原発は敷地ごと崩壊する可能性
2014-02-23
汚染水で脆い地盤がユルユル…福島原発“敷地ごと崩壊”危機 2/22 日刊ゲンダイ
ソチ五輪のお祭りムードを吹き飛ばす驚愕のニュースではないか。福島原発の貯水タンクから高濃度の汚染水100トンが漏水していた問題だ。
事態を20日に公表した東京電力によると、原発敷地内の「H6」というタンク群の1基(容量1000トン)で、ふたと側面の継ぎ目付近から漏水し、周辺の地面に流れ落ちているのが確認されたという。東電は「海への流出はない」なんてノンキなことを言っているが、冗談ではない。
漏水に含まれる放射性物質のストロンチウム濃度は1リットル当たり2億4000万ベクレルで、国の基準値のナント、400万倍だ。「海に流れていないからOK」で済む話ではないし、敷地の地中に染み込んだこと自体も大問題なのだ。
もともと福島原発の下は大量の地下水でユルユルだという。そこにどんどん水が入れば、プラントはグラグラになってしまう。
「67年に発行された『土木技術』(22巻9、10号)の『福島原子力発電所土木工事の概要』を読むと、福島原発は地下水が豊富で、地盤がもろいかが分かります。
著者は当時の佐伯正治・東電福島原発土木課長で、〈土工事にとって最も重要な問題は排水処理である。当所でもこの問題には大いに悩まされた〉と振り返り、福島原発の設置工事は湧水続きで難しかったことが記されています。
地盤についても〈湿潤化した場合泥土化してゆるくくずれやすくなる〉とも書いています」(科学ジャーナリスト)
民主党の辻元清美衆院議員は、昨年10月の経産委員会で福島原発の地下水問題を取り上げ、〈地下水の水圧に押され(略)建屋が浮いてこないように1日850トンもの水を汲み上げて(略)防いできた地層〉と指摘していた。
これが本当なら、福島原発はプールの中に箱が“浮いている”ようなもの。
汚染水のダダ漏れで“プールの水位”が上昇を続ければ、ある日突然、福島原発は敷地ごと“崩壊”しかねない。
原子炉ごと海に向かって倒れ込み、誰にも制御できないまま沈んでしまう危険性もある。
タダでさえ、地下水がジャブジャブな敷地に大量の汚染水をあふれさせるなんて愚の骨頂だ。まったく「アンダーコントロール」されていない。
ーーーーーーーーーーーーー
※ (もうすぐ北風)
日刊ゲンダイ風のやんちゃ言葉を除けば、これらは事実である。

上の図にあるように福島第一原発は安定地塊である洪積層を、図の左端及び左欄外に相当する位置で十数m切土している(数段に分けて切っているはず)。
当然ながらこうした大きな切土はあちこちから大量の地下水が湧出する。
みなさんもよく見かけるだろうが、道路の法面などは排水を入れてあっても数mの切面でも、始終補修しているのはこの湧出水のせいである。
湧出水は通常は法面の地山の地中から排水処理されている。
地表面への湧出は地下が水であふれたからと言ってもよい。
従って、放置すると地山の崩壊、流動に至るのが土木工学の常識。だから始終法面補修をする。
自然の地形は経年変化して地塊、地山というものも崩れたり、流動したりしているのだが、道路のような営造物は守らなければならないので、排水処理してその地山の流動、崩壊を防いでいるわけである。
福島第一原発はこの地下水と湧出水のポンプアップ排水路が地震で崩壊し、事故以来の三年間に大量の地下水が浸透している(地中であふれているという言い方でも良いだろう)と見るべきである。
上の図の地下水脈はもちろん模式図であるが、水は水脈というより実際は「水域」のメッシュになっているだろう。
地下全体が恐るべき高濃度汚染水で充満されている。そしてメルトダウンした核燃料が時折ふつふつと再臨界している。というのが実態と思われる。
放置すると地山の崩壊、流動となる。
つまり記事にある「ある日突然、福島原発は敷地ごと“崩壊”しかねない。原子炉ごと海に向かって倒れ込み、誰にも制御できないまま沈んでしまう危険性」というのは、決して大げさな話でなく、具体的な事実なのである。
付け加えるなら、火山列島で降雨量の多い日本では大陸のような石のように強固な岩盤は存在しない。
みないわゆる安定地塊であって、吸水する脆い地盤である。
日本の原発は全てが海岸の丘陵地や山地にある。
ということは断崖絶壁を数段から十数段、十数mから数十mの切土法面を作って造成されている。
事故が起きて排水が崩壊し、放射能漏れで原型復旧が遅れた場合は敷地ごと地山の崩壊、流動をおこす。
この点は、すべての原発が同じ条件である。
ソチ五輪のお祭りムードを吹き飛ばす驚愕のニュースではないか。福島原発の貯水タンクから高濃度の汚染水100トンが漏水していた問題だ。
事態を20日に公表した東京電力によると、原発敷地内の「H6」というタンク群の1基(容量1000トン)で、ふたと側面の継ぎ目付近から漏水し、周辺の地面に流れ落ちているのが確認されたという。東電は「海への流出はない」なんてノンキなことを言っているが、冗談ではない。
漏水に含まれる放射性物質のストロンチウム濃度は1リットル当たり2億4000万ベクレルで、国の基準値のナント、400万倍だ。「海に流れていないからOK」で済む話ではないし、敷地の地中に染み込んだこと自体も大問題なのだ。
