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もうすぐ北風が強くなる

世界一の政府資産大国

 日本の政府財政は世界一の債務を背負っているが、同時に世界一の資産を所有していることは概ね知られているのだが、いまいち話題に上らないのはその内訳が官僚機構によって秘匿されているからである。
 つまり、具体的な中身がわからないために論議、主張のまな板に載らないのである。
 そこで国会議員政治家のほとんどが、何となく「財政危機」だと思い込まされている。
 特定秘密保護法による恣意的な秘密指定が単なる「知る権利」の侵害ではなく、議論や主張、表現の封殺になるということの証左である。

 高橋洋一氏はマネタリストではあるが、この国が世界一の政府資産を持つことを明らかにしている。
 ーーーーーーーーーーーーーー
    日本は世界1位の政府資産大国らしい  12/3 「闇株新聞」から

 元財務官僚の高橋洋一氏が最近「日本は世界1位の政府資産大国」という本を上梓されました。その中で高橋氏は、日本政府には巨額の資産があるが官僚組織が隠匿していると述べられています。

 その通りです。

 本書の中に「日本国のバランスシート(2011年度末)」が掲載されています(21頁)。確かに著者の高橋氏がおっしゃるように「本邦初公開」です。少し古い数字であることを我慢しながら、じっくりと眺めてみました。

 2011年度末(平成24年3月31日)の日本政府の負債は1088.2兆円となっています。これは認識されている政府債務(国債と借入金と保証債務)よりも少し多いのですが、公的年金の預り金118.5兆円が算入されているからです。

 「本邦初公開」の政府資産の合計は628.9兆円となっています。単純に差し引きすると日本政府の負債超過は459.3兆円と、名目GDP (2011年度は473.3兆円)よりも小さいことになります。

 また米国の政府資産は2012年9月末現在で2.75兆ドル(現在の為替で280兆円)なので、日本政府の6割しかないことになります。

 その資産の内訳ですが、まず有形固定資産が180.9兆円あります。これは橋やダムのはずで確かに換金不能です。ただ官僚がよくいう「政府資産の大半が橋やダムで換金不能である」は明らかなウソとなります。

 それから運用寄託金が110.5兆円あるのは、公的年金の資産なので、確かに加入者のもので政府が勝手に換金できるものではありません。頭の良い官僚は、うまい流用方法を考えているようですが、これは別の機会にします。

 それから有価証券が97.6兆円あるのですが、これは外為資金特別会計で保有している主に米国債です。確かにこれも勝手に処分することはできないようですが、この議論も別の機会にします。

 問題は、これらを除いても239.9兆円もあることです。いったい何なのでしょう?

 貸付金が142.9兆円、出資金が59.3兆円であり、これを合計すると202.2兆円もあります。
 それを除くとあとは現金・預金の17.7兆円、未収金等の13.0兆円などで、まあ無視してもよい金額です。

 それでは政府は、どこに142.9兆円も貸付け、どこに59.3兆円も出資しているのでしょう?

 確かに日本政府は日本郵政やJTなどの株を保有していますが、その簿価は非常に低いはずです(保有名義は財務大臣)。
 
 高橋氏は、日本政府の子会社である特殊法人などに多くが割り振られて、官僚組織のために使われていると書かれていますが、その明細はあまり明らかにされていません。
 しかしこれらの特殊法人と、まだ19もある特別会計などが、官僚組織にとって「大きな財布」であることは間違いありません。

 最大の問題は、これらの「大きな財布」の存在を国民から隠し、消費増税を強行したことや、東日本大震災の復興財源まで「将来の増税で賄う」ことにしてしまったことです。
 そこまでしてでも「残しておきたい」のです。

 アベノミクスで、せっかく株高になっているので、これらの特殊法人を次々と民営化して上場させ、株式市場で回収すればよいのです。
 また換金できない橋やダムも、収益がある限りは証券化して回収することもできるはずです。

 それだけ「日本政府の財政状況が危機的である」なら、真っ先に政府資産の資金化を考えるべきで、株高の現在が最大のチャンスなのです。

 全くそのような議論にならないのは「そうされると官僚組織にとって都合が悪いから」となります。

 高橋氏の著書は「画期的」なものですが、今後は特定秘密保護法案が成立するので、このような情報もますます手に入らなくなってしまうのです。
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