小出2/9ラジオフォーラム原発の輸出、核兵器
2013-02-12
2月9日/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし 「小出裕章非公式まとめ」から
【主なお話】
「原発の輸出計画について、原発立地やウラン鉱山周辺での放射能による健康被害などその問題性、また密接に関連するという核兵器と原発の関係について」
【パーソナリティー】
西谷文和(ジャーナリスト)
【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org
▼文字起こしは以下。
◆西谷
はい、それでは今日も小出さんと電話がつながっております。
さっそく呼んでみたいと思います。
もしもし〜、小出さ〜ん。
◆小出
もしもし、小出です。
◆西谷
西谷で〜す。
はい、今日もよろしくお願い致しま〜す。
◆小出
こちらこそ。
◆西谷
え〜、先生、今日はですね、あの〜、テーマが原発の輸出について。
◆小出
はい。
◆西谷
お聞きしたいと思うんですけど〜。
◆小出
はい。
◆西谷
日本の原子力ムラは懲りてませんよね〜。
◆小出
まったく懲りていないです。
◆西谷
生き残りをかけてですね〜。
◆小出
はい。
◆西谷
ベトナム、トルコ、ヨルダン、リトアニア、こういったところに必死になって売り込みをかけているんですが。
◆小出
はい。
◆西谷
まず、この原発輸出について、先生ご意見はどんな風に思ってるんですかね〜。
◆小出
え〜、もちろん私はやるべきでないと。
◆西谷
やるべきでない、はい。
◆小出
思いますが、え〜、今、西谷さんおっしゃった通り、日本の原子力産業は生き残りをそれにかけざるを得ない状況に追い込まれていますので、え〜、これからも輸出ということを狙って、さまざまな動きがあると思います。
◆西谷
やはり、あのもう日本ではね。
◆小出
はい。
◆西谷
ああいう大きな事故を起こして。
◆小出
はい。
◆西谷
もう日本ではもう建設はおそらくできないであろうから、ベトナムとかに売り込みをかけていると。
◆小出
そうです。
◆西谷
小出先生、これね。
◆小出
はい。
◆西谷
もう爆発して危険なものをですよ〜。
◆小出
はい。
◆西谷
よその国やからいいんだとこういうわけにはいきませんよね〜。
◆小出
もちろんですね。
あの自分の国でもう引き受けることができない危険を抱えているということが分かっているわけですから。
◆西谷
はぁ〜。
◆小出
それを外国に押し付けるということは、やってはいけないことだと思います。
◆西谷
あの〜、ベトナムの予定地はですね〜。
◆小出
はい。
◆西谷
漁師さんがね。
◆小出
はい。
◆西谷
あの〜、自然と共存しながらね、細々と生きておられる、そんなきれいな海なんですけど〜。
◆小出
そうですね。
◆西谷
結局、ベトナムという国は、枯葉剤で汚染されてですよ。
◆小出
はい。
◆西谷
また、放射能でということになりますよね。
◆小出
なりますね。
え〜、原子力というのはどこでも〜、原子力発電所だけではなくて、ウラン鉱山もそうですし、え〜、これからまた核のゴミ捨て場を探す、ということになるわけですし、さまざまな形で、え〜、原子力から恩恵をまったく受けない人々に犠牲を強いることになると思います。
◆西谷
やはりあの〜、1基造ればものすごい儲かるんですかね、利権があるんですよね〜。
◆小出
もちろん利権だらけなわけでして、地域住民にまあどれだけお金が行くかということは、それぞれの地域で違うと思いますけれども、もともと狙われる地域というのは。
◆西谷
はい〜。
◆小出
自然に寄り添うように生きていて、え〜、いわゆるお金とは無縁のところを狙っていくわけですから、え〜、そういう人たちから見ると、一度その金を掴んでしまうと逃げられなくなると、いうことになると思います。
◆西谷
まさにねえ〜、あの福井県や福島県で町が二分されてですよ〜。
◆小出
はい。
◆西谷
賛成派と反対派がねえ、本当にもう親戚同士で争ったりするわけですから〜。
◆小出
そうです。
人の繋がりがズタズタにされてしまいます。
◆西谷
そうですよね。
◆小出
はい。
◆西谷
それが、ベトナム人やトルコ人がこれをせなあかんということになりますよね。
