放射能基準が如何に出鱈目か、原発内との対比:生井
2013-03-18
日本の飲食物や生態環境の「放射能」規制基準が如何に出鱈目か
―原発内の規制基準との対比ー 生井兵治氏(元筑波大学教授) 3/11内部被曝問題研究会会見 書き起こし「kiikochan.blog」から 動画はこちら。

みなさんこんにちは。
わたくしは、元筑波大学教授の生井と申します。
最初に沢田さんが話された通り、
先月行われた二つの原子力規制委員会のパブコメに関する事の抗議声明があるんですけれども、
時間の関係でここではお話しませんが、皆さんのお手元にふたつございますと思いますので。
後ほどご覧いただければと思います。
わたくしは、書いてございます通り、今までお話に出てきた事の総括的な背景として、
現場の食べ物や、田んぼなどがどういう事になっているのか?という事を、
原発内の規制基準との対比でお示しをしたいと思います。
1.低レベル放射性廃棄物を食べる?!
おととし、厚労省が暫定規制値を出しました。
そうしましたらすぐに、福島をはじめ4つの県でホウレンソウ等が出荷制限になりました。
その理由は、セシウムで言えば134と137が500ベクレル/kgを超えたら出荷制限ですよ、
それ以下なら出荷してもいい、食べてもいいと。
安全だということな訳ですけれど、
ちょっと、待って下さいと。

黄色いドラム缶、
法律で、原発の中であればセシウム137が100ベクレル/kgを超えたら、低レベル放射性廃棄物で、
ちゃんとライセンスを持ったスタッフが、管理をしなければいけないと。
「ドラム缶に密閉して」というようなものなのです。
それをよりも5倍近くのものまで、暫定規制値以下でも出荷していいという事になっていた訳ですね。
2.現在 福島県の出荷制限
じゃあ、現在どういう事に、福島県の例だけちょっとお示ししますと、

出荷制限は、
原乳、アブラナ科の野菜とか、カブ、後はきのこの類とか、アズキ、大豆、米、等々、
魚もいろいろありますけれども、
牛以外では、山で採れるか地区以外の動物たちも出荷制限になっているという状況ですね。
3.毎日10ベクレルずつでも食べ続けると?!
じゃあ、毎日10ベクレルずつ、もし食べたらどうなるのか?
低レベルでかなり低いレベルですけれども、

そうすると、たとえばこれ(左端で一番上の線①)は1回に1000ベクレルを食べてしまいました。
あと食べなければだんだん下がっていきますよ、体内のセシウムが。
これは、保養とか疎開、子どもたちの集団疎開とか移住には非常に効果的だよという事を示しています。
じゃあ、10ベクレルというのは、たとえば、
日本では牛乳は50ベクレル/kgが新基準値です。
だからそれに近いやつで流通している牛乳を、毎日200ミリリットルずつ飲めば、
日毎に10ベクレルずつ飲んで、体内に蓄積していくことになります。
やがては食べて入る量と、排泄する量が同じになって平衡状態になりますけれども、(※いわゆる高値安定状態)
こういう状態にもし、子どもがなったら、
これは昨年の秋、ウクライナに日本から調査に行って来られた方達の報告ですけれども、
7割の子どもに障害が出ているという。
しかも複数の、いろんな病気を伴った子どもたちが7割は居るということです。
10ベクレルを毎日食べ続けた事の結果として、こういう事が起こる。
4.汚染状況重点調査地域:104市町村
では日本はどうなっているか?
現在でも東電の発表では1時間当たり1000万ベクレルは出ていると。
これは空気中に出ているだけの計算ですけれど。
で、色の付いているところを色々と、マイクロシーベルト/時ででていますけれども、
私が住んでいるところは土浦で、色の付いているところですね。
0.25マイクロシーベルト/時以上。

