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インフレと窮乏化が招く経済破壊:中原

貧困
 地下道に寝る家なき人々と、傍らを闊歩する新中間層。この社会の将来は?

 日銀が国債を大量購入することでベースマネーを増量しても、この増刷された通貨は実体経済への貸出として通貨流通(信用創造)されなければ、いわゆるブタ積み。

 企業は先に消費需要が増えなければ設備投資できないので資金需要は生まれない。
 国民経済の消費需要は株価上昇とか「高級品の売れ行きが上がった」などとゴミのような現象ではなく、9割を占める勤労家計の生活消費が主体である。
 従って所得(とりわけ勤労家計の可処分所得)が増えなければ、消費需要が増えるわけもない。

 逆にベースマネーを増やすことで円安が進んでおり、工業原材料、食品原材料、燃料をほぼ輸入に頼る構造の日本は原料インフレが襲っている。
 コスト増と基調であるデフレ構造の下で、原価の大きな部分である人件費のさらなる削減圧となっている。

 物価上昇で利益が増え、それが賃上げとなり、消費需要が増えるなどというのは、誰も相手にしない珍説というほかない。
 はっきりしているのは、食品、原材料、燃料のインフレである。 
 このやり方が続くことで、間違いなく勤労者、農業漁業、中小企業が窮乏と破綻の追い込まれるということだ。
 ーーーーーーーーーーーーーー
  量的緩和のやりすぎは、日本人を不幸にする  11/1 中原圭介 東洋経済オンライン

   カビ臭い経済理論を実践する、安倍政権の罪

私はこれまで、1年間に2冊~3冊のペースで本を書いてきましたが、今年はすでに5冊出版し、年内にあと1冊か2冊出版される予定です。

なぜ、今年はそんなにも意欲的に書くつもりになったのかというと、「金融緩和のやり過ぎは国民を不幸にする」と確信しているからでした。多くの人々にそのことを論理的に分かりやすく説明し、理解してもらいたかったからです。

   量的緩和をやり過ぎると、国民の生活が苦しくなる

前回の連載では、「日本経済は2014年~15年にかけて最も暗い状況になるが、アメリカ経済が想定通り14年~15年に復活すれば、日本経済も15年以降にその恩恵を受けることができるようになる。
そして、エネルギー価格が今よりもずっと安くなる17年には、企業の生産性向上と国民生活の向上が両立できるようになり、日本経済の復活が実感できる状況になる」と述べました。

ただし、そのような状況になるためには、今行われている大規模な量的緩和が失敗し、日本がインフレにならなかったという結果にならなければなりません。量的緩和をやりすぎてしまうと、たとえ物価を上昇させることができたとしても、国民の所得は上がらず、むしろ国民の生活が今まで以上に苦しくなってしまうからです。

今回はその点について、この連載でも改めてご説明したいと思います。


グローバル経済下では、「所得の上昇→消費の拡大→物価の上昇」というプロセスは成り立ちますが、安倍政権が想定する「物価の上昇→所得の上昇→消費の拡大」という従来のカビ臭い経済理論は成り立ちません
実は、長くインフレ経済下にあるアメリカや欧州でも、リーマンショック以前からすでにこの好循環が成り立っていません。

経済学では机上の空論が多く、その机上の空論が国の経済政策や金融政策を動かしている例が少なくありません。
それは、物事の本質から見ると完全に間違っているにもかかわらず、権威のある経済学者の持論が経済政策や金融政策に反映されてしまうからなのです。今の日本が、まさにその状況に当てはまってしまっています。

   戦後最長景気下でも、サラリーマンの給与は横ばい

過去30年間で世界的に最も景気が良いと言われていた05年~07年の3年間を思い出してください。
この3年間であっても、日本の名目経済成長率は平均して1.3%しか増えなかったばかりか、給与所得者の平均年収は横ばいで推移するのが精一杯で、ついに増加に転じることはありませんでした。
さらに、戦後最長景気と言われた02年1月~08年2月までの6年1カ月の間、すなわち02年~07年の6年間で見ると、名目経済成長率はわずか0.6%に低下し、平均年収は2.4%も下がってしまっているのです。

