いっせいにロシア軍もしくはウクライナ東部の親露武装勢力が撃墜したに違いないと、ほとんど根拠なしに非難し始めた。
 FT(※フィナンシャル・タイムス)も、プーチンが犯人だと決めつけた上で、プーチンの戦略は失敗だと「分析」する記事を出した。

 ウクライナの諜報機関は、東部の親露武装勢力の現場司令官(Igor Bezler)が、ロシアの諜報官(?)に電話して、飛行機を撃墜したと報告している通話の録音を「犯人が露側だという動かぬ証拠」としてネット上に発表した。

 駐ウクライナの米国大使館は、この録音について本物だと発表した。
 BBCも、本物だと報じた。
 しかし録音は、いくつかの異なる場面の会話をつなぎ合わせて編集したもので、ウクライナ当局が露側のせいにするために捏造的に編集したものである可能性が高い。

 ウクライナ東部では、MH17機撃墜の前日に、内戦の一環として、親露武装勢力がウクライナ軍の輸送機を撃墜している。
 輸送機の撃墜は、MH17撃墜現場から100キロほど離れたエナキエボ(Yenakiyevo)で起きたが、ウクライナ当局がMH17撃墜に関する電話の会話だとして発表した録音には、エナキエボの地名が出てくる。
 つまりこの部分の会話は、無関係な搭乗者が殺されたMH17撃墜でなく、内戦の一環であるウクライナ軍用機の撃墜についての電話盗聴と考えられる。
 会話の他の部分では、MH17の墜落現場を描写したと考えられるものもある。
 ウクライナ当局は、日々盗聴・録音している親露派やその他の東部市民の携帯電話の通話の中から、MH17に関する会話と、軍用機撃墜に関する会話を見繕って取り出し、自分たちに都合の良いように並べ直して編集して発表したと考えられる。

 7月16日のウクライナ軍用機撃墜については、親露勢力が正当な戦闘行為の一環として撃墜したと認めている。
 ネット上では、7月16日の軍用機撃墜と、翌日の犯人不明のMH11機の撃墜を混同して、親露派がMH11を撃墜したんだと決めつけているものが散見される。

 事件直後、親露勢力が肩持ち式の携帯地対空砲(shoulder-fired SAM)でMH17を撃墜したのだという説も出たが、肩持ち式の地対空砲は上空3500メートル程度までしか届かない。
 MH17機は約1万メートルの高度を飛んでいた。この高度まで届く地対空ミサイルとして、ロシア製の「ブーク」または「SA11」などと呼ばれるトラック搭載型のミサイルがある。
 米政府は、ロシア軍が撃墜の一週間前にブークをウクライナの親露勢力に与え、それでMH17機を撃墜したに違いないと発表した。
 しかし、ブークはウクライナ軍も持っている
 ウクライナ軍は冷戦終結までソ連軍の一部だったので、今も兵器の多くがロシア製だ。
 米国のマスコミは、ロシアが親露勢力にブークを与えたとする米政府の発表のみを流し、ウクライナ軍もブークを持っていることを報じないと、米国のロン・ポール元下院議員が指摘している。

 ロシア政府は、ブークをウクライナの親露勢力に渡したことはないと否定している。
 加えて露政府は、ウクライナ軍が自分たちのブークを事件当日に撃墜現場の近くに移動したことを示す写真を発表している

 米政府は、事件発生から4日間、ロシア犯人説を主張し続けたが、根拠となる写真などの資料を何も発表しなかった。
 証拠を何も発表しないまま、事件に関する筋書きの説明が何度も変化した。
 国務省の報道官(Marie Harf)は7月21日の定例記者会見で、マスコミからロシア犯人説の根拠を問われ、ウクライナ政府が流した録音や、ユーチューブ映像など、ネットに流布する出所の怪しいものを含む情報類ばかりを根拠として挙げ、米政府独自の具体的証拠を示さなかった
 報道官は記者から、ネットで流布する情報の中には、ロシア犯人説以外のもの(ウクライナ軍犯人説など)もあるのに、なぜ米政府は露犯人説にこだわるのかと問われて怒り出し、露政府より米政府の発表の方がはるかに信頼性が高いことは、疑いのないことだと返答した

 証拠を発表しないまま、筋書きがころころ変わり、疑問を呈されると、米国の発表を信じないのかと恫喝する
 この米政府のやり方は、03年のイラク侵攻前に大量破壊兵器のウソで世界を信じさせようとした時と同じだと、ロシア政府などが批判している。