もともと福島原発の下は大量の地下水でユルユルだという。そこにどんどん水が入れば、プラントはグラグラになってしまう。
「67年に発行された『土木技術』(22巻9、10号)の『福島原子力発電所土木工事の概要』を読むと、福島原発は地下水が豊富で、地盤がもろいかが分かります。
著者は当時の佐伯正治・東電福島原発土木課長で、〈土工事にとって最も重要な問題は排水処理である。当所でもこの問題には大いに悩まされた〉と振り返り、福島原発の設置工事は湧水続きで難しかったことが記されています。
地盤についても〈湿潤化した場合泥土化してゆるくくずれやすくなる〉とも書いています」(科学ジャーナリスト)
民主党の辻元清美衆院議員は、昨年10月の経産委員会で福島原発の地下水問題を取り上げ、〈地下水の水圧に押され(略)建屋が浮いてこないように1日850トンもの水を汲み上げて(略)防いできた地層〉と指摘していた。
これが本当なら、福島原発はプールの中に箱が“浮いている”ようなもの。
汚染水のダダ漏れで“プールの水位”が上昇を続ければ、ある日突然、福島原発は敷地ごと“崩壊”しかねない。
原子炉ごと海に向かって倒れ込み、誰にも制御できないまま沈んでしまう危険性もある。
タダでさえ、地下水がジャブジャブな敷地に大量の汚染水をあふれさせるなんて愚の骨頂だ。まったく「アンダーコントロール」されていない。
ーーーーーーーーーーーーー
※ (もうすぐ北風)
日刊ゲンダイ風のやんちゃ言葉を除けば、これらは事実である。

上の図にあるように福島第一原発は安定地塊である洪積層を、図の左端及び左欄外に相当する位置で十数m切土している(数段に分けて切っているはず)。
当然ながらこうした大きな切土はあちこちから大量の地下水が湧出する。
みなさんもよく見かけるだろうが、道路の法面などは排水を入れてあっても数mの切面でも、始終補修しているのはこの湧出水のせいである。
湧出水は通常は法面の地山の地中から排水処理されている。
地表面への湧出は地下が水であふれたからと言ってもよい。
従って、放置すると地山の崩壊、流動に至るのが土木工学の常識。だから始終法面補修をする。
自然の地形は経年変化して地塊、地山というものも崩れたり、流動したりしているのだが、道路のような営造物は守らなければならないので、排水処理してその地山の流動、崩壊を防いでいるわけである。
福島第一原発はこの地下水と湧出水のポンプアップ排水路が地震で崩壊し、事故以来の三年間に大量の地下水が浸透している(地中であふれているという言い方でも良いだろう)と見るべきである。
上の図の地下水脈はもちろん模式図であるが、水は水脈というより実際は「水域」のメッシュになっているだろう。
地下全体が恐るべき高濃度汚染水で充満されている。そしてメルトダウンした核燃料が時折ふつふつと再臨界している。というのが実態と思われる。
放置すると地山の崩壊、流動となる。
つまり記事にある「ある日突然、福島原発は敷地ごと“崩壊”しかねない。原子炉ごと海に向かって倒れ込み、誰にも制御できないまま沈んでしまう危険性」というのは、決して大げさな話でなく、具体的な事実なのである。
付け加えるなら、火山列島で降雨量の多い日本では大陸のような石のように強固な岩盤は存在しない。
みないわゆる安定地塊であって、吸水する脆い地盤である。
日本の原発は全てが海岸の丘陵地や山地にある。
ということは断崖絶壁を数段から十数段、十数mから数十mの切土法面を作って造成されている。
事故が起きて排水が崩壊し、放射能漏れで原型復旧が遅れた場合は敷地ごと地山の崩壊、流動をおこす。
この点は、すべての原発が同じ条件である。
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コメント
あるがとうございます。
たまに新聞などに「困難を極める収束作業」などと、とんでもない記事が載っているようですが、どこで収束に向かっているのか。
収束に向かうプランさえ何もなく、三年間。
今も次から次へと放射能放出の拡大に追われて、応急対策の作業が続いているが、その応急作業自体が破綻し始めている。
とんでもない事態に備えて、関東や宮城県の人はいつでも脱出できる用意をしておくべきです。
仮に無事であっても、環境が汚染されているので、三田医師は転地療養を「強く」進めています。
もう一つありがとうございます。
いつの間にか200万アクセスとなりました。
1円にもならないけれど、いつの間にか大切な仕事になってしまいました。
これからもよろしくお願い致します。
収束に向かうプランさえ何もなく、三年間。
今も次から次へと放射能放出の拡大に追われて、応急対策の作業が続いているが、その応急作業自体が破綻し始めている。
とんでもない事態に備えて、関東や宮城県の人はいつでも脱出できる用意をしておくべきです。
仮に無事であっても、環境が汚染されているので、三田医師は転地療養を「強く」進めています。
もう一つありがとうございます。
いつの間にか200万アクセスとなりました。
1円にもならないけれど、いつの間にか大切な仕事になってしまいました。
これからもよろしくお願い致します。
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