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安倍政権はどこまで進むのか:人民日報

 圧勝した「ゴロツキ右翼」政権だが、先にNYタイムスの記事「独裁への回帰、「どこまで」許すつもりか」にて紹介したとおり、彼らがネオナチ独裁権力を手に入れたわけではない。

 「自民圧勝、低投票率」のマスコミ大合唱が作りだした「空気」に乗せられた国民が多かった事実はあるが、一方では自民党自体が各業界、族議員、創価学会などに頼った選挙とならざるを得ず、党内独裁体制がつかの間のものであったことを示してしまったのである。

 輸出大手企業は安倍政権が好きかもしれないが、各業界は必ずしもそうではない。
 原発再稼働、TPPから中韓との対立、憲法改正と軍法会議で処刑など全てに大賛成な業界などはどこにもない。

 この政権でこれからの政治はどう進むのか、国民はそれをどこまで許すのか。

 実際に憲法改正に向けて進めるのか。
 アベノミクスと黒田「異次元金融緩和」は既にほころび始めているが、どこまでやるつもりか、その前に政権崩壊するか。
 いわゆる「価値観外交(主観外交)」は日本を孤立から救えるのか。
 少数分散の野党もさることだが、意味の良し悪しを別として復活しつつある旧来の自民党党内体制(業界、族議員、派閥均衡)を、この「ゴロツキ右翼」クラブが制圧できるのか。 

 人民日報によく分析した冷静な記事が出ているので紹介します。
 自国のことはともかく、他国のことは冷静に客観的に隠さず論証できるのも、また現実です。
 考える際の参考として有益と考えます。

 なお、アベノミクスの評価については人民日報評論員の「安倍氏の過激な刺激策 過去のミスの繰り返しに」を御覧ください。

 いつもの通り私が太字強調と段落改行をしています。文中(※ )は私の注釈です。
 ーーーーーーーーーーーーー
  今後3年間の安倍政権の内政、外交の行方 「週刊!深読み『ニッポン』」第48回 7/25 人民日報(人民網)

 日本では21日に第23回参議院選挙が幕を閉じた。理論上、2016年7月まで全国的な総選挙はない。2006年9月の第1次安倍内閣から今年7月までの8年間に日本では7代の首相が誕生した。
 昨年12月に発足した第2次安倍内閣は、特殊な状況が生じない限り長期政権となる。
 だが長期政権は必ずしも安定政権とは限らない。今後3年間に安倍内閣と自公連立政権は以下の問題に直面する。(文:趙剛・中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)

 (1)憲法改正をめぐり、与党内の意見をいかに統一するか

 安倍氏にとって憲法改正は一大信念だ。安倍氏の主導で自民党は昨年4月に最新の「日本国憲法改正草案」を発表した。
 憲法改正の前奏として、今年5月に高市早苗政調会長は様々な場で、憲法改正に衆参両院の3分の2の賛成が必要とする憲法96条の規定の見直しを検討する意向を表明した。
 だがその後、世論調査も盟友の公明党もこれを評価していないことに気づくと、再びそっと声をひそめた。
 今回の参院選で自民党は大勝したものの、単独過半数には届かなかった。憲法改正には3分の2の賛成が必要だが、公明党は憲法9条改正に明確に反対している。
 たとえ憲法改正同盟に参加する意向の日本維新の会を加えても3分の2の敷居を越えるのは困難だ。
 だが1つ確かなのは、これによって安倍氏が憲法改正の夢をあきらめることはないということだ。
 自民党は憲法改正勢力に秋波を送っており、今後3年間、憲法改正をめぐる自公両党の激しい衝突を確実に回避するのは難しい

