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小沢、堀茂樹対談Vol3(4)国の将来、堀後説

  小沢、堀茂樹対談Vol3(3)からの続きです。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
小沢 一郎 代表
 今,政府委員の話し出ましたが,国会も全部,僕は政府委員廃止論で,一度廃止したんだけれど,また元の通りになっちゃって。
 ほとんどがもう,官僚が答弁ですから。
 だから,立法府も行政府も司法もですよ,今や。
 完全に官僚に握られてる


堀 茂樹 教授
 ふうむ。

小沢 一郎 代表
 だからここを,やっぱり日本人がもう少しね,本当に自立してきちっとした主張をして行かないといけないと思いますね。

堀 茂樹 教授
 ふうむ。
 これは,私はそういう色んな会議の「民間議員」が代議士に取って代わるような立場を握っている,握り始めているという現象と,世界を見た時に,国民主権の国民国家よりも,グローバル企業の方が力を持ってくる現象ともパラレルで,また機会がありましたら,国民国家というものの意義と,まあ限界もあると思うんですが,その辺り,世界を見つめて話しを,また別の機会にやらしていただきたいと思うんですが。

小沢 一郎 代表
 はい。

堀 茂樹 教授
 今日は,議会制民主主義ということなんで,もう少し続けさせていただきますが,日頃から小沢さんは,選挙が大事だって仰ってる。
 これ一言,やっぱり,お考えを伺っておきたいと思うのは,何故かと言うと,世間,社会で,ですね,こういう言い方あるんです「小沢さんは,選挙の名人だ」って,こう言うんですよ。
 それは,どういう意味だ? 裏にあるのは,小沢さんは「政局の名人だ」という意味になってるんですね。

小沢 一郎 代表
 はああ。

堀 茂樹 教授
 そう言うのは,まるで選挙が,矮小な意味での政局であるかのような前提に立ってるわけですね。
 これは,小沢さんのお考えは違うでしょ。選挙っていうものの。

小沢 一郎 代表
 ですからね,日本の大きなマスコミが典型的ですけどね。本当に民主主義を,分かってないんですよ。
 何で,僕は,選挙大事かって言うと,主権者たる国民が,自分の意思表示をするのは,選挙以外,ないですよ。
 だって,総選挙で自民党議席いっぱい取ったから,だから何でもかんでも好きなことやってるじゃないですか。

堀 茂樹 教授
 決定的なのはそれですよね。

小沢 一郎 代表
 それは,国民が選んだんですよね。
 公約違反だとか何とかって言ったところで,やりたい放題になっちゃうわけですよ。
 そういう意味で,もう少しやっぱり選挙の時に,しっかり自分で考えて(投票する)
 そして,ベストの選択なんて,この世の中に無いんですから。

堀 茂樹 教授
 無いですね。ええ。

小沢 一郎 代表
 ベターの選択。こっちよりは,こっちの方が,まだマシだ,と。そういうとこに投票しなきゃダメなんです。

堀 茂樹 教授
 ええ,そうですね。私は,政治はね,マシな方を選ぶんだと言ってんですね。(笑)

小沢 一郎 代表
 此間は,民主党よりは自民党がマシだと思ったのかも知れませんけれども,結果的には,国の将来考えたら,もっと弊害が大きかったですよね。
 民主党の失敗よりも,この今の自民党の安倍内閣の方が(弊害が大きい)

堀 茂樹 教授
 うん,成程ね。
 まさに市民の政治参加の最大の,一番重要な,決定的なものは,やっぱり選挙だ,と。
 そういう意味で,意義深いものだということを,もっと分かるべきだということですね。

小沢 一郎 代表
 それでもう1つ,僕いつも付け加えるのはね,20年ぐらい前でしたかね,イギリスへ行って外務大臣と月曜日に会ったんですよ。
 閣外大臣でしたけども,副大臣みたいな感じですが,そうしたら大臣が,自分は今選挙区から今朝帰って来たって言うんですよ。「週末に中近東を歴訪して金曜日に帰って(=帰国して)それでその晩に選挙区へ行って,土曜日,日曜日,一生懸命,戸別訪問とティー・パーティーして,それでロンドンに帰って来て,今あなたと,今朝,会ってます」と,こう言うんですよ。

