遠隔操作、片山氏が保釈を勝ち取る、記者会見全文
2014-03-06

片山被告、1年ぶり保釈…パソコン遠隔操作事件 3/5 読売
パソコン遠隔操作事件で、威力業務妨害罪などに問われた元IT関連会社社員・片山祐輔被告(31)が5日、収容先の東京拘置所から約1年ぶりに保釈された。
保釈後に東京・霞が関で記者会見した片山被告は「外に出ることができてよかった。事件は身に覚えがなく、真犯人は別にいる」と改めて訴えた。
東京高裁は4日に保釈を認める決定をしたが、検察側が最高裁に特別抗告。
これを受け、高裁はいったん保釈を停止したが、検察側の手続きにミスがあり、5日に停止を解いた。
今後、最高裁が保釈決定の是非を判断する。
片山被告は他人のパソコンを遠隔操作して殺人予告をした疑いで、昨年2月に逮捕され、勾留が続いていた。同種の10事件で起訴され、公判が続いている。
堺徹・東京地検次席検事の話「被告には証拠隠滅の恐れがあり、東京高裁の判断は遺憾。最高裁の適切な判断を期待する」
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「真実を探すブログ」氏のコメント。
PC遠隔操作事件で警察に捕まっていた片山祐輔氏が遂に釈放され、3月5日の夜に記者会見を行いました。
片山氏は記者会見で、「検察に犯人と同じ山に登ったのはおかしいと言われた」等と述べ、検察側から一方的な取り調べを受けた事を示唆。
また、「私はやっていないし、身に覚えもない。頑張って裁判を闘っていきたい」とも話しています。
取り調べの時に暴力行為があったのかは分かりませんが、一年間も同じ場所に居続けるのは拷問にも等しかったようで、「今も感覚をしっかりと取り戻せていない」と彼は言っていました。
ユーチューブには会見のノーカットが公開されているので、興味のある方は是非とも見てみて下さい。
他にも色々と興味深い話を片山氏はしてくれています。
それにしても、弁護士の方の物凄い嬉しそうで、見ているこっちまでも笑顔になってしまいました(笑)。
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「自由というのはまぶしい」 遠隔操作事件・片山被告人が保釈会見(全文) 3/6 弁護士ドットコム
パソコン遠隔操作事件について威力業務妨害罪などで起訴され、東京拘置所に勾留されていた片山祐輔被告人が3月5日、保釈された。
片山被告人は、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、「私はやってない。なんの身に覚えもない」と述べ、法廷と同じように無実だと主張した。
●「夜なのにまぶしいです」
片山: この一年間、緊張といろんなことの連続で、本当に疲れ果てました。
まだまだ戦いは長いですけど、がんばって戦っていきたいと思います。
無罪を取るところがゴールということで、現時点はまだ道半ばだと思います。
――まず保釈された今の印象をお願いします。
片山: 印象ですか。
やっぱり、正直に申し上げると、ストロボがまぶしいです。
ちょっと、拘置所を出るところから、目が痛いです。
そういった意味で、気持ち的な意味でも、自由というのはまぶしいものだなと。そんなふうに思います。
夜なのにまぶしいです。
昨日、午後2時ぐらいに小池弁護士の面会がありまして、高裁が保釈を認めたと。
そういうことを聞いて、今日中に出られると思っていたところ、呼び出しが来ない、来ない、来ない。
もう夕食も抜いてもんもんとしていたところ、午後7時すぎぐらいに、刑務官からの告知がきて、高検の検事が最高裁に特別抗告したので、いったん保釈が止まっちゃったと。
その告知だけを受けました。それでガクッときてしまって。
まあ、昨日午後から今まで、情動の上下が激しいというか、とにかく出てくることができて、良かったです。
(今日は)まず朝、裁判所に着いて、弁護人と面会して、特別抗告されて(保釈の)執行が停止になった経緯の説明は受けました。それで、お昼を食べて、(第2回公判に)出廷したあとにOKが出たということで、良かったという感じですね。
――あらためて、無罪を訴える気持ちを聞かせていただきたいのですが。
