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ガンダーセン:フクシマの危険、現在

    『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか  10/3 フェアウィンズ  翻訳10/16「星の金貨」氏から

   (1)

建設段階において、『最大の欠陥』を作り出してしまった福島第一原発
事故処理に追われ、次の問題の原因を自ら作り出している東京電力

………………

フェアウィンズには、三基の原子炉がメルトダウンしたことにより、深刻な危機が続いている福島第一原発の状況について、本当はどうなっているのかという質問が、毎週大量に寄せられています。
そこでフェアウィンズのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセンが、衛星から撮影された福島第一原発の映像を基に、ひとつひとつの問題を詳細に分析しながら、全体の状況を明らかにして行きます。

ガンダーセン : みなさんこんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
ここの所、福島第一原発では事故が多発し、繰り返し報道される事態となっています。
汚染水貯蔵タンクからの漏出事故、汚染され続ける地下水、そして海洋汚染
そしていよいよ4号機使用済み核燃料プールからの核燃料の取り出しが開始されます。

これらひとつひとつが、実は深刻な、大きな問題なのです。

そこで私はこのビデオを使い、みなさんに福島第一原発の正しい状況について、解説を行おうと思い立ちました。

4号機

高濃度汚染水貯蔵しているタンク群について検証を行い、原子炉については一基ずつ検証して行こうと考えています。
なぜならこの原子炉一基一基の存在こそが、日本にとっての困難な課題であるからです。
それでは解説動画をご覧ください。

この画像の中心に見えるのが、福島第一原発の原子炉1号機と2号機です。
次に3号基、そしてこれが4号機です。
そしてこの画像では右方向、少し離れた場所にある二つの立方体、これが5号機、6号機です。
この二つの原子炉については、後半でお話します。

さて数字が表す通り、福島第一原発で最初に建造されたのが1号機でした。

そして福島第一原子力発電所が建造された時点で、今回の深刻な事故の原因も、津波がきっかけで発生した数々の問題の原因も、同時に作りだされたのです。

その問題を作り出したのは東京電力ではありませんでした。

GE.jpg

アメリカの企業です。
一社はゼネラル・エレクトリック、もう一社はEBASCO※という名前の会社です。
※1905年にゼネラル・エレクトリックの電気事業の証券を売却した持株会社を起源としたアメリカ合衆国の企業。
業容としては工学的なコンサルティングと建設工事を事業とした。他には原子力発電所の設計業務がある(ウィキペディア)。
この2社こそは、福島第一原発をどの程度海に近づけて建設するかを決定した企業なのです。

ここで別のもう1枚の画像に目を転じましょう。
これが建造された当時の原子炉1号機の画像です。

原子炉1号基が抱える問題のすべては、コンクリートの中に閉じ込められました。
同様に、特にそのグレードに関して、原子炉2~4号機にも問題があります。

道路の方に目を転じてみましよう。
当時の建設技術者が、100フィート(約30メートル)程地面を掘り下げて道路を建設し、それが海へとそのままつながっている様子が解ります。
掘り下げられた場所の土壌は砂礫によって構成されていました。
そこにあったのは、ぬかるみやすい砂礫だったのです。

4号機1

しかし福島第一原発が建設されたのは、この砂礫で構成された表層部分の上ではありませんでした。
工事では約30メートル、この砂礫の部分が削り取られ、その上に福島第一原発が建設されたのです。
海岸近くに福島第一原発を配置するという決定を行ったのは、ゼネラル・エレクトリックとEBASCOです。

今日であれは津波の脅威を考え、そんな場所に原子力発電所を建設したりはしませんが、当時は別でした。
そしてこの場所に福島第一原発を建設したことが、今日の地下水の汚染問題の根本的な原因を作りだしました

福島第一原発は丘陵地帯の土を削り取って建設されましたが、削り残した丘陵地帯の地下には地下水が貯まっています。
現在福島第一原発の敷地の地下に流れ込んでくるのは、この地下水なのです。

従って地下水が大量に福島第一原発の施設内に流れ込んでくるという今日の問題の基礎を作り出したのは、丘陵地を削り取り、そこに施設を建設する決定を1965年に行った、ゼネラル・エレクトリックとEBASCOであるということが言えると思います。
福島第一原発を建設する以前の1960年代その場所には、急峻な断崖があったのです。
しかし当時の技術者たちが、その場所を今日のように平らにしてしまったのです。
(※ 北風:通常の道路工事などでも山間部を切土すると切り面から湧水する。ただ道路の場合は小規模なので暗渠の横断排水によって流末とする。)

