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もうすぐ北風が強くなる

防空識別圏騒ぎ、国民の無知につけ込む政府マスコミ

識別圏
 韓国の新防空識別圏

 秘密保護法の強行採決で国内がもめているさなかに、あらわれた中国の防空識別圏騒動。
 日本のマスコミが大騒ぎしているだけで、欧米のマスコミは静かなもの。韓国、中国は日本のマスコミ大騒動を伝えているのが実態。
 欧米の経済紙には「安倍は中国の支援で秘密保護法を乗り切った」とまで論評された。

 マスコミはバイデン、安倍の会談で日本側の対中危惧に米国が同調したかのような報道をしたが、北京に行っての米中会談では、「防空識別圏」など話題になったのかさえ不明なほどだ。
 日本のマスコミは、まるで中国が領空を拡大したかのような報道をしているが、事実はどうなのか。

 まず、防空識別圏(ADIZ)とは、偶発的紛争や軍事的緊張が高まるのを防ぐためにその国が設定する空域であるが、領土、領空とは無関係である。
 また、領海と関連する大陸棚領域や経済水域、漁業水域とも異なり、経済的な権利も無関係。
 識別圏自体は空軍力行使の空域ではなく、単なる自国レーダーの識別圏である。
 民航機については安全管制の保証ともなる。
 従って、国際法上の規定は無い。 

 フライトプラン(飛行計画)とは、9kmを超える飛行は飛行計画を出す。国際航行は関係国に発信する。

 ノータム(安全情報)とは、各国の航空管制当局が空港、空域についての安全情報を発信し。パイロットにそのまま通知される。
 ノータムを受けたパイロットはフライトプランを発信元に送信する。

 「各国の航空当局が出す安全情報みたいなものがあるが,それが出た時は常に(フライト・プランを)出している」(12/2小沢氏定例記者会見での日刊ゲンダイ記者発言。)

 つまり、フライトプランはノータムの受理通知として発信されているものであり、「防空識別圏」とは何の関係もない
 もう一度言いますが、防空識別圏などあっても無くても、ノータムの受理としてフライトプランは出しているのです。
 
 11/27中国航空局のノータムは「東シナ海に入る航空機はフライトプランを出すよう」に求めたものだが、もちろん出さなかったら嫌がらせをするなどとは誰も考えない。
 出すことで管制レーダー空域に把握され、安全飛行が保証される。
 出さなかったら、トラブルの際に緊急連絡しても確認が遅れるわけである。

 これらのことを国交省は知らなかったのか、それとも大噓の大騒ぎをマスコミと共に演出したのか。
 どちらでしょうね。
 ーーーーーーーーーーーーーーー
  韓国に飛び火した防空識別圏騒動  12/11 「逝きし世の面影」から抜粋。(※はもうすぐ北風の補足注釈。) 

11月末に中国軍が日本の防空識別圏と重なる形の中国独自の防空識別圏(ADIZ)図を発表したことから日本国中が大騒ぎに陥っていた。
中国の発表したADIZ内に日本の尖閣諸島が含まれていたので『領土領空の侵犯である』と自民党政府だけではなくて日本共産党機関紙赤旗を含む全てのマスメディアが大騒ぎ、日本国内が誰彼の例外なく日中戦争前夜の雰囲気に浮き足立つ。

とうとう12月6日、参議院で特定秘密保護法で与野党が激突する騒然とした中、山本太郎がいない衆議院では挙国一致、みんな仲良く全政党が賛成して中国の防空識別圏(ADIZ)の即時取り消しを決議する。
余りにも世界の常識を知らなさ過ぎる国会議員の存在は日本にとって最大の不幸である。
日本人ですがユーラシア大陸と200キロも離れた日本列島の地理的な条件で、他国との領土、領海、領空の争いが稀で慣れていないので、情けないことに領土と領空と領海の扱いが違っているとの認識が無い。
今回は日本国の国会議員全員が領空と防空識別圏の違いさえ、正しく認識していなかったとは絶句するしかない。
怠慢が過ぎる。

今回中国のADIZに無人島の尖閣諸島が入っていると大騒ぎしているが、大勢の日本人が生活している日本の最西端の与那国島は民主党に政権が変わるまで長い間(2010年まで)台湾のADIZだったのである。
日本国内の馬鹿馬鹿しい(胡散臭い)大騒動が韓国内に飛び火して、中国と管轄権で争う暗礁の離於島だけではなくて、済州島の南にある韓国最南端の馬羅島や鴻島、対馬の近くの紅島が、韓国ではなくて日本の防空識別圏(ADIZ)内に入っていたことが問題となる。

