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ウクライナの政変

 ウクライナ

   今度はウクライナで政変 2/25 闇株新聞

 ロシアとプーチン大統領が威信をかけたソチ・オリンピックが、心配されていたチェチェンなどのイスラム過激派によるテロもなく、無事に閉幕しました。

 チェチェンはソチからみて東側にありますが、オリンピック期間中にソチの西側で距離的にはるかに近いウクライナで政変があり、親ロシアのヤヌコーヴィッチ大統領が2月22日に議会によって解任されました。

 ウクライナは1991年に旧ソ連の崩壊により独立したのですが、歴史的にロシアに近い東部と、ヨーロッパに近い西部が対立していました。

 東部出身のヤヌコーヴィッチ大統領は、昨年11月にEUとの関係を強化する連合協定を見送り、見返りにロシアから150億ドルの資金援助と天然ガスの価格引き下げを引き出したのですが、これをきっかけに首都キエフを含む国土の西半分で反政権デモが激化していました。

 ヤヌコーヴィッチ大統領は解任直後に東部の主要都市・ドネツクからロシアに逃亡しようとしましたが国境警備に阻止され、現在は行方不明ですが無事のようです。

 また同じ2月22日に、ヤヌコーヴィッチ大統領の政敵で投獄されていたティモシェンコ元首相が釈放され、5月に予定されている大統領選挙への出馬に意欲を示しています。
 ティモシェンコ氏は近くドイツを訪問してメルケル首相と会談する予定で、とりあえずウクライナは親EU路線となります。

 しかしそれほど単純でもなさそうです。

 ウクライナの全人口4500万人の約8割はウクライナ人で、残る2割弱がロシア人です。ウクライナ東部は親ロシアで確かにロシア人の比率が西部よりも高いのですが、それでもロシア人が半分以上いるのはクリミア半島などのごく一部です。

 宗教は全人口の9割が東方正教会(ウクライナ正教会)で、残る1割がカトリックです。

 つまりウクライナは、ウクライナ人によるキリスト教(東方正教会)国家なのです。
 なぜこのような書き方をしたのかといいますと、国家が2つ以上に別れて憎しみ合う時は、普通は民族が違うか宗教が違うときです。

 それではウクライナは、何で親ロシアと親EUに別れているのでしょう?

 単純に経済的動機だけのような気がします。わかりやすくいえば、どちらに頼ればより面倒をみてくれるのか?だけです。

 ロシアは当然のように約束していた150億ドルの資金支援を先送りしました。まだ未実行だったのですが、親EU政権となれば永久に先送りとなります。
 また国際価格よりもかなり安価で提供している天然ガスの値上げ、あるいは供給停止も打ち出す可能性があります。

 またウクライナは300億ドルをこえる対外債務を抱え、S&Pが格付けをCCCまで引き下げており、デフォルトの可能性が高まっています。

 それに対してはEU、IMF、米国政府までが早くも金融支援について話合いを始めました。欧州の銀行はウクライナ向け債権やウクライナ国債の保有が多く、せっかく経済が上向き始めたタイミングでのデフォルトは絶対避けなければならないのですが、かといって財政再建のさなかに巨額の金融支援などできるはずがありません。

 IMFも2008年の金融危機時に緊急融資した165億ドルの大半が焦げついており、新規融資なしでEUに支援してほしいはずです。米国も対ロシア戦略の一環として首を突っ込んでおきたいことと、米国経済のためにもデフォルトを食い止めたいのですが、たぶん口を出すだけでしょう。

 つまり実際にどこが金融支援をするのか?はこれからなのです。多分日本にも支援要請がくると思いますが、日本はもっとそれどころではありません。

 またウクライナでも、EUが十分に面倒をみてくれなければ親EU政権もすぐに危うくなるはずです。そうすればまた親ロシア勢力の巻き返しとなるのでしょう。

 ウクライナ政変は、民族や宗教の違いによるものではなく、単に「ロシアに頼るより、EUに頼ろう」とする勢力が、国民の支持を得ているだけです。

 だとすれば過剰期待で、すぐに失望が広がるような気がします。ウクライナ経済を丸抱えで救済できるところなど、どこにもないからです。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
※ (もうすぐ北風) 

 現在はウクライナ語、ウクライナ民族であるが、実はロシアの原型は9世紀のキエフ・ルーシ(ロシア)であある。
 12世紀モンゴルの征服によってキエフ・ルーシはキプチャクの直轄となり、その後に北方モスクワにキプチャク公認のモスクワ公国が生まれ、これが後に18世紀ロシア帝国に膨張拡大したものである。
 従って、ロシア語を含む東スラブ語の分散分岐は14、5世紀からといって良く、現状は農民同士でも通訳などはあり得ない。

