隠し続ける政府、報道しないマスコミ!
2014-06-17

東電福島第一原発の所長を聴取した内容が明らかになったが、こうした情報を全面開示する義務 6/15 櫻井ジャーナル
情報とカネの流れていく先に「主権者」は存在している。
「民主主義国」という看板を掲げる以上、公的な情報は全ての国民に公開しなければならないわけだ。
先月、朝日新聞は東電福島第一原発で事故への対応を指揮していた吉田昌郎所長(当時)の「聴取結果書」を明らかにした。
事故時の対応を記録したテレビ会議録を渋々公開した際にも映像を編集/加工したうえ、厳しい公開条件をつけていた。
こうしたことが許される国を民主主義国家と呼ぶことは、勿論、できない。
吉田所長は2011年11月24日に入院、12月1日付で所長職を退任、13年7月9日に「食道癌」のために死亡したという。
事故後、長期間にわたって吉田を取材した人物がいるとするならば、間に東電が入っていたはず。
東電が「原子力ムラの仲間」と見なしていた人物だろう。
当然、話は東電の意向が反映されている。
東電の監視が緩くなった状態で話すことができたのは、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた時くらいだろう。
3月15日に所員の9割が福島第二原発へバスや自家用車で避難したことが問題になっているが、その直前、6時15分頃に2号機の方向から衝撃音がし、原子炉圧力抑制室の圧力がゼロになっていた。
同じ頃に4号機でも爆発があったはずだ。
これらの前にも爆発はあった。
12日の15時36分で1号機の建屋で爆発(おそらく水素爆発)、14日の11時1分には3号機で爆発(おそらく水素爆発ではない)している。
尋常な事態ではない。16日にはアメリカのNRC(原子力規制委員会)のグレゴリー・ヤツコ委員長は下院のエネルギー・商業委員会で、福島第一原発4号機の「使用済み燃料プールの水はすべて沸騰し、なくなっていると思う」と証言している。
アメリカでは燃料棒の破片が建屋から1マイル(約1.6キロメートル)以上飛んだと報道されているのだが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、発見された破片が炉心にあった燃料棒のものだと推測している。
3号機の爆発で飛び散ったとするならば、爆発は使用済み核燃料プールでなく、炉心で起きたことになる。
NRCが会議を行った直後、8月1日に東京電力は1、2号機建屋西側の排気筒下部にある配管の付近で1万ミリシーベルト以上(つまり実際の数値は不明)の放射線量を計測したと発表、2日には1号機建屋2階の空調機室で5000ミリシーベル以上を計測したことを明らかにしている。
この排気筒を通って燃料棒の破片が飛び散ったという日本側のメッセージだったのかもしれない。
結果としてヤツコの推測は間違っていたのだが、通常ではありえないことが起こっていたからにすぎない。ヤツコ委員長の分析が間違っていたとは言えないのだ。
その事情も東電は当初、隠している。
後に判明したところによると、4号機は2010年11月から始まった定期点検で圧力容器の中にある大型構造物の取り替え工事をしていたのだが、その際に手違いがあり、ふだんは水がない部分まで水が張られていた。
通常より水は1440立方メートルほど多い状態のままになっていたのだが、この水がなければヤツコ委員長の予測したような状況になり、東日本は壊滅していた可能性が高い。
福島第一原発の1〜3号機の原子炉内にある燃料棒が溶けていることを経済産業省の原子力安全・保安院が認めたのは4月18日のことだが、3月12日の段階でメルトダウンの状態だと外部の学者グループも独自に入手したデータから確認している。
ただ、この学者たちは外部へ発表することはなかった。
学者としての生命が絶たれることを恐れたのかもしれない。
メルトダウンの原因は全電源喪失。そうした事態になったのは津波のためだと東電や政府は主張しているが、かつて「バブコック日立」で圧力容器の設計に携わっていた田中三彦は早い段階から地震で配管が破断したのではないかと疑っていた。
後に公表された「過渡期現象記録装置データ」から元東電社員の木村俊雄は、地震発生の1分30秒後あたり、つまり津波が来る前から冷却水の循環が急激に減少、メルトダウンが始まる環境になったとしている。
事故前に原子力安全基盤機構が作成していた炉心溶融のシミュレーション画像を見ると、全電源喪失事故から30分ほど後にメルトダウンが始まり、約1時間後に圧力容器の下に溶融物は溜まり、約3時間後に貫通して格納容器の床に落下、コンクリートを溶かし、さらに下のコンクリート床面へ落ち、格納容器の圧力が上昇、外部へガスが漏洩し始める。
15時41分に全電源喪失になったとされているので、16時10分過ぎにはメルトダウンすると予測されていたことになる。
事故で大量の放射性物質が環境中に放出されている。(チェルノブイリ原発事故の数倍という見方もある。)
調査の結果、子どもたちに影響が出ていることは間違いないが、町長時代に心臓発作で死んだ多くの人を知っていると双葉町の井戸川克隆元町長は語っている。
福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしているのだが、そうした話を報道するのは外国のメディア。
小学館が発行している週刊ビッグコミックスピリッツ誌に「美味しんぼ」という漫画は井戸川元町長を作品の中で登場させたが、
その内容が気に入らないとして環境省、福島県、福島市、双葉町、大阪府、大阪市などが抗議、福島大学も教職員を威圧するような「見解」を出し、小学館は「編集部の見解」を掲載、この作品は次号から休載すると決めたという。
小学館は週刊ポストも発行している。
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