特定秘密保護法の世の中
2013-11-27

特定秘密保護法が衆院を強行採決で通過した。
これで日本は米国の植民地自治政府としての官僚独裁への道が大きく広がったわけだ。
マスコミは土壇場になってから「知る権利の侵害」などと業界利害を言っているが、これは法案の性質の矮小化である。
特定秘密保護法は単に知る権利の侵害で収まるものではない。
行政の恣意で秘密指定し、その事自体が秘密なのであるから、これは国民の思想信条、表現の自由の権利を完璧に破壊できる武器を与えてしまったのである。
私達が何かを主張する場合は、必ず何らかの事実、根拠をもって主張するわけであるから、その事実や根拠となる事柄が恣意的に秘密保護されるということは、思想信条、表現の自由が根元から破壊される事態なのである。
恣意的な秘密保護なので、警察、検察の意図的なリークはやり放題で、内部告発の類は厳罰となるわけだが、それだけではない。
情報を収集して何か意見を主張した場合は秘密保護法で逮捕取り調べとなるだろう。
また、その前に公務員は当然だが、関連する民間人も詳細な身辺調査と監視にさらされることになる。
「そういう雰囲気の社会」で「自由な言論」が保証されるとは誰も考えないだろう。
まさしく、公安警察国家、特高警察社会が始まろうとしている。
米国オバマ政権にとっても「植民地自治政府」はそれで良いのだ。
10月に米国ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が雁首をそろえて来日した日米2+2において、「念押し」されたことは想像に難くない。
ほとんどサボタージュに等しい無責任政府が、唐突に表明して迅速に実行する政策は米国が指示し、保証するからである。
前回政権でブッシュに脅されて神経性大腸炎になり、辞職した安倍某である。これで命脈の尽きることを願いたいものだ。
いずれにせよ、国民は極めて厳しい現実に対応することとなる。
今までのような騙されやすい、世間の空気に同調するだけの人間、TPP断固反対の自民党とか自民党本部に反対の沖縄県連とかにあっさり騙される人間はもはや不要なのだ。
以下は関連参考。
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米軍が戦略爆撃機を飛ばして法案通過を掩護 11/27 「陽光堂主人の読書日記」から
悪の特定秘密保護法案が衆院を通過してしまいました。昨日は2度も強行採決が行われたのですが、石破は「ほぼ正常な形で本会議の採決が行われた」と述べ、菅は「強行採決じゃない。野党が賛同しているわけだから」と無茶苦茶なことを言っています。政治家はそれぐらい鉄面皮でなければ務まらないのです。
与党公明党幹部は、この日の衆院通過にこだわった理由について、「マスコミがいい法案だとほめてくれたり、世論も変わるなら会期延長もあるが、そういうことはないだろう」と妙なことを述べています。問題があるからじっくり話し合うべきなのに、評判が悪いので早く終わらせる必要があったなんて、こちらの頭が可笑しくなりそうです。
この連中の頭がオカシイので、我々ではありません。尤も、国民の半分は賛成しているそうですから、そういう人たちの精神状態もまともではありません。その責任の大半は、碌に批判して来なかったマスコミにあるのですが…。
多くの国民は、特定秘密保護法案など自分たちには関係ないと思っていますが、考えが甘すぎます。仕事ができる人間は選別され、失業・倒産が増えることでしょう。若者の就職も今後、非常に厳しくなります。特権階級に近く、秘密の共有ができる人でないと、よい職種には採用されません。
何も考えていない人は別として、法案を見て危機感を感じないのは想像力が欠如しているからです。戦前も、あんな大戦争が起きるなんて誰も思っていませんでしたが、アッという間に統制監視社会となり、国民は大損害を被りました。今、同じことが繰り返されようとしています。
特定秘密保護法案が上程・審議・可決される過程で、周辺ではきな臭い動きがタイミングよく起きています。中国はこの時期を見計らったように、東シナ海の防空識別圏を設定しました。その結果、中国・日本・韓国の防空識別圏が一部重なり、緊張が一気に高まっています。
中国は、南シナ海でも防空識別圏を設定するそうです。フィリピンやベトナムとの緊張も高まることでしょう。習近平らは、安倍政権が企てる国家安全保障関連の法案成立を手助けしてくれているようです。
衆院国家安全保障委員会で強行採決が行われた昨日午前、米軍のB52戦略爆撃機2機が設定されたばかりの中国の防空識別圏内を飛行しています。露骨なデモンストレーションで、法案を「早く成立させろ」という意思表示です。
「特定秘密」は日本国民には開示されませんが、米国には流れてゆくようになっているそうです。これこそ国家安全保障上の秘密で、法律が施行されたら処罰の対象となることでしょう。
国会審議では、安倍を始め、閣僚たちは野党議員の質問に満足に答えられず、官僚が席を走り回って「ご説明」しています。閣僚たちが法案の中身を理解していないことは明らかで、官僚だけが知っているわけですが、彼らに指示しているのは虎ノ門の連中でしょう。スター扱いのキャロラインの動静に惑わされてはなりません。
この国は「羊毛刈り」の段階にあり、ゼロになるまで徹底収奪されることになります。閣僚や与野党議員は振り付け通りに踊っているわけですが、余りに下手なので見るに耐えません。
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