片山: 私はやってない。なんの身に覚えもない。
本当に1年と20日ぐらい前、今日で389日目ですね。毎日、ノートに日数を書いていたわけなんですけれど。
まさに、寝耳に水の家宅捜索と逮捕でした、
昨年の2月10日は。警察とマスコミから尾行を受けていたことすら、まったく気づいていなくて、前日に行った猫カフェで、正面から写真を撮られていることにすら、気づかなかった。
そんな状態で、寝耳に水の逮捕でした。
●「身に覚えのないアクセス記録」が
――裁判ではほかに真犯人がいて、むしろ遠隔操作されたという主張をしていたと思いますが、そのへんのことについて、ご自身の口からもう一度、説明いただけますか。
片山: そうですね。やはり、身に覚えのないアクセス履歴のようなものが多すぎると。
たとえば、事件に関する報道をものすごく多く見ている。
検察主張では「多数」とか「頻繁に」とか、そういう使われ方をしているんですけど・・・。
たしかに、遠隔操作事件というものが騒がれ始めた初期から、ヤフーニュースのヘッドラインをクリックして見る程度には、見ていたのは事実ですが、「多数」とか「頻繁」とか言われるほど、見ていない。
それで、その記録を精査してもらったところ、何万回という回数、もう人力では不可能な回数、報道記事をアクセスして見ていたりとか。
あと、落合(洋司)弁護士のブログを見たとか、部落解放同盟のサイトを見たとか、そういう事実も全然覚えがないので、そういった身に覚えのないアクセス記録があることから、遠隔操作されていた可能性が高い。
それしか考えられないと思います。
――片山さんとしては真犯人が別にいるということですか?
片山: はい。別にいます。
――真犯人に対して、何か言いたいことは?
片山: そうですね。できれば、出てきてほしい。自首してほしいです。
それが無理なら、「片山さんは犯人ではないですよ」的なアクションをしてくれることを、1%ぐらい期待していなくはないです。
ただ、1年待っても、結局、何もしてくれないわけで。
ラストメッセージでも言っているとおり、犯人はもう、何が起こっても静観するつもりなのかなとか、そんなふうに思ったりもしています。
――質問が2つあります。1つは、いままでメディアにも、ずいぶんいろんなことを書かれてきたと思います。たとえば、首輪をつけるところの決定的な場面があるとか、あるいは、片山さんのスマホから写真が再現されたとか。
そういう今までの報道について、思うことを1つ。
もう1つは、これからやりたいこと。それからメディアの人たちに言いたいことがあれば、お願いします。
片山: 1つ目は、メディアの方に対しても、ちょっと、正直な気持ち、怒りたい気持ちはありますけど。やはり警察発表ですね。
「嘘の大本営発表」って、私は呼んでますけど、まさに大本営発表ですよ。
ありもしないものが出た。そうやって、メディアの人をだました警察が一番悪いのではないかと。
もちろん一番悪いのは、真犯人だと思いますけど。
2つ目のやりたいこと。
これまで私はIT業界で仕事をしてきて、私のできることといえば、やはりITぐらいしかないので、この先、どうやって生きていこうかと。
ちょっとIT業界に戻るのは難しいのではないかと思っていますが、しばらく執筆なり、講演するなり、そういったことで、食べていけたらいいなとか、ちょっと思ったりしています。
●今年は「外でお花見」を
――そこまで長い期間のことではなくても、数日単位ではどうでしょうか?
片山: ここ数日としては、まず、おいしいものを食べて、ちゃんとして、ゆっくりお風呂に入って、自由を満喫したいです。
佐藤博史弁護士: 昨年、捕まったときは、2月10日でした。「桜の花見は外でできますか」と言ったけど、今度は本当にお花見ができそうで・・・
片山: そうですね。3月22日に起訴されてしまって、お花見ができないと確定してしまって、ガクッときてたところを、佐藤先生が・・・
佐藤: 私、家の庭にある桜の枝を折ってきまして、「今年の花見はこれだよ」と言って、接見室で桜を見たんですけど、今年は外で見れそうだと。
良かった。
片山: はい、はい。そうですね。
――2回の公判に出て、検察側がまず主張したのをご覧になって、何か反応や思いはありますか?
