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もうすぐ北風が強くなる

小沢、堀茂樹対談:世界と日本(3)

 小沢堀

 小沢、堀茂樹対談:世界と日本(2)からの続きです。
 ーーーーーーーーーーーーーー

堀 茂樹
 そうしたら小沢さん,中国については今,中国のことが怖い怖いと,なってるんですがね,これどうしたら...

小沢 一郎
 中国は大変ですよ。

堀 茂樹
 大変ですか。

小沢 一郎
 本当に大変は大変なんですが。統一した中国も大変ですけれども,もし共産党独裁が崩壊したら,これまた大変なんですね。
 今,非常に強硬路線を取ってますわね。それは尖閣の問題だけじゃなくて,あらゆることに。
 私はですから,国内事情というのは,けっこう,中国は厳しいんじゃないかと。

堀 茂樹
 けっこう実際,暴動が起こってますよね。

小沢 一郎
 やっぱり,あれだけ格差が極端に大きくなりますとね。
 仮に1億(人)の大金持ちいても,10何億(人)の生活に困ってる人が,いるわけですから。
 この格差はね,今の体制では治せないですね。
 だから僕は彼等に直接,面と向かって言ってんですが,このままでは共産主義独裁の政権は,多分もたないよ,と。やっぱ,転換しなきゃいけないということを,僕は直接言ってますがね。
 非常に,中国がね,動揺したら,それはもうイラクやアフガンの比じゃないですよ。もう,大変な話しになりますよ。

堀 茂樹
 そうですねえ。(つくづくと)

小沢 一郎
 それで日本の傍で言えば,中国も何だかんだ言いながらまだコントロールが効いているから,北朝鮮はまだ,あの中にいますけれども,中国の統制が乱れたら,やっぱり北朝鮮も勝手にやるでしょうし。中国にも色んなね,各民族ありますから。
 中国の何千年の歴史の中で,今のような国家の版図(はんと=一国の領域)を持ったのは初めてですよ。あれは,清朝の領土ですから。
 ずいぶんロシアに削られましたけど。いちばん大きいんですね。
 
堀 茂樹
 なるほど。はい。

小沢 一郎
 これは必然的に,新疆ウイグルやチベットや蒙古や,まあ満州も本当はそうなんですが,色んなとこで民族的な運動が,最初っからありますし。
 そこに,格差,経済的格差が重なりますと,そうとう中国は大変だと思いますね。

堀 茂樹
 それから,中国は日本よりは若干時期が遅れるようですが,日本の比ではない少子化の問題があるそうですね。

小沢 一郎
 そう,そう,そう。

堀 茂樹
 人口のピラミッドが逆三角形。

小沢 一郎
 これまた大変なんですよ。
 ですからね,外へ強く出ることになるでしょ。尖閣も,最近マスコミはあんまり報道しなくなりましたけども,領海にしょっちゅう,しょっちゅう入ってますよね。
 これもねえ,やっぱり(安倍総理などが)話しができないというのはねえ。(つくづくと)ちょっと異様ですね。

堀 茂樹
 ふうむ。

小沢 一郎
 アメリカとも,ろくに話しできないようですから,しょうがないんですけどねえ。

堀 茂樹
 非常に,オバマさんにも冷遇されてますね,今ね。

小沢 一郎
 全然だめですね。

堀 茂樹
 中国は,より一層,そうですからね。要するに,中国が色々,領海を侵してきたりなんかするんで,中国が悪いって言ってる。
 でも,善悪の問題で外交を(するわけにはいかないだろう)...そうじゃないですよね。そこを包み込んでいかなきゃいけないですよね。

小沢 一郎
 そうです,そうです。だから僕も尖閣列島は,日本の琉球王朝以来,古来の領土だと思ってますけれども,まあ向こうは向こうで,正しいかどうかは別として,ワアワア,ワアワア言うわけですから。
 何か,解決しなきゃいけないですよね。ところが,そのことをざっくばらんに話し合うこともできない,と。  

