原発の影響を報道しない日本、データを少しのみ
2013-08-10
ARD特派員「ドイツの方が日本よりも福島の報道が多い」 8/7 「Entelchen」のブログから
原発事故発生から二年、福島は制御不能の状況にある。汚染水が日々海に流出し、解決不能な問題が山積みだ。ARD(ドイツ国営第一放送)の特派員フィリップ・アブレッシュが原発廃墟と隣り合わせの日本人の生活について語った。
質問:汚染水が海に流れ出していることはとりわけ新事実というわけではありませんが、地下の防壁が漏水していることでさらに劇的な状況に達したようですね。
日本政府の発表によれば毎日三百トンの汚染水が海に流出しているそうです。
安部晋三首相は東電を支援し至急対策を取ると宣言しました。しかし何故今頃になってなのでしょうか?
フィリップ・アブレシュ:膨大な量の汚染水がいずれ大問題になることは当初から明らかでした。
どこか貯水する場所が必要です。
私は今になってそのことが大々的に騒がれていることに驚いています。いつかはこうなることは誰の目にも明らかでした。
政府が早急な対策を施すと言っているのは、何かしていることを闇雲に見せたいだけなのだと私は見ています。
こんな状況を招くことはまったくなかったのです。
質問:対策とはどんなものですか?
アブレシュ:それは安部政権の極秘事項です。
経産相が本腰を入れ、東電との連携をさらに強化、新たな支援金が出るということのようです。
しかし本当の問題はまったく別のものです。
事故をどうやったら収拾させられるのか誰にもわからないということですよ。
未だに技術的な解決策のない問題がたくさんあります。
例えばどうやって燃料棒を原子炉から安全に取り出すのか?
この問題だけでも何世代にも渡って技術者たちは頭を悩ませるでしょう。
地盤を硬化させ水の流出を防ぐはずだった化学防壁も効果はなかったようです。
質問者:東電はずっと海に流出している汚染水はわずかだと明言してきましたね。
しかし早々からそれが真実ではないことを示す証拠が出ていました。例えば極度に放射能汚染した魚が捕獲されていたことです。
アブレシュ:事実を無害化し、世論をなだめ、沈黙することは東電のお家柄です。
何かとんでもないことが起こったことを人々が後になって知らされることは度々です。
東電のこの態度に本来政府はずっと目を光らせなければいけなかったはずです。
福島で起こっていることをそもそも承知していたのでなければ。
質問者:政府は承知していたということですか?
アブレシュ:推論に過ぎません。しかし東電は今ではほとんど国営のようなもので、事故収拾作業のための金はすべて国家が支払っています。
ですから政府は福島で起こっていることをよくわかっていると私は考えています。
質問者:防壁が崩れるかもしれないという脅威は今日本でもニュースになっていますか?
アブレシュ:ええ。主要TV放送局も新聞も報じています。
しかしびっくりするのは、ドイツのメディアに比べてほとんど状況に関する評価は行われず、ただデータが報じられているだけどいうことです。
海に放射能汚染水が流出するとどのような影響が起こるかということについては、それぞれが事実をつき合わせて考えないといけないのです。
一般的に福島原発事故ニュースは日本のマスコミでは、本来望まれるような大きな扱いは受けていません。
とにかく事故についてはあまり多くが語られないのです。
ときどき私は日本よりドイツでの方が福島について多く書かれ、多く語られているような気さえします。
質問:日本人はこのニュースにどう反応していますか? そのままあっさり受け入れているのでしょうか?
それとも批判的な声もあがっているのでしょうか?
アブレシュ:今でも批判の声はあるはずですよ。80%の日本人は今でも原発に反対しているのですから。
それにも関わらず彼らは完全な原発推進派である安部を選挙で選んだばかりです。
昨年や一昨年のような大規模なデモは見られなくなりました。人々は新しい生活に適応しようとしているようです。
質問:日本人は事故に慣れてしまったのでしょうか?
アブレシュ:色々な要素が混じりあっています:忘却や抑圧、無力感など。
福島の住民は常に放射能の危険とともに生きています。彼らは原発廃墟とともにある日常生活をなんとかマスターしようとしているようです。
福島原発に近い海沿いのいわきという街では数日前に海開きを行いましたよ。人々は海岸で日光浴をしたり、ビーチバレーをしたり、海で泳いでいる人さえいます。
事故を起こした原発の間近で。
質問者:その人たちは放射能を恐れていないのですか?
