危険を誤魔化す同調圧力と正常圧力
2013-08-27

正常性バイアス+集団同調性バイアスの相乗効果 8/27 逝きし世の面影から
『なぜ誰も逃げなかったのか。恐ろしい非常呪縛の金縛り状態』
10年前の2003年韓国大邱市の地下鉄駅構内に停車中の車両で放火による火災が発生。約200人が死亡したが、出火直後の列車内の写真がマスコミに公開され世界に衝撃を与えた。
車内の映像は、あたり一面に煙が充満しつつあり誰が考えても、一目で危機的で一秒の猶予も無いと分かる。
即座に逃げないと焼け死ぬ状態なのです。
ところが炎上寸前の車両とは対照的に、乗客たちは目の前の煙が見えないのか全員が黙ってじっと座っている。
何故何百人もの乗客は逃げようとしなかったのか。
煙に気が付かなかった訳では無いのである。
乗客全員が、異常に気が付いていた。
ところが大勢いる周りの乗客の誰もが騒がずじっとしているので、自分も騒がず黙って座っていた。
『こんなことは起こるはずのない』と目の前の最悪の現実を否定する正常性バイアスと、典型的な多数派同調バイアスである『周りの誰一人逃げようとしていない。だから間違いなく大丈夫だ』と目の前の危機的な現実を否定する『非常呪縛』に支配されていて、乗客たちは正常な判断が出来なかったのである。
この非常呪縛の『金縛り』状態を破ったのは。誰かの『火事だ!』の一言だった。
間一髪。我にかえった乗客はガラスを割って炎上する車両から辛うじて脱出して助かっている。
『欧米の定番パーティジョーク(周りの空気を読む日本人)』
客船が沈没し救命ボートが足りない。誰かが犠牲にならないと全員が死ぬという極限状況が生じ、
英国人には『あなたこそ紳士だ』というと粛然と海に飛び込んで行った。
米国人には『あなたはヒーローになれる』というとガッツポーズで飛び込んだ。
ドイツ人には『これはルールだ』というと納得した。
日本人には『皆さんそうしてますよ』というと慌てて飛び込んだ。
国民性をからかう笑い話なのだが、2011年3月11日の福島第一原発事故後では到底笑う気になれない。
多数派同調バイアスによる非常呪縛は集団の場合ほど起き易いが、周りの空気を読む習性のある日本人では特に陥る危険が高いと思われる。
また正常性バイアスは、異常事態のレベルに比例していて『信じられない程最悪の出来事』であるほど『現実(リアル)では無い。何かの間違い(バーチャル)ではないか』と思い込む。
危険のレベルが高いほど、逆に正常性バイアスに陥る危険性も高まるのである。
『日光猿軍団、年内で閉園 』
テレビなどでも放映され全国的に有名な栃木県日光市にある猿のテーマパーク『日光猿軍団』が閉鎖されるそうです。
2011年3月11日の福島第一原発事故以来、観光客が激減して仕舞った。
福島県に隣接する日光など栃木県北西部一帯は放射能のホットスポットがあリ危険であることは、誰も人前では口に出さないだけで日本人の全員が知っているのです。
ましてや外国人はもっと知っている。
日本人の2名を除く調教師の9割を占めていた韓国や台湾のスタッフが全員帰国して仕舞う。
これ等の調教師ですが、本国の家族たちが栃木県北東部の放射能汚染を理由にして『帰国せよ』と強硬に主張。外国では日本国内では考えられないほど福島第一原発事故の放射能汚染の拡大を心配しているのです。
日本国内のマスコミは挙国一致での『安全安心。心配ない』との超愛国的な大本営発表を繰り返すが、68年前の一億玉砕のスローガンとそっくり同じレベルですね。
基本的に現実を完全に失念しているのです。
NHKも外国向けのNHK world放送では、『福島事故の放射性物質が、甲状腺がんを増加させている可能性あり』と、外国人には国内向けとは別の説明をする二枚舌ぶり。
『付け火して煙よろこぶ田舎もの 絆社会の恐怖の村八分』
福島から西日本に避難した人が、なんと福島県の地元では『自分だけ逃げた』『裏切り者だ』として村八分状態の酷い苛めにあっていて、残っている家族に会う為に帰郷した時には、顔を隠して道を歩かなければならないほどの凄まじい有様に。
日本独自の絆ですが、実はとんでもなく恐ろしいのですよ。田舎の過疎が進むのは十分に頷ける話なのです。
日本独特の共同体社会では、欧米では当然の個人のプライバシーとか自由が極端に束縛されるのですね。
『危ない。もう駄目だ』とは分かっていても、韓国大邱市の地下鉄火災と同じで、多くの人は自分ひとりの決断では勝手に逃げれないのです。
集団バイアスの極地ですね。
このままなら最悪、今後日本人による68年遅れの一億玉砕も十分にありえる話でしょう。
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(※北風)
北海道石勝線の火災事故の場合も「車内で待機」の指示にもかかわらず、乗客の一人が無視して車外に降りたことがきっかけでぞろぞろと「乗客の判断」で車外に脱出した。
数分遅れたら丸焼けの大惨事だっただろう。
最初に脱出した一人の判断と行動が最大限に貴重なものだった。
マニュアル・ロボットの運転士も車掌もまるであてにならなかった。
単純に周りの人々や権威に同調せず、自分で判断して行動することが非常に重要だ
だが、日本のようにマスコミ、政府から末端町内会などまでが同調圧力で組織されている社会では容易に誤魔化しと洗脳がまかり通っている。
私達の身を守るため、正常な判断力を維持するためには、
なんでも一度は疑ってみる習慣をつけること。
自分が権威を盲信しないこと。
権威を盲信している周りの人々をあてにしないこと。
自分で判断、行動する習慣をつけること。つまり能動性を養いましょう。
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