堀 茂樹
 やっぱり,隣りの人なんだから,仮にイヤな奴でもね(笑いながら)仮にイヤな人でも,一緒にやってくしかないですよね。違いますか。(笑)

小沢 一郎
 僕はね,中国人というのはね,本当にね,煮ても焼いても食えない連中だと僕は思ってんですけど(笑。堀氏も笑)。
 それでもね,感心するのはね(真顔になって)一度信頼すると,ずうっと守りますね。

堀 茂樹
 ああ。

小沢 一郎
 例えば日中国交回復した田中(角栄)先生ね。病気になって口も利けなくなってる。中国のトップの人が来ると必ず目白へ行きましたよね。

堀 茂樹
 ああ,そうですか。

小沢 一郎
 形式であるとしても,必ず目白に見舞いに行ったですよ,挨拶に。

堀 茂樹
 ああ,そうですね。

小沢 一郎
 だから,そういうことは,信用したら信義を守りますね。

堀 茂樹
 ああ,それは文化ですね。

小沢 一郎
 僕も30年ぐらいずうっと草の根交流やってますから,なにイヤなこと言っても,僕に怒ったりはしないですね。

堀 茂樹
 ああ。

小沢 一郎
 だから,僕のことだからズケズケ,ズケズケ言いますけども,お互い,うんうんと聞きながら議論できますね。
 そういう意味では,非常に信義に厚いところがありますんで。僕は,いくらでも(冷えた日中関係の回復の)やり様があると思ってますよ。

堀 茂樹
 ああ,そうですか。

小沢 一郎
 だだ,向こうが信頼しないとなったら,絶対信頼しないしね,また。

堀 茂樹
 まずパイプを繋ぐことが必要だと。

小沢 一郎
 そのためには,やっぱり,地道な努力をしないとね。

堀 茂樹
 ああ。

小沢 一郎
 だから,靖国の問題でも,僕はこれに対しても異論があるんだけど,今の靖国に参拝するのは良くないというのが僕の持論で,A級戦犯は合祀から外すべきだと。
 そしてやっぱり以前のように天皇陛下を始め,誰もが素直にお参りできる靖国神社にすべきだってのが僕の議論。
 今,総理大臣が行くというのは,僕は,良くないし,結局,逆撫ですることになってるでしょ。韓国であれ中国であれ。

堀 茂樹
 そうですね。

小沢 一郎
 わざわざ,そうやって行って,それで「門戸は開いてます」なんて。自分でそれやっておいて,門戸を開いてますなんて言ったてね。ふざけんなっちゅうことになっちゃうでしょ。
 ですから,ちょっと何か感情的なところにまで来てるのかなあという気がしますがね。

堀 茂樹
 そうですね。何かちょっと子供っぽいことをやってね,肝心のことをやらないってことですよね。(笑。小沢氏も笑)
 私はね,意外と,ちゃんと日本が防衛力を整備するっていうことも肝心のことの一部だと思ってるんですが,何かこう強がりをやるって言うか,挑発をして自己陶酔するっていうようなところは,ちょっと子供っぽいなあというふうに感じてますね。

小沢 一郎
 その象徴的なのが,核武装ですよ。

堀 茂樹
 ふうむ。

小沢 一郎
 僕は,日本が世界の中でしっかりした地位を占める,そういう日本になることを望んでますが,それは核武装か?というんですよ。
 核というのは,結局,使えないですよ。使えない武器ですよね。

堀 茂樹
 はい。

小沢 一郎
 (北)朝鮮も,何だかだやってますけれども,要するに使えないです。あれ使ったら,もう,バンバンやられちゃいますからね。
 使えない兵器を,しかも非常に危ない。放射能を撒き散らす。そういう殺人兵器を,金かけて世界の国々から警戒されながらやるというのは,軍事的にも政治的にも,僕は,核武装の意味ない,と思うんです。

堀 茂樹
 ああ。

小沢 一郎
 もっと良い方法がある。

堀 茂樹
 それは,使えない兵器で,使ってはいけないわけですけれども,抑止力ってことをよく言いますよね。
 日本は実際には,核に関してはアメリカに頼ってるわけだから,日本は自分で核兵器を持ってないけれども,アメリカの核に期待していることは確かですよね。ただしアメリカは実際そんなものは使えるかどうかってことは...

