米国が作った化け物アルカイダ
2014-06-15

行進するISIS武装部隊
ネオナチもアルカイダも米国が作り出した化け物。
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イラクでアル・カイダが住民を虐殺しながら進軍中だが、その集団は米国が作り支援している化け物 6/14 櫻井ジャーナル
イラク北部の都市、モスルをスンニ派武装勢力のISIS(ISILやIEILとも表記される)が制圧したという。
この勢力はシリアで政権転覆を目指して戦っていたが、シリア国民に支持されているわけでもない単なる侵略軍だったこともあり、今は敗色濃厚だ。部隊をシリアからイラクへ移動させた可能性がある。
シリアではISISのほか、イスラム戦線やアル・ヌスラ戦線が政府軍と戦ってきた。
イスラム戦線はサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官が昨年11月に諸団体を再編成して組織、アル・ヌスラ戦線はカタールに近く、トルコの司法当局や警察によると、ISILはトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が秘密裏に創設したそうだが、いずれもスンニ派の武装集団で、根は一緒だ。
サウジアラビアはアル・ヌスラやISISへの支持も表明している。
ネオコン(アメリカの親イスラエル派)などはバラク・オバマ大統領がアメリカ軍を引き揚げたのでイラクが混乱していると主張しているようだが、その原因を作ったのはネオコンが担いでいたジョージ・W・ブッシュ政権。
しかも、スンニ派の武装集団を組織、支援、訓練してきたのはアメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどだ。
アメリカでは開戦の旗振り役をニューヨーク・タイムズ紙などの有力メディアが演じ、日本でも政府やマスコミが軍事侵略を支援、平和を求める人びとを激しく攻撃していた。
偽情報を広め、戦争へと導いた責任は重いのだが、その責任を採るつもりは全くないようだ。戦争犯罪人として裁く必要がある。
1970年代の後半、アフガニスタンでズビグネフ・ブレジンスキー米大統領補佐官がソ連に対する秘密工作を始めた直後からこの3カ国は手を組んでいるが、これにパキスタンが加わっていた。
シリアではトルコが協力している。
この工作で使う戦闘部隊としてスンニ派の武装集団(多くはサラフィ主義者)をアメリカは組織、アル・カイダもその中から生まれた。
2005年7月8日付けのガーディアン紙でロビン・クック元英外相ははオサマ・ビン・ラディンについて、アフガニスタンのソ連軍と戦わせるため、1980年代にCIAから武器を、サウジアラビアから資金を提供されたと書いている。
広く知られた話ではあるが、欧米の閣僚経験者が口にすることは珍しい。
また、ビン・ラディンを象徴とするアル・カイダについて、CIAに雇われて訓練を受けた数千人におよぶ「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルだともしている。
本ブログでも書いたことがあるように、アル・カイダとは文字通り「データベース」だったということだ。
アル・カイダは実態がつかめなと言われるが、それは当然。実態がないのだ。
この記事が出た1カ月ほど後、8月6日にクックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡している。享年59歳。
ニューヨーカー誌の2007年3月5日号では、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがアメリカ、イスラエル、サウジアラビアのシリア、イラン、ヒズボラに対する秘密工作について書いている。
こうした秘密工作で中心的な役割を果たしたのがリチャード・チェイニー副大統領、ネオコンのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、サウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン国家安全保障問題担当顧問(元アメリカ駐在大使、後に総合情報庁長官)だという。
チェイニーとハリルザドはDPGの作成に関わった人物で、ハリルザドの父親はアフガニスタンのザヘル・シャー元国王の顧問を務めていた。
シリアでの体制転覆プロジェクトでアル・カイダを動かしているのはバンダル総合情報庁長官であり、イスラエルをしばしば訪れているという情報が広がる。
アル・カイダとサウジアラビアとの関係を示す膨大な文書をシリア政府が国連へ提出し、ロシアはシリアでテロ行為を支援している全ての国に制裁するように求めるとアメリカ政府からサウジアラビア政府へ警告したようで、4月15日にバンダルは「健康上の理由」でサウジアラビア総合情報庁長官の職を辞したという。
バンダルに替わって情報機関を統轄するようになったユセフ・アル・イドリッシもイスラエルの情報機関モサドやイラクの現政権を攻撃しているスンニ派武装勢力と緊密な関係を維持しているようだ。
両国ともバラク・オバマ政権がイランとの緊張緩和へ向けて動いていることに反発している。
この点、ネオコンも同じだ。
メール紙はISISの残虐な行為を記事にしているが、そうしたことを根拠にネオコンなどはアメリカ軍の再占領を求めている。
アメリカ軍をイラクへ再び引きずり込むため、ISISを利用しているとも言えるだろう。
歴史的な流れから予想されていたことだが、アメリカ支配層とアル・カイダの協力関係はリビアの体制転覆プロジェクトで明らかになった。
反カダフィ軍の地上部隊で中心的な存在だったLIFG(リビア・イスラム戦闘団)は1995年に創設された武装グループで、その中にはアフガニスタンでソ連軍と戦った経験の持ち主がいる。
2007年11月にはアル・カイダに加盟したとされている。
LIFGは設立の翌年、ムアンマル・アル・カダフィの暗殺を試みて失敗しているが、このときに資金を提供したのがイギリスの情報機関MI-6(正式にはSIS)だと主張する人もいる。
一方、2004年にジョージ・テネットCIA長官(当時)はLIFGをアルカイダにつながる危険な存在だと上院情報委員会で証言している。
そもそも、中東を戦乱の中へ放り込む切っ掛けになった2001年9月11日の航空機による攻撃でアル・カイダの名前は一般に知られるようになったのだが、FBIはオサマ・ビン・ラディンを事件の容疑者とは見なしていない。
その出来事の2カ月前、2001年7月にビン・ラディンが腎臓病を治療するため、アラブ首長国連邦ドバイの病院に入院、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の著名人のほかCIAのエージェントも病院を訪れていると報道されている。
そしてエジプトのアル・ワフド紙は2001年12月26日付け紙面でビン・ラディンの死亡を伝えている。その10日前、肺の病気が原因で死亡し、トラ・ボラで埋葬されたというのだ。
アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、そしてアル・カイダは同盟関係にあるという前提で中東や北アフリカの動きは見る必要がある。
ヨーロッパではアル・カイダをネオ・ナチと言い換えれば良い。
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