泉田知事9/18定例会見
2013-09-25

9/18定例記者会見要旨 新潟県
質疑から原発と消費税関連を抜粋。
(原発関連問題について)
Q
原子力規制委員会が発足1年を迎えます。あらためてこの1年間の規制委の活動内容をご覧になって知事の評価をお聞かせください。
A 知 事
1年間見て事業者行政だけやって責任範囲を限定したいということでやっているのかなという印象しかないです。
原子力規制委員会はその任務の中に原子力利用の安全確保に関すること、すなわち国民の安全を守ること、これをしっかりやらなければいけないという所掌事務を持っているにもかかわらず、加えて勧告権を持っているのです。
にもかかわらず事業者の原子力発電所の性能基準ばかりに力を入れている、そういうところしか見えませんでした。
例えば福島の事故、なぜ2号機の格納容器が破壊に至ったのか。それに対する対策どうするのですかという説明もないわけです。
最も放射能を飛散させた2号機に対する対応をしているのかしてないのか、説明がない状態です。
科学立国アメリカと比べればいいというものではないかもしれませんが、米国と比べて、宇宙開発と比べて原因を究明して対策を取って次どうするかという社会的コンセンサスを作っていくというプロセスが全部省かれているというのは極めて残念に思っています。
Q
関連して田中委員長との面会が実現していませんが、あらためてその点の所感をお願いします。
A 知 事
例えば新潟県では中越沖地震で複合災害を疑似体験しています。
そのときに何があったのかを直接当事者から聞かずになぜ基準が作れるのかということです。
福島第一原発事故の検証もしていません。
面会しないというのは結局質問に答えられず、国民に顔を向けていないからではないかと受け止めざるを得ないと思っています。
Q
原発のフィルターベントに関してお聞きします。先週土曜日に、フィルターベントに関する東京電力の説明の変遷についてというこれまでの経緯を記した発表が県からありました。東電の発言の矛盾を指摘する内容なのかと思いますが、知事は東電の説明のどういったところに問題点があると思っているのでしょうか。
A 知 事
報道資料に書かれているとおりで、(東電の)発言内容が変わっていくということです。
Q
具体的にはどの発言とどの発言を指して・・・。
A 知 事
報道資料として具体的に出させていただきました。見てもらえればはっきりとわかると思います。
Q
報道資料の中で特に下線を引いて説明しているのが、今年の1月に「一体化しなくても大丈夫」という旨の説明を県が受けたということと、7月の廣瀬社長との面談時に「フィルターベントの基礎と建屋がずれて動くことはない」という説明を受けたことと、先日の柏崎刈羽原子力発電所長の記者会見で「同じ地震動を入れてもシンクロして動くわけではない」ということです。
横村柏崎刈羽原子力発電所長の「シンクロして動くわけではない」という最近の記者会見での発言がこれまでの説明と違うという指摘でしょうか。
A 知 事
経緯をずっと見ていくと違う説明をしています。同じではありません。状況が変わると説明が変わるということだと思います。
Q
どの点を問題と感じているのでしょうか。
A 知 事
説明が変遷している点です。
Q
福島第一原発事故に伴う損害賠償請求について、東京電力から一部支払いを受けたと思いますが、支払額や支払い対象を含めてどう受け止めていますか。
A 知 事
あくまでも第一弾と受け止めています。
Q
途中経過に過ぎないということですか。
A 知 事
そうです。
Q
特段、例えば何に対応していない、これに対して支払いがないのはおかしい等、そういう印象はありますか。
A 知 事
問題があるという報告は受けていません。(整理の)終わったものから順次支払い(が行われている)と今は受け止めています。
Q
請求の一部は支払いを受けていて、協議が続いている状況だと思いますが、一方で企業局管轄の汚泥の引取りの件について進展はありますか。
A 知 事
今はありません。
Q
フィルターベントの説明に関してですが、東電の説明は変わってますという報道発表がありましたが、東電の姿勢についてどう感じていますか。
A 知 事
まず事実関係を広く知っていただくことが私は重要だと思っています。
世の中の状況が動くと説明がこのように変わっているというところをまず知っていただくことです。それからではないでしょうか。
Q
今の質問に関連してですが、フィルターベントに対する説明が変わっていること自体について、こういう理由で説明が変わっていると県に対して説明はないのでしょうか。
A 知 事
(東京電力は)記者会見で発表しています。
こういう理由という話は、私のところに事前に上がってきてはいません。
Q
横村柏崎刈羽原子力発電所長は、建屋と異なる基礎の上に置くことで揺れを吸収する方がよいという考えを示しているのですが、その考え方自体について知事はどのように受け止めていますか。
A 知 事
配管が外れることになると生の放射性物質が出てしまいます。
いろいろと言うのであれば、最も安全なのは(建屋の)中に作っておくということではないでしょうか。
どのようにすれば住民をより危険にさらさずに済むのかという観点の思考が必要だと思います。
正当性を強調する言い方が揺れ動きながら進めていますが、姿勢の問題です。
(配管が)外れたら生の放射性物質が出てしまうということに対して、我々としてはこのように考えて対応するということをやはり考えるべきだと思います。
実際に2007年のときには(配管が)外れて火事が起きています。
Q
東京電力の廣瀬社長との再面談も視野に入れた事務当局での調整について、現状での進行具合は・・・。
A 知 事
返事待ちという状況です。
Q
やり取りを続けていて、今は返事待ちということだと思いますが、これまでの期間の中で進展しているという実感は持っていますか。
A 知 事
ゼロではありません。
Q
いつかはゴールと言いますか、お互いの・・・。
A 知 事
それは東京電力次第だと思います。
Q
先頃また原発が全号機停止した一方で、新規制基準に基づく審査が進み、運転再開の道へ一歩ずつ進んでいます。国全体の動きとしては、福島第一原発事故の検証・総括が重要という知事の考えと矛盾している部分もあるかと思いますが、知事としてはどのように受け止めていますか。
A 知 事
リリースを出したとおりです。
Q
(新規制基準に基づく)審査が粛々と進んでいるという状況についてはどのように見ていますか。
A 知 事
進んでいるのは進んでいるというだけであって、大飯原発の話とは関係ないと思います。
Q
大飯原発も(新規制基準に基づく)審査を受けるということになって・・・。
A 知 事
リリースを出したとおりです。他県の状況について承知して、責任を持って話せる立場にないので、新潟県知事としてはコメントしません。
(消費税増税について)
Q
消費税について確認させてください。先ほどの説明の中でも腰折れのリスクがあるという話や、地方への目配りというか対策という話もありました。政府は10月初めにも最終判断すると思いますが、現時点で知事は来年4月に消費税3%上げることに賛成なのでしょうか、それとも反対なのでしょうか。
A 知 事
政府はまだ決めていません。
Q
知事としてはどのように考えていますか。
A 知 事
リスクは高いと思います。
何のために消費税を上げるのかと尋ねれば(答えは)増収したいからなのですが、景気腰折れで、減収のリスクを負っているということです。
方法についても先送りするのか、1%刻み(で増税)なのか、(一気に)3%増税するのか、また地方への目配りをするのかしないのか、弱者対策をどうするのかといったことを総合的に見ないとコメントは難しいという状況だと思います。
リスクはあります。特に地方については今聞いていただいたとおり、どんどん力強く(GDPが年率で)3.8%回復していますという話ではないと思います。
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