小沢氏7/19角栄像前演説
2013-07-21

小沢一郎 生活の党 代表 街頭演説 7/19上越新幹線&上越線JR浦佐駅東口駅前広場 田中角栄氏銅像前 書き起こし「銅のはしご」氏から
http://www.youtube.com/watch?v=Ml68qNP-WfI#at=1437
皆さん,小沢一郎でございます。
いよいよ参議院選挙も大詰めを迎えました。 皆様には,本日たいへんお忙しい時間帯にもかかわりませず,大勢,この駅頭にお出でたまわりまして,本当に,有り難うございます。
どうか,従来と変わらず大変厳しい選挙ですが,最後の最後まで皆さんのご支援をいただきますよう,心からお願いする次第でございます。
< 中略 >
さて,昨年末の総選挙。民主党政権の失敗によりまして,再び自民党の政権となってしまいました。
しかし,皆さん。今度の安倍政権,安倍さんの性格的・体質的なものは,旧来の自民党政権とは,いささか異にいたしております。
彼の内政における基本的な考え方は,国民の生活を無視し「競争に負けた弱い者,弱い地域は,切り捨てる以外ない」そういう強い者の側に立った,強者の論理に立って政権の運営を行なっております。
それからまた,彼の右寄りの姿勢は,色々な問題,特に対外的に非常に日本に対する警戒心を植え付けてしまっております。
これは皆様もご承知のとおりであります。
ですから,わたくし達は,この日本の将来・国民生活にとって,将来の日本の存立にとって,非常に危ういこの安倍政権を,何としても,我々の力で阻止し,チェックして行かなくてはなりません。
その自民党政権に対抗して対立して論陣を張り,主張して行くのは,国会においては,野党であります。
本来,その論理からすれば,野党第1党の民主党が,その先頭に立たなければなりません。
ところが,皆さん,どうですか。
民主党は,いわゆる「アベノミクス」と呼ばれる(ものの)具体的中身は,わたくしも分かりませんし,皆さんも良く分からないと思いますけれども,この彼の「アベノミクス」と呼ばれるやり方を,評価致しております。
皆さん,「アベノミクス」とは,何ですか?
結果として,株が上がりました。円が安くなりました。しかし株が上がって儲けた人もいるでしょうけれども,国民の(うちの)極々わずかの一部の人でしかないでしょう。では,もう一つ。円が安くなって誰が得をしたんですか。得をしたのは,大量に輸出している輸出の大企業だけです。たいへんな利益を上げておることは間違いない。
しかし,国民にとって庶民にとっては,どうですか。
円が安くなって,何が良い事があったんですか。
油は上がる。飼料は上がる。食糧は上がる。あらゆる物価が,今,続々と上がっているではないですか。
国民の収入は,一方において,年々減っている。その中で,「アベノミクス」と呼ばれるもの,このお陰で物価が更に上がっているという現状であります。
このまま続ければ,国民の懐は豊かにならずして,物価だけが上がるという形になって来ると,私は思います。
このような「アベノミクス」にですよ,何で,野党第1党の民主党が,賛成するんですか。おかしいでしょう,皆さん。
それからまたTPPの話しもあります。
TPPは,これまた民主党は,賛成推進派でございます。
地元では「私は反対だ」なんて言う人が,結構いるんです。自民党も,同じですが。
しかし党でちゃんと決めていて,その党の公認候補者が「党は賛成だけど,私は反対だ」なんて,こんな筋道の通らないバカなことないでしょう。
皆さん,そうでしょう。ですから,わたくし共もですね,本当にこのTPPは,今,日本が参加すべきではない。いわゆる単なる関税の,貿易の交渉じゃないんですよ,これは。まず,この地域でも,岩手はもとより(壊滅的な影響が出る惧れがある)。
わたくしのふるさと岩手は,もっともっと北国,辺鄙な所ですが,農林漁業,特に農業が主体の地域でありますけれども,我々岩手県の試算では,このTPP交渉でアメリカの言う通りやれば,農林漁業の出荷額は,約半分になると,試算されております。