 (2)アベノミクスは日本経済を救えるのか

 昨年12月26日に発足した安倍内閣は、出馬時から日本経済立て直しの旗を掲げていた。
 アベノミクスの柱はいわゆる「3本の矢」だ。
 安倍氏の強烈な干渉の下、アベノミクスを全力で支持する黒田東彦氏が日銀総裁に就任した。
 安倍内閣の打ち出した物価上昇2%という目標を達成するため、日銀は4月初めから通貨発行量を大幅に増加し、極めて短期間で急速な円安をもたらし、日本の輸出業を短期間で明らかに好転させた。
 だが世界経済が一体化している今日、こうした独りよがりなやり方が、他の国々から認められるのは困難だ
 最近開催されたG8で、ドイツのメルケル首相はアベノミクスに遠慮なく疑問を呈した。
 しかも1ドル98円前後を上下する現在の市場効果から見て、金融緩和政策は実は想像するほどの効果を上げていない。
 しかも円安による輸入コスト増加は、日本の民衆の日常生活に直接影響を与えている。

 日本は総額1248兆円、国民1人当たり979万円という驚異的な財政赤字を抱えている。
 日銀が第2の矢、つまりいわゆる物価上昇2%の目標を達成するために、一体どれだけ市中の通貨流通量を増やすつもりなのか誰にも予想できないが、日本のデフレ現象は長い積み重ねを経て生じたものだ。
 経済学者、吉川洋の言葉を借りるなら「デフレは日本経済停滞の原因ではなく結果」なのだ。
 また、経済学の常識が少しでもある人なら誰しも、過度の金融緩和政策は金利の上昇と国債の下落を招くことを知っている。
 こうした問題を適切に処理しなければ、最終的には消費者に転嫁されることとなる。

 6月12日、安倍内閣は成長促進の追加計画を発表した。
 具体的には、今後10年間でGDPの平均成長率3%を達成し、1人当たり国民総所得を150万円増やし、企業の設備投資を10%増やすというものだ。
 こうした目標が達成可能かどうかはひとまず置いて、1人当たり国民総所得の増加について言うと、安倍政権の説明によると、法人税の軽減によって企業の利益を確保することで、個人所得の増加を促すというものだ。
 だが現実には、たとえ企業が政府の減税によって利益を得たとしても、その利益がすぐに従業員の財布に入るとは限らない。
 さらに、今後10年間で消費税は最低でも現行の5%から10%に引き上げられる。現行の経済政策の期待するインフレがもたらす支出の増加によって、おそらく大部分の家庭は実際の生活水準が低下したと感じることになるだろう。
 つまり、いわゆる「企業減税、家庭増税」である。その結果は一層の市場縮小と消費低迷である。

 アベノミクスの市場効果についての調査結果が報告しているように、いわゆるアベノミクスによって利益を得た人は余りなく、貧富の格差の拡大と正規雇用の減少の方が際立っている。
 こうした状況が短期間内に明らかに改善されなかった場合、今回の参院選大勝を支えたアベノミクスという宝刀は、その神秘的な後光をあっという間に失うだろう。

 (3)価値観外交はどこまで推し進められるか

 「米国に断固付き従う」のが安倍内閣の信条だ。だが日米間にも外交的衝突が全くないわけではない。

 まず、沖縄の米軍基地をめぐり日米間には大きな溝がある。今回の参院選では、安倍氏が投票前に自ら応援に駆けつけたものの、自民党の推薦候補者はやはり勝てなかった。
 外交は内政の外延だ。
 米軍基地について「沖縄の負担を軽減する」というのはすでに野党となった民主党がかつて沖縄の民衆に示した約束であるだけでなく、自民党も聞き飽きるほど言ってきた言葉だ。
 沖縄の民衆と米軍との板挟みとなった安倍政権が適切な解決策を見いだせなかった場合、どちらからも文句を言われる結果になる可能性が高い。

 TPP交渉も日米間に大きな摩擦をもたらしうる。
 就任当初、安倍政権は米国から全面的支持を得るため、TPP交渉を行なう際にいかなる前提条件も設けないことを承諾した。
 だが自民党内の「族議員」が勢力を盛り返すに伴い、特に最大の票田である農協の意見が日米間のTPP交渉のテーブルに反映されることになる。
 すでに米国はこれについて下院公聴会で警告を発した。(「いかなる訂正も余地はない、日本はサインをするだけだ。」の証言のこと。)
 TPP交渉問題で日本外交の信用性が試されることになる。

