fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

小沢、堀茂樹対談PART2(4)

 小沢、堀茂樹対談PART2(3)からの続きです。
 ーーーーーーーーーーーーーー
堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 私個人的には別に,保守か進歩派か分からないんですけれども...ただ,戦後66~67年経っておって,今仰ったように,我々,私なんか完全に,日本国憲法の下で生まれて,それ以外知らないわけですから。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 はい。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 それで今.戦争なく,色々問題はあるけれども,何とかつつがなく,ここまでは日本がやって来ていると。
 この時に,逆に,自民党等は「保守」って言ってるわけですから。
 或いは別の言い方をすれば,「小沢さん的な意味での保守」つまり,有名な「変わらないでいるためには,変わらなければいけない」って言うような事も込みにした,そういう保守の考え方から言ってですね,この60何年,70年近くのその実績を,コロッと無しにして,戦後すぐに戻るような事,ほとんど自民党の「憲法案」これからちょっと見て行くんですけれども,そういう所あるんですよね。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 はい。何か,心情的には,そういう感覚なんでしょうね,きっとね。これだけを見るとね。自民党の案を見ると。何か,かつてのね,大日本帝国的なイメージがあるんでしょ。(笑)

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 どうですか。これ,保守じゃないじゃないですか。だって60年間...

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 保守ちゅうのはね,よく定義される時には,やっぱり守るべき普遍の価値は護り,そして時代の変化において変えるべきは変えると。それが本来の保守だという事です。
 ですから,僕はかつてね,「保守じゃない。彼等は守旧派だ」と言ったんですね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ああ。はい。

 
衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 単に「旧」を守るって言うだけでは,それは本当の保守じゃない。
 やっぱり,日本人が,日本が,変わらずに残るためには,変わらねばならない事もあるというのが,僕は保守だと思う。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ですよね。はい。
 ですから私は(自民党は)守旧派と言うか,反動と言うかね(小沢氏・笑)
 だいたい先ほどの立憲主義をちゃんと取らない所も,「自由民主」党って言うのも,看板に偽りありでね。基本的な人権を守らないようでしょ。
 「保守」だと言ってるんだけど,「保守」も看板に偽りありだと。本当の保守は,僕は違うと。皆なが思ってる所と違う所と違う所にあるんじゃないかと思ってるんです。

 じゃあ,純粋法律論と,それから法律論も踏まえた政治論と言うか現実的な策として,何が賢明かと考えれば,今の日本国憲法の原則は保全した上で,修正を加えると言うのが,一番理想だと。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 そう思います。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なるほど。
 さて,現実には今,自民党が大勢力でありまして。自民党はこの前の選挙の直前ぐらいでしたか「改正草案」(2012年4月27日付)を出していまして,それをちょっと問題じゃないかと思いながら,私色々調べてみましたら,幾つか(問題が)ある中で,先ほどもう,小沢さんから言及して頂きましたが,1番大きい(問題な)のは,もちろん9条です。9条の問題がありますが,加えて,前文が,大きく違うものになっています。

 それからもう1つは97条。
 この97条というのはですね,ちょっと恐縮ですが,皆さんいらっしゃるので確認をさせて頂きますが,97条というのはこういうものです。(レポートを掲げる)
 第十章の最高法規という項目の中の第一番目の条項になるわけですが,(第九七条を朗読)

日本国憲法 第十章 最高法規
第九七条【基本的人権の本質】
 この憲法が日本国民に保証する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の成果であって。これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 なかなか,格調の高いね,言葉で書かれているんですが,これ,自民党の「改正案」のほうだと,完全削除なんです。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 削除。(頷く)

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なんで,こんな事するんでしょうかねえ。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 どうしてですかねえ。
 そんな別に,自民党にとっても,別に邪魔な規定じゃないと思いますけどねえ(笑)。
 だけど,そういう感覚を持ってんでょうね,
 きっと。こういう権利規定を(嫌う感覚)...