環境省は0.23マイクロシーベルト/時以上だったら、年間1ミリシーベルトを超えてしまいますと。
「一般公衆の被曝限度を超えてしまいます」ということで、汚染状況云々という調査地域になっていて、
現在104の市町村が福島だけじゃなくて、近県、千葉も栃木も埼玉もなっていますけれども、
チェルノブイリとの比較っていう事は、矢ケ崎さんもおっしゃっていたんですが、
1ミリシーベルトを超えちゃうところは移住権利地域になるわけですね。
強制地域だったら、5ミリシーベルトを超えちゃうと。
じゃあそれを「原発の中と比べてみましょう」と。
法律ではベクレル/平方mということでカウントすると、
C区域というのがありますけど、
これはこんな恰好(上の資料の右下の写真)で、
顔は映らないように経産省のホームページに乗っている奴を引っ張ってまいりましたけれども・・・。
そしたら、私が住んでいるところは、毎日こういう恰好をしなければ、本当はいけない訳ですよ。
何故、原発の中でしているか?と言えば、
害が起きる事が分かっているからこうしているんですよね。
D区域というのもあります。
40万ベクレル/平方mを超えたら、
「1ミリシーベルトを超えるよ」という中にも実はそういう場所があると。
強制移住地域だったら、もっと強固な防護をつけなければいけないということが決まっているわけです。

田んぼはどうか?
5000ベクレル以上だったら田んぼ、稲を作ってはいけません。
「それ以下だったら栽培していいですよ」ということですけれども、
5000ベクレル/kgをベクレル/平方mにカウントしたら98万です。
それに近いところでも、以下なら田んぼに植えてもいいということですけど、
お百姓さんはどうします?
こういう格好をして行っていますか?
無防備で行っているわけですよ。
「田んぼを植えてもいいよ」ということで。
「殺人」ですよね、これ。…私は思います。
5.茨城の農地62点の放射性セシウム
じゃあ、私が住んでいる茨城県では田んぼを植えてもいいかどうかを調べたときにどうか?というといえば、
「青い色全部1000ベクレル/kg以下でした」というわけですけれども、

調べる数が、
つくば市みたいに一番大きい市でも2箇所だけです、調べているのが。
一カ所しか調べてない。
日立なんかは1箇所しか調べてないです。
東海村も1箇所しか調べてないです。
で、ヤブロコフさん、ロシアの人達が
ものすごいい膨大な量を調べてロシア語で報告書を作りました。
それが2009年にアメリカのニューヨーク科学アカデミーが英文で出版してくれた訳ですけれども、
それを読むと、ヨーロッパでは、平均0.04マイクロシーベルト/hの被ばくをしています。
でも子どもたちには、特にお母さんになる予定の、
おなかの中の胎児にものすごく影響が出ているという事が分かっています。
1000ベクレル/kgちょっと下でも安心はできない。
やっぱりこの格好をしないといけない所なんですよ。

だぁれもこういう格好で生活している人はいません、私自身も含めて。
こんなバカな話しはないと思うんですね。
6.千葉・東京でもホットパーティクルが!!
じゃあ、東京はどうか?
対岸の火事ではないんです。
これは、千葉、東京間。
千葉に住んでいる方が東京に100日間車で通勤していた車のエアフィルターを
ECRR欧州放射線リスク委員会のバズビーさんのところに送って調べたんですね。

穴ぼこが開いているみたいなのは、
「アルファ線が通過して行ったら痕が付きますよ」というフィルムで調べた。
そうすると、穴があいている訳ですから、プルトニウムが東京に飛んでたという事ですね。
今、過去で言いましたけれども、
現実は過去じゃなくて、無くなっていない訳ですから、
昨日みたいな大風が吹けば、また舞っている。
呼吸で肺に入れてしまうという事はあります。
米国でもこれは見つかっています。
7.自然核種と人口核種の粒径の差異
じゃあ空を、空気を飛んで回っている物質がどんな事になっているのか?っていうというのを
かけ足でちょっと見ますと、

自然の放射性物質もあるわけですが、これは小さい。
人工の放射性核種は10ナノメートルから20マイクロメートル位が多くの場合。
ナノメートルは下に書いてございます。
1nn(ナノメートル)=1/1000μm
人工の放射性核種というのは大きいわけです、自然のやつと比べると。
今問題になっているPM2.5っていうのは、
直径2.5マイクロメートルよりも小さい微粒子が空気中を飛んでいるやつの事ですけど。
トウモロコシの花粉は100マイクロメートルぐらいの大きさ。
コナラは25マイクロメートル。
それに比べると自然のものは見えないほど、5マイクロのもでもこの位の大きさということですが、
人工のものは大きいなという事をご記憶いただければと思います。
8.浮遊微粒子の粒径と呼吸・飲食

