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1968年メキシコオリンピックのこと

 「大阪弁で世情を語る」氏のブログをちらちらと見ていたら、私の若いころに強く印象に刻まれた事件が紹介されていました。
 その昔の東京オリンピックの次のオリンピックがメキシコシティだったのですが、その陸上男子200mをアメリカ黒人選手が金と銅を獲得しました。

 その表彰台で二人は黒い手袋の拳を天に向けて突き出し、差別に抗議したのです。
 差別への抗議を世界にアピールするために、表彰台を目指し闘って来たのだ。
 と、当時の私は改めて人間の強さを感じたものでした。
 ーーーーーーーーーーーー
   1968年メキシコオリンピックであったこと 2012/5/8 「大阪弁で世情を語る」氏から

一つ前のエントリーで、昔のアメリカにおけるアフリカ系市民に対する抑圧(差別)について、ほんの少しだけ触れました。

そんで、沖縄の「コザ暴動」(というか、コザ抵抗、あるいはコザ抗議)があった1970年頃のアメリカのアフリカ系市民に対する差別はどんなもんやったんかな…と、いろいろ調べてて
時期は少しずれますが、当時の状況を示す象徴的な出来事があったので書きたいと思います。
(ぼくは知ってるけど、もしかすると、やっぱり若い人は知らないかもしれない出来事です)


それは、1968年のメキシコオリンピックの男子200メートルの表彰式で起こりました。
優勝した選手と第三位に入った選手はともにアメリカ人で、アフリカ系アメリカ人でした。
その二人が、表彰式でアメリカ国歌が流れるなかで、こういうしぐさをしたんです

 メキシコオリンピック
(この写真はなんか見たことある…という人が少なくないかも知れませんね)
彼らはこのしぐさといくつか身にまとったものを通じて、アメリカにおけるアフリカ系市民への酷い抑圧(差別)に、静かに抗議したのでした。

この出来事については、「ブラックパワー・サリュート」という言葉でウィキに出てます。
(この言葉の説明は、ウィキにしてはまぁまぁですので、一度のぞいてみてもよいかと思います)
ウィキを読むと、ぼくの知らなかったエピソードもいっぱい出てます。

・この静かな抗議に対して、IOCは二人に対して、メダルを剥奪した上でオリンピックから追放したこと

・実は第二位に入ったオーストラリア人選手も、二人のアフリカ系選手の意図に共鳴して、 バッジをつけていたこと

・黒い手袋だけが、彼らの意図がよくわかる目印だとぼくは思ってたんだけども
一位の選手はアフリカ系のプライドを示す黒いスカーフを首に巻いていたし
アメリカ人メダリスト二人はアフリカ系市民の貧困を象徴するものとして、 靴をはかずに黒のソックスをはいていたこと

・さらに、三位になったアメリカ人選手はk・k・kなどの白人至上主義団体によるリンチを受けた人々を
祈念するためロザリオを身につけていたこと

…なんかが出ていました

アメリカ人メダリスト二人は、母国アメリカの国旗が掲揚され、国歌が流れる間、写真のように下を向いていたんですね
彼ら二人にとって、自分たちを抑圧(差別)するアメリカという母国と、それを象徴する国旗や国歌がどのように映っていたのか…それは、この写真からわかってもらえると思います。
(国旗や国歌が人によってどのように映るのか、どのように受け止められるのか。 そういうことをまったく想像すらせず、国旗だから、国歌だから…という「ただそれだけの理由」で、 それらを強制するあの人たちに、是非とも見てもらいたいものです)

で、ぼくは、昔のアメリカはこうだった…という話をしたんですが、アフリカ系市民の状況について、昔と今とどこが変わってどこが変わっていないのか…ということを
やっぱり沖縄のことと同じように、ちょこっとだけ考えてみて欲しいなぁ…と思うのです。

ウィキに出てますが、この静かな抗議をしただけの二人のメダリストのメダルを剥奪し、オリンピックから追放したIOCとは逆に、二人の母校であるカリフォルニア州立大学サンノゼ校は二人の抗議行動を賞賛して銅像を建てたそうです。。。

(※同記事のコメントから)
二人のアフリカ系アメリカ人の行動に共鳴して、一緒にバッジをつけていたというオーストラリアの選手は、既に亡くなったそうですが、彼の葬儀に、あの日同じ表彰台に立ったアメリカ人が参加したそうです。

 スミスカルロス
 スミスとカルロスの像(サンノゼ校)
 ーーーーーーーーーーーーー
 ※(もうすぐ北風) 
 このメキシコ・オリンピックでは大会直前の10月2日に、貧困が正されないでオリンピックを開催することに抗議する学生と労働者を警官隊が大虐殺して強行鎮圧した事件がありました。
 当時の日本では軽く小さくしか報道されませんでした。
 大集会に対して一方的な銃撃と、逃げ遅れた参加者は包囲され並べて銃殺されました。

 300から500人近くが虐殺されたこの事件(チリの軍事政権と同様に壁に並べて銃殺した遺体を遠くへ運んで埋めたため行方不明が多い。)は、トラテロルコの虐殺事件と呼ばれて、現在も毎年この日はデモが行われています。
 決して忘れてはならないために。
 10日後に(何食わぬ顔で開催された!)オリンピックそのものも血塗られた差別と虐殺のオリンピックだったわけです。

 虐殺1 虐殺
 1968/10/2の大虐殺
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コメント

Guten Morgen!

最近観た映画『DJANGO』でもアメリカでの黒人の苛酷な歴史が表現されていました。

国旗や国歌に対する人々の感情を統一することは決してできないことをあのタレント大阪府知事は知るべきなんですよねぇ〜、そして福島原発事故をなかったことにしたいあの提灯持ち東京都知事のオリンピック招聘など気狂いに付き合わさせられる国民であってはいけないのに、残念ながら現実わぁ〜〜 悲劇です。



1968年メキシコオリンピックのこと

 こんにちは。
 ニッポン人はオリンピックがなぜか大好きで、競技の世界ではむしろ世界選手権の方が重視されている(らしい)のとはちょっと違うそうですね。

 これは案外「カネになるか」「それほどならないか」の違いのようにも見えます。既存の施設でほぼまかなえる世界選手権と、あれこれ建設だ、改修だといい口実になるオリンピック…。

 腹が立ったのは「震災復興のシンボル」「復興をアピール」という文言。
「またダシか!!」
 長期にわたる増税までしなきゃ復旧も復興もできないと言っていたはずが、関係ない税務署や道路に湯水のようにカネを使い、2年経って「復興は遠い」と言いながら、「東京の」オリンピック招致に浮かれる。
 復興なって、原発の片付けにも目途がつき(評価は難しいが)、それからだろう!! 浮かれた事に使うカネがあるなら増税は今すぐ取り消せ、返せ!
 生活保護受けながら酒びたり、パチンコ三昧のオヤジとどう違うっていうんだ??

 世界の耳目を集めるオリンピック。政治的プレッシャーもかなりのものと推察しますが、そんな中で信念を曲げず、圧力をかわし、成果を出し、そして訴える。
 これだけ見れば、誰もが(私もジーンときました)勇気と努力に感動を覚えるでしょうが、どうしても世間一般は、そうさせるだけの背景があったことを見落としがちです。両方を等しく見てこそ、彼らの気持ちに応える事と思う次第です。

Re: Guten Morgen!

> 国旗や国歌に対する人々の感情を統一することは決してできない
 感情的な統一などは島国日本の支配階級の夢まぼろしだと言いたいところですが、昨今の右傾化や草の根差別主義など危うい方向に走っています。
 共同幻想というか同調指向というか、危ない民族かもしれない。
 賄賂づけのIOCにはまともなことは期待出来ませんが、放射能汚染の中で東京オリンピック、それもゴロツキ右翼の発案など、世界中からも反対して貰いたいところ。

Re: 1968年メキシコオリンピックのこと

>  これは案外「カネになるか」「それほどならないか」の違いのようにも見えます。既存の施設でほぼまかなえる世界選手権と、あれこれ建設だ、改修だといい口実になるオリンピック…。
  まさしく仰るとおりと思います。
  予算をばらまく権力亡者と、儲ける金銭亡者。両方共普通の感覚の者達ではない、と思います。
  
>  腹が立ったのは「震災復興のシンボル」「復興をアピール」という文言。
> 「またダシか!!」
  そういうことを言ってましたか。
  私も腹がたってテレビ新聞と激論してしまうので、我が家の平穏のためにチラ見で済ますようにしてるもんで…..。

> そうさせるだけの背景があったことを見落としがちです。両方を等しく見てこそ、彼らの気持ちに応える事と思う次第です。
  まったく同意!
  スミスとカルロスは、私達にとって二重の意味で偉大な功績を残してくれたのだと思います。

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