その一方で、大企業は通貨安の恩恵をフルに享受し、04年から07年まで4期連続で上場企業は史上最高益を更新しました。
しかしながら、大企業の社員といえども、史上最高益に見合った所得の増加を得ることができたとはとても言えない状況でした。
当然、中小零細企業の社員にいたっては所得が減少の一途をたどっていくこととなりました。
つまり、大企業に勤める人々と、それ以外の人々との格差が拡大してしまったと言えるのです。

ここで疑問として残るのが、05年~07年の間に世界経済が史上空前の絶頂期であった中で、どうして国民の所得は増えなかったのでしょうか。
どうして大幅な通貨安が進んだはずなのに、その間の物価上昇率が0.3%程度で済んだのでしょうか。

これは、ただでさえ世界的に原油などのエネルギー価格が右肩上がりで上昇していた時期に、大幅に円安が進んでしまったことで日本が輸入するエネルギー価格がさらに急騰してしまったことに起因しています。
企業は売上げが伸びても、将来のエネルギー価格の上昇基調に備えて、所得のアップにまわすはずのお金を出し渋ってしまったのです。
別の言い方をすれば、企業がエネルギー価格の高騰分をモノの価格に転嫁せずに、人件費を削るほうに重きを置いた経営を行ったから、とも言えるのです。

これは、戦後続いてきた「景気の拡大=所得の上昇」あるいは「企業収益の拡大=所得の上昇」という関係が、エネルギー価格の高騰によって成り立たなくなったことを意味しています。
もはや、通貨安によって景気が良くなるという考え方は、国民生活の視点から見ると楽観的すぎるという現実があります。

昨年の原油価格は05年~07年の円安期よりも平均して40~50%高いのに加え、液化天然ガスは約130~150%も上昇している状況にありました。
おまけに、液化天然ガスの輸入量は約1.5倍にも増加していました。
エネルギーや原材料を輸入に頼る日本企業にとって、110円~120円台の過去の円安期と比べても、昨年のほうがエネルギーコストの負担が大きく増えていたのです。

このように資源価格が高止まりしているときに、昨年末から進んで円安によって資源の輸入コストがさらに2割前後も膨らんでしまっています。
円相場が1円安くなるごとに、液化天然ガスや原油の輸入コストが2700億円~2800億円ほど増加することを考えると、円安が急激に進むことは一昔前と違って喜ばしいものではありません。
11年の平均為替レートが1ドル79円であるので、仮に13年の為替が100円であったとすると、貿易赤字がエネルギーだけで5兆6700億円~5兆8800億円も増加する計算になってしまうのです。

  なぜ日本国民の生活水準はアメリカ国民よりマシか

今年になって企業経営は厳しさを増しています。
消費者離れを恐れる企業はエネルギーコスト増加分を価格に転嫁することをできるだけ抑えます。
その結果、05年~07年の好況期と比べてもなおさら従業員の給与をアップさせることなどできませんし、世界の不透明な経済情勢を意識して内部に利益を貯めておくことになるのです。

さらに、インフレは格差を拡大させるメカニズムを孕んでいます。
日本は1980年代後半のバブル期でも2%程度の物価上昇率で済み、デフレになって16~17年たちますが、他の主要な先進国と比べて日本で格差の拡大が進んでこなかったのは、物価上昇率が低かった恩恵によるものです。

日本はGDPに占める企業利益の比率が減っている一方で、GDPに占める雇用者所得の比率はあまり下がってはいません。
ほかの先進国を見ると、グローバル経済下では企業利益率と労働分配率が概ね反比例の関係にあります。
グローバル化の進展後、米欧の企業は人件費を削って、株主配分を増やしてきました
労働分配率が低いのはそのためです。とくに顕著なのが、アメリカでの労働分配率が低いことです。

いまのところ、日本はアメリカとは対極にあります。日本の企業は株主の配分を重視せずに、人件費をあまり削ってきませんでした。だから、日本国民はアメリカ国民よりもマシな生活ができているのです。

インフレ経済を進めるのは、株式などの資産が買われる環境をつくりだすということですが、そうなると日本株を買い続ける外国人株主の発言力がいっそう強まっていきます。
企業の利益配分は労働者よりも外国人株主を意識したものになっていきかねません。これは懸念すべきことです。
日本がアメリカ型の格差社会に近づいていくことにほかならないからです。