それで、大きいものは鼻から吸ったら鼻毛に引っかかったりして、
鼻水と外にくしゃみで出たりします。
5マイクロぐらいだと、痰になって出てきます。
0.5~2.5までのところだと肺に入ります。だけどこの大きさは血液には入りません。
ですからもしこれが放射性物質であれば、肺にとどまって長い事放射線を出す内部被曝の元になりますね。
0.1マイクロ以下だと、これは血液に入ります。
ですから、胎児であればお母さんの胎盤からどんどんもらってしまうと。
ですからさっき申したように、胎児に悪影響が起こる、
あるいは生まれた子どもに悪影響がいっぱい出るという事になります。
9.自然核種と人口核種の比較
そういうことで、本当なら今はアルファ線、ベータ線を中心に考えなくてはいけないんですけれども、
ガンマ線しか調べていません。

で、大きい小さいを言いましたけれども、一番下のところで、
もし自然の放射性物質が線香花火の火の玉一つと思っていただくと、
人工のやつですと大きい小さいがありますから、
血液に入り得る最大の大きさの事を思えば、「数百万本の線香花火の玉を丸めた形のもの」ということです。
それだけ違う。
原子力ムラの方達は、自然のものも人工のものも同じ観点で考えるのですが、
これだけ違うものが身体の中に入って、…となれば、ホットスポットで、ピンポイントで影響が出るわけです。
それを皆、あちらの方達は平均化してしまうという事があります。
10.核廃棄物基準の法外な裾切り

皆さんご承知でしょうから、これはいちいちやらないで過ごしますけれども、
例のがれきの問題なんかについても、核廃棄物をどんどんどんどん裾切りして、
法律ではないんですけれども、法律をもうどこかに忘れてしまって、
今は10万ベクレル/kg以上でも、管理保管型の処分場においていいという事になってしまっていると。
日本中がああいう防護服を着ないといけないような状態になりかねない事があるわけです。
11.人工放射線核種による生態系破壊
結局そういう生態的な事を、
もし核爆発を原発がすれば、森林が河川が汚染が…で、
水を飲んだり魚を食べたり、という事を人間がやる。

海は空からいきなり、あるいは川を経て汚染される。
植物プランクトンからずーっと、だんだん大きいものが食べていって、
水産物を私たちが食べ、
農産物や家畜を食べ、
…ということで、結局生物濃縮食物連鎖という事が非常に大きい問題なのですが、
この事もあちらの方達は触れない訳じゃないんですけれども、あまり問題にしない。
結局、内部被ばくは食べ物と呼吸、吸う方のことで問題になるというわけですね。
その場合に、森林が放射能が下りてきた放射能の銀行になっているという事ですけれども。

