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もうすぐ北風が強くなる

侮蔑的で失礼な「有名人」駐日大使の選択

 Cケネディ
 
   オバマ大統領、有名人を駐日大使に起用 アジアの緊張感高まる中 4/2 Seetell

ワシントン・ポスト紙によれば、オバマ大統領は次の駐日大使に故J.F.ケネディ大統領(1963年に暗殺により亡くなる)の娘、キャロライン・ケネディの起用を決めた。

これほどの軽い扱いを受けなければならないとは報復のようだ。いったい日本は何をしたのだろう?
中国には元ワシントン州知事、米国商務長官としてすでに知られている中国系アメリカ人、ゲリー・ロックが起用された。
韓国にはアジア外交に長い経験がある韓国系アメリカ人、ソン・キムが、ベトナムには同じくアジア外交に長け中国語と日本語に堪能な David Shear が、ロシアにはロシア・ユーラシア問題で大きな役割を果たしてきた Michael McFaul がそれぞれ起用されている。
そして日本には、昨年の大統領選挙でオバマ陣営の支持活動を行った以外に外交経験もなくアジアで知られてもいない、ずっと前に暗殺された大統領の娘である。

彼女の起用をまじめに捉えるには、日中関係や日韓関係、それに日本、韓国、アメリカ、北朝鮮の間で高まっている緊張感を無視しなければいけない。
あらゆる工業国の公的債務に頼り切ってしまっている世界経済や、その経済が破綻すればこの緊張はさらに高まり、アジア地域で新しい問題が発生するかもしれない、ということも無視しなければならない。
さらには、特に沖縄米軍基地問題や尖閣諸島周辺の安全保障問題などについて日米関係も完全に回復してはいないのに

こういった問題すべてが日米関係の強化にかかっているとしたら、オバマ大統領は次の駐日大使にもっとふさわしい人物、例えば外交の経験があって、日本語に堪能で、東アジアの歴史と国家間の関係に詳しい人物を選ぶはずだ。
だが、キャロライン・ケネディはこういった特質をどれも備えていない

代わりに、アメリカで最も気品があり、ポスト紙が少々無礼な表現を使って形容したところでは「アメリカ大使がスーパースターであることを好む日本人は大喜びするだろう」と言われる人物だ。

現代政治と、もちろんオバマ政権内では、表現は機能に勝るものだ。
そう考えればなぜオバマ大統領が、太平洋戦争後で日米関係が最も危機を迎えている今のこの時に、日本人を狂喜させる「スーパースター」を選んだのかがわかる。

さて、オバマ大統領とワシントン・ポストにこんなことは言いたくないのだが、日本人全員が原宿のギャルや漫画オタクではないし、西洋メディアが日本人について触れる時に使われる誇張された例はまったく当てはまらない。
頭が空っぽだったり子っぽかったり(政治家以外は)はしないのだ。
多くの人は、おそらくアメリカ人の多くよりもずっと真面目でよく働く家庭人で、メディアが「有名人だ」という人物よりも有能な人物をリーダーとして求めている。
オバマ大統領は日本で首相がコロコロ変わっていることを知らないのだろうか?

日本のメディアは間違いなくこの選択に律儀にひれ伏して、折にふれて何人もの日本人を登場させ、キャロライン・ケネディには確かに本物の気品があると言わせるだろう。

だが、家族と日本の未来を憂える真面目な日本人(多くはアメリカが落とす影にうんざりしている)にとっては、またしても平手打ちを食らったように感じるだけだ。
この出来事や過去の諸々から日本に対してほとんど興味がない事がわかるアメリカ大統領の、侮蔑的で失礼な選択だ、と
 ーーーーーーーーーーーー
 ※ キャロライン・ケネディ(Wikipediaから)

1957年生れ。ジョン・F・ケネディの長女。
ハーバード大学とコロンビア大学法科大学院を卒業後、弁護士資格を取得。メトロポリタン美術館在職中にエドウィン・シュロスバーグと出会い、1986年に結婚した。
現在はケネディ記念図書館の館長やハーバード大学ケネディ・スクールのコンサルタントを務めている。
自身が直接政治活動をすることは少ないが、2008年の大統領選挙では叔父のエドワード・ケネディ上院議員とバラク・オバマ候補への支持を表明し、同陣営の副大統領候補者選考委員会で仕事をしながら、自身が副大統領候補に指名された場合について言及した。
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