 露政府の発表によると、7月17日の撃墜の時間帯に、米国の軍事偵察衛星の一つが、ちょうど(偶然なのか意図してか)ウクライナ東部の上空にいた。
 だから米政府は、MH17がどのように撃墜されたかを示す衛星写真を持っているはずだと露政府は言う。
 しかし米政府は、衛星写真を一つも発表していない
 露政府はレーダーでウクライナ東部を監視しており、この日、ウクライナ空軍の戦闘機2機が、墜落直前までMH17から3-5キロ離れたところを飛んでいたと発表している。
 米政府の衛星写真にも、ウクライナ空軍機が写っているはずだと露政府は言う。

 事件から5日後の7月22日になって、米政府は、諜報担当官の匿名の記者会見で
 「ロシアがMH17機の撃墜に何らかの関与をしていたと考えられる根拠がない」
 「ロシアがウクライナ東部の親露勢力にミサイルを渡して撃墜させたと考える根拠がない
」と述べ、それまでの「ロシアがやったに違いない」という主張を引っ込め始めた
 米国務省は「ウクライナ東部の親露勢力が(ロシアから与えられたのでなくウクライナ軍から奪うなど独自に入手した)SA11を使って、MH17機をウクライナ軍機と間違えて撃墜した」という新たな説明をし始めた

 今回の撃墜事件について、具体的な証拠を挙げつつ説得性のあるかたちで、事件についてわかっていることを記者会見で説明したのは、ロシア政府だ。
 7月21日、ロシア軍の高官たちが記者会見した。そこで重要なことが何点も発表されている。
 その一つは、ウクライナ空軍の爆撃機(SU25?)2機が、撃墜される直前のMH11機のすぐうしろ、3-5キロ離れた場所を、同じ高度(約1万メートル)で飛んでいたことだ。
 戦闘機は、MH11が撃墜される数分前に高度を5千メートルから急上昇し、MH11の後ろについた。
 MH11が撃墜されると、戦闘機は現場上空をしばらく旋回した後、飛び去った

 ロシア側は、日常的な自国周辺空域の監視活動として、この動きを、軍用と民間用の2種類のレーダー網で観測していた。
 露政府は、撃墜までの民間レーダーの映像記録を記者会見で発表した。
 民間レーダーでは、MH11が、追尾していたウクライナ空軍機が搭載する空対空ミサイル(R60)で攻撃されたのか、それとも地上から、ウクライナ軍もしくは親露勢力が持っていた地対空ミサイル(ブーク。SA11)で攻撃されたのか、明らかでない。
 しかし露軍の軍用レーダーには、誰がどこから発射したミサイルでMH11が撃墜されたか、映っていた可能性が高い。
 露政府は、そこまでの発表はしていない。


 露政府は、誰が撃墜犯人か発表していない。
 しかしタス通信によると、MH11の撃墜について、米オバマ大統領に最初に伝えたのは、米国自身の軍や諜報機関などでなく、プーチンだった。
 7月17日、オバマはプーチンに、ウクライナ問題をロシアの手で解決しない場合、米国は対露制裁を強化するぞと脅しの電話をかけた。
 プーチンは、ひとしきりオバマからの苦言を聞いた後、電話の最後に、MH11が撃墜されたこと、撃墜したのはウクライナ軍であることを伝えた。
 オバマは、撃墜の事実を知らなかったという。

 オバマは最近、自分の配下の諜報機関や国防総省から、重要なことを教えてもらえない状態だ(国防総省の制服組の多くがオバマを嫌っている)。
 ドイツ当局が7月2日に米国のスパイを逮捕し、7月4日に逮捕を発表した時も、オバマは7月3日にドイツのメルケル首相と対露制裁の件で電話会談した時、独当局が前日に米国のスパイを逮捕したことを知らなかったと報じられている(オバマはメルケルに対露制裁に協力しろと圧力ばかりをかけ、自国のスパイが逮捕されたことについて謝罪も釈明もしなかったので、オバマが逮捕を知らないことにメルケルは気づいたが、電話会談でオバマに恥をかかせたくないと思い、メルケルは何も言わなかった)。

 オバマは部下たちから何も教えてもらえない状況なので、MH11の撃墜をプーチンから初めて聞かされたとしても不思議でない。
 オバマ自身は知らなくても、米国防総省はMH11撃墜の一部始終を知っていたはずだ。
 すでに書いたように米国は、可動式の軍事偵察衛星を、MH11の撃墜時にウクライナ東部の上空を通過するよう、意図的にもしくは偶然に設定していた