片山: そうですね。これまで、公判前整理手続が、多数回おこなわれてきて、証明予定事実というものがいくつも出てきているので、もうすでに検察主張は見ていて、「特に新しいことは言っていないな」と。
なので、公判が始まったから、何か検察の言っていることに対して、印象が変わったとか、そういったことはないという感じですね。
――公判前も含めてどうですか。検察が言っていることを聞いていて、ああいうことで犯人にされてしまうのかなと不安になるようなことがあるとか、そういうのはどうでしょう?
片山: やはり、そうですね。いろいろな面で、証拠上、矛盾しているところがある。
たとえば、江の島の猫の首輪から出てきたDNAは別人のものだったりとか。
その、さまざまな面の矛盾点が、そこかしこにあるにもかかわらず、屁理屈でごまかしていると。
DNAに関していえば、他人のDNAが混入しただけだとか。そもそも、私のDNAが出ないことが重要なわけで、他人のDNAなんかどうでもいい。
そういった論調で、屁理屈で証拠の矛盾をごまかしている。
そういった印象を受けます。
――今後、そういったことをご自身も積極的に発信したり、主張していったりする予定ですか。メディアなんかに対して。
片山: できればしたいです。
佐藤: 今後のこととして、極めて重要なことで、私たちが保釈を求めていたのもそうなのですが、データの解析を、特別弁護人と一緒にやらなければいけないんです。
その作業があります。
今日、(検察側が)ずっと立証していた片山さんのパソコンの中から出たものというのは、全部、データベースの形で私たちも持っているので、その解析の作業がとりあえず、すごく大事なことです。
今日、(第2回公判の)法廷で出てきたイコマ証人ですが、そのことを破るもの、自分が遠隔操作されていたという根拠を見つけていくということを、車の中でも言っていました。
片山: そうですね。自分もあまりウイルスとかセキュリティに関してのスキルは正直ないですけれど、自分のできるかぎり、自分の使っていたパソコンのことですし、何かおかしいことがあれば、特別弁護人ではなく、まず自分で気付くべきだと。
何かおかしいところを少しでも探していきたいと思っています。
――片山さん自身は、犯人に対して、まったく心当たりのようなものはないんですか?
片山: ないですね。はい。
――その点に関連して、検察側はパソコンにウイルスを作成した途中のファイルが残っているなど、そういう形跡があると主張しているようですが、その点については、どうお考えですか?
片山: やはり、私のパソコンが遠隔操作されていた以上、何があってもおかしくないわけです。
犯人はファイルを置くのも、盗むのも、消すのも、自在だったわけですから。
犯人が使った遠隔操作ウイルスは、iesys.exe(アイシス)だけとは限らないと思います。
そこらへんにある、ネットで拾ったウイルスなんかの亜種みたいな形にして使っていたのかもしれないですし。
その辺は、結局、今後、解析してみないとわからないですけど。
なんらかの形で、iesys.exe、または、iesys.exe以外の方法で、私のパソコンが操られていた可能性が100%だろうと思います。
●遠隔操作されているとは「思わなかった」
――そのときは、ご自分はまさか自分のコンピュータが遠隔操作されているとは、夢にも思わなかったんですか?
片山: 思わなかったです。わからなかったです。
――検察側としては、そのうえで、ファイル・スラック・スペースに意図して痕跡とかを残せないので、遠隔操作はないという主張もしています。
片山さん自身としては、遠隔操作はそもそもされている、ありえないことはないということですか?