タンク

さて敷地の西側、すなわち山側に無数に並んでいる貯蔵タンクに目を転じてみましょう。
これらは2011年の事故が発生するまではありませんでしたが、事故後2011年から2012年へ、そして2012年から2013年にかけ、劇的な割合で増え続けています。
一目ご覧いただいただけで、ものすごい数のタンクが並んでいるのがお分かりいただけると思います。

このタンクの大群がある場所は、民間の農地に隣接してます。
私見ですが、このままのペースで汚染水が増え続ければ、いずれこれらの民間の農地を買い上げて、新たにタンクを建設しなければならない事態が目前に迫っています。

ところで劇的な勢いで増え続けている膨大なタンク群は、福島第一原発の敷地内の丘側に建設されています。
当然ながらなぜ大量のタンクを、水が流れ落ちる丘の上に建設したのかという疑問がわいてきます。

これらの貯蔵タンクの配管の接続部分にはゴムが使われており、学校のプールとさほど変わらない構造になっています。
(※ 石油類などのタンクと比較すると、基礎地盤の置き換え厚さも、強度も、接合部も貯水タンクとしては「仮設タンク」と言ってよい代物。設計仕様の耐用年数はわずか5年。その5年も持たずに漏水を始めている。)

もし再び大地震に見舞われた場合、何が起きるでしょうか?
もし地震によってこの脆弱な配管が外れたり、破損したりするようなことになれば、汚染水は傾斜にあるあらゆる経路を流れ伝い、海に直接流れ込むことになるでしょう。
(※ 北風:敷地内の地面の汚染がさらに強まり、作業は極めて困難になる。)

タンク1

そして施設内の状態に疑問が持たれているタンクからは、直接地下水の中に汚染物質を流し込んでいる可能性があります。
しかしその可能性のあるのは1,000基のタンクの内の一基だけで、そのタンク自体については深刻な問題ですが、全体から見れば数多くある問題の内のひとつにすぎないと言えるかもしれません。
(※ これはいわゆる「半比喩」。ボロボロ出てきて当然の意味。)

問題を整理しましょう。
問題1、汚染水が複数の貯蔵タンクから漏出しています。
状態が最悪のものは、9月中旬に特定されました。
問題の2は、これらのすべての貯蔵タンクは耐震構造になっていないという点です。

海側に戻って、並んでいる原子炉に目を転じてみましょう。
実は原子炉3号機、4号機、5号機には問題が潜んでいます。
これらの原子炉は、海面の高さ以下に地下構造部分があります

そして丘陵地帯から流れ落ちてくる地下水は50年、60年、いや1,000年もの間続いてきたのです。
原子力発電所の建設が行われていた当時、地盤を乾燥させるため排水ポンプが設備されていました
そして今、地盤は放射性物質によって汚染されています。
あたり前ですが、これをポンプで取り除く訳には行きません
結果、この場所を通って汚染されてしまった水は、海に向かう以外行き場所は無いのです。

3号機4号機

そして問題の第3はこれら汚染水タンクでは無く、汚染が続いている原子炉1〜4号機の原子炉建屋の基礎部分です。

    (2)

1号機 – 爆発の前に、さらには津波到達前に、放射性物質の放出は始まっていた
2号機 – 格納容器自体の爆発により、建屋内部は外観と異なる惨状
3号機 – デトネーションの衝撃波により、最大級の破壊が起きた

………………………………

では福島第一原子力発電所の原子炉を、個別に検証していくことにしましょう。

まず1号機です。
現在、実際の状況はこの映像とは異なっています。
現在は原子炉建屋を覆う建造物が作られています。
この外側の建造物は
それは、それのトップの上に、繭を得ました。 そして、繭は、ケブラー(原文 : 冬の間、ボートなどに掛けられているカバーなどに使われる・ウィキペディア : ケブラーはパラフェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドの重合によって得られ、分子構造が剛直で直鎖状の骨格を持つために、高強度・高耐熱性であり、同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を持つ。)で出来ています。
これはもちろん、爆発によって原子炉建屋が破壊されてしまったためです。