小沢 一郎
 いや,どこも使えないですよ。
 抑止力って言いますけど,じゃあ中国が日本に核攻撃するか? 北朝鮮がするか? というんですよ。それやったときは世界の破滅なんですから。

堀 茂樹
 ああ。

小沢 一郎
 アメリカもやり返すだろうし,ロシアもやり返すだろうし,もうバンバン,バンバン核戦争になっちゃいますから。
 それはお互いに,やれっこないんですよ。だから,やれっこないことは抑止力になんないですよ。

堀 茂樹
 ふうむ。

小沢 一郎
 だから僕は,核武装ちゅうのは,そういう意味で軍事的にもあまり意味ないし,政治的にも意味ないし。
 それでアメリカだのなんだの,いっぱい持ってんだから。それは,それらに任しときゃあいいというふうに思いますし,重ねて言いますけど,他に方法は幾らでもある,と。

堀 茂樹
 政治的努力ということ?

小沢 一郎
 そうです。それは,軍事的にもね。

堀 茂樹
 軍事的にも。ああ,なるほど。

小沢 一郎
 そんな危険なことをする必要はないと思います。

堀 茂樹
 なるほど。コストがかかり過ぎるという面もあると。

小沢 一郎
 そうです,そうです。危ういですよね。うん。
 危ないですよね,放射能というのはね。原発に象徴されてますがね。

堀 茂樹
 しかし,核兵器を持ってるだけだったら,放射能を撒き散らしませんよね。使っちゃったら,エライことになっちゃいますが。

小沢 一郎
 核兵器だって,扱い間違えばね。
 時々アメリカの飛行機,海の中に落っこったりするじゃないですか。
 あれ,飛行機に積んでて落っこっちゃたりしたらね,大変ですよ。危ないですよ,何処にあったって。だからそういう意味では僕は,意味がないと思います。

堀 茂樹
 ああ。そうすると通常兵器で,何かこう整備をすべきだというお考えですか。

小沢 一郎
 通常兵器も何もね,やっぱ,国連にね,国連のための軍を供給するというなら,僕はそれに金かけてもいいと思ってます。

堀 茂樹
 ああ,なるほど。断固たる国連中心主義ですね,それは。

小沢 一郎
 そうじゃないと日本は生きる術ないですよ。今度間違えたら,大変ですよ。
 だからそういう意味で,武装すりゃあするほど,相手国もやるんですから。
 中国やってるから,こっちもやるべきだ,それ軍拡競争になるだけでしょ。
 日本は,技術も資本もありますから,国民ちょっと耐乏生活強いれば,それは軍備はどんどんできますよ。

堀 茂樹
 ああ。なるほど。

小沢 一郎
 だけど,それやったって意味ないでしょ,といってるの。

堀 茂樹
 軽々に例に出すべきじゃないけども,イスラエルと周りの国々との関係ね。どうしようもない状態ですよね。

小沢 一郎
 あれもやっぱりねえ,アメリカも責任あるし。 イスラエルもねえ,二千年経ってオレの国だって言われてもねえ...そもそも建国に なかなか無理があるんですよ,本来。あれも,欧米の帝国主義の産物なんですよ。

堀 茂樹
 そうです,そうですね。そうですよ。

小沢 一郎
 全部もう,イギリスだ,フランスだ,ねえ。
 彼等が大きいこと言う資格ないですよ。全部あそこ植民地にして,独立させるときには勝手に線引いてね,やってるわけでしょ。

堀 茂樹
 アメリカも,そうですね。

小沢 一郎
 シリアだ,なんだかんだつったって。ですから,紛争起こるのは当たり前なんですよ。

堀 茂樹
 ふうむ。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
 小沢、堀茂樹対談:世界と日本(4)へ続きます。
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