小沢氏10/21会見:姑息な与党、「ゆ」党の民主
2013-10-23

国会審議の時間制限は姑息で政権党らしくない
小沢一郎代表定例記者会見(2013年10月21日)
10月21日、小沢一郎代表が定例の記者会見を行いました。
質疑要旨は以下の通りです。
国家安全保障に関する特別委員会設置と関連法案について
Q. 日本版NSC、国会安全保障会議の関係について。先週17日に衆議院では特別委員会を設置することが決まった。これに関連する秘密保全法案に関しては前回の会見で代表のご見解を伺ったと思うが、国家安全保障に関する特別委員会及びこの法案に関する賛否と代表のご見解をお伺いしたい。(NHK)
A. もうすぐ(法案が)出来上がって提案されるらしいが、中身を具体的に見ないところで賛成反対は言えないけれども、この間伝えられているような、所謂基本的人権の規制に大きな網をかけるような類の法案だとしたならば、賛成は難しいと思う。
やはり、この種の法制度というのは、一番基本的人権の侵害に及ぶ可能性が強いものなので、そういう意味で十分検討されなくてはいけないと、そう思っている。
国会改革について
Q. 国会改革について。今日、政府与党が国会改革の議論の枠組みについて、従来は自民公明民主に維新を加えた4党でという話だったが、全党に呼びかける方針を明らかにした。代表は従来から4党だけでなくて全党でやった方がいいというお考えだったと思うが、改めてそこを伺いたいのと、
今国会が始まってから、所信表明から代表質問までの日数が開いていなかったり、あるいは予算委員会で野党側の質問時間が従来より削減されたりなど、与党側の強引とも見える国会運営が見えてきている。その点についてどのようにお考えか。(朝日新聞社)
A. 全党に呼びかけようという自民党の考え方は、多分与党サイドに理解のある政党だけでは全政党、あるいは全国民の意見を十分聞いたという形にはならないのではないかという風に考えた事だろうと思う。その事自体はそれでいいのではないかと思う。
国会はやはり全国民の代表者が集まるところだから、出来るだけ多くの論議を経てやった方がいいというのは当然だから。
それから、野党の質疑時間を制限するというようなことが、昨今自民党の中で出てきているようだが、私の経験でかつて自民党時代に、特に野党の時間を制限する必要はないと、好きなだけやらせた方がいいと、
ただ、その反面定例日がどうだとか朝早いのはだめだとか夜はだめだとかいう事も野党は言うべきではないだろうと、いうような話をしていた経験がある。
だから、これだけ議席を取って、そういう姑息な小さなことを言うというのはあまり与党、政権党らしくない。
その意味ではそういう意識がないのか、あるいはまた野党になるかもしれないと思っているのか知らないが、
本来の国会審議というのは、実質的には政府対野党だから、野党の審議時間を縛るという発想はよろしくないと思う。
多分、あまり自民党も今日では余裕がないのかもしれない。
安倍首相の靖国神社参拝について
Q. 自民党総裁特別補佐の萩生田議員が、安倍晋三首相が年内にも靖国神社を参拝する可能性があるという風に言っている。代表はこれまでにA級戦犯合祀問題に疑問を呈されているが、安倍首相の靖国参拝についてどのようにお考えか。(時事通信社)
A. 何と言ったか、(靖国神社参拝に関する)安倍さんの応援団の会があるはず。きっとそれに入っている人なのだろう。
私は、現状の合祀されたままでの参拝については賛成ではない。少しでも早く元の姿に直して、総理はもとより天皇陛下が参拝できるような靖国にしたらよかろうと思っている。
ただ、安倍さんがどうのこうのという事は、安倍さん自身の考え方だから。
たしか、総理になる前はかなり積極的に話していたはず。それが本人の自分の考え方であるとするならば、それは貫くべきではないかと思う。
それでたとえ外交関係がうまくいく、いかないという(事になっても)。
そんなことは最初から分かりきっていることなのだから、それでも自分の信念としてそうするのだと言行一致させれば、やるという事自体を私は賛成ではないけれども、それはその人の考え方だから仕方がない。
それで、安倍さんに近いと言われている人なのかなその人は。従来からの安倍さんの言動を見ていて総理になったからといって、行かないというのはおかしいという考え方で言ったのではないか。
私は、重ねて言うが、今のままでの参拝は賛成ではないけれども、やはり政治家、特にトップリーダーは綸言汗の如し、自分の信念として言ったことは実行すべきだと思う。
予算委員会の質疑について
Q. 今日から予算委員会の議論が始まり、民主党の議員も複数質疑に立ったけれども、何を言っても民主党政権の時の批判が返ってきてしまうというブーメランの様な事がよく言われる。それもあってか民主党の中で、責任野党として建設的な提案をしていくべきだという人たちと、あくまでも完全野党として政権に対峙していくべきだという、若干の路線の対立のようなこともあるようだ。政権交代が起きるようになれば必然的にそういう立ち位置の問題も出てくるのかと思うが、こういった政権についた経験のある政党がまた野党になった場合に、どう政権に対峙していくべきかという問題について代表の所見を伺いたい。(朝日新聞社)
A. 責任野党というのが何を意味しているのか知らないけれども、どうしたらいいかと言ったって、欧米ではしょっちゅう政権が代わっているのだから、それを見たら分かるように野党になったらガンガンやっているではないか。
当たり前の事。
考え方が同じだったら別に党を分けている必要がない。合併すればいい。
考え方が違うから党が違っているわけだから。
だから、民主党としては過去の失敗があるから、それを突かれるのがしんどいのだろう。
しんどいけど自分でしでかした事だから仕方ない。やはりそれを乗り越えないと、次にまた政権というのは取れない。
それだったらまた、何と言ったか、野党と与党の間、「ゆ」党か。純「ゆ」党になる以外なくなってしまう。
だからやはり、政権を取るそのために自民党、政府与党と基本的理念、それに派生する政策を異にするという事でないと、国民は選びようがない。
同じだったら自民党でいいのだから。
民主党は政権を取る前からそういう傾向があって、官僚が出してきた法案をちょっと直したからそれだけでもいいじゃないかという類の議論がよくあった。
そんな役所の糊代に乗って手のひらで踊るんだったら、政権なんてほど遠いと私はずっと言い続けてきたんだけれど、またそういった体質的なものが出てきているのかもしれない。
まあ、他の党の事だから分からないが。
Q. もし本日の予算委員会質疑をご覧になっていたら、民主党の質疑がどうだったかという感想をお願いしたい。(時事通信社)
A. いや見ていない。
感想を言えという事だが、人様の感想はあまり言わないから。
党としての、一般論としての話はいくらでもするけれど、個人に関する感想は言わない。
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