片山: そうですね。そもそも、ファイル・スラックという言葉自体、今日初めて知ったんです。
原理を聞いたかぎり、上書きされて残ったスペースということなので、遠隔操作されてファイルを置かれて、消されて、ほかのファイルが上書きされて、残ったスペースにデータが残るということは、十分ありうることだと思うんです。
「遠隔操作では、ファイル・スラック・スペースは自由に残せない」という主張がよくわからないというのが、正直なところです。
佐藤: さきほどの質問で、iesys.exeを作る途中のファイルが見つかったとおっしゃったと思いますが、私たちの理解が正しければ、実はiesys.exeのソースコードというのが送られてきたために、iesys.exe自体のソースコードはわかっているわけですね。
その保存のフォルダというのが、「F」というフォルダということはわかっている。
それで、片山さんの派遣先を見つけたら、本来あるフォルダと違う「F」というものがあったという説明がありました。
これは極めて特殊なフォルダだと言っていたと思いますが、これは片山さんの目からみると、まったく見えないフォルダです。
そこに、いま彼が言うように、上書きをすると、ファイル・スラックというところに残るだけの話なので、「F」がいかにもなにか意味がありそうで、iesys.exeと結びつくんですが、片山さんサイドからみると、まったく見えないフォルダですからね。
そこへ犯人がアクセスして、何度かそれを上書きしていれば、ファイル・スラックに痕跡が残ると。
その痕跡というのは、要するに、iesys.exeにたどり着く文字列が共通していたから、そのiesys.exe関連のものだということを言っているだけですよ。
片山: その「F」に心当たりがないわけではないんです。
一応、自前で持ち込んでいたポータブルアプリケーションを起動するのに、トゥルー・クリプト・ボリュームを使ったり、subst コマンドを実行したりして、仮想ドライブという形で使うことはしていたんです、事実。
その際に、Fドライブというものは、心当たりがないわけではないです。
ただ、Vプロジェ・フォルダとかは、おそらく隠しフォルダになっていたので、自分では見えなかった。
ちょっと、佐藤先生の主張を訂正させていただきたいです。
佐藤: いまのそこが、どうやら検察の主張のキーだということは、今日の証人でわかったと思います。
ファイル・スラックのことは、さっきの車の中でも、まったくわからないと。
原理的にいって、上書きをして、断片みたいなものが残っているという説明なんですけど。それは犯人がそういうことをすれば、とにかく残るというだけの話ですね。
片山: そうですね。
●「犯人に仕立て上げられた」
――今後、ご自身でパソコンのデータなどを解析していって、無罪を取る自信はおありですか?
片山: もちろん、それ以外のことは考えていません。
――真犯人については、想像するしかないと思うんですが、片山さんと面識のある人物の可能性っていうのはあると思いますか?
片山: うーん。ないのではないかなと。
――まったく知らないということですか?
片山: おそらくそうです。
――それは?
片山: 私が想像しているのは、たぶんiesys.exeではないウイルスを何十人にもばらまいていて、
その何十人のパソコンをくまなく調べていたところ、たまたま前科のある私を犯人が見い出した。「じゃあ、こいつをスケープゴートにしよう」ということで、犯人に仕立て上げられていったのではないかと、私は推測しています。
――単純な疑問として、江ノ島と雲取山に行かれていると思うんですが、その辺はどのようにご説明されるんでしょうか?
片山: まあ、ただ普通に行っただけなんです。
冒頭陳述でも言ったのですが、どちらについても、行く何日も前から、雲取山については1カ月以上前から、ネットで下調べしてルートを調べたりしていたので、
犯人が私の画面を監視していたりすれば、当然私がそこに行こうとしていることを掴むことは可能だったと思います。
――初公判のとき、ご自身で1時間、冒頭陳述をされていましたが、あれはなぜ自分でやろうと思ったのですか?
片山: 弁護人のすすめで。
――ぜひ、やりたかった?
片山: たしかに言われてみれば、自分で言いたいこともいくらでもありましたし、今になってみてもやって良かったなと思っています。
前例のないことだと弁護人から説明はされていて……。
佐藤博史弁護士: 相当、努力してくれたんですね。テーマを与えて、少しずつ、少しずつ作っていって、面会をして最終的に仕上げたということだったんですけど。
それは彼にとっても、すごく良い経験だったと。
片山: そうですね。
――これから公判をやっていくわけですが、片山さんがこれまで公判前などを通じて、検察の証拠などをみて、もし自分が犯人だったら絶対これはないな、これは決定的に間違っているというように、なにか言えるようなものが、もしあったら教えてください。
片山: 雲取山ですね。
埋められなかった。スコップなんか持ってなかった。山頂に複数の人がいた。山頂でそれなりに交流もあった。
人が見ている横で、鍋を出して何か調理している人がいるところで、ザックザックと掘っているようなことをしていたら、絶対に目立ちますよ。
私が滞在していた30~40分の間に、少ないときで3人、多いときで6、7人にはなっていて、山頂で1人になったことはない。
――鍋?
