ガザ空爆を見世物として楽しむ人々
2014-07-25

仏『リベラション』新聞:ガザ爆撃を観光するイスラエル人 7/13 「Entelchen」のブログから
ソース: http://www.liberation.fr/monde/2014/07/10/a-sderot-la-guerre-est-spectacle_1061565
A Sdérot, la guerre est spectacle
ニシム・ベハール、スデロット特派員 2014年7月10日
折りたたイスとピクニック:ガザ境界に位置する町の高台から、イスラエル人達はなんの呵責もなしに爆撃を生で 観戦している。
「誰? フルーツサラダに卵サンドを落としたの!」
ガザ地区から1キロも離れていない場所に、ハザン一家は戦争を観戦に来た。
樹齢百歳の老木の木陰で、ピクニックに舌鼓をうちながら。 父親エズラ、母親ショシャナと三人の子どもたちは、スデロット市 [訳注:イスラエル南部地区の都市] 外れの丘の上に陣取った。
包囲されたパレスチナ領を一望できるように整備された高台だ。
遠くから鈍い爆撃音が聞こえ、やがて重たい黒煙の柱が天に向ってそそり立つ。
ヘリコプターによる急襲の合間には、定期的にイスラエル軍のF16機が空中を裂いて飛行していく姿が見える。爆弾を投下するためにガザ地区南部に向っているのだ。
エズラ・ヘドリは次のように語った。「この作戦が待ち遠しかった。あいつらのロケット弾のおかげで、われわれの生活は台無しだらかな。私の子どもは七歳と十二歳だが、空襲警報や防空壕に逃げることなしに一週間だって過ごしたことはない。
子どもたちにとっては、警報は家具と同じ生活の一部になってしまってるんだ。こんなのは人間の生活とは言えない。空襲警報が多すぎると、下の子はおねしょが再開して、湿疹に苦しむ。この状況に苦しんでいるのが、ガザの人間だけだと思ったら大間違いだ。
ガザ周辺のイスラエルの町に住む人々が、どれだけ精神安定剤や心理セラピーを必要としているか、想像もつかないだろう。薬剤師や精神科医なら、こうした町でひと財産つくれること間違いなしだ!」
父親が私と話している間、子どもたちは爆撃を眺めるための双眼鏡を取り合っていた。
長男は、イスラエル空軍が攻撃を行なうたびに「わお!」「ブール!(ヘブライ語で”的中”の意味)」と叫ぶ。
「もちろん向こう側で起こっていることは、パレスチナ人にとっては悲しいことでしょうね。パレスチナにだってきっと立派な人間はたくさんいるのでしょうから。でも、あの人たちはハマス政権に票を入れたんでしょう? その代償は払ってもらわないとね」と母親のショシャナは言いながら、「政治には興味がないわ」とも打ち明ける。そしてそそくさとサンドイッチ作りに戻った。
ロケット弾発射警報にもかかわらず、スデロットの見晴台には見物客の行列が絶えない。
年金生活者やバカンス中の人々、トラックの運転手などと言った面々…。
その一人が宣言するように、彼らは「イスラエル政府が嘘をついているのではなく、本当に”境界防衛作戦”を拡大させている」ことを自分の目で確認しにくる普通の人々である。
ソファや折り畳み椅子持参の人もいる。水曜日には財務大臣のナフタリ・ベネットもこの戦略上の拠点に姿を現し、人々と握手を交わした。
入植者の政党「ユダヤ人の家」のリーダーで、ガザに対する地上攻撃の熱烈の支持者である彼は、2015年に国会議員選挙が期限を繰り上げて実施されると確信して、早くもプレ選挙キャンペーンを行なっているのだ。人々と握手を交わし、空爆の黒煙を背景に記念写真を撮影する。
「イスラエルは必ずテロリストの首領を全員、一人また一人と片付けます」と約束して、人々の喝采を受けながら展望台を後にした。
テル・アヴィヴ出身のエラン・シャーマン(49歳)は、「境界防衛作戦」開始とともに、ハーレー・ダヴィッドソンでイスラエル一周の旅に出た。
ガザの町を正面に見ながらスポンジ製のマットレスに横たわり、ゆっくりと紙タバコを巻き、ビールを呷り呷り、話す。生業はピザ屋で、バット・ヤム(テル・アヴィヴ南部の郊外)に店を二件持っている。休暇中は年のいったビート世代を演じる。