◆小出
そうですね。
◆西谷
あ〜い、ぜひ、これは計画の段階で、あの止めたいわけですが。
◆小出
はい。
◆西谷
逆にですね、このベトナムやトルコ、ヨルダン、サウジ、リトアニア、インド、こういった国がですね、なぜそしたら、原発を欲しがるのか、ということですが。
◆小出
はい。
◆西谷
あの〜日本の場合は、利権とかそういうのある、売るほうはね。
◆小出
はい。
◆西谷
でも、輸入するほうは、やはり背後にですね、核兵器持ちたいという野望があるんでしょうかね。
◆小出
もちろんあります。
あの日本もそうだったのです。
◆西谷
んあ〜。
◆小出
何か日本の人は、日本の原子力は平和利用だと。
◆西谷
う〜ん。
◆小出
言われて、何か思い込んでいるようですけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
日本が原子力を導入したというのも。
◆西谷
はい。
◆小出
もともとは核兵器が欲しかったから、なのです。
◆西谷
え〜、やっぱそうなんですか。
◆小出
そうです。
はい。
あの原子力と核という言葉が、日本では使い分けられていて、原子力は平和利用、核は軍事利用というように、皆さん思い込んでいるわけですけれども。
◆西谷
はい〜。
◆小出
技術に軍事も平和もなくて、いつでも使いたいように、使い、使えるということなのです。
え〜、日本というこの国でも、原子力の平和利用を標榜しながら、核兵器を作る能力を手に入れたいということで、原子力が始まりました。
◆西谷
ということは、表向き、ベトナムとかトルコとか〜、え〜サウジなどは〜、電気が足らないとか言いながら、裏ではやはり、その、例えばイスラエルに対抗するためには核兵器持たなあかんとか、こういうこと思っているんでしょうね。
◆小出
え〜と、非常に残念なことではありますけれど、現在の世界というのは、力が支配しているのです。
◆西谷
はい。
◆小出
国連という組織があって、ユナイテッドネイションズですけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
正しく訳すなら連合国なのですね。
◆西谷
はい。
◆小出
え〜、先の戦争で勝った国々が、今、世界を支配しているわけですが、その中でも、常任理事国というのが5カ国あります。
◆西谷
はい。
◆小出
米英仏露中ですけれども。
◆西谷
そうですね、はい。
◆小出
なぜその5カ国だけが、連合国というたくさんの国の中で、え〜、常任理事国になれたかと言えば、その5カ国が核兵器を持っているから、なのです。
◆西谷
あぁ〜。
◆小出
ですから、現在の世界で、力を持つためには、どうしても核兵器が要ると、まぁ、考える人は居ることは当たり前なわけですし、え〜、世界の国々の指導者の多くが、その考えにとらわれてしまっていて、核兵器を持ちたいと願っているのだと思います。
◆西谷
恐ろしい世界ですがね。
◆小出
はい。
◆西谷
先生、ちょっと、もうちょっと具体的にいきますと、そしたら、その原発を持つということと。
◆小出
はい。
◆西谷
核兵器を作るということは、ほぼ二アリーイコールですか。
◆小出
あのぉ〜、イコールです。
◆西谷
イコール、二ア、ニアもないんですか、イコールですか。
◆小出
例えば、ニアを付けてもいいですけれども、要するに核兵器を持ちたいという思惑で始まっちゃっているわけですから、え〜、イコールだと思ったほうがいいと思います。
◆西谷
あ〜、ということは、原子力の平和利用というのは、まったくのごまかしであると。
◆小出
もちろんそうです。
◆西谷
はい。
◆小出
はい。
◆西谷
あの、そもそもですね、軽水炉という原子炉が開発された経緯というのは、これは核兵器を作るためなんですか。
◆小出
え〜と、軽水炉そのものはですね、原子力潜水艦という、まあこれは画期的な技術だったのですけれども、軍事的に。
それを作りたいということで始まっています。
え〜、更には、その〜核兵器を作るための施設が米国の中でとにかく余り過ぎてしまってですね。
◆西谷
はい。
◆小出
え〜、それをまあ平和という形を標榜しながら。
◆西谷
はい。
◆小出
転用することで、軍事産業の生き残りを図ったということです。