堀 茂樹 教授
 ふむ,ふむ。

小沢 一郎 代表
 キャビネットの一員でありながら,やはりその選挙区へね,帰って,有権者の人たちと一言でも二言でも言葉を交わす。そういう人間関係の中に,選挙民と政治家の信頼関係ができてくるわけで。
 「いやあ大変ですね,大臣なってもそうですか」つったら「いや,それは仕方がありません。民主主義のコストです」と言ってましたよ。

堀 茂樹 教授
 ううん。ふうむ。

小沢 一郎 代表
 やっぱりそこにね,根本の処があるんじゃないですかね,民主主義の原点が。

堀 茂樹 教授
 それで,選挙って言いますとね,今やっぱり国民の間で...何て言うんですかね...特に,色々考える方々の間で,こういうのあるんですね。
 小選挙区制ですよね。並立制ですけれども,基本的に小選挙区制。で,これを設置するのに,他の方もおられたけれども,小沢さんが力を発揮されたことは皆な承知してることですね。
 しかし,こんなに大差で議席を一方の方が奪い,また暫らくすると,また大差で奪うという状況になって来ておるので,小選挙区制は,いけないんじゃないかという声も(ある)。
 もちろん民主主義者,民主主義を支持している,信奉している市民の全員じゃないですけれども,そういう方々の中で,そういう声もかなりあるんですが,これについてはどうお考えですか。

小沢 一郎 代  
 僕は少なくても,日本の現状の中では,その議論は大間違いだと思います。

堀 茂樹 教授
 おお。

小沢 一郎 代表 
 結局ね,中選挙区,大選挙区にしたらね,権力を持った政党がずうっと政権取りますよ。

堀 茂樹 教授
 ふうむ。

小沢 一郎 代表
 現実に,半世紀,自民党が取ってきたでしょ。
 これ,小選挙区だから,(政権が)変わったんですよ。
 ですから,そういう意味で,それこそ哲人政治じゃないけど,自民党が本当にね国民目線のね,国民の生活に光を当てる政治を,良い政治をやってくれんならいいですよ。それでもいいですよ。ずうっと(政権に就いていても)ね。
 だけど,そうじゃないから,国民の皆さんの色んな問題が起きて,右肩上がりの経済成長が終わって,今日(こんにち)の時代になった時に,色んな問題が吹き出てきた
 だからやっぱり政権変えなきゃいけないちゅうことで,小選挙区だから,変わったんですよ。
 中選挙区だったら変わりません
よ。

堀 茂樹 教授
 それほどまでに,小沢さんにとっては政権交代の可能性というのが,重要なものなのですか。

小沢 一郎 代表
 重要です。(大きく頷きながら)
 やっぱり,1人だったらね,競争の無いところに進歩はないんですよ。
 何やったって,ずっと政権だといったら,何もやりませんよ。自分勝手なこと,自分達のことばっかり,やる
 やっぱね,おかしなことやったら,相手方に取って代わられる,と。その緊張感がね,良い政治を生むわけですよ。

堀 茂樹 教授
 ふーむ。

小沢 一郎 代表
 だから政権交代のない社会というのは,これはもう全く民主主義とは相容れない,懸け離れた,独裁国家か低開発国家ですよ。

堀 茂樹 教授
 はははは(笑)成程。そうするとまあ今,どうかすると,このまま事実上1党独裁のような,1党と言うか...与党は何か,大政翼賛会のようなことに成りかねませんよね。

小沢 一郎 代表
 いや,そんなことないですよ。さっき言ったように,維新の会とみんなの党は,自民党と一緒だっちゅうこと,分かったでしょ。これでもう,だいたい分かったんですよ,皆な。

