小沢氏1/8年頭所感
2014-01-09

年頭所感 生活の党代表 小沢一郎 生活の党
民主主義の「再生」に向けて
はじめに
明けましておめでとうございます。昨年中は皆様方に本当にお世話になりました。
お力添えをいただいたにもかかわらず、二回の国政選挙で厳しい結果を招き、大変責任を感じております。
ただ、お詫びを申し上げるだけでは済まされません。今年こそ、国民の期待に応えられる一年にしなければならないと決意を致しております。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
自公政権の復活で再び官僚政治へ
さて、一昨年末及び昨年7月と二回の国政選挙により、巨大与党が出現しました。
現在の安倍政権は、歴史の針を逆行させるように、官僚主導型の中央集権政治を完全に復活させました。
生活の党は、安倍政権の進める政策が「国民の生活が第一」という思想と真逆のものであり、明らかに間違っていると確信しております。
悪い物価高で国民の生活は逆に苦しくなる
現政権の最大の問題は経済政策です。
今、「円安政策」により物価が上昇しています。
安倍政権は、大企業向けの減税を強化することで給与が上がっていくというシナリオを描いていますが、現実には収益は内部留保として留まり、給与は今後も上昇せず、結果として国民は所得増なき物価高に苦しめられるだけでしょう。
また、4月からの消費増税が、回復しつつある個人消費の足を引っ張るでしょう。
アベノミクスで「格差」は拡大の一途
深刻なのは、このままでは社会の格差が拡大していく一方だということです。
非正規雇用の増加が社会の格差を拡大させています。
不安定な雇用と格差の拡大は、必ずや国民経済を劣化させます。
生活の党は、正規雇用を拡大するための法的な規制を検討する段階に入ったと確信しております。
TPPと減反廃止は地方無視の政策の象徴
格差といえば、中央と地方の「格差」も深刻なものとなっています。
この点、安倍政権は地方経済には全く配慮していません。
その象徴がTPP交渉参加であり、減反・戸別所得補償制度の廃止です。
どちらも日本の農業に壊滅的な影響を与えることになるでしょう。
かつて私達は農家の戸別所得補償制度を創設しましたが、それは地方村落を支える農業基盤を重視したためです。
地方の発展があってこその国土なのです。
このまま安倍政権による地方切り捨ての政策を行っていけば、いくら東京でオリンピックをやっても、地方は疲弊する一方になってしまいます。
原発推進は国民の理解を得られない
さらに、エネルギー政策では、安倍政権は原発の再稼働を明言する等、原子力依存への回帰の姿勢を鮮明に打ち出しております。
被災地域内では原発事故によって住民が生活の本拠を奪われ、震災後3年近くを経た今もなお、生活再建の見通しが十分に立てられない状況にあります。
このような中、原発再稼働に向けて意欲を見せるだけでなく、首相自らトップセールスを行う等、海外への原発輸出を推進するという姿勢は、福島原発事故の教訓を踏みにじるものであり、到底国民の理解を得られるものではありません。
アジア外交の無策が日本をますます孤立させる
外交・安全保障面はどうでしょうか。
安倍政権は、米国とだけうまくやっていればアジア外交はどうにでもなると考えているようですが、これは完全な間違いです。
昨年末の安倍首相の靖国神社参拝を受け、米国も本気で日本のアジア外交について懸念を示しました。
いくら立派な国家安全保障会議を作ったところで、事態をここまで悪化させれば、もはや安全保障でも何でもありません。
いつか来た道を歩んではならない
昨年、安倍政権は特定秘密保護法を成立させました。
官僚の裁量でひとたび「特定秘密」に指定すれば、何でも隠せてしまいます。原発関係情報など良い例です。
基本的人権である知る権利が損なわれては、まともな民主主義の発揚など不可能になります。
この件に象徴されるように、今、安倍政権はその本性を徐々に表しつつあります。
集団的自衛権然り、憲法改正然りですが、私達は決して「いつか来た道」を歩むことを許してはなりません。
選択肢なき政治の不幸
今のような自民党一強政治は国民にとって大変不幸なことです。
消費税や原発の問題をどうにかしたくても、今の国民には選択肢がありません。
競争がない政治は必ず腐敗します。
一刻も早く健全な議会制民主主義を回復させないと大変なことになります。
経済では国民生活を困窮せしめ、外交では国際的に孤立するという事態だけは絶対に避けなければなりません。
そのためには、まず、経済政策やエネルギー政策、社会保障制度改革で、自民党の対抗軸となり得る勢力の結集が必要となります。
たくさんの新党ができましたが、その多くが強い安倍政権を見て、すり寄り型補完勢力に堕してしまいました。
このような準与党勢力ではなく、今見てきたような安倍政権の政策に明確に対峙できる民意の受け皿がどうしても必要なのです。
民主主義の再生に向けて
そのために、私達は持てる力の全てを注ぎ込み、再び政権交代可能な勢力を構築すべく、命をかけて取り組んで参りたいと思います。
そのことこそが、今の誤った政策の方向性を正せる唯一の道であると確信しております。
厳しい道のりになります。
しかし、これまでの道はいつも厳しくつらいものでした。
私達は皆様方のご支持があったからこそ、どうにか今日まで進んでこられたのです。
民主主義の再生のため、ひたすら邁進して参ります。
本年もどうか変わらずご支援のほど心からお願い申し上げます。
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