サイバー戦は現実の問題だ
2011-02-25
EUの調査委員会がその存在を確認した「エシュロン」を持ち出すまでもなく、アメリカは世界すべての情報をとっている。
我が国でもまともな政治家は、重要なことは携帯電話、固定電話、メールでは話さない。
封書か、出来れば直接会って話す。
大金持ち達も同じである。彼らはインサイダー情報の交換だからである。
国家間も同じで、我が国の内部情報は細大漏らさず米中に把握されている、と考えたほうが良い。
実際すでにそう考えると、アメリカの対応の辻褄が合うのである。
ビル・トッテン氏から
Date : 2011年02月24日
昨年暮れ、ロシアのプーチン首相は政府機関に対して「オープンソース・ソフトウェア」の導入を促す20ページにわたる命令書に署名をした。
(ビル・トッテン)
サイバー戦争が現実に
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードをインターネットを通じて無償で公開し、誰でも改良、再配布が行えるようなソフトウェアのことである。ロシア政府は2012年からLinuxを始めとするオープンソース・ソフトウェアへの切り替えを開始するといい、これはロシアの公共機関がマイクロソフト社などが開発した、有償のソフトウェアの使用を止める、ということでもある。
これにより、今まで支払っていた多額のライセンス料の節約になるだけでなく、海外、特にアメリカ製の商用ソフトウェアの使用を止めることで国家安全保障の強化につながるというのがその動機の一つにある。ソースコードが公開されていれば、CIAが中身をそっとのぞける「秘密のドア」をソフトウェアの中に組み込むことは困難になるからだ。
オープンソースへの動きは、昨年、サイバー攻撃を受け原子力発電所などのパソコンがコンピュータ・ウィルスに感染したイランでも、セキュリティ上の懸念を理由に移行を発表し、また自由や共有という言葉が相容れないような中国政府でさえ興味を示し始めている。
グローバリゼーションを推進した情報技術だが、今、多くの国の政府がその脅威を認識し始め、特にインターネットは国家の戦略産業になりつつある。一例としてトルコ政府は、国家検索エンジン、国家電子システムを計画している。世界を網羅するインターネットでは、例えば海外にあるサーバを経由したサービスを利用すると機密情報が盗られる心配があるためだ。
サイバー戦争は小説から現実の話となり、ナショナリズムの新たな火種となりそうである。アメリカでは議員グループが通信傍受を懸念して、国内通信会社のシステムの工事入札から中国企業を除外するよう求めている。一方中国の企業は、カンボジアやアフリカの国々の通信インフラを支配しており、ロシアの半国営企業は、ソ連の元衛星国のほか、ニカラグアやペルーへサービスを展開し、南米に基盤を作ろうとしている。
今日米はじめ先進諸国の政府は模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)という国際条約で、海賊版根絶としてフィルタリングやブロッキングによる通信の秘密や検閲の禁止の範囲を大きく制限させようとしている。しかし実際は、海賊版が多く作られている中国が協議に参加していないことを考えると、真の目的は海賊版よりもインターネット規制のほうにあると言えるだろう。
いずれにしても、このような動きはグローバルに提供されるサービスの時代の終焉を意味している。これからは、資源面でも、国家安全保障という意味でも、ローカルへ戻っていくだろう。例え使い勝手や価格面で劣っても、国内企業であれば少なくとも「秘密のドア」や他国政府からの傍受を心配しないで済むからだ。
我が国でもまともな政治家は、重要なことは携帯電話、固定電話、メールでは話さない。
封書か、出来れば直接会って話す。
大金持ち達も同じである。彼らはインサイダー情報の交換だからである。
国家間も同じで、我が国の内部情報は細大漏らさず米中に把握されている、と考えたほうが良い。
実際すでにそう考えると、アメリカの対応の辻褄が合うのである。
ビル・トッテン氏から
Date : 2011年02月24日
昨年暮れ、ロシアのプーチン首相は政府機関に対して「オープンソース・ソフトウェア」の導入を促す20ページにわたる命令書に署名をした。
(ビル・トッテン)
サイバー戦争が現実に
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードをインターネットを通じて無償で公開し、誰でも改良、再配布が行えるようなソフトウェアのことである。ロシア政府は2012年からLinuxを始めとするオープンソース・ソフトウェアへの切り替えを開始するといい、これはロシアの公共機関がマイクロソフト社などが開発した、有償のソフトウェアの使用を止める、ということでもある。
これにより、今まで支払っていた多額のライセンス料の節約になるだけでなく、海外、特にアメリカ製の商用ソフトウェアの使用を止めることで国家安全保障の強化につながるというのがその動機の一つにある。ソースコードが公開されていれば、CIAが中身をそっとのぞける「秘密のドア」をソフトウェアの中に組み込むことは困難になるからだ。
オープンソースへの動きは、昨年、サイバー攻撃を受け原子力発電所などのパソコンがコンピュータ・ウィルスに感染したイランでも、セキュリティ上の懸念を理由に移行を発表し、また自由や共有という言葉が相容れないような中国政府でさえ興味を示し始めている。
グローバリゼーションを推進した情報技術だが、今、多くの国の政府がその脅威を認識し始め、特にインターネットは国家の戦略産業になりつつある。一例としてトルコ政府は、国家検索エンジン、国家電子システムを計画している。世界を網羅するインターネットでは、例えば海外にあるサーバを経由したサービスを利用すると機密情報が盗られる心配があるためだ。
サイバー戦争は小説から現実の話となり、ナショナリズムの新たな火種となりそうである。アメリカでは議員グループが通信傍受を懸念して、国内通信会社のシステムの工事入札から中国企業を除外するよう求めている。一方中国の企業は、カンボジアやアフリカの国々の通信インフラを支配しており、ロシアの半国営企業は、ソ連の元衛星国のほか、ニカラグアやペルーへサービスを展開し、南米に基盤を作ろうとしている。
今日米はじめ先進諸国の政府は模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)という国際条約で、海賊版根絶としてフィルタリングやブロッキングによる通信の秘密や検閲の禁止の範囲を大きく制限させようとしている。しかし実際は、海賊版が多く作られている中国が協議に参加していないことを考えると、真の目的は海賊版よりもインターネット規制のほうにあると言えるだろう。
いずれにしても、このような動きはグローバルに提供されるサービスの時代の終焉を意味している。これからは、資源面でも、国家安全保障という意味でも、ローカルへ戻っていくだろう。例え使い勝手や価格面で劣っても、国内企業であれば少なくとも「秘密のドア」や他国政府からの傍受を心配しないで済むからだ。
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