◆西谷
あ〜、そうか。
軽水炉というのは、あの原子力潜水艦のために開発されたものなんですか。
◆小出
そうです。
もともとあの潜水艦というのはですね。
◆西谷
はい。
◆小出
なんか海に潜ると皆さん思ってられるかもしれませんけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
水の下に潜ることも出来る船という程度のことであって。
◆西谷
はぁ。
◆小出
すぐに酸素は無くなってしまうので、え〜、すぐにまた海面に出て来なければいけないものだったし、今でもそうなのです。
しかし、原子炉で動かすことが出来る潜水艦が作れれば、例えばノーチラス号というのが、北極海の氷の下を潜水したままくぐるとかですね、そのようなことが可能になったわけで、え〜、潜水艦というのは、原子力潜水艦が出来て始めて意味のあるものになったという、それほどのものなのです。
え〜、それをどうしても作りたかったがために出来た、ものです。
◆西谷
軍産複合体がね。
◆小出
そうです。
◆西谷
あの、先生ね。
そしたらですよ、横須賀とかにいるじゃないですか。
◆小出
今。
◆西谷
アメリカの原子力潜水艦が。
◆小出
はい。
◆西谷
ということは、あれがもし事故したら、横須賀の人たちは被ばくするということですよね。
◆小出
そうですね。
今、横須賀は、原子力潜水艦だけではなくて、ジョージワシントンという原子力空母の、え〜、基地にもなってしまっていまして。
◆西谷
そうでしたね。
◆小出
はい、東京湾の入口に巨大な原子炉が動いているという、そういう状態になっています。
◆西谷
かなり都会と近いから〜。
◆小出
圧倒的に近いですね。
◆西谷
あれが事故したらえらいことになりますね。
◆小出
はい。
ですからまあ日本では、原子力安全委員会というものがあって、すべての原子炉は安全審査をしないと認めないということにしていたわけですが、え〜、ジョージワシントンの原子炉、あるいは米軍の原子力潜水艦の原子炉などは、一切の安全審査を受けないままあるわけです。
◆西谷
一切の安全審査を受けてなくて。
◆小出
はい。
◆西谷
アメリカの技術を頼るだけですか。
◆小出
え〜、米国が安全だと言っているから安全だということになっているのです。
◆西谷
もう先生、それは安全神話の最たるものですね。
◆小出
むふふ、そうですね。
◆西谷
本当にそれ盲点ですよね、そういう危険なものがぁ。
◆小出
はい。
◆西谷
都会の近所にあるっていうのはねぇ。
◆小出
はい、横須賀の人たちは長い間そのことを、あの〜、問題だと言って声をあげ続けてきてくださっているのですが、日本のマスコミも取り上げませんし、ほとんどの方は知らないままだと思います。
◆西谷
やはりあの先生、今日はあの貴重な盲点をあの〜明らかになってよかったです。
◆小出
はい。
◆西谷
今日は、原発輸出について、え〜、小出先生にお聞きいたしました。
え〜、小出さん、どうもありがとうございました。
◆小出
はい、ありがとうございました。
音声
【主なお話】
「原発の輸出計画について、原発立地やウラン鉱山周辺での放射能による健康被害などその問題性、また密接に関連するという核兵器と原発の関係について」
【パーソナリティー】
西谷文和(ジャーナリスト)
【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org
▼文字起こしは以下。
◆西谷
はい、それでは今日も小出さんと電話がつながっております。
さっそく呼んでみたいと思います。
もしもし〜、小出さ〜ん。
◆小出
もしもし、小出です。
◆西谷
西谷で〜す。
はい、今日もよろしくお願い致しま〜す。
◆小出
こちらこそ。
◆西谷
え〜、先生、今日はですね、あの〜、テーマが原発の輸出について。
◆小出
はい。
◆西谷
お聞きしたいと思うんですけど〜。
◆小出
はい。
◆西谷
日本の原子力ムラは懲りてませんよね〜。
◆小出
まったく懲りていないです。
◆西谷
生き残りをかけてですね〜。
◆小出
はい。
◆西谷
ベトナム、トルコ、ヨルダン、リトアニア、こういったところに必死になって売り込みをかけているんですが。
◆小出
はい。
◆西谷