片山: 何か火をたいて調理していた。
――山頂でですか?
片山: 山頂で。はい。(そういう)人もいたということですね。
私は、コンビニおにぎりで食事を済ませたんですけど。
●「佐藤弁護士と知り合えたのが大きかった」
――検察から特別抗告という手続きが踏まれたことについて、どのようにお考えですか?
片山: 保釈の特別抗告ですか?
やはり、最後の悪あがき、というふうにしか思えません。
何が何でも私を外に出すまいとする、そういう姿勢が感じられます。
――いままで、非常に拘束が長くて、こんなに長い拘束になるのであれば、「ウソでも良いから認めておけばよかった」とか、気持ちが折れそうになったというのは、なかったですか?
片山: ないですね。やはり、早い段階で佐藤弁護士と知り合えたことも大きかった。
とにかく取り調べを拒否しなさい、録音・録画されないなら、と。
そういうことで警察の取調官と人間関係を形成する前に、弁護人と仲良くなっておけたので、そのへんについては良かった。
良い方向だったのかなと思っています。
佐藤: 私のことだけ言ったのですが、本当に感謝しなければいけないのは、隣の竹田弁護士ですからね(笑)。
片山: たまたま当番弁護士として来て・・・。
佐藤: 私よりはるかに責任を感じて、回数もたくさん、接見をずっとしてくれたので。
片山: 最初の2カ月ほどはもう、完全に毎日、一日も休まず面会に来てくれました。
土日も休まずに。
佐藤: ちょっと厳しいお父さんみたいな私ですけど、甘えられるのは竹田さんなので。竹田さんのサポートがあったんだね(笑)
――毎日?
片山: はい。休日というものがないぐらい、毎日、警察に来てくれました。
佐藤: そのころはけっこう、私も毎日行ってたんですよ(笑)。
東京拘置所に行ってからはちょっとだけ頻度が落ちましたけど。
●「保釈金はお母さんが用意してくれた」
――検察が片山さんをどうしても外に出したくなかったのは、ご自身としては、なぜだと思いますか?
片山: 仮に私が犯人だとして、冒頭陳述でも書いたことですが、「鬼殺銃蔵」のメールアカウントはまだ生きている。
僕が犯人だとしたら、そのメールアドレスを知っている。それを使って、「私が真犯人ですよ」メールを出すような工作をするのではないか。
検察はたぶんそこを恐れているのだろうなと思っています。
当然、私は犯人ではないですし、何の手出しもできないです。
佐藤: いま言ったのは、(鬼殺銃蔵の)パスワードを知っているはずだって話だよね?
片山: もし犯人なら、(鬼殺銃蔵の)パスワードを知っていて、検察の言葉でいうなら「虚偽の真犯人を作りだす行為をする恐れ」ですね。
そこに集約されると思います。
――今の点ですが、パスワードを盗まれていたかもしれないとなると、どこかのパソコンとかにそのパスワードを保管していたということを・・・
片山: はい。自分のパソコンには各種アカウントのパスワードをメモして、テキストにして置いてあったので、それを盗まれていたのなら、なんでもやりたい放題ですね。
例えば、iesys.exeのテストに使われた、「したらば」の「auto/6682」に関してもそうですね。
あれは、たしかに私が開設したものです。
6682という番号自体は、システムから割り振られる通し番号ですが……。
佐藤: 鬼殺銃蔵のパスワードは、犯人は知ってるけど、片山さんは知らないわけで。
自分のパスワードは盗まれていた可能性があるということですよね。
――保釈保証金1000万円の原資は?
佐藤: それはお母さんが出してくださいました。昨日、連絡を受けて、「すぐ用意してください」と。
事前にどのぐらい用意できるんですかと聞いてはありましたが、裁判所から言われたのが1000万円で、ちょっと私たちとしては大変だったんですけど、お母さんがすぐ準備していただいて・・・。
午前中ぐらいだったかな、私のところに振り込まれて、それですぐ済んだのです。
――全面的に否認していますが、長い間拘束されて、法廷では検察官に追及されて、いま法廷に立たれている際のご心境というのは?
