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集団的自衛権は米国の軍事戦略要求

米空母

   米国のウクライナでの挑発作戦が失敗、ロシアと中国が急接近し、日本は集団的自衛権で戦争準備  6/11 櫻井ジャーナル

 民主党の岡田克也元代表は先日、「集団的自衛権」の行使容認を前提とした話を展開、10日には「議員有志」が権利を「限定的」に使うことを認める「安全保障基本法案」の草案をまとめて党執行部へ届け、11日には自民党の高村正彦副総裁が20日までに権利行使を容認するための閣議決定をするべきだと語ったようだ。

 言うまでもなく、安倍晋三政権だけでなく民主党のネオコン一派が「集団的自衛権」を推進しようとしているのはアメリカ支配層の都合。
 前にも書いたように、アメリカの戦略を知らなければ、「集団的自衛権」の目的もわからない。

 アメリカ支配層の目標は世界の制覇であり、第2次世界大戦以降、ソ連/ロシアへの先制核攻撃を何度も計画している。
 まず、1949年の段階で統合参謀本部はソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという案を持っていた。

 1957年にソ連を先制核攻撃する計画をスタートさせ、63年後半には攻撃を実行するというスケジュールになっていたとテキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授は語っている。
 その頃になれば、先制攻撃に必要なICBMをアメリカは準備でき、ソ連はまだ追いついていないという計算だったようだ。
 つまり、この時点ならワンサイド・ゲームで核戦争に勝利できると信じていたということ。

 こうしたソ連との核戦争計画にとって最大の障害はジョン・F・ケネディ大統領。
 1963年11月にケネディ大統領は暗殺され、その直後にCIAは「ソ連犯行説」を流している。
 この情報が嘘だとFBIがリンドン・ジョンソンに伝えなかったならば、核戦争になっていたかもしれない。

 1983年1月、首相に就任して間もない中曽根康弘はアメリカを訪問、ワシントン・ポスト紙のインタビューで「日本列島をソ連の爆撃機の侵入を防ぐ巨大な防衛のとりでを備えた不沈空母とすべき」であり、「日本列島にある4つの海峡を全面的かつ完全に支配」、「ソ連の潜水艦および海軍艦艇に海峡を通過させない」と語って大騒動になった。
 中曽根は「巨大空母」と表現したのであり、「不沈空母」は誤訳だとする人もいるようだが、意味しているところは同じであり、本質的な差はない。

 その3カ月後、アメリカ海軍は千島列島エトロフ島の沖に3空母を集結させ、大艦隊演習を実施する。
 演習では空母を飛び立った艦載機がエトロフ島に仮想攻撃をしかけ、志発島の上空に侵入して対地攻撃訓練を繰り返したとも言われている。

 その年の8月31日から9月1日にかけて大韓航空007便がアメリカの設定した「緩衝空域」と「飛行禁止空域」を横切り、ソ連軍の重要基地の上を飛行した末にサハリン沖で撃墜されたとされている。アメリカや日本では大々的な反ソ連キャンペーンが展開された。

 その直後、11月にはNATOが大規模な軍事演習を計画、核攻撃のシミュレーションも行われることになっていた。
 これをソ連の情報機関KGBは「偽装演習」だと疑い、全面核戦争を仕掛けてくるのではないかと疑い、応戦の準備をしている。

 大韓航空機事件の直前、1982年にアメリカでは一種の戒厳令プロジェクト「COG」が承認されていた。このプログラムで中心的な役割を果たしていたのはジョージ・H・W・ブッシュ副大統領(当時)だと考えられている。
 1980年代には毎年、COGの演習が実施され、その演習にドナルド・ラムズフェルドやリチャード・チェイニーも参加していたという。

 このCOGは2001年9月11日の航空機による攻撃が引き金になって「愛国者法」という形で出現、憲法の機能は麻痺する。その一方でアフガニスタンイラクに軍事侵攻、リビアの体制も転覆させ、シリアも攻撃されている。
 そしてウクライナ

 ウクライナの一件でも、天然ガスなど資源を手に入れたいという欲望以外に、クリミアからロシア軍基地をなくし、ロシアの喉元に核兵器を突きつけようという軍事的な目的が存在している可能性が高い。

