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もうすぐ北風が強くなる

-40度、パーティ、Cockett城

 故リー湘南クリニック院長の遺稿「異端医師の独り言」から
 アメリカでの生活
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  ★ マイナス40℃  2010年03月02日

 ボスさんのブログを読んで、アメリカ時代(1985~90年)の冬を思い出しました。
 ロチェスターの冬は、だいたいマイナス 20~30℃、防寒着とアパートは密閉型住宅なので快適だった。
 そんなある晩、帰宅時にマイナス 40℃にでくわした。
 医学部から10分ほど、いすづジェミニのセルがまわらない。守衛にジャンピング・ケーブルを依頼にとってかえし、車内で待つ。
 震えがとまらくなり、次第に四肢の感覚がなくなる(末梢から体幹に血液が移動する)、こりゃ、ほんまにやばいぞと死をも意識していると、守衛さんの車が現れた。
 ところで春先、0度くらいになるとアメリカ人は Tシャツで闊歩していた(頭の悪そうな輩にかぎるが)。

 アパートは密閉型、でふと思ったのだが、換気扇もどき(電気コンロの上にフィルターがついている)で外に排気しないのだが、部屋がベトベトしてこない、さんざん揚げ物をこさえたのに。

 毎週、テレビでエコ住宅の特集をしていた。夏に家の土台にこさえた巨大コンクリートの塊に蓄熱するだとか、外壁と内壁の間に空気を循環させるなど。
 結果、高度密閉型住宅、2~3重窓と分厚い断熱材。
 ところで夏場、冷蔵庫で室内を暖め、エアコンで冷やす、理不尽ではないか。冷蔵庫とエアコンの熱交換器をいったい、一体にできないものか。
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★ パーティー ここはアメリカ  2010年04月11日

 ロチェスター大学医学部泌尿器科では、スタッフが退職する時、位に応じて何らかのパーティーが開かれた。
 在米一ヶ月目、事務員が辞めるため、昼に小会議室でピザ・パーティーがあった。Cockett(主任教授)が遅れてやってきたが、全員が腰掛けていたので座る椅子がない。
 私は気を利かせて席を譲った。 
 パーティーが終わると、Garyが血相を代え「何であんな事(席を譲ること)をするのだ、卑怯者と思われるぞ」、ああいう行為をしてはいけないと諭された。
 ただし、研修医たちをみていると、ハンディをもつ人には、われ先へと席を譲ったり、車椅子を押していた。ここはアメリカ。

 ロチェスターでは、ホームパーティーが盛んだった。娯楽が少なかったせいもあると思う。
 研修医(安アパート)→助教授(新興住宅地の邸宅)→准教授(豪邸)→教授(お城)の順に住まいが変わり、もてなしもこの順に肌理細かくなる。
 在米数ヶ月目、初めて、わがアパートでパーティーを開催した。
 同級生の Bobに「何か持っていくものあるか?」と聞かれたので「手ぶらでいいよ」と答えた。
 当日、高級ビール、ハイネケンを半ダース持ってきて、冷蔵庫に収めた。
 「さすが Bob、気が利く」と思った。
 Bobが帰るとき、冷蔵庫から残ったハイネケンを持って帰ってしまった。
 そうか、ここはアメリカ、次回の自宅パーティーから、それぞれに持ち寄るものを頼むようにした。  


★ Cockett城  2010年05月22日
 Cockett教授のところに 1985年 7月に赴任し、秋頃、自宅へ招待された。
 自家用車でたどり着くと絶句、邸宅どころか「お城」である。
 僕が天ぷらを作る予定で「えびは用意する」というので、粉とツユをもっていった。大型エビが大量に茹でられていた。まあいいか、茹で上がったえびに衣をつけて揚げた。
 新発見、これはこれで実に美味しかった。

 トイレを拝借すると、手拭がない、絹の新品ハンカチが重ねてあり、それが手拭だった。
 本日の客人は私達 2人だけ、目が慣れると、隅々に花が飾られ、Cockettが台所でオレンジを絞って生ジュースをこさえていた。もてなしの真髄に触れた。
 ところで、Cockettが「鍵を預けるから、自分らが不在時、自由に使ってよい」といわれたが、恐縮してそうもいかなかった。
 後になって分かったのは、信用のおける人に泥棒対策に、そうするのが当たり前の国なのだ。

 次に、Cockett城を訪れたのは 2年後、息子さんの結婚披露宴。
 中庭に 80人分くらいのテーブルがセットしてあり、食事は質素でバイキング形式。
 お客さんが雑談に講じていると、「チーンチ-ン」という音。
 Cockettの息子さん(男前の大男)がナイフで空のワイングラスを叩いている。
 それを合図に客人の会話はやみ、息子が短くスピーチをし、女優さんみたいに綺麗な新婦を紹介した。それに呼応し、Cockettがジョークを披露しスピーチは終了。
 この経験と Debbyの結婚式(記事は削除したようだ)の経験から、型にはまった日本の結婚式は苦手だ、もっとも、もう招待される機会はないが。
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