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ええ。自民党はね,本当に,「自由」と「民主」の党であれば,邪魔じゃないんだけど。 (小沢氏・笑)
 ちょっと,おかしくなってるんじゃないでしょうか。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 こういう規定を残しておくと,色んな自分達の都合良く,こう変える事に邪魔だって考えなんでしょうかねえ。良く分かりませんが。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 私は何かね,自民党は,この否応なしに進んでいる,良きに付け悪しきに付け進んでいる(個人主義),悪い面もあると思うんですが,進んでいる現代の個人主義の進化・浸透というものに,焦りというかね,苛立ちというか,リアクションを感じて,何とか古い日本的な,ネガティヴな意味での日本的な村落共同体的な,家族主義的な,社会的な絆を保全したくて,何か履き違えて,個人の自立というものを邪魔であるかのようなね,ヴィジョンになって来てるんじゃないかと思うんですがね。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だから,個人の自立という事とね(自立した国家の存続はパラレルである)。
彼等は多分,「国家ありき」なんですよね。政治論的にはね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 「国家があるからこそ,国民がいるんじゃないか」と,こういう話しですよね。言いかえりゃ,全体主義的な発想なんですよね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 今回の「改正草案」でも,本当にそういう側面が強いですよ。国民に対する,一種の教育勅語のような案になってます。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だからね,そういう社会は,非常に脆(もろ)いですよ。
 国家,国家という権威主義的な,権力主義的なあれで統治しようというわけでしょ。
 僕は,それは,国家として脆(もろ)いし,もちろん民主主義じゃないし。

 私はやっぱり,きちんと自立した国民が,皆なで共同体を作る国家,と。
 それで,それぞれの国民が,例えば憲法一つにしても,それぞれの国民がお互いに議論し合って作ったルールならばね,これを守らないと言う事は,そもそも約束に違反する話しになるし,国民自身はやっぱり自分たちが作ったものなんだから,自分たちでちゃんと守ろうよと言う話しになるんですね。
 誰かに,上の方からバンと命令されて作ったって「いや,オレ,関係しないのにできてる話しだ」と言う事になっちゃいますからね,やっぱり。

 国が大事だって事はそれはそれで良いけれども,ただ単に「国家ありき」で,あとは国民は国家の為にあるんだ,という類いの発想は,僕は,近代の社会契約論的な近代哲学・政治哲学に反するし,そして今言ったように,現実にそういう国家は脆(もろ)いですよ。
 本当に,国民自身で作った国家じゃないから。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なるほど。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だからその意味でちょっとね,何か...古い時代のイメージがあるのかどうか分かりませんが,ちょっと(自民党は)勘違いしてるんじゃないですかね。
 そういう気が,僕は,しますね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 私,注目すべき事だと思っておりますのは,この「自民党改正草案」等を見ると,一方でね,現行憲法に較べれば,かなり国家主義的です。
 今,仰った通り,国家が国民に訓示を与えるようなところがね,随所にあるんです。

 そういう事が一方にあり,かつ,ですね ところがその自民党が,今日は憲法の話しなんですけれども,TPPに賛成してるんですね。
 日本の社会の・日本人の社会的連帯を揺るがすような,いわゆる「新自由主義的」なものを強引に持って来ようとしていると。
 この憲法にはですね「家族は助け合わなければいけない」てな事を書こうとしてるんですよね。そういう所もあるんです。かつ,国家主義的であると。

 そうでありながら,一方で,国境を超えた,野放図な,コントロールされない,自由貿易のシステムを,いきなり,入れて来ようという所と,一見,矛盾しているように見えるんですけれども,これ,両方支え合ってるんじゃないかと。