すでに日本の企業でも、一部の企業は労働者を使い捨てにするような環境で株主配分を強めています。
従業員を消耗品のように使っている企業には、利益率が高いところが多く、中には新卒社員の5割が3年以内に辞めるような、まさに資本家重視のアメリカ型企業といえるところがあります。

  バーナンキ議長はアメリカ経済を救っていない

企業利益率が最高でも、国民の3分の1が貧困および貧困予備軍であるアメリカと、これまでの日本とでは、どちらがいいでしょうか。国民は真剣に考える必要があります。

必要以上に量的緩和を行い、円安と物価上昇、株価上昇を起こすことができたとしても、円安が進んで恩恵を受けるのは一部の輸出企業や資産家のみで、むしろ物価上昇で国民生活は疲弊し、格差の拡大が進むことが十分に理解していただけると思います。

繰り返しますが、15年ほど前にポール・クルーグマン教授が提唱した「インフレ目標政策(インフレ期待)」は、ここ10年のアメリカ経済を見ても成り立っていません
資源価格が高止まりしている時には、景気が回復し、企業収益が向上したとしても、所得の上昇にはつながらないからです。

10年以上もこの政策が機能していないのに、クルーグマン教授という権威ある学者の提唱した政策であることから、日本は間違った理論がいまだに正しいと思い、それを信じて国の金融政策を進めてしまったのです。

FRBのバーナンキ議長は「アメリカ経済をデフレから救った」と評価されていますが、その認識自体が大きな間違いです。
本当の景気回復とは、国民生活が豊かになることであり、株価が上昇することではないからです。
株高による資産効果があるのは、ほんの一握りの資産家だけです。

金融危機後のアメリカ国民は所得が下がり続けている中で、量的緩和によってもたらされた物価上昇によって生活が年々苦しくなってきています。
そうした歴史的な過ちを検証せずに、なぜ日本はアメリカの量的緩和にならえと、日銀に積極的な金融緩和をさせたのでしょうか。
物価を無理矢理に上昇させることができたとしても、企業は従業員の給料を上げることが難しくなっているという歴史の教訓を、なぜ権威ある経済学者たちは学ぶことができていないのでしょうか。
 ーーーーーーーーーーーーーー 
 ※ 以下は勤労者賃金、所得の再配分と消費増税、デフレに関連するページ。

労働分配率の強制修正
世界で日本のみデフレ
日銀の金融緩和は誰のためか
信用創造と言えば聞こえは良いが
信用創造とは
公務員叩きとデフレ政策
通貨、金利と信用創造の特殊な性質
信用創造(3)無政府的な過剰通貨
デフレ脱却には賃金上昇が不可欠:根津
これからの経済生活はどうなるのか
なぜデフレなのか、なぜ放置するのか
ゆでガエル!
消費増税でデフレ強行を目指すかいらい政権
日本の労働は封建主義の農奴農民か 
窮乏化、3軒に1軒が貯金もなし
逆進課税とデフレ恐慌
消費増税を許すな!三党談合政権を倒そう
破滅の緊縮財政か、恐慌を断ち切る財政出動か
景気対策ではない、消費増税を通すためのGDP操作だ
安倍某の経済政策?恐怖のシナリオか
安倍の過激刺激策は過去のミス繰返し:人民網
家計、企業、政府の共倒れ破綻
生活と円安、アベノミクスが招くこと
アベノミクスが作り出す地獄の窮乏生活
通貨戦争(62)ゴロツキ右翼が口火で世界大戦:ペセック
アベノミクスは現実を欠いた宗教:ペセック
勤労者の地獄と国際金融資本の高笑い
賃上げが無ければ経済成長は無い
来年度成長率2.5%?参院選向けの国民騙し!
なぜ消費増税に固執するのか
アベノミクス、勤労者窮乏化の効果だけは必ずある 
アベノミクスの展開と帰結:吉田繁治
企業内労組連合の腐敗とブラック企業、アベノミクスの茶番
安倍の犯罪、早くも生活苦が始まった
失業、窮乏、貧富の拡大を目指す安倍政権
通貨戦争(64)キプロスにみる、金融緩和という火薬庫
スタグフレーションとバブル:藻谷
狂気のアベノミクス、マネタリーベースと長期国債
注意!大マスコミが好景気を「演出」している
小沢氏4/1経済も安倍政権もこのままでは持たない
出口もリスクも無視、空気に従う委員たち
通貨戦争(65)アベノミクスに潜む「日米密約」
黒田日銀は己の失敗を願うべき:Richard Koo
黒田「異次元金融緩和」は米国とFRBの意向
目算違いの金利高騰、荒れる債券市場は何故か
アベノミクスと国際金融資本
円安は賃金低下と一部企業の利益増:野口
破綻早めるアベノミクス
インフレ目標は宗教か脅しか:中原
アベノミクスは米国と国際金融の草刈り場
デフレ脱却ではなくスタグフレーション:野口
中原圭介インタビュー:通説経済学に騙されるな
アベノミクス、米国に大流出している日本の資金
法人減税で賃上げ?景気回復?の馬鹿話
よくわかる?消費税
アベノミクスの危険が現れてきた
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アベノミクスは何十年前の政策?FP技能士の株式投資コラム