まず、この原発輸出について、先生ご意見はどんな風に思ってるんですかね〜。
◆小出
え〜、もちろん私はやるべきでないと。
◆西谷
やるべきでない、はい。
◆小出
思いますが、え〜、今、西谷さんおっしゃった通り、日本の原子力産業は生き残りをそれにかけざるを得ない状況に追い込まれていますので、え〜、これからも輸出ということを狙って、さまざまな動きがあると思います。
◆西谷
やはり、あのもう日本ではね。
◆小出
はい。
◆西谷
ああいう大きな事故を起こして。
◆小出
はい。
◆西谷
もう日本ではもう建設はおそらくできないであろうから、ベトナムとかに売り込みをかけていると。
◆小出
そうです。
◆西谷
小出先生、これね。
◆小出
はい。
◆西谷
もう爆発して危険なものをですよ〜。
◆小出
はい。
◆西谷
よその国やからいいんだとこういうわけにはいきませんよね〜。
◆小出
もちろんですね。
あの自分の国でもう引き受けることができない危険を抱えているということが分かっているわけですから。
◆西谷
はぁ〜。
◆小出
それを外国に押し付けるということは、やってはいけないことだと思います。
◆西谷
あの〜、ベトナムの予定地はですね〜。
◆小出
はい。
◆西谷
漁師さんがね。
◆小出
はい。
◆西谷
あの〜、自然と共存しながらね、細々と生きておられる、そんなきれいな海なんですけど〜。
◆小出
そうですね。
◆西谷
結局、ベトナムという国は、枯葉剤で汚染されてですよ。
◆小出
はい。
◆西谷
また、放射能でということになりますよね。
◆小出
なりますね。
え〜、原子力というのはどこでも〜、原子力発電所だけではなくて、ウラン鉱山もそうですし、え〜、これからまた核のゴミ捨て場を探す、ということになるわけですし、さまざまな形で、え〜、原子力から恩恵をまったく受けない人々に犠牲を強いることになると思います。
◆西谷
やはりあの〜、1基造ればものすごい儲かるんですかね、利権があるんですよね〜。
◆小出
もちろん利権だらけなわけでして、地域住民にまあどれだけお金が行くかということは、それぞれの地域で違うと思いますけれども、もともと狙われる地域というのは。
◆西谷
はい〜。
◆小出
自然に寄り添うように生きていて、え〜、いわゆるお金とは無縁のところを狙っていくわけですから、え〜、そういう人たちから見ると、一度その金を掴んでしまうと逃げられなくなると、いうことになると思います。
◆西谷
まさにねえ〜、あの福井県や福島県で町が二分されてですよ〜。
◆小出
はい。
◆西谷
賛成派と反対派がねえ、本当にもう親戚同士で争ったりするわけですから〜。
◆小出
そうです。
人の繋がりがズタズタにされてしまいます。
◆西谷
そうですよね。
◆小出
はい。
◆西谷
それが、ベトナム人やトルコ人がこれをせなあかんということになりますよね。
◆小出
そうですね。
◆西谷
あ〜い、ぜひ、これは計画の段階で、あの止めたいわけですが。
◆小出
はい。
◆西谷
逆にですね、このベトナムやトルコ、ヨルダン、サウジ、リトアニア、インド、こういった国がですね、なぜそしたら、原発を欲しがるのか、ということですが。
◆小出
はい。
◆西谷
あの〜日本の場合は、利権とかそういうのある、売るほうはね。
◆小出
はい。
◆西谷
でも、輸入するほうは、やはり背後にですね、核兵器持ちたいという野望があるんでしょうかね。
◆小出
もちろんあります。
あの日本もそうだったのです。
◆西谷
んあ〜。
◆小出
何か日本の人は、日本の原子力は平和利用だと。
◆西谷
う〜ん。
◆小出
言われて、何か思い込んでいるようですけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
日本が原子力を導入したというのも。
◆西谷
はい。
◆小出
もともとは核兵器が欲しかったから、なのです。
◆西谷
え〜、やっぱそうなんですか。
◆小出
そうです。
はい。
あの原子力と核という言葉が、日本では使い分けられていて、原子力は平和利用、核は軍事利用というように、皆さん思い込んでいるわけですけれども。
◆西谷
はい〜。
◆小出
技術に軍事も平和もなくて、いつでも使いたいように、使い、使えるということなのです。