最後に松崎さんも申してましたけれども、
「ふくしま集団疎開裁判」というのが実は2011年6月14日に始まってまして、
この3人の方達もこれには弁護団として非常にかかわっていただいていて、
私も協力させていただいているんですけれども、
野田首相がおととし12月16日に、たまたま同じ日なんですけれども、
収束宣言を出した日、同じ日の同じ時刻に原告敗訴になったんですね。
で、即時抗告をして、目下、1月に審尋3回目をやって終わりまして、
多分年度内に結審されるだろうということで、
今私どもは頑張っている訳ですけれども、
ほとんどマスコミは報道して下さらないんですね、残念なことに。
で、是非この場をお借りして、いろんなところで放送していただいて、
先ほどお話ししたような事も含めて流していただけたら、大変幸せだと思います。
私は長い事植物の性、植物のセックスです。
その研究を続けてきたんですけれども、その過程で得た事というのは、
生物界全て、微生物も含めてなんですけれども、
「子孫を如何に残すか」という事に、生きている間の全精力をそこに集中させてやっている訳ですよ。
なのに、日本の現状は子どもたちを全然守ろうとしない。
自然界で子孫を守ろうと、子孫を残そうとしない集団は絶えている訳です、みんな。
そういう状況に今私たちがおかれてしまっていると、残念ながら。
ですから本当なら、今矢ケ崎さんもおっしゃったように、
たとえば農水省は「過疎でどこには空いている学校はどんなのがありますよ」「何人収容できますよ」
あいている農家が、もういなくなってしまって、
「家だけ建っていればそういう集落がどこにどれだけありますよ」というデータを出している訳ですよ。
それが100%、100点かどうかは別として出ているんです。
本来であれば住めない訳ですから、先ほどお示ししたような形で防護していなければいかない。
害があるから原発の中ではそうしているわけなんですから、
「もう住めないんですよ」という事を、正直に言ってですね、国は。
「ごめんなさい」して、そうでない所へ
永住になるか、しばらく移住だけでまた戻って来られるかは別として、
とにかく一刻でも早くそういうところへ国の手当てで生活できるように場をつくらなければいけない。
それが一番の問題だと思いますね。
今大変いいご提案を頂いたんですが、いくらか役に立つかなという事をちょっとお話しします。
それはですね、先ほどお話ししたロシアのヤブロコフさんたちがロシア語で書いたものが
2009年にニューヨーク科学アカデミーの出版物に英文で出た。
それをいま、翻訳をしていまして、もう終わって、今最終的な校正の最中なんですけれども、
4月24日だと思いますけれども、岩波書店から出版されます。
きちっとした題は覚えていないんですけれども、
「チェルノブイリ原発事故による人々と自然生態系に及ぼす影響」みたいなもので、
これは、ものすごい膨大な資料が含まれていて、
IAEAとかICRPとかが、「数十人しか直接の原発事故のせいでは死んでいない」というんだけれども、
大雑把でいうと「百万人ぐらいが死んでいる」
で、微生物から諸々の生き物を含めて、人間ももちろん含まれていますけれども、
詳しいデータが、いろんな方達の書いた、
旧ソ連圏の人達だけという事じゃなくて、
沢山の膨大なものが入っていますのでお役に立つんじゃないかなと思っています。
ありがとうございました。
―原発内の規制基準との対比ー 生井兵治氏(元筑波大学教授) 3/11内部被曝問題研究会会見 書き起こし「kiikochan.blog」から 動画はこちら。

みなさんこんにちは。
わたくしは、元筑波大学教授の生井と申します。
最初に沢田さんが話された通り、
先月行われた二つの原子力規制委員会のパブコメに関する事の抗議声明があるんですけれども、
時間の関係でここではお話しませんが、皆さんのお手元にふたつございますと思いますので。
後ほどご覧いただければと思います。
わたくしは、書いてございます通り、今までお話に出てきた事の総括的な背景として、
現場の食べ物や、田んぼなどがどういう事になっているのか?という事を、
原発内の規制基準との対比でお示しをしたいと思います。
1.低レベル放射性廃棄物を食べる?!
おととし、厚労省が暫定規制値を出しました。
そうしましたらすぐに、福島をはじめ4つの県でホウレンソウ等が出荷制限になりました。
その理由は、セシウムで言えば134と137が500ベクレル/kgを超えたら出荷制限ですよ、
それ以下なら出荷してもいい、食べてもいいと。
安全だということな訳ですけれど、
ちょっと、待って下さいと。

黄色いドラム缶、
法律で、原発の中であればセシウム137が100ベクレル/kgを超えたら、低レベル放射性廃棄物で、
ちゃんとライセンスを持ったスタッフが、管理をしなければいけないと。
「ドラム缶に密閉して」というようなものなのです。
それをよりも5倍近くのものまで、暫定規制値以下でも出荷していいという事になっていた訳ですね。
2.現在 福島県の出荷制限
じゃあ、現在どういう事に、福島県の例だけちょっとお示ししますと、

出荷制限は、
原乳、アブラナ科の野菜とか、カブ、後はきのこの類とか、アズキ、大豆、米、等々、
魚もいろいろありますけれども、
牛以外では、山で採れるか地区以外の動物たちも出荷制限になっているという状況ですね。
3.毎日10ベクレルずつでも食べ続けると?!
じゃあ、毎日10ベクレルずつ、もし食べたらどうなるのか?
低レベルでかなり低いレベルですけれども、

