アメリカ揚陸艦はリビアで何をするのか
2011-03-02

強襲揚陸艦キアサージ
リビアにアメリカが揚陸艦2隻を派遣した。
今回の中東各国の反政府闘争の中で、リビアは二つの特徴がある。
ひとつは、強硬な反米であったカダフィ政権は、この十年ほどは陰で親米・親シオニズム路線への転換を進めていた。
もうひとつは、それなりに忠誠を誓う部隊と外人部隊による、虐殺的なデモ弾圧である。
すでに内戦状態になっている。
軍がかなりの程度、反政府側にまわったことにより民衆が武装した。
民衆の武装により、内戦はさらに激しいものになっている。
暴力は暴力を生むなどと、平和呆けしたことを言うつもりはない。
激しい内戦となった以上、反政府側はすでに後戻りはできない。
武装した反政府側は最後まで闘い、勝利しなければならない。
川が上流に流れないように、カダフィ政権は倒れる。
カダフィのいうとおりに、欧米民主派は当然リビアにも地下組織はつくっていただろう。
革命の結果がどのような政治体制となるか。
流される血の量が多ければ多いほど、当然革命は徹底したものになる。
旧特権利益階層は暴力革命の前には、血の報いとして根絶やしになるだろう。
欧米民主派は出る幕がなくなり、結果は反米・反シオニズムでイスラム色の濃いものにならざるを得ない。
こうした状況は欧米・国際金融資本の望むところではない。
彼らは穏健な民主改革にとどめたいのだと考える。
(一方に中東を内乱状態にして、原油生産とシオニズムを破壊し、都合よくニューオーダーを造り直す。と言う説があるが、これも一概に無視はできないだろう)
EUがまとまらないと見た、アメリカは揚陸艦を派遣した。
弱い民衆への虐殺を食い止める人道正義の軍隊?いや欧米の武力行使は常にその反対だ。
反政府闘争を親欧米派のイニシアチブとするには、これ以上暴力革命への進行を止めたいのだ。
「私たちも反カダフィだ。生命を守ってあげる。食糧と、武器と医薬品、もちろんお金も持ってきたよ。」
反政府側はまさか拒否はしない。当然、歓迎する。
内戦で消耗したリビアの親欧米派が、復活の条件を与えられる。
私の見方はひねくれているだろうか。
いや、近代の歴史が教えてくれているのだ。
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