 何が攻撃され,何が否定されようとしているかと言うと,我々の日本の国民の“社会的な社会”じゃないかと思うんですね。
 つまり,社会的な連帯。これを,家族内のプライヴェィトなもので,家族の中だけで支え合え,っていうふうに一方でやり。
 だから,子供手当は反対なんですね。
 一方で,国家主義的に,日本人の誇りとかそういうものを回収していると。
 そういうような「ネオ・リベラリズム」「新自由主義」的なものと「新保守的」と言われる「ネオ・コン」的なものが一体になって,進められようとしている所に,私は本当に,危惧を覚えるんですけれど。


衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 仰る通りだと思いますね。新自由主義というのは,いわば簡単に言えば,強者の論理ですからね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 そうです,もちろん。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 自由競争で戦って,強い者が残りゃあいいと。弱い者にはまた強い者からまた配分してやりゃあ良いんだみたいな話しですから。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい,そうです。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 経済社会的にはそういう感覚。それから,政治論的にはね...
 まあこのTPPつうのは,僕等反対してるの,農業の問題だけだと皆さん勘違いされてますが,農業や漁業(だけ)の話しじゃないんですね,TPPは。
 もちろん,それもありますけど。
 例えば,日本の(国民)皆保険の医療制度であれ,或いは簡保だ郵貯であれ,或いはビジネスのルールであれ,これらをアメリカ流に変えようと言う,アメリカの言う「構造協議」なんですね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 いわゆるグローバリゼィションに名を借りた,アメリカナイゼィションなんですよ。
 アメリカのルールを,日本に持ち込んで,アメリカの言う通りにせい,という話しですから,僕は,これは非常に危険だと言ってんです。
 そうであるにも拘らず,安倍さんはじめ自民党政権が,頭下げてまでTPPに参加させてもらってる,と。まあ,入れてやっか,みたいな話しですね,向こうは。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 そうですね。はい。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 何故かって言いますとね,多分ね,今の自民党ちゅうか,その周辺の人達は,今やっぱりアメリカの機嫌取っておいて,アメリカの言う通りやっている以外ない,という意思です。
 しかし,一方において,その背景にあるのは,例えば石原慎太郎さんが一番典型ですが,彼は「核武装」で,「武装独立」なんですね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 日本は,独立国家と言うと,自立国家と言うと,すぐそれになるわけです。
 核武装を,平気で言ってるわけでしょ。
 だから,第1次の安倍内閣でも,麻生(太郎)さんやなんかは「核武装」論に行ったでしょ。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ああ,はい。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 本当の独立,自立というのは,武装独立だっていう感覚がね(自民党とその周辺の)中にあるんですね。
 一見すると,アメリカの言う通りするってのと,その思想というのは矛盾してますけれども,僕は当面は(彼等は)とにかくアメリカの言う通りにするんじゃないかと思います。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だけど,その究極の目標は,石原慎太郎さんの言ってる事が背景にあるんじゃないかなと,僕はそう思ってるんです。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 ですから,これはアメリカ政府の連中は二国間の事ですから大っぴらには言いませんけれども,今,アメリカで非常に,アメリカ国内の識者は,非常に,日本の政権を警戒しています。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。そのようですね。 

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 (アメリカの識者は)危惧の念を持ってる。ある意味で,アメリカが一番そうなって欲しくない日本に,なるんじゃないかと。
 これはアメリカだけじゃない。中国だって韓国だってどこだって同じですが。今言ったと,いう事なんですよ。

