強力なレジスタンスと崩壊し始めた政府軍
2014-06-21

ウクライナ軍 ドネツクで軍事作戦開始 6/19 ロシアの声
19日、ウクライナの軍及び治安維持諸機関は、同国南東部ドネツク州クラスヌィ・リマン地区で、義勇軍に対する軍事作戦を開始した。ウクライナの軍事作戦担当報道官ヴラヂスラフ・セレズニョフ氏が、記者団に伝えた。
セレズニョフ報道官によれば、19日未明、ウクライナ軍は義勇軍に対し投降するよう求める最後通牒が書かれたビラを撒いたが、誰もそれに応じなかったため「敵を封鎖する」行動を実施している。
一方ドネツク義勇軍参謀本部は、19日ドネツク州アルチョモフスク市周辺で集中的な戦闘が始まったと伝えた。セヴェルスク市、ザコトノエ村も、砲撃にさらされた。義勇兵らはこれに反撃し、現在激しい戦闘が続いている。なおウクライナ軍部隊は、重火器を使用している。
これに先立ち19日朝、スラヴャンスクがウクライナ軍に砲撃され、1人死亡したとの情報も入っている。
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IMFの要求で東部制圧に必死のウクライナ大統領は最後通牒を出したが、反クーデター派住民は拒否 6/20 櫻井ジャーナル
ウクライナのクーデター政権を引き継いだペトロ・ポロシェンコ大統領は6月18日、反クーデター派に対し、武装解除の要求に応じるように通告した。
これを「西側メディア」は「和平案」と表現しているが、要するに降伏を求める「最後通牒」。反クーデター派が応じるはずはなく、空爆を含む住民への攻撃は続く。
キエフの制圧作戦を振り返ると、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問して14日にはアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が制圧作戦を承認、
22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問、その直後から軍事力の行使へ急速に傾斜していった。
6月2日にはデレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りし、作戦の調整作業を行ったとも言われている。
空爆のほか地上軍も投入されているが、その中にはネオ・ナチのほか、アメリカの傭兵会社アカデミ(旧社名はブラックウォーター)から派遣された戦闘員(事実上、アメリカの特殊部隊員)やポーランドの現内務大臣が創設した軍事会社ASBSオタゴの戦闘員も東部の制圧作戦に参加、
1995年から2005年までポーランド大統領の治安担当顧問を務めたイエルジ・ドボルスキが地上部隊を指揮しているとも言われている。
東部や南部の制圧を要求しているのはIMFだが、軍事的に制圧できたとしても修復不能の傷が残る。
ポロシェンコ政権にしろ、ポーランド政権にしろ、その背後にいるアメリカの支配層にしろ、「平和的な統一」は諦めているとしか考えられない。
すでに多くの住民が難民としてロシアへ逃れているが、これを狙っている可能性がある。
かつて、似たことをしたグループが存在する。1948年4月4日、「イスラエル建国」を目指すシオニストはアラブ系住民を追い出すために「ダーレット作戦」を開始、6日にはハガナ(後にイスラエル軍の中核になるシオニストの武装集団)の副官がイルグンとレヒ(別名、スターン・ギャング)の代表とエルサレムで会い、カスタルを攻撃する作戦で手を組むことになり、ハガナはイルグンとレヒに武器を供給している。
8日にハガナはカスタルを占領、9日の早朝、男が仕事でいない時を狙ってイルグンとレヒはデイル・ヤシン村を襲撃して住民を虐殺している。まだ眠っていた女性や子どもが殺されたわけだ。
国際赤十字によると、254名が殺され、そのうち145名が女性で、35名は妊婦だった。そのとき、イギリスの高等弁務官はパレスチナに駐留していたイギリス軍の司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否されている。ハガナもイルグンとスターン・ギャングを武装解除しようとはしなかった。つまり、虐殺を認めていた。
この虐殺を見て多くのアラブ系住民が避難、約140万名いたパレスチナ人のうち、5月だけで42万3000名がガザ地区やトランスヨルダン(現在のヨルダン)に移住、それから1年の間に難民は71万から73万名に達したと見られている。それに対し、イスラエルとされる地域にとどまったのは11万2000名だという。
ウクライナでは5月2日にオデッサで反クーデター派の住民が虐殺されている。
50名弱が殺されたと伝えられているが、反クーデター派は120名から130名が殺されたと主張している。多くに人たちが地下室で虐殺され、死体はどこかへ運び出されたという。
この虐殺にキエフが送り込んだ警察の幹部や治安部隊が関与していることは映像などで確認できる。
オデッサの虐殺で中心的な役割を果たしたと言われている人物は、イゴール・コロモイスキー。イスラエル系(シオニスト)の「オリガルヒ」で、ドニプロペトローウシクの知事に任命されている。