 7月21日に露政府が発表したもう一つの重要事項は、ウクライナ軍が地対空ミサイル「ブーク」を、MH11撃墜の3日前から翌日まで、撃墜現場の近くに配備していたことだ。
 露政府は、ウクライナ軍によるブークの配備の証拠として、記者会見で数枚の衛星写真を提示した。
 ブークは、レーダーを使って撃墜対象を特定するが、露側は、ウクライナ東部におけるブーク用のレーダー電波が、通常の2-3台分から、7月17日前後だけ7-9台分に増加したことを電波傍受したという。
 米政府は「ウクライナ親露勢力がブークでMH11を撃墜した」と主張しているが、露政府によると、ブークでMH11を狙ったのはウクライナ軍の方だ。

 7月22日に、匿名の米当局者が「露政府の関与はない」と表明したので、ロシア軍が直接もしくはウクライナの親露派に命じてMH11を撃墜した可能性はほぼ消えた。
 残っているのは、ウクライナ軍がブークもしくは戦闘機のミサイルで撃墜したか、ウクライナ親露勢力がブークで撃墜したか、という可能性だ。
 しかしどちらにせよ、ウクライナ空軍機がMH11を追尾していたことが露政府の詳細な発表からほぼ確かなので、ウクライナ軍は、少なくともMH11が撃墜されそうなことを知っていたことになる。

 露政府は、MH11が規定の飛行ルートを14キロそれていたと発表している。
 しかし、14キロは大した逸脱でないと思われる。
 また露政府によると、MH11が撃墜される前の数十分間に、ほぼ同じ飛行ルートを、コペンハーゲン発シンガポール行きと、パリ発台北行きが飛んでおり、その後ろをアムステルダム発クアラルンプール行きのMH11が飛んでいた。
 MH11だけが飛行コースを大幅に変更され、親露派の攻撃を誘発したのではないようだ。

 ウクライナの親露派は、ここ数カ月の内戦の中で、前線の部隊が現場を放棄して逃亡することが多いウクライナ軍からブークを奪い、それでMH11を撃墜したのでないかという指摘がある。
 7月23日、親露派の司令官の1人(Alexander Khodakovsky)がロイター通信に対し「親露派は以前、ブークを持っていたが、ロシアの求めに応じ、すでにブークをロシアに引き渡し、今はもう持っていない
 「ウクライナ軍は、その事実を知った上で、われわれが今もブークを持っていてMH11を撃墜したかのような演出をしている」と語った。
 司令官の話は全体として「ウクライナ軍が撃墜した」と言っているのだが、米英マスコミの一部は、この話の前段の一部だけを歪曲的に使い「親露派がブークを持っていることを認めたぞ」と喧伝している。

 今のところ、MH11の撃墜犯はウクライナ軍である可能性が最も高い。
 ウクライナ政府は、親露派の犯行に見せかけることをあらかじめ画策し、ブークを3日前に親露派の支配地域のすぐ近くに配備してMH11を撃墜し、戦闘機も動員して撃墜を確実なものにしたと考えられる。
 事件現場の上空に米国の偵察衛星がいたり、事件後米国の政府やマスコミがすぐにロシア犯人説を声高に言い出したりしたことからは、
 米政府がウクライナ政府をけしかけて濡れ衣の迎撃をやらせた可能性もある。

 米国やウクライナの政府は、具体的な証拠を出すと何度も約束しつつ、まだ一つも出していない。
 最もきちんと説明しているのはロシア政府だ。
 米政府は、一方で「ロシアが関与したと考える根拠がない」と認めつつ、他方で、議会共和党とオバマ政権が組んで、対露追加制裁をやろうとしている。
 米国の好戦戦略は、いまだに非常にお粗末だ。
 イラク侵攻時の「大量破壊兵器」の時より、お粗末さがひどくなっている。
 今回の件で、米国に対する国際信用がさらに低下し、ロシアに対する新興・途上諸国からの信頼性がさらに高くなるだろう。
 その意味て、今回の件もまた「隠れ多極主義」的である。
 ーーーーーーーーーーーー

 すべての責任はロシアにある。明白だ。証拠もある。
 証拠はどこに?
 後から。たぶん・・・・・。
 たぶんじゃなくて、証拠なしでそう言う根拠は?
 ・・・・・・・・歴史の推論だ。
 空想か、なぜ嘘をつく?
 ・・・・・・・・・・・・・。
 さあ、なぜ嘘をつく?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 黙っているとあなた方が犯人と思われるぞ。そう思わないかな?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
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