金利はマネーサプライに大きな影響を与えます。経済学の基本に以下の定義があります。

「M×v=P×y」
 M:マネーサプライ
  v:貨幣の回転速度
 P:物価
 y:GDP

一般的に景気が良くなれば金利が自然と上昇します。しかし、金利と株価の関係は非常に難しいもので、一概には何とも言えないというのが私の答えです。なお、私がこれまでに述べた日本の経済問題は貨幣の回転速度が不足しているという点が多分に含まれています。故人の小室直樹先生が言われたように、日本にはマネーサプライは十分にあり、GDPを支えるだけの生産力やサービス力があるにもかかわらず、貨幣の流れが異常なのです。日本人の倹約精神があってのことのようです。これは過去15年を振り返っても確かでしょう。日本人には資本主義の精神たる倫理の部分が欠損しているということなのですが、日本は資本主義と社会主義が混在している国ですから個人に倫理を求めても無理があるように感じております。
本来ならばマネーサプライが上がると物価も上昇し、期待インフレ率も上昇するため名目金利も上昇するという関係が成立します。しかし、ゼロ金利政策を進めた日本はこの15年間定義そのものが成り立ちませんでした。

アベノミクスで行おうとしていることは、マネーサプライを大幅に増加させ、円安主導による国内流通物価の上昇+金利の安定です。最初に書いたMとPを大きくするものですが、果たしてv:貨幣の回転速度(設備投資や個人消費)とyに影響するのでしょうか。貨幣の回転速度が上がらなければGDPの押上げには繋がりません。正常なGDPの押上げとは個人も含めた国内資産が経済を回すということなのですが、政府はインフレ期待や円安、株高を理由に多くの個人を不安におとしめることから強制的に消費を促そうとしているように思えます。アベノミクスとは国民のへの強迫でしょう。

Re: アベノミクスは何十年前の政策

アベノミクスとやらは基本的には過去の公共依存成長策を雰囲気を変えて異次元金融緩和として繰り返しているにすぎない。
まして日本はデフレ循環がそのまま続いて信用乗数がマイナスのところへ、ブタ積みをいくら増やしても景気回復になどならないのは自明のこと。
狙っているのは財政ファイナンスと金融抑圧といったところ。
当初はインフレ期待が発生したが、株価に反映しただけと考えています。
「貨幣の回転速度(設備投資や個人消費)」と言っても良いと思います。
ですが、個人消費と設備投資を分けて考えると、消費の中核となる勤労家計の可処分所得が増えなければ、需要に対する過剰設備となるので、企業は設備投資できません。
設備投資が増えなければ信用(通貨の循環)は乗数効果が起きません。従って社会に通貨は増えません。
当然というか当たり前の事なのいですが。
「貨幣の回転速度」は上がりません。
彼らが狙っているのはあくまでインフレ「期待」程度ですので、消費が拡大に向かうにはかなり弱すぎる話と思います。
> アベノミクスとは国民のへの強迫でしょう。
同意、同感です!

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