こうした虐殺を見てロシア軍が出てくれば「西側メディア」を総動員して「軍事侵略」だと宣伝、場合によってはNATO軍を出しただろうが、住民が恐怖で逃げてくれることも願っていたはずだ。
ここで「西側」の好戦派、例えばネオコンやメディアは計算違いをした。
ロシアが挑発に乗らず、自重したことだけでなく、住民の強いレジスタンスの精神だ。
勿論、子どもを抱える親などは避難しているが、ファシストと戦うという強い意志も持っている人も少なくない。
実際、キエフの制圧軍が住民を銃撃した際、住民側は携帯電話のカメラで対抗している。
そこで空爆に力を入れているのだが、ウクライナ軍から離脱した兵士、退役軍人、警察/治安機関の元メンバーなどが反クーデター派にはいて、簡単には制圧できない。
撃墜された航空機も少なくない。
苦戦の理由はレジスタンスにあるのだが、そうとは言えないキエフの政権や「西側」は「ロシアの介入」と言わざるをえないが、勿論、証拠を示すことはできない。
集団的自衛権を日本に命令しているアメリカのマイケル某(※米国戦争屋エージェントのマイケル・グリーン)は、ウクライナ問題に対する日本政府の対応に不満も口にしているようだ。
ロシアとの対決姿勢を鮮明にしろというわけだが、その日本では「リベラル派」や「革新勢力」はウクライナやリビア、シリアなどの問題でマイケル某たちの思惑通りに発言してきた。
こうした人びとが集団的自衛権の危険性を理解、本気で阻止しようとしているとは思えない。
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ドネツク人民共和国の義勇軍 220台以上の戦車を手に入れ、戦車師団結成へ 6/20 ロシアの声
独立を宣言した「ドネツク人民共和国」は20日、ドネツク州アルテモフスクにあるウクライナ軍の戦車基地を管理下に置いたと発表した。インターファクス通信が伝えた。
スラヴャンスクから約30キロに位置するアルテモフスクの戦車基地は、深夜に占拠された。
義勇軍によると、戦車221台、装甲兵員輸送車288台、自走砲12台、自走多連装ロケット砲「グラード」18台、歩兵戦闘車183台、迫撃砲12門を手中に収めたという。
情報センター「南部・東部戦線」のコンスタンチン・クヌィリク氏が、インターファクス通信に電話で伝えた。
「南部・東部統一軍」はインターネットで、ドネツク人民共和国指導部筋の情報として、ドネツク人民共和国が戦車師団の志願者を募集していると伝えた。
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※ ウクライナ政府の「停戦発表」とは民兵への「最後通告」でもある。
だが、ネオナチと傭兵を除くウクライナ正規軍の動きが極めて鈍いところからは、かなり多くの寝返りや投降者が続出しているとも考えられる。
義勇兵は住民のレジスタンス運動となっている。
政府軍のルガンスクに出動した戦車が20台で、義勇兵側に制圧されたアルテモフスクの戦車基地にあった戦車が221台というのも、政府軍の実態を裏付けるものだろう。
「停戦発表」は「最後通告」どころか、レジスタンスによる政府軍の解体と崩壊を食い止める時間かせぎの可能性もある。
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※ ウクライナ政変とロシア欧米関係のページ
ウクライナの政変
ウクライナの政変はネオナチが支配した
ウクライナ、実体の無い民族主義
ウクライナ情勢、ロシアの声他
武装したウクライナ・ネオナチ
米英軍産複合体がネオナチを使った破壊工作
ヤヌコビッチはいまだ正当な政権、不当な偽政権
ロシア語市民への暴力は許さない、キエフは極右と縁を切れ
ラブロフ外「西欧はネオナチと手を結んでいる」
ロシアは戦争を否定、米国はネオナチと手を組む
破壊と略奪、無政府状態に向かうウクライナ
破綻するウクライナと賢明なロシア
プーチン3/4報道声明と質疑応答全文
ウクライナの略奪が始まる
ウクライナ、失墜する米国と強くなるプーチン:田中
「マイダン広場の司令部」がネオナチ武装部隊:ロシア大使
米国と闘うロシア、保有米国債を投げ売りした模様
ロシア5万人世論調査。圧倒的なクリミア編入支持!
プーチン3/18声明、クリミアとロシアの団結
孫崎3/13インタビュー岩上:異例な米国日本支配とウクライナ
クリミアの住民を否定し、ネオナチを支援する欧米
ウクライナ政変、弱い欧米と強いロシア:田中
ウクライナ軍兵士「我々はもうロシア軍だ」
暴力と無法へ向かうウクライナ
ウクライナ危機が示した米国の弱体化、ロシア敵視と対中融和:田中
ロシアの非欧米転換は世界の多極化を牽引する
プーチン3/18演説:クリミアの復帰について(全文翻訳)
マイダン広場の闘いはすべて(悪徳)政治家のためだった
プーチン4/17公開質疑:何も恐れる必要はない
非合法政権は住民占拠を排除できず、謀略戦に注意
ネオナチが休戦無視の攻撃、逃げ帰った米イージス艦
キエフ非合法政権が虐殺と挑発を再開
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