アブレシュ:恐れてはいるでしょう。癌の疑いのある子供たちが増える一方ですから。
なによりもお母さんたちは怖がっています。事故が原因で夫婦が別居をするという現象が現れています。
多くの場合、放射能を恐れて母親が子供を連れて引越し、父親は勤め先のある福島に残るのです。
この現象をあらわす言葉まで日本語では出来ました。原発事故はすでに日本人の生活にはっきり具体的な影響をもたらしているのです。
ソース
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砂浜で3,167Bq/kgが測定されている勿来海水浴場。
原発事故発生から二年、福島は制御不能の状況にある。汚染水が日々海に流出し、解決不能な問題が山積みだ。ARD(ドイツ国営第一放送)の特派員フィリップ・アブレッシュが原発廃墟と隣り合わせの日本人の生活について語った。
質問:汚染水が海に流れ出していることはとりわけ新事実というわけではありませんが、地下の防壁が漏水していることでさらに劇的な状況に達したようですね。
日本政府の発表によれば毎日三百トンの汚染水が海に流出しているそうです。
安部晋三首相は東電を支援し至急対策を取ると宣言しました。しかし何故今頃になってなのでしょうか?
フィリップ・アブレシュ:膨大な量の汚染水がいずれ大問題になることは当初から明らかでした。
どこか貯水する場所が必要です。
私は今になってそのことが大々的に騒がれていることに驚いています。いつかはこうなることは誰の目にも明らかでした。
政府が早急な対策を施すと言っているのは、何かしていることを闇雲に見せたいだけなのだと私は見ています。
こんな状況を招くことはまったくなかったのです。
質問:対策とはどんなものですか?
アブレシュ:それは安部政権の極秘事項です。
経産相が本腰を入れ、東電との連携をさらに強化、新たな支援金が出るということのようです。
しかし本当の問題はまったく別のものです。
事故をどうやったら収拾させられるのか誰にもわからないということですよ。
未だに技術的な解決策のない問題がたくさんあります。
例えばどうやって燃料棒を原子炉から安全に取り出すのか?
この問題だけでも何世代にも渡って技術者たちは頭を悩ませるでしょう。
地盤を硬化させ水の流出を防ぐはずだった化学防壁も効果はなかったようです。
質問者:東電はずっと海に流出している汚染水はわずかだと明言してきましたね。
しかし早々からそれが真実ではないことを示す証拠が出ていました。例えば極度に放射能汚染した魚が捕獲されていたことです。
アブレシュ:事実を無害化し、世論をなだめ、沈黙することは東電のお家柄です。
何かとんでもないことが起こったことを人々が後になって知らされることは度々です。
東電のこの態度に本来政府はずっと目を光らせなければいけなかったはずです。
福島で起こっていることをそもそも承知していたのでなければ。
質問者:政府は承知していたということですか?
アブレシュ:推論に過ぎません。しかし東電は今ではほとんど国営のようなもので、事故収拾作業のための金はすべて国家が支払っています。
ですから政府は福島で起こっていることをよくわかっていると私は考えています。
質問者:防壁が崩れるかもしれないという脅威は今日本でもニュースになっていますか?
アブレシュ:ええ。主要TV放送局も新聞も報じています。
しかしびっくりするのは、ドイツのメディアに比べてほとんど状況に関する評価は行われず、ただデータが報じられているだけどいうことです。
海に放射能汚染水が流出するとどのような影響が起こるかということについては、それぞれが事実をつき合わせて考えないといけないのです。
一般的に福島原発事故ニュースは日本のマスコミでは、本来望まれるような大きな扱いは受けていません。
とにかく事故についてはあまり多くが語られないのです。
ときどき私は日本よりドイツでの方が福島について多く書かれ、多く語られているような気さえします。
質問:日本人はこのニュースにどう反応していますか? そのままあっさり受け入れているのでしょうか?
それとも批判的な声もあがっているのでしょうか?
アブレシュ:今でも批判の声はあるはずですよ。80%の日本人は今でも原発に反対しているのですから。
それにも関わらず彼らは完全な原発推進派である安部を選挙で選んだばかりです。
昨年や一昨年のような大規模なデモは見られなくなりました。人々は新しい生活に適応しようとしているようです。
質問:日本人は事故に慣れてしまったのでしょうか?
アブレシュ:色々な要素が混じりあっています:忘却や抑圧、無力感など。
福島の住民は常に放射能の危険とともに生きています。彼らは原発廃墟とともにある日常生活をなんとかマスターしようとしているようです。
福島原発に近い海沿いのいわきという街では数日前に海開きを行いましたよ。人々は海岸で日光浴をしたり、ビーチバレーをしたり、海で泳いでいる人さえいます。
事故を起こした原発の間近で。
質問者:その人たちは放射能を恐れていないのですか?
アブレシュ:恐れてはいるでしょう。癌の疑いのある子供たちが増える一方ですから。
なによりもお母さんたちは怖がっています。事故が原因で夫婦が別居をするという現象が現れています。
多くの場合、放射能を恐れて母親が子供を連れて引越し、父親は勤め先のある福島に残るのです。
この現象をあらわす言葉まで日本語では出来ました。原発事故はすでに日本人の生活にはっきり具体的な影響をもたらしているのです。
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砂浜で3,167Bq/kgが測定されている勿来海水浴場。
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