堀 茂樹 教授
 しかし,こちら側は少ないですよね。

小沢 一郎 代表
 いや,少なくたって,良いんです。

堀 茂樹 教授
 ああ,そうですか。

小沢 一郎 代表
 きちっとした人が,いさえすれば,30人だろうが 40人だろうが,絶対良いんです。
 そこが小選挙区制の良いところ
なんです。

堀 茂樹 教授
 はああ。

小沢 一郎 代表
 ですから,そこで,これではいけないって言う人が,それぞれ志を持った人が,選挙区で立ってくれりゃあ,絶対勝ちますよ。
 だから要は,しっかりした,規模は小さくても良いから,しっかりした受け皿を作ることが一番大事で。
 何か,どっちなんだか訳分かんないで,結論も出せないような政党ではダメですね。国民は選びようがないです。
 そんじゃ「 しょうがない,自民党かなあ,あるいは棄権かなあ」 と,こうなっちゃう。
 ですからやっぱり,きちっとした理念,きちっとした政策主張を持った,小さくてもピリッとした(受け皿)。 (小沢氏・笑顔)
 山椒は小粒でも,ね,ピリッと辛い,ね,受け皿の集団があれば,僕は良いと思ってます。 (会場・拍手)

堀 茂樹 教授
 ああ,そうですか。その受け皿の集団は,やっぱり国家像をちゃんと提示する集団ですね。

小沢 一郎 代表
 そうです,そうです。

堀 茂樹 教授
 世界にとってどういうヴィジョンを持ってるのかってことも含めて(国家像を提示する)。
 で,私は思うんですが,それは全て,経済政策からエネルギー政策から環境政策から福祉政策から,綜合的なヴィジョンを出す必要がありますよね。

小沢 一郎 代表
 そう思います。
 ですから,それで自民党政権とのハッキリした対立軸が出ますよ。
 例えば今仰ったエネルギー政策。原発続けるのか,どうするのか。 これだって,もの凄い大きい,将来永久に大きな影響を及ぼす問題でしょ。

堀 茂樹 教授
 重大なイシューですよね。

小沢 一郎 代表
 これもう,ハッキリするでしょ。(原発)推進か,反対かっちゅうのは。
 だからそういう意味でもね,国民皆さんは,TPPはまだ実態が分かってないから「まあ,あれは農家のことだけじゃないか」みたいなね,気になってますが,そうじゃない

堀 茂樹 教授
 いやあ,そうじゃないですからね。

小沢 一郎 代表
 全然,そうじゃないですから。本当に,(国民)皆保険,健康保険の問題から何から,皆,日本の社会の仕組みが変わっちゃう話しですから。 
 だからそういう意味でね,きちっとした,国民皆さんが肌で感じる対立軸が,どんどん見えてくると,私は思います。

堀 茂樹 教授
 それは,勇気を持って,責任を持って,有権者・我々国民が選択する,と。緊張感のある意識が,我々にも必要なんじゃないでしょうかね。

小沢 一郎 代表
 そう思います。
 それでね,日本人ってセッカチだから。1回失敗したからってね,それは、失敗は成功の元なんだから。
 また「ダメです,自民党ダメだ」というんなら,替えてみりゃあ良いんですよ。

堀 茂樹 教授
 そうです,そうです。

小沢 一郎 代表
 これ,またダメなら,また替えりゃあ良いんだから。

堀 茂樹 教授
 そうです,確かにね。

小沢 一郎 代表
 そこがやっぱり,政権交代の(ある)民主主義なんですよ。うん。

堀 茂樹 教授
 そうです,そう。
 ただね,私,もう一言,政権交代(について)言いますとね。
 例えば,小沢さんは,必ずしも2大政党制と言ってらっしゃるわけじゃなくて(小沢氏 ・頷く)やっぱりポイントは「 政権交代の可能性 」だと思いますね。そうですよね。
 それを典型的に上手くやってきた国家を,世界で見ると,そんなに多くないですよ。本当に先進的な国だけなんですね。

小沢 一郎 代表
 はい。

堀 茂樹 教授
 私の知ってるヨーロッパや西欧でも,基本的にはアングロサクソンのアメリカ,イギリスなんですね。
 フランスも成熟しました,今では。フランスは2回投票制を採用して,1回目は好きな政党に入れる。2回目はマシな政党に入れる。ということで非常に上手く機能させられるようになりました。
 ただ,英国,基本的に英国なんですね。イギリスなんですね。
 何もイギリスは全てが良いわけじゃないですよ。あそこも問題はいっぱいある,酷いことはいっぱいあるんですが,イギリスの場合は,ただ,インスティテューションが,制度的なものが,非常に永続的に,しっかりしてるんですね。安定してるんです。
 で,フランスの近代史と比べた場合に大きな違いがあります。それは色んな要素があるんで一概に(言えないが)...
 日本ではとにかくイギリス贔屓が多いですからね。私は,フランス派の人間としては,違うんだって処あるんですが。(笑・小沢氏も笑)
 しかし,そこは認めるべきだっていう処がありましてね。
 (イギリスの)土台の仕組み・ルールはずうっと続いてるんですね。

小沢 一郎 代表
 うん。

堀 茂樹 教授
 そして,労働党と保守党で,ガラッと,こう変えていくんですね。これが,できているわけです。
 そうすると日本でも,小選挙区制で,今まだドタバタしているかも知れないが,だんだんと良い形での政権交代が,何年かごとに起こるっていうことも,あるかも分からないんですが,そのための条件として,今の自民党のように憲法の基本原則まで変えてしまうっていう。これは,ないんじゃないか,と。
 そういうもの,基本原則の共有があった上で,大きな2つ乃至3つの政党が競い合って,綜合政策の政党が競い合って,国民が「今度はこっちの方がマシだ」と言って選ぶっていう。
 これがね,一つ,条件なんじゃないかと思うんですがね。

小沢 一郎 代表
 それは,常識的な条件でしょうね。

堀 茂樹 教授
 はい。

小沢 一郎 代表
 言葉変えたら,民主主義ですよ。
 ただ安倍さん個人がどう思ってるか知りませんが,もう「憲法改正」,9条で「国防軍」と言うだけの話しではね。
 それは何なんだ,ということになっちゃいますし,「基本的人権の条項は削除する」と言うのも,自民党・安倍さんが言ったことですよね。

堀 茂樹 教授
 そうなんですね。

小沢 一郎 代表
 これじゃあね。
 これだけでは,民主主義を否定する話しでね。

堀 茂樹 教授
 そうなんです。まさにそうです。

小沢 一郎 代表
 民主主義を否定する話しになっちゃいますから。
 これはちょっと,ないでしょ,っていうことになっちゃう。

堀 茂樹 教授
 ないです。そうです。民主主義は,基本の価値ですからね。

小沢 一郎 代表
 そう,そう。
 だから,そこだけは共有しないといけない。その通りだと思いますね。
 そこがちょっとね。そこがまた日本人が何か錯覚してんじゃないですかねえ。

堀 茂樹 教授
 成程。
 じゃあ,そういうふうにして,色々擦った揉んだしていますけれども,しかし,仰ったように,あまりセッカチに見ないで,歴史意識って言いますかね,長いスパンで冷静に見ていく,と。且つ,果敢に闘うっていうかね。(照れ笑)そういうことで。
 それから,相手があるっていうことを認めるべきじゃないかと,これも思ってます。
 実は,政党とは何ぞやっていうことも,またお話ししていただきたかった処なんですがねえ。
 政党って,1つは,国民の意思を吸い上げる。 国民が参加して,色んな全国津々浦々からの声を吸い上げて,議会に反映していく手段ですよね。
 それと,もう1つは,多党制政治っていうことは近代の民主主義の成熟の中で,捨てることができないですね。
 私,一方でジャン・ジャック・ルソーに興味がありますが,ルソーは非常に直接民主制にこだわりましたが,ある意味では間違っていたわけで。
 多党政治が重要だ,と。これは,多党政治ってことは,他の党もあるんだ,と。パーティーなんだ,と。パーティーってことは,部分ってことですよね。決して,全体じゃない。
 生活の党と言えども,全体ではない。あんな巨大な自民党と言えども,全体ではない。パーティー,相手があるんだっていう,その中での,良い意味での真剣なゲームなんだ,と。民主主義ってのは。
 こういう感覚はね,今の民主主義の基本を共有しようっていうのと,同時に一緒に...同じことだと思いますが,必要なんじゃないでしょうかね。

小沢 一郎 代表
 なんちゅうかなあ。どうしても日本人というのは情緒的ですからね。
 そういう理屈の割り切っつうのがね,なかなか苦手なんですよね。どうしても,情の方が先に立っちゃって。

堀 茂樹 教授
 それは私,今の自民党は,もう無くなった方が良いと(笑)思うんだけど。でもね,敵は殲滅すべしではないと思うんですね。
 ライヴァルであって,敵になるようなつまりメチャクチャなことやってもらっちゃ困るけれども,一定の価値を共有しながらの闘いは,正々堂々とやって,という,その...矮小に取られちゃ困るんだけども,相手がある1つの真剣な闘いのゲームなんだっていう意識をね,日本にも導入すべきじゃないかなと思うんですよね。

小沢 一郎 代表
 僕は,自民党的な政党はあっていいし,必要だと思ってるんですよ。

堀 茂樹 教授
 ああ...

小沢 一郎 代表
 自民党というのは何かっちゅうと,日本的なコンセンサス社会の哲学を背景に持った,だからある意味で閉鎖的なんですね。政党ですよ。それはそれでね,日本人の特質と伝統を背景にした政党でいいと思うんです。
 だけどこういうグローバルな社会になると,そういう日本人だけのやり方,日本人だけの体質で固まってったんじゃ,これ,どうしようもないですからね。
 ある時には,より日本的な要素を持った政権ができ,ある時にはもっとオープンな政権ができる,という交代でいいと,僕は思うんですが。
 もう少し細川政権であれ民主党政権であれ,続きゃあねえ。
 自民党が一度崩壊して,新しい,旧来的な保守党・自民党が新しくできてくるのを,僕は描いてたんですよ。
 そうすると,今度は,民主党なら民主党の方も変わらざるを得なくなる。

堀 茂樹 教授
 はああ。成程。真っ当な保守と,真っ当な進歩主義と言うか,そういうことですね。

小沢 一郎 代表
 そう,そう。うん,そうですね。

堀 茂樹 教授
 それを伺うと...できたら,小沢さん(対談を)また続けてやらせて下さい。
 と言うのは,今日はもう時間が来ておりますので。
 今,グローバルっていう話しも出てきたし,一方で自民党は,言葉の上ではもの凄く偏狭なナショナリズムを口にしながら,一方ではグローバリズム,グローバル資本主義に阿(おもね)っていくっていう,いわゆる今のネオ・リベラリズムっていう,新自由主義に走ってますから,これと小沢さんの考えの,何処がどう一致して,何処が違うのか。
 これもまた,お話しいただきたい。

小沢 一郎 代表
 僕は,日本で新自由主義と呼ばれる,それが本当かどうか知りませんが,これは非常にこれまた危険な思想だと,思います。
 これをあれ(=全部容認)したらね,政治は要らないですよ。

堀 茂樹 教授
 そうです。

小沢 一郎 代表
 強い者,どんどん,どんどん勝ちゃあいいんだと。

堀 茂樹 教授
 そうです,そうです。
 あれは,政治は要らないという政治なんですね。

小沢 一郎 代表
 そうなんです。だから,これはまたねえ,大変な強者の論理でね。
 ちょっとこれはもう,相容れないですね。

堀 茂樹 教授
 成程。

小沢 一郎 代表
 これはまた,議論,色々ありますけど。(笑)

堀 茂樹 教授
 じゃあ,あと3時間ぐらい(対談を)やりたくなる。

小沢 一郎 代表
 あははは(笑)

堀 茂樹 教授
はははは(笑)
 更にまた,次のご予定があるそうですから,この辺で対談の方は終了します。

司会者 ; これからまた,新自由主義とか資本主義とか,そういったものについてまた,お話しをされる機会もあるかと思いますので,その時はどうぞよろしくお願いします。

小沢 一郎 代表
 外交も,あるしねえ。

堀 茂樹 教授
 外交も,ある。

司会者 ; 本日はどうも有り難うございました。
 (会場・拍手)

小沢 一郎 代表
 はい。
(会場・拍手 小沢氏と堀氏・握手 会場・拍手続く)

堀 茂樹教授

 どうも失礼いたしました。不束な舞台回しでありましたけど,なかなか実のある話しを聞けたんじゃないかな,と。あんまり自画自賛しちゃ,手前勝手で恐縮ですが,私,最近政治に興味を持ってから,色々な所のトークを聞かせてもらうけれども...
 どうだろうなあ,上手く行ったかどうか分かりませんが,今のような話題を,もうちょっと色んな所で,多くの政治家の方が真剣にやって頂けるといいなと思います。
 で,私に質問してもしょうがないんで。小沢さんに質問なさりたかったと思いますが,後で意見交換などをできたらと。せっかく此処へ集まってるのでと思いますが。
 前説でお話ししようと思っていたことで,今の小沢さんの,小沢一郎という政治家の,現代のこの時点でのお考えの注釈と言うか脚注のようなつもりで,聞いて頂ければいいと思いますが,ごく簡単に,かい摘んで申します。

 今,小沢さんの話しにも「プラトンの民主主義論」って話しが出てきました。
 民主主義と名付けられるものは,紀元前5世紀のギリシャにあった。実際行なわれたんですね。有名なところではペリクレスという指導者がいて,一時期そういう時代がありました。

 その民主主義の時代というのは,人々が言説を行なうようになった時代で,だからこそソフィストが大勢出た時代であり,それから古代ギリシャ悲劇の盛んになった時代であり,そして「ソクラテスは有罪だ。毒杯を飲め」と決めた,あの議会が行なわれた時代でもあります。
良きにつけ悪しきにつけ,そういう時期が古代ギリシャにあったそうです。
 で,それを受けて,古代の哲学者の中でも特にプラトンが,国家論 リパブリックThe Republicという本がありまして,この中では,哲人君主というのの,叡智を持った人が独裁する,そういうのが理想的な共同生活のあり方だと,政治のあり方だと,いうふうに言って,それの堕落した最も堕落した形を,民主主義をそういうふうに見做していたんですね。

 そのことを今,我々の文脈の中へ持ってきてどうこうと言うことではないんですが,当時はそのように,その,民が主権を持つ,と。しかもその時の民というのは全員じゃないんですよね。主に農業を営んでいた市民達であって,職人は排除されていましたし,外国人はもちろん排除されていましたし,女性も排除されて,子どもも(排除されていた)。だいたい子どもと女性を一緒にするのは失礼な話しですが,排除されていた。

 それ以前の貴族政治よりは大勢の人が参加したけれども,その市民と言われる者はほとんど特権階層の人だったわけです。
 ただ,その中でではあるけれども,言説を持って物ごとを決めるとか,共同で決めるってことが行なわれた時代があった。
 だけど,それはいわゆる衆愚政治につながるということで,プラトン等の(思想がある)。アリストテレスもやっぱり批判的なんです。プラトンよりはマシ,割と理解はあったんですけれども。

 そういう思想が行なわれていることで,その当時から,最初に申しました政治哲学というのは存在していて,これは今の政治学とは違って,この最大のテーマは「最も正当な主権のあり方はどういうものか」と「どういう政治体制が良き政治体制か」ということを,ほとんどこれが唯一の問いと言ってもいいぐらい,追及しておったんです。
 これが,ずっと中世を経て近代18世紀ぐらいまで,これを追求したという歴史があります。つまり,規範性を追求したんですね。

 18世紀に,スイス人のジャン・ジャック・ルソー,変わった人なんですが,フランス語で書いた『社会契約論』を以って,言わば最終的に決着がついたというのが,ちょっと大雑把ですが,政治哲学の今日(こんにち)世界で共有されている常識になっております。

 それは何故かと言いますと,ジャン・ジャック・ルソーの有名な概念で「一般意志」というものがあります。
 最近世間で,なんだか,この「一般意志」というのは,集団的無意識のことであるとか言う(苦笑)説が行なわれていて,これはもう本当にトンデモのトンデモでありまして,全く関係ないですね。
 そうではなくて,主権論なんです。
 つまり,どういうことかと言いますと,近代に入ってから自然界が我々人間のモデルにならなくなりました。だから,本来の自然に従ってって言っても,その自然を規範とするモデルが,人間性になったんですね,ヒューマン・ネイチャーになったんです。しかもそのヒューマン・ネイチャーのネイチャーっていうものを,どう捉えるかっていう処で,いわゆる自然として捉えない。

 ちょっと話しを早くするために言ってしまえば,自由という次元を持っているということが人間の,動物と人間を分かつ処だという考え方に基づく,自然法主義なんだけれど,そういうふうに変容しまして,そして個人は自分の事は自分で決める,と。
 自分で自分の法・掟を決めて,それに自分で従う,と。
 これは,自律なんですね。オートノミー autonomy 。これが,民主主義の基なんですね。

 だけど民主主義と言う以上は,集団が,一つの意志を決めなきゃいけない。そして,どうするかを決めなきゃいけない。そして,その方針に集団全体が従う。こういうことなんです。
 集団って言うのは,色んな意志の集合体ですから,普通に考えればバラバラになるわけです。だけど,そこに「一般意志 」というものが,その向こうにあるんだというふうに考えない限りは,市民達が自らの意志に反したものに従うんじゃなくて,正当な自らの意志に自ら従う。
 市民というのは主権者ですけれども,かつての,君主に治められる臣民の立場でもあるわけです。つまり自分達の臣民なんです。
 自分達が臣民であって臣民であるという,そういう集団的自律を理論的に成立させるためには,主権が一つだっていうことを想定せざるを得ないんですね。そこの理論なんです。

 今は,その後ここに集団の意志だってやって,そういうふうに決定すると,実際には本当に危ないことが起こるんですね。恐怖政治的な強権的なやり方が起こったり,どうかすると全体主義につながりかねないようなものになる側面を,ルソーの理論は含んでいるんです。
 ただ,ルソーが「一般意志 」という概念を確立することによって,民主主義が,基本的に,最良の体制であると。あるいは,一番マシな体制であると考えられるようになって,そこにいったん結論がついたんですけれども,その後,この政治哲学は,もちろん18世紀末ドイツのカント,19世紀まで生きましたけど。フランスのアレクシス・ド・トクヴィル,等々の人達が,民主主義を前提にした上で,色々考えるようになった。
 
 カントについては,あれは反民主主義者だったってようことを言う人がいますけど,これも全くの間違いでしてね。
 カントは民主主義を批判したんです。だけども,カントは共和制という名前で今日(こんにち)の我々の代表民主制にほとんど同じと言っていいような,民主主義の形態を肯定したんですね。
 カントもやはり,いわゆる暴走するような直接民主制っていうものに対しては批判的で,その意味において民主主義の批判をやって,今日(こんにち)の我々の代表民主制そのものに反対するようなことを言ってたわけではないんです。

 それから,トクヴィルもいましたし,ジョン・スチュアート・ミルも出てきて,人民主権だけれども,人民が自分達の代表を選んで,選ぶ過程で一定程度自分達の思う処,好き勝手っていうものを越えよう,超越しようとする。且つ,その代表が議会で議論することによって,更にもう少し公の利益に近づこうと。
 で,この彼方に,実際に此処にあるものじゃなくて彼方の地平線として「一般意志」というものを考えることができるだろう,と。