半分になっちゃうという事は,農業をもう維持できないという事ですよ。やって行けないという事ですよ。
これを安倍内閣は,頭下げてまで入れてもらって,何とかアメリカの御機嫌を取ろうとしておるようですけれども,野党第1党の民主党まで,これに賛成してんですよ,皆さん。
候補者が地元で何と言おうと(民主党も)党として決定してるんです。
そしてTPPは,農林漁業・1次産業の問題だけじゃないんです。例えばですが,国民の健康,医療にとって欠かすことのできない医療保険・皆保険の制度。
日本は全ての人が医療保険に加入しております。これは,世界に誇るべきものなんです。
アメリカはどうなってるかと言いますと,皆保険ではありません。自由に自分で保険会社と医療(保険)契約を結ぶ。これが,高いですから,収入のよっぽどある人でなければ,医療保険に入ることができない。
ですからアメリカではですね,5000万人近い人が医療保険に入ってないんです。
病気になっても,保険で医療サービスを受けられない。そんなアメリカの仕組みを,日本に導入しようとしている。
これはまだ,TPPのまだ(会議に出席しておらず)議論されてませんけれども,安倍政権がですよ,日本政府自らが,「混合診療」「自由診療」と言う名の下で,この皆保険制度を,なし崩しに(議論の前にすでに)崩そうとしているんです。
これね,お医者さんに聞いてみて下さい。「自由診療」「混合診療」と言いながら,「自由診療」を広げて行くとどうなるか。
これ,わたくしも安倍さんに直接言ったんです。
これは,皆保険が維持できなるんじゃないですか,と。
そうしたら安倍さんは「いや,これは,高度の先端技術の医療サービスと,それから新しい特別の薬だけに適用されんだから,心配ありません」と,こう言う。
ですが,技術はどんどん,どんどん,毎年進歩する。薬も,良い薬がどんどん,どんどん,できて来る。
それらが皆,保険の対象にならない。高価な医療,高価な薬は,それなりの収入がなければ,受けられない。得られない。
ということになってしまえば,結局,その他の大勢の人が加入している,いわゆる一般の保険は維持できなくなってしまいます。
こんな恐ろしいことをですね,今政府が,率先してやろうとしておるわけでございます。
もう一つ例を上げれば,安倍さんは自分が総理大臣になったら「雇用が増えた,増えた」といって自慢しております。
ところが,増えた雇用は,全部,非正規の社員でありまして,正規社員は,むしろ逆に,安倍さんになってから,10数万人減ってるんです。
これもですね,強い者の論理,言いかえれば,企業の論理に立っているんですね。
正規社員は,そう簡単に企業の都合でクビにできません。非正規の社員,言いかえれば臨時(雇い),アルバイト,こういう人たちは何時でも,(企業の)都合悪くなれば,クビ切りができる。解雇できる。
これまた,アメリカもこんな仕組みになってんです。ですからアメリカでは簡単にレイオフと言って,従業員を解雇します。
これを,更に「限定正社員」。なんかこう,言うのも面倒くさいような名前を付けてですね,非正規の枠をどんどん,どんどん,広げようとしているんです。
ですから,「オレは大企業に勤めてるから大丈夫だ」なんて思ってる人がいたら,その雇用の地位は,どんどん,どんどん,危うくなって来ている,このままで行くと。そういうような事になっております。
もう1個だけ言わせてもらいますと,消費税。民主党政権が,皆さんとの約束を破って,消費税(増税)を強行した。
その時に,自民党と公明党と「三党合意」なるものを,行ないました。
中身は何だったのか。「年金はじめとして,社会保障の関係費のために,消費税が必要だから,ですから,ここは三党で協力して,増税法案を成立させましょう」と言う事だったんですね。
皆さん,今,この社会保障の論議,どうなったんでしょうか。
自民党も公明党も,今のまんまでいいんだ。
「三党合意」なんか,皆ケロッと忘れちゃって,消費税だけが,増税だけが通ったという結末であります。