 また、安倍氏の歴史認識と右翼警告についても、米国の相当数の政治家が警戒し、警告も発している。
 歴史認識問題をめぐり、周辺国だけでなく「同盟国」でさえ安倍氏に対して余り安心していないことがわかる。

 中日関係が現在、国交正常化以来の冷え込みにある原因が日本側にあることは隠し立てするまでもない。
 自民党の小池百合子元防衛相が今後周辺各国との関係をいかに改善するかを問われた際に述べたように「日本は米国との関係強化を前提に、周辺各国との関係を発展させる」。
 だが、こうした災いを隣国に押し付ける、排他的な外交は周辺国と良好な外交的相互作用を維持できないのみならず、日本を新たな外交的苦境に陥れもする

 領土問題をめぐり、日本は中国以外に韓国、ロシアとも係争を抱え、現在にいたるまで適切な解決方法を見いだせずにいる。
 歴史の残した問題の複雑性以外に、融通の利かない外交姿勢・手法もこうした問題の解決を妨げている根本的原因だ。

 安倍内閣が発足以来、外交問題で最も多く口にしているのが「価値観外交」だ。
 いわゆる「価値観外交」の中身とは、日本は普遍的価値(自由、民主主義、人権、法制、市場経済)を持つ国々との外交関係を積極的に発展させるというものだ。
 その言外の意味は、価値観を共有すると認めない国とは協力関係を積極的に推進したくないということだ。

 何が日本の「価値観」なのかということ自体が非常に不明確だ。
 日本の一般の民衆に軍事政権と見なされているミャンマー、強権政治の中東諸国、および社会主義のベトナムと日本がどんな「日本式」の共通価値を有するのか想像がつかない。
 いわゆる「自由と繁栄の弧」と「価値観外交」は完全に冷戦時代の思考方式だ。

 世界の一体化が進む現代において、各国には各自の発展モデルを追求する自由がある。
 日本は公平と対等を原則に、自国の発展経験を紹介し、必要な支援をすることができる。
 だが自国の方式の受け入れを他国に強要し、さもなくば排斥するような行為は、新たな時代の覇権的行為と見なされるだけだ

 隣国である中日韓の間には衝突もあるが、それ以上に協力の余地がある。
 今後3年間に中日韓がどれほど大きな程度の協力を実現できるかのカギは、日本の外交方針が改善されるか否かにある

 (4)旧自民党体制の復活は不可避

 「産官政」の鉄の関係はかつて自民党にとって55年体制を維持する唯一無二の宝刀だったが、最終的に自らの下野を招く直接的原因ともなった。
 こうした関係は2005年の小泉内閣による郵政民営化後、一度は打破された。表面上はすでに歴史の彼方に消えたように見える。
 だが前述の通り、政治に対する民衆の失望が投票率の低下を招いた。そして投票率が低下すると、農協や医師会など業界組織の巨大な票田は確かに心動かすものである。
 政権党がその場しのぎで業界の票田に依存するやり方が、しばしば後難をもたらすことは明らかだが、やめるにやめられないものでもある。
 かつて小泉氏に粉砕された旧勢力もすでに自民党内部への捲土重来をひっそりと果たしており、長期政権の自民党とともに次の選挙を迎えることになる。派閥政治の復活もその一例だ。
 今後、安倍氏の最大の「敵」は自民党内部から出てくるのかもしれない
 理由は非常に簡単だ。現在の選挙制度では、自民党総裁になった者が、内閣総理大臣になるからだ。

 選挙前後から自民党の派閥勢力は領地の争奪を始めていた。各派閥のリーダーはまだ安定せぬ安倍氏の総裁の座を虎視眈々と狙っている。

 アベノミクスの第3の矢、つまりいわゆる重要中の重要である構造改革の矢は今にいたるもなお姿が見えず、遅々として明らかにされていない
 これは構造改革の矢が安倍氏に伴い復活した自民党「族議員」にしっかりと握られていることに根本的原因がある。

 「産官政」の結託体制は自民党が3年間野に下ったからといって消滅することはなかった。この事実は今後3年間で証明されるだろう。

 権力と利益をめぐる自民党内の闘争は、すでにひっそりと幕を開けたのだ。
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