資本主義の仮面を剥ぎ取るピケティ:TaiwanToday
2014-05-18
資本主義の仮面を剥ぎ取る『21世紀の資本論』 5/8 Taiwan Today
米「ニューヨーク・タイムズ」は、フランスの経済学者、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)の著作『21世紀の資本論』(Capital in the Twenty-First Century)は世界の経済界に衝撃を与え、現代の資本主義の偽善の仮面を剥ぎ取ったと報じた。
また、工業国の資本不均衡の状況は今後さらに悪化し、民主政治の公平性と正義の価値に深刻なダメージをもたらすと予想している。
著名な経済学者、ブランコ・ミラノヴィッチはこの作品を「経済思想の分水嶺」と評している。
ピケティによる最も衝撃的な見方は、第二次世界大戦後の30年間、工業国で見られた貧富の差の縮小は一時的な「反発現象」にすぎず、その後拡大に転じた貧富の差の問題はこれからも悪化していくだろうという点である。
ピケティは、工業国の過去数世紀にわたる富の累積と経済成長の統計数値を研究した結果、資本の生み出した所得の成長率は経済成長率の数倍に達すると指摘した。
つまり、所得が賃金に向かう割合が縮小を続けていることが、賃金の成長率が経済成長率を上回ることはめったに無い状況につながっているのである。
ピケティの「新たな資本論」がより広く討論されるであろうことに鑑み、我々も補充する見方をいくつか提示したい。
まず、ここ数十年来のグローバリゼーションである。
グローバリゼーションの本質は資本主義の世界一体化であり、資本主義の遺伝子とも言える所得の差を生むのに有利に働くのはごく自然なことである。
そしてこれが全世界でさらに強まるであろう。
さらに、近年の金融危機を経て、ほぼ全ての先進国が量的緩和の通貨政策を延々と続けており、その資産価値のバブル化とそれによる貧富の差の拡大の影響を過小評価すべきではない。
次に、貧富の差の長期的な拡大は、民主政治の公平性と正義に打撃を与える。
そして消費など内需の成長が制約されることで、経済成長にも不利に働く。
つまり、表面上は社会問題に見えることが、長期的に見れば経済の本質に関わる問題なのである。
これらの点は我々に、あのマルクスの『資本論』を思い起こさせる。
マルクスが資本主義の未来に対して行った評論と予言は、ピケティの『21世紀の資本論』と互いに比較し、啓発しあうものなのかもしれない。
貧富の差の問題への対策としては、財政や租税政策以外に、より積極的なやり方があってもよい。
「公司(会社)法」における組織の利潤分配メカニズムに対する見直しや改革。
公共資源全体の、より公平かつ合理的な配分などがそうである。
それらがなされてこそ、ピケティの著作は本当に「経済思想の分水嶺」となるのではないだろうか。
米「ニューヨーク・タイムズ」は、フランスの経済学者、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)の著作『21世紀の資本論』(Capital in the Twenty-First Century)は世界の経済界に衝撃を与え、現代の資本主義の偽善の仮面を剥ぎ取ったと報じた。
また、工業国の資本不均衡の状況は今後さらに悪化し、民主政治の公平性と正義の価値に深刻なダメージをもたらすと予想している。
著名な経済学者、ブランコ・ミラノヴィッチはこの作品を「経済思想の分水嶺」と評している。
ピケティによる最も衝撃的な見方は、第二次世界大戦後の30年間、工業国で見られた貧富の差の縮小は一時的な「反発現象」にすぎず、その後拡大に転じた貧富の差の問題はこれからも悪化していくだろうという点である。
ピケティは、工業国の過去数世紀にわたる富の累積と経済成長の統計数値を研究した結果、資本の生み出した所得の成長率は経済成長率の数倍に達すると指摘した。
つまり、所得が賃金に向かう割合が縮小を続けていることが、賃金の成長率が経済成長率を上回ることはめったに無い状況につながっているのである。
ピケティの「新たな資本論」がより広く討論されるであろうことに鑑み、我々も補充する見方をいくつか提示したい。
まず、ここ数十年来のグローバリゼーションである。
グローバリゼーションの本質は資本主義の世界一体化であり、資本主義の遺伝子とも言える所得の差を生むのに有利に働くのはごく自然なことである。
そしてこれが全世界でさらに強まるであろう。
さらに、近年の金融危機を経て、ほぼ全ての先進国が量的緩和の通貨政策を延々と続けており、その資産価値のバブル化とそれによる貧富の差の拡大の影響を過小評価すべきではない。
次に、貧富の差の長期的な拡大は、民主政治の公平性と正義に打撃を与える。
そして消費など内需の成長が制約されることで、経済成長にも不利に働く。
つまり、表面上は社会問題に見えることが、長期的に見れば経済の本質に関わる問題なのである。
これらの点は我々に、あのマルクスの『資本論』を思い起こさせる。
マルクスが資本主義の未来に対して行った評論と予言は、ピケティの『21世紀の資本論』と互いに比較し、啓発しあうものなのかもしれない。
貧富の差の問題への対策としては、財政や租税政策以外に、より積極的なやり方があってもよい。
「公司(会社)法」における組織の利潤分配メカニズムに対する見直しや改革。
公共資源全体の、より公平かつ合理的な配分などがそうである。
それらがなされてこそ、ピケティの著作は本当に「経済思想の分水嶺」となるのではないだろうか。
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