そうすると、たとえばこれ(左端で一番上の線①)は1回に1000ベクレルを食べてしまいました。
あと食べなければだんだん下がっていきますよ、体内のセシウムが。
これは、保養とか疎開、子どもたちの集団疎開とか移住には非常に効果的だよという事を示しています。
じゃあ、10ベクレルというのは、たとえば、
日本では牛乳は50ベクレル/kgが新基準値です。
だからそれに近いやつで流通している牛乳を、毎日200ミリリットルずつ飲めば、
日毎に10ベクレルずつ飲んで、体内に蓄積していくことになります。
やがては食べて入る量と、排泄する量が同じになって平衡状態になりますけれども、(※いわゆる高値安定状態)
こういう状態にもし、子どもがなったら、
これは昨年の秋、ウクライナに日本から調査に行って来られた方達の報告ですけれども、
7割の子どもに障害が出ているという。
しかも複数の、いろんな病気を伴った子どもたちが7割は居るということです。
10ベクレルを毎日食べ続けた事の結果として、こういう事が起こる。
4.汚染状況重点調査地域:104市町村
では日本はどうなっているか?
現在でも東電の発表では1時間当たり1000万ベクレルは出ていると。
これは空気中に出ているだけの計算ですけれど。
で、色の付いているところを色々と、マイクロシーベルト/時ででていますけれども、
私が住んでいるところは土浦で、色の付いているところですね。
0.25マイクロシーベルト/時以上。

環境省は0.23マイクロシーベルト/時以上だったら、年間1ミリシーベルトを超えてしまいますと。
「一般公衆の被曝限度を超えてしまいます」ということで、汚染状況云々という調査地域になっていて、
現在104の市町村が福島だけじゃなくて、近県、千葉も栃木も埼玉もなっていますけれども、
チェルノブイリとの比較っていう事は、矢ケ崎さんもおっしゃっていたんですが、
1ミリシーベルトを超えちゃうところは移住権利地域になるわけですね。
強制地域だったら、5ミリシーベルトを超えちゃうと。
じゃあそれを「原発の中と比べてみましょう」と。
法律ではベクレル/平方mということでカウントすると、
C区域というのがありますけど、
これはこんな恰好(上の資料の右下の写真)で、
顔は映らないように経産省のホームページに乗っている奴を引っ張ってまいりましたけれども・・・。
そしたら、私が住んでいるところは、毎日こういう恰好をしなければ、本当はいけない訳ですよ。
何故、原発の中でしているか?と言えば、
害が起きる事が分かっているからこうしているんですよね。
D区域というのもあります。
40万ベクレル/平方mを超えたら、
「1ミリシーベルトを超えるよ」という中にも実はそういう場所があると。
強制移住地域だったら、もっと強固な防護をつけなければいけないということが決まっているわけです。

田んぼはどうか?
5000ベクレル以上だったら田んぼ、稲を作ってはいけません。
「それ以下だったら栽培していいですよ」ということですけれども、
5000ベクレル/kgをベクレル/平方mにカウントしたら98万です。
それに近いところでも、以下なら田んぼに植えてもいいということですけど、
お百姓さんはどうします?
こういう格好をして行っていますか?
無防備で行っているわけですよ。
「田んぼを植えてもいいよ」ということで。
「殺人」ですよね、これ。…私は思います。
5.茨城の農地62点の放射性セシウム
じゃあ、私が住んでいる茨城県では田んぼを植えてもいいかどうかを調べたときにどうか?というといえば、
「青い色全部1000ベクレル/kg以下でした」というわけですけれども、