 だから,アメリカのかなりの政府筋に近いような人たちが,幾つか書いてますよ。「これは非常に危険だ」と言う(レポートを)。
 僕はその意味で,どっちかって言うと「右」の人達は「日米同盟,日米同盟」って口開くと言いますけれども,一見,アメリカ追随でアメリカの言う通りにというふうに見えながら,腹の中ではそういうイメージを思い描いている。
 そういうどっちかって言うと「右」寄りの考え方っちゅうのは,非常に国を滅ぼすもとになるんじゃないか,というふうに僕は,非常に危惧の念を持っております。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なるほど,そうですか。ああ,そうか...
 そうかも知れませんが,私は,石原慎太郎さんとか,ああいう人は,もうちょっと子供っぽいんじゃないかと思いますけどね。
 なんかその,誇りだとか(言っても),ガキ大将の「オレは日本人だあ」ってな誇りだとか,本当に静かな自信のない人達の心理が,ああいう所へ働いて,一方で暴走的な,自己コントロールのない武装をやりかねないような面と,それから,強い,強大な世界最大の軍事力を持ってるアメリカについて行きたい面と,なにかこう,一緒になってるような気もするんですが。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 そこはちょっと若干,矛盾する所もあるんですけど。
 だけど,さっき仰った自民党の「憲法草案」。(これは)何をイメージしてるんですか。
 そういうイメージから考えりゃ,ピッタリなんですよ。国家主義
で。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 そうですね。はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 (国家主義に基づいて)強くなる,軍事的にも強くなると。それは,一つは中国の脅威論もね,理由にしてるだろうし,色々言いますけれども。
 そのイメージが背景にあって。
 それを(明確に)意識して,「自民党草案」を作ったかどうかは別ですよ。
 そういう背景が頭ん中にあって,そういうイメージがあって,そんでこういう「憲法草案」になんのかなと。僕はそういう気がしますね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なるほど。分かりました。
 それで,そういう事と非常に関係があるんですけれども,最初に小沢さんは世界の中の日本と。日本もちゃんと世界の中で自己主張もし,協力もし,やって行くべきだという事を,仰ってたんですね。それは,「国際協調」だと。(憲法)前文の事で言えば「国際協調」だと。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 (国家主義に基づいて)強くなる,軍事的にも強くなると。それは,一つは中国の脅威論もね,理由にしてるだろうし,色々言いますけれども。
 そのイメージが背景にあって。
 それを(明確に)意識して,「自民党草案」を作ったかどうかは別ですよ。
 そういう背景が頭ん中にあって,そういうイメージがあって,そんでこういう「憲法草案」になんのかなと。僕はそういう気がしますね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 なるほど。分かりました。
 それで,そういう事と非常に関係があるんですけれども,最初に小沢さんは世界の中の日本と。日本もちゃんと世界の中で自己主張もし,協力もし,やって行くべきだという事を,仰ってたんですね。それは,「国際協調」だと。(憲法)前文の事で言えば「国際協調」だと。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 はい。

≪ 続き ≫
http://www.ustream.tv/recorded/34567937
USTREAM 01:35:58~01:41:16/02:02:54 

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 もちろん,今の現行憲法は第9条に,言わば「平和主義」と名付けられるような条項を持っておって,これを(小沢氏・生活の党は)堅持しようと。
 そうすると,一見ですね,私も一見だと思うんですけれど,これ日本の中での議論の中では,わりと,対立するもののように,「平和主義」と「国際協調」というのが,言われていませんでしょうかね。これ如何ですかね。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 日本ではね。そういう感覚で見る人がいるっという事ですよね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 本当にそれはね,日本人のかなりの人が,大いなる勘違いと大いなる間違いですね。
 だって,平和を維持するのにね,日米同盟でも何でもいいんですけど,それは皆なと協力しないで,自分だけが平和で居れば良い,自分だけが豊かで居れば良い,という事,あり得ないでしょ。
 それは,利己主義でしかない
わけです。個人では利己主義ですよね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。それは一国平和主義ですね。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 一国平和主義であり,個人では利己主義ですよね。
 やっぱり,皆なで助け合って,皆なで以ってレヴェルアップして行こう,と或いは,平和を守ろう,というのは,これ,当然の事でね。
 ですから,日米安保の例を取れば,アメリカでは日本に対して「安保ただ乗り論」というのがあるんですよね,ずっと前から。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 そうです。はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 日本は自分じゃあ何もしないで,何かの時は日本を助けて下さいっという話しばっかりする,と。「ふざけんな」っちゅう議論がやっぱりアメリカにあって,それが最近の政権であれで以って,なおそうなったんでしょうが,いずれにしても,これ,当たり前の話しで,そんなに議論のある話しではないと,僕は思ってるんですよ。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はあ。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だから,平和を維持するには,それなりの努力とコストを払って行かなくちゃならないわけで。そしてその為に,皆なと力を合わせて平和を維持するわけで。
 自分達だけ平和でって事は,あり得ないです。
 他の人がどうなろうが私は知りませんじゃね,誰もこれ相手にしてくれない。これ,個人の生活だってそうですよね。
 自分だけ良けりゃいい,他の人,隣りが死のうが生きようがどうしようが,そんなこと知らない,と。
 ただ私の時は皆助けてよ,と。そんなバカな議論,通らないでしょ。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ふうむ。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だから私は,若干そういう所に,どっちかって言うと今度「左」のほうの人に,その錯覚がね,あると思うんです。
 さっき(仰った)阿部(知子)さんですか。(憲法の基本原則を)3つしか言わなかったと。「国際協調」を,言わなかったと。そういう錯覚に基づいてるんですよね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 ふうむ。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 ですから私は,9条の1項2項。9条そのものは変える必要はないと思っています。
 2項は,1項にも含まれてますから,一緒にしたっていいんですけど。
 いずれにしろ,これを変える必要はない。