 今まあ,もちろん色んな理論あるんですが,今の政治哲学の最先端でいる人達が言い出している処で,それに近づいて行くために色々な参加型の仕組みを考え,そこで一時日本でも流行した「熟議」。しっかり議論をして決めていくという。
 それから行政には市民が直接参加すると。
 それから,今日のお話しで出たので言えば,政党の中に自分が入って,政党の中で誰を代表にしていくかっていうのを下部組織から代表を選んでいくというような,そういうプロセス。
 迂遠だけれども,そういうプロセスを経て,衆愚政治に陥らない,今の言葉で言えばポピュリズムに陥らないで,且つ,断固として集団的な自律をやるんだ,と。自己決定をやる。
 しかもですよ,自己決定も,何でも決めて良いってのは,自律じゃないんですね。決めちゃいけないことを意識するのが,自律なわけです。

 つまり,例えばここで...  何か大学の講義みたいになってきて,申し訳ない,恐縮ですけど...(会場右手を示しながら) あすこにスタッフの方かも知れませんが,(例にして)恐縮ですが,お二人がいらっしゃいますよね。
 皆の利益のために,お二人は切り捨てようなんてことは,それは,決めちゃいけないことなんですね。
 絶対多数,圧倒的多数決であっても,決めてはいけないことを受け入れているのが,これが自由主義的民主主義であって,人民民主主義じゃないんですね。全体主義に流れる民主主義じゃないんですね。
 それが自律であって,何でも自己決定できるのは,民主主義じゃないですよ。

 そういうことが,世界では,政治哲学の世界では,色々と議論されておってですね,1971年に『正義論 』 セオリー・オヴ・ジャスティス A Theory of Justice を書いたジョン・ロールズに始まって,世界では今もなお,民主主義とはどうあるべきか。どうやって本来の民主主義を実現して行くかってことは、専門の学者が真剣に議論している。
 リベラリズムの古典的なジョン・ロールズに対する,レピュブリカニズム republicanismって言いますか,共和主義の旗頭としては,ドイツのハーバーマスという哲学者なんかがいて,非常に高度な議論も行なわれているということが一方にはございます。
 
 もちろん我々の周りの卑近なる具体的な政治の力学と(いうこと),そこで誰がどう動いた,誰が当選するかということは,そういう何らか一見高邁な議論とは懸け離れた処の現実であるってことも,常々痛感せざるを得ないですけれども,しかし,全く無関係じゃないんですね。
 だから我々が日本で,何も別にイギリスにコムプレックスを持つことはない。
 この日本で,日本の社会文化を活かしながら...どっかで日本の社会文化に反することも受け入れるような形で,日本の社会文化を意識して,この風土の中に民主主義的な共生,共に生きるという仕組みを作って,そして我々の意見は右寄りであろうと左寄りであろうと,前寄りであろうと後ろ寄りであろうと,色々あって良いと思うんですが,そういう政治文化を作って行く必要があると,思っておりまして。

 で,そういうのにつながる有益な話しをできる大物政治家(笑)って言えば,小沢さんじゃないかっていうのが,私の確信であります。
 今日も色々伺って,ああ成程,小沢さん,そういうふうにお考えだ,というようなことが沢山ありまして,皆さん方も「ああ,成程」という処もあったと思いますし「そこは,ちょっと,どうかね」というような疑問を持たれた方も大勢いらっしゃると思います。
 私の普段からの議論の相手の朝日の社会部の記者のイシカワ君が今(会場出口を指して)出て行きますが,彼もなかなか良くものを考えてる有能なジャーナリストですね。
 そういうことで,お時間を頂戴しました。どうも有り難うございました。じゃあ,あと,何かご意見とか,これどう思うかとか言うようなことがありましたら,どうぞ。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
 小沢、堀茂樹対談Vol3(5)へ続きます。
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