調べる数が、
つくば市みたいに一番大きい市でも2箇所だけです、調べているのが。
一カ所しか調べてない。
日立なんかは1箇所しか調べてないです。
東海村も1箇所しか調べてないです。
で、ヤブロコフさん、ロシアの人達が
ものすごいい膨大な量を調べてロシア語で報告書を作りました。
それが2009年にアメリカのニューヨーク科学アカデミーが英文で出版してくれた訳ですけれども、
それを読むと、ヨーロッパでは、平均0.04マイクロシーベルト/hの被ばくをしています。
でも子どもたちには、特にお母さんになる予定の、
おなかの中の胎児にものすごく影響が出ているという事が分かっています。
1000ベクレル/kgちょっと下でも安心はできない。
やっぱりこの格好をしないといけない所なんですよ。

だぁれもこういう格好で生活している人はいません、私自身も含めて。
こんなバカな話しはないと思うんですね。
6.千葉・東京でもホットパーティクルが!!
じゃあ、東京はどうか?
対岸の火事ではないんです。
これは、千葉、東京間。
千葉に住んでいる方が東京に100日間車で通勤していた車のエアフィルターを
ECRR欧州放射線リスク委員会のバズビーさんのところに送って調べたんですね。

穴ぼこが開いているみたいなのは、
「アルファ線が通過して行ったら痕が付きますよ」というフィルムで調べた。
そうすると、穴があいている訳ですから、プルトニウムが東京に飛んでたという事ですね。
今、過去で言いましたけれども、
現実は過去じゃなくて、無くなっていない訳ですから、
昨日みたいな大風が吹けば、また舞っている。
呼吸で肺に入れてしまうという事はあります。
米国でもこれは見つかっています。
7.自然核種と人口核種の粒径の差異
じゃあ空を、空気を飛んで回っている物質がどんな事になっているのか?っていうというのを
かけ足でちょっと見ますと、

自然の放射性物質もあるわけですが、これは小さい。
人工の放射性核種は10ナノメートルから20マイクロメートル位が多くの場合。
ナノメートルは下に書いてございます。
1nn(ナノメートル)=1/1000μm
人工の放射性核種というのは大きいわけです、自然のやつと比べると。
今問題になっているPM2.5っていうのは、
直径2.5マイクロメートルよりも小さい微粒子が空気中を飛んでいるやつの事ですけど。
トウモロコシの花粉は100マイクロメートルぐらいの大きさ。
コナラは25マイクロメートル。
それに比べると自然のものは見えないほど、5マイクロのもでもこの位の大きさということですが、
人工のものは大きいなという事をご記憶いただければと思います。
8.浮遊微粒子の粒径と呼吸・飲食

それで、大きいものは鼻から吸ったら鼻毛に引っかかったりして、
鼻水と外にくしゃみで出たりします。
5マイクロぐらいだと、痰になって出てきます。
0.5~2.5までのところだと肺に入ります。だけどこの大きさは血液には入りません。
ですからもしこれが放射性物質であれば、肺にとどまって長い事放射線を出す内部被曝の元になりますね。
0.1マイクロ以下だと、これは血液に入ります。
ですから、胎児であればお母さんの胎盤からどんどんもらってしまうと。
ですからさっき申したように、胎児に悪影響が起こる、
あるいは生まれた子どもに悪影響がいっぱい出るという事になります。
9.自然核種と人口核種の比較
そういうことで、本当なら今はアルファ線、ベータ線を中心に考えなくてはいけないんですけれども、
ガンマ線しか調べていません。

で、大きい小さいを言いましたけれども、一番下のところで、
もし自然の放射性物質が線香花火の火の玉一つと思っていただくと、
人工のやつですと大きい小さいがありますから、
血液に入り得る最大の大きさの事を思えば、「数百万本の線香花火の玉を丸めた形のもの」ということです。
それだけ違う。
原子力ムラの方達は、自然のものも人工のものも同じ観点で考えるのですが、
これだけ違うものが身体の中に入って、…となれば、ホットスポットで、ピンポイントで影響が出るわけです。
それを皆、あちらの方達は平均化してしまうという事があります。
10.核廃棄物基準の法外な裾切り

皆さんご承知でしょうから、これはいちいちやらないで過ごしますけれども、
例のがれきの問題なんかについても、核廃棄物をどんどんどんどん裾切りして、
法律ではないんですけれども、法律をもうどこかに忘れてしまって、
今は10万ベクレル/kg以上でも、管理保管型の処分場においていいという事になってしまっていると。
日本中がああいう防護服を着ないといけないような状態になりかねない事があるわけです。
11.人工放射線核種による生態系破壊
結局そういう生態的な事を、
もし核爆発を原発がすれば、森林が河川が汚染が…で、
水を飲んだり魚を食べたり、という事を人間がやる。