 1980年代以降、アメリカは「民間軍事会社」や「民間CIA」という形で軍事介入し、破壊活動を展開してきた。
 ウクライナでも同様。
 もし挑発に乗ってロシアが反撃してきたなら、メディアを総動員して「ロシアの軍事侵略」を宣伝して孤立させ、場合によっては核戦争を想定していただろう。

 キエフでネオ・ナチがクーデターを成功させる様子を見ていたクリミアの住民はすぐに住民投票を実施、事実上、無血で独立してしまった。
 その際、「西側」のメディアは駐留ロシア軍を「侵略軍」だと呼んでいたが、これは「予定稿」だった可能性がある。

 オデッサで住民を虐殺、東部の地域でも殺戮を続けている理由のひとつは、ロシア軍を引き出すための挑発だと推測する人もいる。
 が、ロシアは軍事力の行使を自重し、「予定稿」は誤報になってしまった。
 ロシアは「事実」を武器に戦っている。

 ウクライナのネオ・ナチはステファン・バンデラを信奉している。
 バンデラを中心に集まっていたグループはOUN-Bと呼ばれているが、これはOUN(ウクライナ民族主義者機構)のバンデラ派という意味。
 創設当初、OUNのリーダーはドイツの外国諜報局(情報機関)と接触し、ドイツが占領した地域で「汚い仕事」を引き受け、ウクライナでは90万人のユダヤ人が行方不明になったとされている。

 OUNのリーダーをソ連のエージェントが1938年に暗殺、引き継いだのがアンドレイ・メルニク。
 この後継者を生ぬるいと感じたメンバーが集まり、1941年にOUN-Bは誕生したわけだ。
 なお、メルニク派はOUN-Mと呼ばれている。

 当初、OUN-Bはイギリスの情報機関MI-6のフィンランド支局長に雇われていたとされているが、その一方でドイツから資金を提供されていたとも言われている。
 バンデラの側近だったミコラ・レベジはゲシュタポの訓練学校へ入ったという。

 詳細は割愛するが、OUN-Bはナチスだけでなく米英とも緊密な関係にあり、第2次世界大戦後はCIAと協力関係にあった。
 この組織が1943年に設立した「反ボルシェビキ戦線」は戦後、46年にABN(反ボルシェビキ国家連合)となる。
 1949年には、このグループのメンバーがパラシュートを使い、ウクライナへ戻っている。

 その後、岸信介も関わったAPACL(アジア人民反共連盟、後にアジア太平洋反共連盟に改名)とともにWACL(世界反共連盟、1991年にWLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更)の母体になった。
 ウクライナのネオ・ナチと安倍晋三はつながっているということになる

 アメリカは現在、NATOを軍事侵略の道具として使っている。
 当初はソ連軍との戦う軍事同盟という側面のほか、西ヨーロッパを支配する仕組みとしての役割があった。
 イタリアのグラディオなど、NATO加盟国が「秘密部隊」を組織させられている理由はそこにある。

 アメリカはNATOを旧ソ連圏へ拡大しているだけでなく、ロシア、中国、イランなどの周囲に拡大、その中へ日本も組み込もうとしている。
 そこで集団的自衛権だ。
 各地域の担当国をアメリカは決めているはずで、自衛隊を遠隔地へ派遣させているのは軍事同盟へ引きずり込むための儀式。
 アメリカの戦争で日本が担当するのは東アジアのはずで、当然、戦う相手は中国になる。
 ウクライナでの作戦にアメリカは失敗、ロシアと中国が急接近しているため、日本政府は戦争準備を急がされているのだろう。

 戦争になれば、アメリカへ弾道ミサイルが発射されるような事態になる前に日本は廃墟だろう。
 核兵器を撃ち込まれる可能性もあるが、そうでなくとも、いくつかの原発を破壊されるだけで日本は終わりだ
 そうなると、アメリカも放射能で汚染されることになるのだが、この国の好戦派はそうしたことを昔から気にしていない

 2011年3月8日付けのインディペンデント紙に掲載されたインタビュー記事の中で、外交力とは核兵器なのだと石原慎太郎は語っている。
 妄想なのかもしれないが、どこかで聞きかじったことを口にしたのかもしれない。
 つまり、日本の深層部分で核戦争が議論されている可能性がある。

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