片山: まだ本格的に追及はされていないといいますか、今後、被告人質問かなにかでの追及は心にダメージを受けそうな気がしますけれど・・・。
捜査段階では、早い段階で取り調べを拒否してしまっていたので。
検察官からの追及という点で、いままで、「この人、言ってることおかしい」と感じたのは去年の3月5日、まさに今日ですね、
水庫(みずくら)検事の取り調べのときだけですね。
今後、検察官が私と対面して、どう言ってくるか、それにどう対応するか、ちゃんと心構えをしなければと思っています。
佐藤: 今ので思い出したけれど、3月5日の取り調べがあった後、警察に行ったら、「ものすごく疲れました」と彼が言ったので、相当厳しい追及にあってダメージを受けたのかなと思って、
よく聞いてみたら、ずいぶん反論をしていたんですけど、すごくいろいろなことを言われたんですよね?
片山: はい。
佐藤: 言いたい放題、言われちゃって。
片山: はい。
佐藤: そういうダメージを受けていたことは、ホント、思い出しました。
――言いたい放題というのはどういう?
片山: もう、「証拠の評価からすると、君は有罪だ」とか、「やっているけれど認めないか、やっていないから認めないか、いくつか選択肢はあるけれど、君はどうするのが得か考えてみな」みたいなところから始まって・・・。
その前、検事の自己紹介の時点で、「私は特捜部所属だ。今は刑事部に応援に来ている」というようなことを言われました。
それ自体は威圧的ではなく、ただの自己紹介だったのかもしれないんですが、その後もいろいろと・・・。たとえばC#に関するスキルとかも、「僕はそんなウイルスなんか作る能力はない」と言っても、「こっそり勉強していたかもしれない」のように言われ・・・。
私は「そんなの悪魔の証明ですよ」と返してやったんですけど。
あと、そうですね、雲取山に関しては、そもそも水庫検事は、雲取山のことを知らないみたいで、「あまりメジャーでない山に登った。
犯人と同じ山に偶然登った。おかしいじゃないか」的なことを言ってきたので、私は「いや雲取山、知らないんですか? 東京都最高峰ですよ」と言い返してやりました。
まあ、そんな感じで言い合いの連続で非常に疲れました。
――お母さまには会えたのですか?
片山: まだ会ってないです。
――最初に会って、どんな言葉を?
片山: まあ、「ただいま」と。
佐藤: 実は、車の中に弟さんがいて、一緒に迎えに行ったんです。
で、乗り込んで「やあ」って、助手席と後部座席で握手したわけですけれど、身内で最初に会ったのは、弟さんですね。
――弟さんとは、どんな話をしましたか?
片山: まあ、世間話程度です(笑)。
――今回の事件以降ですが、えん罪について勉強されたりされましたか?
片山: はい、かなり。弁護人から、たとえば足利事件だったり、松本サリン事件だったり、そういった本を差し入れてもらったりとか・・・。
佐藤: 河野義行さんの本ですね。
片山: あと、国策捜査関連ですね。鈴木宗男さんの事件とか……。
佐藤: 佐藤優さんの。
――本はどれぐらい読まれたのですか。
片山: この1年で500冊は超えていますね。
佐藤: 江川さんが書かれた村木(厚子)さんの本も……。
片山: あれも熟読しました。本の差し入れは竹田先生から。
佐藤: マンガも読みましたけどね、たくさん。
――体調はどうですか。
片山: まあ、悪くはないですが、やっぱ歯の治療が必要なところ・・・あそこは申し込んで3カ月待ちなので、いま歯に大きい穴が空いた状態で、早く歯医者に行きたいですね。
佐藤: そうそう。健康保険もね、切れちゃって。
片山: 会社の健康保険はもう使えないので、早く国民健康保険に入って、必要な診察を受けたいと思います。
――去年逮捕されてから1年、いまも裁判は継続中で、被告人という立場で、世の中的には犯人なんじゃないかという見方も今まではあったと思うんですけども、いま一番、誰に対して何を言いたいですか?
片山: やはり家族に対して、「いままでも、いまも、信じてくれていてありがとう」と言いたいです。
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※ でっち上げられた冤罪、PC遠隔操作事件については
「PC遠隔操作事件、片山被告書面インタビュー」
「PC遠隔操作事件、片山祐輔氏冒頭意見陳述」
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