「俺たちは、人権主義的教訓をメエメエ垂れるようなメンタリティとは無縁の地域に住んでいるんだ。この地球の一角では、戦争は永遠の日常だ。戦争の意図が高かろうが低かろうが関係なしにね。住民はその状態に適応しているし、それを受け入れる用意もある。
だからこの展望台に登ることに何の抵抗もないんだ。暴力は彼らの人生の一部としてすっかり溶け込んでいるから、ショックを受けることもない。他のスペクタクルとなんら変わらない見世物のひとつなのさ。」

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※ 言葉どおりに、文字通りに大虐殺を「見せ物」として、楽しんでいる者たちがここにいる。
信じられない程の卑劣さと腐敗がシオニストの「民族性」として目の前に現れる。
読者のみなさんは憤激されるだろうが、ただ、感情的に彼らを憎悪するだけではいけないのだ。
ガザの住民、パレスチナの住民は、見世物にされながらも、爆弾の下で虐殺されながらも、抵抗を続けていることを常に心にとどめることだ。
彼らが大虐殺を「楽しみ」にしているのは、事実で現実なのである。
私たちは希望や願いと事実を一緒にしてはならない。
彼らシオニストと協議とか交渉とかは何も信用できないし、あるいは人道とか平和の話も無益であるという事実である。
パレスチナはこの長い闘い、親から子、子から孫へと闘いを伝えてきた。
抵抗しなければ絶滅させられること。
多大な犠牲を払おうとも戦い続けることでしか、シオニストは譲歩などしないこと。
読者のみなさんは、この大虐殺を見世物に楽しむイスラエルのシオニストを、特殊な集団と思うだろうか?
弱い立場の人が死んでも何も気にしない者は、世界にも、私たちの周りにもいっぱいいる。
ネオナチとか靖国英霊とかゴロツキ右翼政治家、恥知らずに原発では誰も死んでいないとかである。
そんな者たちはみな一皮むけば、このイスラエルのシオニストと同じなのだ。
私たちは希望や願いをしっかりともつことと同時に、事実も眼をそむけずに把握することだ。
それが私たちを守る手立てであると思う。
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イスラエル軍、国連の学校など砲撃 ガザ地区の死者800人に 7/25 AFP
パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部で24日、国連(UN)が運営する学校がイスラエル軍から砲撃され、15人が死亡、200人以上が負傷した。
国際社会による停戦の仲介努力が続いているにもかかわらずこの他の攻撃でも死者が出ており、ガザ地区での死者数は800人に達した。
砲撃を受けた学校は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営しているもので、イスラエル軍とガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)との数週間に及ぶ戦闘で家を追われたパレスチナ人10万人近くが避難していた。
(正しくは十数箇所の国連学校に十数万人が避難している。)
砲弾は、多数の避難民がキャンプを設営していた校庭を直撃。現場の地面は血で覆われた。
UNRWAによると、避難民の移動についてイスラエル軍と調整を試みていたところだったという。
「女性や子ども、国連職員を含め、多くの人が亡くなった」と明らかにした国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、この事件を耳にして「がくぜんとした」と語り、この攻撃を強く非難するとともに、ガザ地区での殺りくを直ちに終わらせる必要性が改めて強調されたと述べた。
25日未明にはガザ地区南部のハンユニス(Khan Yunis)で住宅が砲撃されて少なくとも1人が死亡し、今月8日に本格的な戦闘が始まってから18日目でパレスチナ側の死者は800人に達した。
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