海は空からいきなり、あるいは川を経て汚染される。
植物プランクトンからずーっと、だんだん大きいものが食べていって、
水産物を私たちが食べ、
農産物や家畜を食べ、
…ということで、結局生物濃縮食物連鎖という事が非常に大きい問題なのですが、
この事もあちらの方達は触れない訳じゃないんですけれども、あまり問題にしない。
結局、内部被ばくは食べ物と呼吸、吸う方のことで問題になるというわけですね。
その場合に、森林が放射能が下りてきた放射能の銀行になっているという事ですけれども。

最後に松崎さんも申してましたけれども、
「ふくしま集団疎開裁判」というのが実は2011年6月14日に始まってまして、
この3人の方達もこれには弁護団として非常にかかわっていただいていて、
私も協力させていただいているんですけれども、
野田首相がおととし12月16日に、たまたま同じ日なんですけれども、
収束宣言を出した日、同じ日の同じ時刻に原告敗訴になったんですね。
で、即時抗告をして、目下、1月に審尋3回目をやって終わりまして、
多分年度内に結審されるだろうということで、
今私どもは頑張っている訳ですけれども、
ほとんどマスコミは報道して下さらないんですね、残念なことに。
で、是非この場をお借りして、いろんなところで放送していただいて、
先ほどお話ししたような事も含めて流していただけたら、大変幸せだと思います。
私は長い事植物の性、植物のセックスです。
その研究を続けてきたんですけれども、その過程で得た事というのは、
生物界全て、微生物も含めてなんですけれども、
「子孫を如何に残すか」という事に、生きている間の全精力をそこに集中させてやっている訳ですよ。
なのに、日本の現状は子どもたちを全然守ろうとしない。
自然界で子孫を守ろうと、子孫を残そうとしない集団は絶えている訳です、みんな。
そういう状況に今私たちがおかれてしまっていると、残念ながら。
ですから本当なら、今矢ケ崎さんもおっしゃったように、
たとえば農水省は「過疎でどこには空いている学校はどんなのがありますよ」「何人収容できますよ」
あいている農家が、もういなくなってしまって、
「家だけ建っていればそういう集落がどこにどれだけありますよ」というデータを出している訳ですよ。
それが100%、100点かどうかは別として出ているんです。
本来であれば住めない訳ですから、先ほどお示ししたような形で防護していなければいかない。
害があるから原発の中ではそうしているわけなんですから、
「もう住めないんですよ」という事を、正直に言ってですね、国は。
「ごめんなさい」して、そうでない所へ
永住になるか、しばらく移住だけでまた戻って来られるかは別として、
とにかく一刻でも早くそういうところへ国の手当てで生活できるように場をつくらなければいけない。
それが一番の問題だと思いますね。
今大変いいご提案を頂いたんですが、いくらか役に立つかなという事をちょっとお話しします。
それはですね、先ほどお話ししたロシアのヤブロコフさんたちがロシア語で書いたものが
2009年にニューヨーク科学アカデミーの出版物に英文で出た。
それをいま、翻訳をしていまして、もう終わって、今最終的な校正の最中なんですけれども、
4月24日だと思いますけれども、岩波書店から出版されます。
きちっとした題は覚えていないんですけれども、
「チェルノブイリ原発事故による人々と自然生態系に及ぼす影響」みたいなもので、
これは、ものすごい膨大な資料が含まれていて、
IAEAとかICRPとかが、「数十人しか直接の原発事故のせいでは死んでいない」というんだけれども、
大雑把でいうと「百万人ぐらいが死んでいる」
で、微生物から諸々の生き物を含めて、人間ももちろん含まれていますけれども、
詳しいデータが、いろんな方達の書いた、
旧ソ連圏の人達だけという事じゃなくて、
沢山の膨大なものが入っていますのでお役に立つんじゃないかなと思っています。
ありがとうございました。
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