◇ 途中で参考 ⑫
≪ 基本理念 : 戦争放棄 戦力不保持 ≫

日本国憲法 第二章  戦争の放棄
第九条 【 戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認 】
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇(いかく)又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄(ほうき)する。
 ② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 これは,「不戦の誓い」なわけですから。
 止めようね,と。戦争は,と。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 第一次大戦後の不戦条約「ケロッグ=ブリアン条約」。これに,ほとんど同じような条文が出ているんですよ。

◇ 途中で参考 ⑬

ケロッグ=ブリアン条約
Kellogg-Briand Pact 
1928(昭和3)年8月27日~
不戦条約 のこと
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%88%A6%E6%9D%A1%E7%B4%84
パリ条約(協定)Pact of Paris あるいはパリ不戦条約とも。後,多国間に広がり,その後の国際法における戦争の違法化,国際紛争の平和的処理の流れを作る上で大きな意味を持った。


堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 そうですね,はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だから,この事自体,「右」の人が忌み嫌う条文じゃないんですよ。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 だから,それはそれで僕は良いと思います。
 ただ,国際連合の,国連憲章第1条にも同じような不戦の条項があります。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。あります。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 しかし,戦争をやめて平和を守ろうと。だけども,それを乱す不心得者いた時,どうすんだちゅう事なんですね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 そん時は皆で協力して,その不心得者は規制しよう,抑制しようよと言うのが,国連憲章の7章の41条,42条に,あるわけです。
 相手が武力を以って,不法行為を(する)平和を乱そうとするならば,それは皆なして武力使ってでも,とめようね,というのが42条ですね。
 そこの部分が,平和が乱れた時にどうするんだという部分が,日本国憲法では,前文にありながら,逐条にないんですね。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 はい。はい,ああ,なるほど。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 そこは国連憲章やなんかと違う所なんです。だからそういう意味で,国連を中心として,平和の維持のためには,日本が積極的に協力すべきであると。
 この条項を9条に加えるのは,私は賛成ですと。

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 これは,つまり「集団的安全保障」っていうもんですよね。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 「集団安全保障」と言うと,「集団的自衛権」と混同するんですよね。
 僕は,「国際安全保障」と呼んでる
んですね。 (会場・拍手)

堀 茂樹 慶應義塾大学 教授
 「国際安全保障」。そうですか。

衆議院議員 小沢一郎 生活の党 代表
 はい。これを否定しちゃったらね。日本は「もう,お前等,勝手にしろ」っちゅう話しになっちゃうわけですね。
 ーーーーーーーーーーーーーー
 小沢、堀茂樹対談PART2(5)へ続きます。
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/1808-ac1e2708

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん