百年前の世界大戦前夜に似ている:耕助
2013-02-25

1913年との類似化 2/15 「耕助のブログ」(ビル・トッテン氏)から
アメリカの衰退と中国の台頭が目覚ましい2013年は、大英帝国の衰退とドイツが台頭してきた100年前の1913年とどこか似ている。
もちろんまったく同じではない。中国は100年前のドイツのように拡張主義を公言していないし、大英帝国は今のアメリカほど産業でも軍事においても先進国ではなかった。
しかし1913年の翌年、20世紀を大惨事に巻き込む世界大戦が始まったことを考えると、日本政府が日中戦争に発展しかねない行動をとっていることが気にかかる。
先月、安倍総理は尖閣領空上の中国機に対し、国際法にのっとって対応すると強硬な姿勢を示した。これはつまり「警告射撃をする」という中国への挑発である。
戦争によって国民がどんな悲惨な目にあうか私があらためて書く必要もないし、どう考えても日本が中国に勝てるわけがない。万が一、日本が勝ちそうになれば、負けを認める前に中国は核兵器を使うだろう。
そうなれば東海道に一つの水爆が落とされても、日本は破滅する。逆に広大な国土をもちさまざまな機能が分散する中国は、いくつ水爆をお返ししても壊滅状態になることはないだろう。
また日本では産業も経済も政府も首都圏に集中しているため、日本を破滅させるには超高高度で核爆弾を爆発させる電磁パルスの一撃でもよい。
電磁パルスによってコンピューター、携帯電話、自動車、テレビ、エアコン、エレベーター、飛行機、ラジオ、さらにはコンピューターで管理されている原子力発電所の電子制御機やバックアップ発電機などもすべて停止する。
道路や電車の信号、水道、ガス、電気といったインフラ、銀行口座の数字やレジ、在庫管理や流通などあらゆるものがコンピューター制御されている日本社会では、1週間かそこらで都会に住む人々は飢餓に直面するかもしれない。
また、例え尖閣諸島に大量の石油や天然ガスが埋蔵されていても、日本がそれを掘り出して利用することは難しい。
日本の最大の貿易相手国である中国との関係が悪化すれば、戦争をしてまでその開発を行う力はない。過去数カ月、日中関係が悪化してからの貿易統計をみればそれは鮮明だろう。
日本が尖閣諸島をめぐり中国に対してとっている態度の後ろにアメリカがいることは間違いない。
アメリカ帝国が覇権を維持するために、欧州ではイギリスを使ってヨーロッパがアメリカに敵対する一つの強大な力とならないよう、また中東はイスラエルを使って分断させ続けている。
アジアがまとまって対抗しないようにとアメリカに利用されているのが日本なのだ。
また、残念ながら、日本の国民の多くは過去100年間にわたる反中国のプロパガンダに洗脳され、中国に対して悪感情を抱いていることも理由の一つかもしれない。
ほとんどの戦争は、人間の愚かさ、傲慢さ、そして強欲によってもたらされる。
残念ながら今の日本政府や財界をみると、それを十分に持っているようだ。
1913年当時のヨーロッパと、2013年のアジアの状況が危険なほど似ていることを、だから私は恐れている。

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関連するページ。
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以下はビル・トッテン(賀茂川耕助)氏関係のページ。
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