1号機は最も小さな原子炉であり、その出力は500メガワット未満でした。
最初に爆発したのが、この1号機です。

1号機についての謎、それは爆発を起こす前、どれ程損傷していたか?ということです。

1号機

爆発の前に、さらには津波到達前に、放射性物質の放出は始まっていた

その事実を伝える数多くの傍証が存在します。

そこから得られるのは、1号機だけは巨大地震によってすでに損傷していたという事が考えられる、という推論です。

前方のこの部分、ここに排煙等があります。
東京電力は排煙等の地上66メートルほどの場所に亀裂を発見しました。
この亀裂には強い振動によって出来る特徴が残っており、地震によってできた可能性があります。
(※ 原発施設は構造的にはすべて非常に強固に作られており、津波で「亀裂は入る」ことはあり得ない。地震では配管などと同様に支持構造体間の異なる動きが発生し、容易に破損しやすい。)

福島第一原発1号機は地震によって損傷を受けたという事を指し示す事実が数多く存在します

(※ 津波前に地震で損傷しメルトダウンを始めていた事実は、すべての原発の耐震性能を欠格とするもので、極めて重大な事実です。このブログでは14個の記事を原発地震破断に費やしました。「作業員の遺言「原発は配管破断落下で電源喪失」の末尾に各記事のリンクを入れています。)

しかしその直後に襲った津波により、その前後関係の特定が困難なものになってしまいました。

1号機2号機

2号機に移りましょう。
原子炉建屋には一見何の損傷も無く、被害は軽微に見えます。
しかし原子炉格納容器の爆発は、この2号機が最もひどかったのではないでしょうか。
1号機も、3号機4号機も、それぞれ爆発しました。
しかし爆発はおそらく格納容器の外側で発生したものと考えられます。

2号機の場合、格納容器の内部で爆発が起き、その結果格納の下部、底の方が損傷し、亀裂が生じました

この結果
その時幸運にも2号機の原子炉建屋の側壁は吹き飛ばされたため、水素ガスは建屋内に充満する事無く、外に逃がされる結果となりました。
しかしこの原子炉建屋という建造物は密閉されている訳では無く、シアーズ・ローバッグで購入できる金属製の物置と比較し、それ程強度に優れているわけではありません。

原子炉建屋は放射性物質の外部への流出を防ぐためのもので、ここに見える左右の排煙塔からファンを回してガスを外に放出する構造になっています。

左右排煙塔

事故の後、これら原子炉に対する送電がストップし、当然ながらこれら排煙設備は使用不能に陥りました。
1号機と3号機の原子炉建屋内には水素が充満し、その爆発によって原子炉建屋は吹き飛ばされました

幸運にも2号機の原子炉建屋の側壁が外れてしまっていたため、水素が内部に充満する事無く、外気と交じり合っていったのです。
このため2号機の原子炉建屋は外見上は何ともなく見えますが、対照的に内部はひどく損傷しています。

次は3号機です。
1~4号機の中で、最も大きな爆発が発生した原子炉です。
ここでは通常の爆燃(ばくねん : 燃焼の伝搬速度が亜音速のもの)では無く、爆轟(ばくごう、またはデトネーション : 爆発物の燃焼速度が音速を超えること。衝撃波が作られ、大きな破壊力を持つ)という爆発が起きました。
現場の状況を見ながら、その違いについてご説明しましょう。
1号機で起きたのは爆燃です。
原子炉建屋は破壊されましたが、周辺の設備等に被害はありませんでした。

3号機の場合は周辺設備まで、構造が破壊されめちゃくちゃになっています。
3号機も残っている核燃料を取り除かなければなりませんが、これまでの経験則に基づく従来の方法ではおそらく不可能でしょう。
そして3号基の原子炉建屋は内部にクレーンなどを設置した場合の、余分な荷重を支えることは不可能です。
3号機原子炉建屋では、未だにがれきの撤去が行われています。

ところでこの画像をご覧いただいてわかる事ですが、3号機で作業しているクレーンはすべて離れた場所に設置されています。
3号機周辺は突出して放射線量が高く、オペレーターなどが近づける状況では無いため、これらのクレーンはすべて遠隔操作で動いています。

3号機クレーン

そして建屋内は人が入れる状態では無いことは、間違いのない事実です。
放射線濃度がとても高く、人間は近づくことすらできません

 ーーーーーーーーーーーー
ガンダーセン:フクシマの危険、現在(2)へ続きます。
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