これも,民主党政権・野田政権のアホらしさと言えば,アホらしさなんですけれども,秋には(政府・与党は)消費税の値上げを多分,決定するでしょう。
そういう中で,どんどん,どんどん,国民皆さんの暮らしは,段々苦しくなる。そして,格差が,非常に大きな大きな社会になって行きます。
これは,小泉政権以来なんですけどね。いわゆるセィフティネットと呼ばれるようなものを,雇用でも何でも,みんな壊して来てしまった。今また,医療はじめ,農業はじめ,みんなそのセィフティネットを壊そうとしております。
ですから,強い者が勝ち残ればいいんだ,生産性の低い産業は置いてけぼり,生産性の低い地域は切り捨てる以外ないんだ。と言う考え方の中で,どんどん都市と地方の格差は大きくなって行きます。
わたくしは,そういう意味において,民主党が,これらの問題にも何ら明確な答え,一つも出してない。
そうでしょう。憲法問題,民主党は賛成なんですか,反対なんですか。(民主党は)TPPは積極的に賛成と決めました。
(民主党の態度は)みんな,曖昧。そしてむしろ,政府と同じような路線を取ろうとしている。
こんなことでですね,暮らしを守るなんて言えますか,皆さん。
わたくしは,そういう意味でですね,私共,小さなグループにはなりましたけれども,本当に我々が皆なの代表として,地域の代表として,国民の代表として,どんなに妨害があろうが,どんなに迫害に遭おうが,断固として貫き通す。(人びとから,大きな拍手湧く)
どうか皆さん,本当にね,本当に真実を見つめ,本当の事実を見直して下さい。 (人びとの拍手,より大きくなり続く)
今日は,田中(角栄)先生の銅像の前で演説をさせていただいております。
わたくしにとりましては,本当に忘れられない親爺であり,恩師であります。
(人びとから,再び大きな拍手湧く)
憶えておられる方がいるかどうか分かりませんが,この先生が,戦後初めての選挙の時に,「若き血の叫び」,「若き血の叫び」と言って,選挙に打って出た。
その中身は,何だったんですか,皆さん。
この雪深い,雪国・越後でも,都会へ出稼ぎに出なくても,皆なが安定して安心して暮らせるような故郷(ふるさと)を作りたい。
(人びとから,より大きな拍手湧く)
それが,田中(角栄)先生の夢だったじゃないですか。
(人びとの拍手,より大きくなり続く)
自民党政権の下で田中(角栄)先生はじめ先輩の努力で,段々段々地域も良くなりました。
しかし,皆さん。自民党は変質した,特に安倍さんはそうだと,最初に私は言ったでしょ。
今の自民党は,そういう考えじゃないんですよ。
地方なんて,農業なんて,そんな生産性の低いものは,どうでもいいんだ。どんどん東京に集中し,世界的に競争力のある産業をどんどん大きくすりゃあ,それでいいんだ。こういう考え方になっております。
これはもはや,本当の自民党政権ではないし,日本の国民を代表する政権政党ではない。わたくしは,そのように考えております。
田中(角栄)先生の志を,日本中どんな所に住んでいても,皆なが安心して安定した生活を送れる。
こういう先生の志を受け継いできたはずの,私共であります。
今まだまだ力足らず,その田中(角栄)先生の夢を,志を,完全には実現できない。
そしてむしろ,その反対のやり方をしている政党に,政権を奪われてしまった。本当に残念でなりません。
しかし皆さん,この選挙戦を通じて,私達はどんな事あっても,力を合わせて,本当に田中(角栄)先生の志と夢を,そして我々が抱く,地域の活性化,日本のどこにいても,皆なが仕合わせに暮らせる,そういう国土づくりを目指して全力で頑張って参ります。
どうか皆様のお力添えを,最後の最後まで与えていただきますことを心からお願いして,ご挨拶といたします。
どうも有り難うございました。(小沢氏・礼)
よろしくお願いいたします。(小沢氏・手を振り,礼)
(人びと「頑張れよ!」大きな拍手)(小沢氏・礼)
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