今回の韓国の新防空識別圏(KADIZ)では、これ等の島を加えて南側のラインを引き直したが、以前から北側のラインは北朝鮮の首都ピョンヤン上空の北緯39度ですよ。
日本のマスコミ各社が発表していた今までの韓国の防空識別圏(ADIZ)の図には北方のラインが入っていなかった。
しかし、北側を書き入れた韓国のADIZを見れば、日本政府やマスコミの今までの主張が無茶苦茶なのが一目瞭然。

ピョンヤン上空までが韓国のADIZだった事実は、 『防空識別圏は領土、領海と同じ』(中国が領土を広げようとしている)との日本政府や野党、マスコミの言い分が、如何に荒唐無稽な悪質極まる印象操作(プロパガンダ)であるかが明らかなのである。

何のために日本国内で大騒ぎに成ったのか。
みんなの関心を本来の目的から逸らすための、『間違いに誘導する偽の手がかり』『本当の意図、意味を隠すための嘘』といった『煙幕』としての赤いニシン( Red herring レッドへリング)が防空識別圏の馬鹿騒ぎであり、基本的に八百長。出来レースなのである。

 『バイデン・アメリカ副大統領の日中韓三国緊急訪問』

中国でも韓国でも日本でも同じですが防空識別圏(ADIZ)の意味とは、文字の通りで 軍が防空目的で航空機を識別する範囲の意味だった。
日本国内では自民党から共産党まで全政党や全てのマスメディアが挙国一致で『中国のADIZの設定は違法であり、即時撤回』の方針で一致していた。
ところが、肝心のアメリカ政府は一度も、ADIZ設定に対して『違法』とも『撤回』とも言わなかったのである。

アメリカが言っていたのは『遺憾である』とか『憂慮する』であり、これを日本側がアメリカも中国のADIZ設定に対して『違法』『撤回』と理解していた。完璧な勘違いですね。アメリカは中国独自の防空識別圏(ADIZ)について合法で何ら問題ないと言い切っている。

遺憾とか憂慮とはADIZの運用の仕方限定の話であり、防空識別圏(ADIZ)自体では無い
そもそも韓国のADIZ設定は62年前の朝鮮戦争の真っ最中の1951年に米軍が行ったもの。日本のADIZは44年前1969年に米軍から引き継いだもの。国家の領土領空(国際法)とは無関係なのです。
アメリカのバイデン副大統領が、今回の中国のADIZ設定に対して『違法』とも『撤回』とも決して言わなかったのは当然だったのである。
アメリカとしては、日本で余りに大騒動に発展したので仕方なく、副大統領が日中韓三国に緊急訪問して火消しに回ったのであろう。

 (※ 中国共産党三中全会で為替などについても市場経済化の推進が確認されたが、米国にとって中国が為替管理のためにドルを吸い上げ米国債で運用していることは最も重要な問題。バイデン訪中の最大目的はその安定管理の確認が第一義であろう。)

 『騒動自体が目的だった』

日本では挙国一致、誰も彼もが中国の防空識別圏(ADIZ)設定が大事であると思っているし、日本国がADIZで中国に厳重に抗議したと信じている
ところが、日本が抗議したのは見かけだけ。外務省の局長が中国の駐日公使(書記官より上で、大使に次ぐ席次)に電話した程度
最初から腰が引けているので厳重抗議になっていないのです。

本当に大問題だと思うなら中国大使館トップの駐日大使を外務省に呼びつけて面と向かって抗議する。
中堅官僚の局長が、次席の公使に電話する程度で済ますなど最初からポーズだけである。
日本としては『一応、抗議しました』とのアリバイ作りの下手な工作、『印象操作である』と断定できる。
対照的なのは中国で、日本側の官僚が中国が防空識別圏を設定したことに電話で抗議したことに対して、直ぐさま反応、日本の木寺昌人駐中国大使を中国外務省に呼び、抗議している。

日本政府の内向きと外向きの態度が正反対。どちらかが本当でもう一方が真っ赤な嘘ですね。
基本的に言い分がインチキなのである。何かの目的でわざと『騒動が起きている』とマスコミで大宣伝しているのです。
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