独TAZ紙が台湾立法院占拠を解説
2014-04-16

台湾:自由貿易協定への民主主義テスト(独TAZ紙) 4/9 「Entelchenのブログ」から
台湾の学生デモに関する報道が皆無に等しいドイツで、左翼系のTAZ紙が、ようやく少しこの問題について報じていました。
現在EUがアメリカとの間でTTIPを結ぼうとしているなかで、ドイツでは、ベルリンを中心に、自由貿易協定に反対するデモ、協定によって大いに利益を得るアメリカの巨大化学農薬企業モンサントに反対するデモ、ウクライナ紛争に関するドイツマスコミの偏向報道・操作報道を批判する平和デモが起こっていますが(数千人から数万人の参加者がある様子)、ドイツのマスコミは徹底的にこれらを無視しつづけています。
台湾の学生デモについての報道がほとんど見られないのも、その一環と言えるでしょう。
「台湾がすごいことになっている」というと、ドイツ人の友人たちは「え? なんで?」と目を丸くします。
----------------------以下は記事の全文和訳です----------------------
これまでも小国台湾は、中国人と民主主義とウマが合うことを証明してきた。
周知の通り、中国共産党は、この事実を否定しつづけきているが。北京政府が、異端とみなしている民主主義のこの小島台湾で、今、民主主義を大きく発展させる可能性のある学生運動が進行している。
この「ひまわり運動」から教訓を得ることができるのは、中国だけではないだろう。
台北での国会占拠は、中国との間の自由貿易協定に対する反対運動として起こった。
これまで、三つの要素が、反対運動を盛り上げてきてきる。
1.自由貿易は勝者と敗者をもたらすものである。
後者は身を守るために、協定を結ぶ前に、その内容を完全に可視化することを、当然の権利として要求している。
2.しかし、現在EUと米国との間で行なわれているTTIP交渉と同様に、中国と台湾間の交渉も秘密裏に進められ、重要な細部については詳細が曖昧にされたままであったことが、反対運動に火をつけた。
当然のことである。台湾のように、国会やその他すべての民主主義機構が骨抜きにされたとなれば、自分たちが苦労して勝ち取ってきた民主主義に、実際どんな価値があったのか、疑問に思わざるを得ない。
3. 台湾の国民はしばらく前から、二層に分裂している。北京政府寄りの現馬政権を支持する層と、北京政府に反対し、台湾の独立性を重視する層だ。
かつて北京は、軍事的な脅威をちらつかせて台湾を抱き込もうと試みていた。
今日では、中国・北京政権は、経済的に台湾を抱き込もうとしていると、多くの台湾人は危惧しているのだ。
台湾の馬英九大統領は防御にまわらざるを得ない。
国会を占拠した学生達の目的は、これを麻痺させることではなく、国会が持つ本来の権利を取り戻すのを助けることであり、国民から大きな支持を受けているのだ。
彼らを暴力的に掃討することは、25年前の北京で起こった民主主義運動に対する弾圧を思い出させかねず、憚られる。
馬大統領は、公けに、そして幅広く、デモ側と話し合わなければならないだろう。
だとしたら、それは民主主義の勝利である。
かつては軍事的脅威だった北京政府だが、今日では、北京政府による経済的な抱擁が、台湾にとっての脅威を表わしているようだ。
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