 ソビエト政権は連邦制の要であるロシアを含め15の共和国で構成されたが、ウクライナと白ロシア(ベロルシア、ベラルーシ) はほとんどロシアと民族的差異もなく、意識的に民族融合の努力も不要だったために、ソ連と同等に国連議席をもっていたのである。
 スターリンのソ連にとっては、最も安心できる「身内」だったといって良いだろう。

 9割を占める正教会の歴史も、大衆に浸透したのは同じく数百年であるが、ウクライナの西部4分の一くらいは旧ポーランドだったためにカトリックが比較的多い。

 闇株氏のいうとおりで、言語、民族も宗教はまるで決定的な要素とはなりえなく、ロシアと分離したのもソ連崩壊の時点で15の共和国の一つであり、旧ソ連内の内紛を避けるためには一律に15の独立国家とするしかなかったことによるものである。
 
 フランスよりもやや大きい面積とやや少い人口のウクライナは、ソ連時代の農業、工業の中心地であり、ロシアを除けば最大の大国である。
 シベリア、中央アジア、カフカースから欧州へのパイプラインも縦横に走っており、西側欧米にとっては是非とも欲しい地域である。
 
 つまり、ロシアにとってはほぼ同じ民族の一大重要地であり、西側にとっても農業生産とエネルギーの要地である。
 いわゆる「オレンジ革命」は当時の物価差を利用した西側資金の大量投入、大衆動員で成し遂げたものだが、今回の政変は最終的に武装したゴロツキ部隊の登場と軍の「穏健な寝返り」で政権を崩壊させた。
 その点では軍の「穏健な」クーデターで結末をつけたといっても良いだろう。
 そして、そうなった原因は西側の資金不足と言って良いだろう。

 西側は十分な資金援助をできない。
 ロシアもそんな資金はない。だがロシアは隣接の地の利があり、エネルギーを握っており、民族、宗教のみならず、交通などの生活、インフラその他すべてが互換共通規格の有利さがある。
 ウクライナ政変は長期には持たないだろうし、どこかしらを突くことでじきに戻りそうである。 
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コメント

国際クーデター部隊

こんにちは。200万アクセスおめでとうございます。

ウクライナ政変はEUと米による対ロシア経済包囲です。ロシアにとってのウクライナは生命線です。ウクライナへの影響力を失えば黒海の使用可能な海岸線が大幅に縮小され、ロシアの軍事・貿易の両方が圧迫されます。またウクライナが西側化すると黒海にNATOや英米の軍艦がうろつく権利を得てしまいます。(トルコにとっては迷惑千万です。)

デモの映像で見た限りでは去年のトルコでおきた国際クーデター部隊の活躍によるデモと同様のシナリオです。海外から活動家が集まり、学生を煽り、打ちこわし、ピアノを弾き、「民衆の力の美化」を配信し、西側が一方的に勝利宣言をして世界の世論にそれを認めさせたようにしか思えません。ウクライナの民意などは置き去りでしょうし、それほどの民意があったかどうかも疑問です。おっしゃるとおりどこに面倒を見てもらうかの戦いであり、それによって100以上の死者が出ています。空し。

ありがとうございます

21日のポーランド、独、仏を交えた野党側との合意の結論が出た後の午後に、大統領官邸の警備隊は全員いなくなったとのこと。
ヤヌコビッチ氏はその前に予定されていた出張でハリコフに向かっていたとのこと。

> ウクライナ政変はEUと米による対ロシア経済包囲です。ロシアにとってのウクライナは生命線です。ウクライナへの影響力を失えば黒海の使用可能な海岸線が大幅に縮小され、ロシアの軍事・貿易の両方が圧迫されます。またウクライナが西側化すると黒海にNATOや英米の軍艦がうろつく権利を得てしまいます。(トルコにとっては迷惑千万です。)
・ なるほど、ロシアにとっては最重要国を超えて、「生命線」ということですね。
 農業も工業も別な国は建て前で、実際は一体の経済交通ということですね。

> 西側が一方的に勝利宣言をして世界の世論にそれを認めさせた
・ そのとおりの進み方をしています。
 オレンジ革命とやらも今回も、やり方に「英国の匂い」を感じます。
 ただ、前の選挙でヤヌコビッチが勝ったことを考えると、西側は本当に展望があるのだろうか。
 ロシアと全面対決してウクライナを得ても、その損益にはどうも疑問があるのです。
 おまけに北西部は放射能汚染である。
 穿った見方としてはロシア潰しに加えてドイツ潰しか、つまりユーロ潰しかという気もしないではありません。



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