え〜、日本というこの国でも、原子力の平和利用を標榜しながら、核兵器を作る能力を手に入れたいということで、原子力が始まりました。
◆西谷
ということは、表向き、ベトナムとかトルコとか〜、え〜サウジなどは〜、電気が足らないとか言いながら、裏ではやはり、その、例えばイスラエルに対抗するためには核兵器持たなあかんとか、こういうこと思っているんでしょうね。
◆小出
え〜と、非常に残念なことではありますけれど、現在の世界というのは、力が支配しているのです。
◆西谷
はい。
◆小出
国連という組織があって、ユナイテッドネイションズですけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
正しく訳すなら連合国なのですね。
◆西谷
はい。
◆小出
え〜、先の戦争で勝った国々が、今、世界を支配しているわけですが、その中でも、常任理事国というのが5カ国あります。
◆西谷
はい。
◆小出
米英仏露中ですけれども。
◆西谷
そうですね、はい。
◆小出
なぜその5カ国だけが、連合国というたくさんの国の中で、え〜、常任理事国になれたかと言えば、その5カ国が核兵器を持っているから、なのです。
◆西谷
あぁ〜。
◆小出
ですから、現在の世界で、力を持つためには、どうしても核兵器が要ると、まぁ、考える人は居ることは当たり前なわけですし、え〜、世界の国々の指導者の多くが、その考えにとらわれてしまっていて、核兵器を持ちたいと願っているのだと思います。
◆西谷
恐ろしい世界ですがね。
◆小出
はい。
◆西谷
先生、ちょっと、もうちょっと具体的にいきますと、そしたら、その原発を持つということと。
◆小出
はい。
◆西谷
核兵器を作るということは、ほぼ二アリーイコールですか。
◆小出
あのぉ〜、イコールです。
◆西谷
イコール、二ア、ニアもないんですか、イコールですか。
◆小出
例えば、ニアを付けてもいいですけれども、要するに核兵器を持ちたいという思惑で始まっちゃっているわけですから、え〜、イコールだと思ったほうがいいと思います。
◆西谷
あ〜、ということは、原子力の平和利用というのは、まったくのごまかしであると。
◆小出
もちろんそうです。
◆西谷
はい。
◆小出
はい。
◆西谷
あの、そもそもですね、軽水炉という原子炉が開発された経緯というのは、これは核兵器を作るためなんですか。
◆小出
え〜と、軽水炉そのものはですね、原子力潜水艦という、まあこれは画期的な技術だったのですけれども、軍事的に。
それを作りたいということで始まっています。
え〜、更には、その〜核兵器を作るための施設が米国の中でとにかく余り過ぎてしまってですね。
◆西谷
はい。
◆小出
え〜、それをまあ平和という形を標榜しながら。
◆西谷
はい。
◆小出
転用することで、軍事産業の生き残りを図ったということです。
◆西谷
あ〜、そうか。
軽水炉というのは、あの原子力潜水艦のために開発されたものなんですか。
◆小出
そうです。
もともとあの潜水艦というのはですね。
◆西谷
はい。
◆小出
なんか海に潜ると皆さん思ってられるかもしれませんけれども。
◆西谷
はい。
◆小出
水の下に潜ることも出来る船という程度のことであって。
◆西谷
はぁ。
◆小出
すぐに酸素は無くなってしまうので、え〜、すぐにまた海面に出て来なければいけないものだったし、今でもそうなのです。
しかし、原子炉で動かすことが出来る潜水艦が作れれば、例えばノーチラス号というのが、北極海の氷の下を潜水したままくぐるとかですね、そのようなことが可能になったわけで、え〜、潜水艦というのは、原子力潜水艦が出来て始めて意味のあるものになったという、それほどのものなのです。
え〜、それをどうしても作りたかったがために出来た、ものです。
◆西谷
軍産複合体がね。
◆小出
そうです。
◆西谷
あの、先生ね。
そしたらですよ、横須賀とかにいるじゃないですか。
◆小出
今。
◆西谷
アメリカの原子力潜水艦が。
◆小出
はい。
◆西谷
ということは、あれがもし事故したら、横須賀の人たちは被ばくするということですよね。
◆小出
そうですね。
今、横須賀は、原子力潜水艦だけではなくて、ジョージワシントンという原子力空母の、え〜、基地にもなってしまっていまして。
◆西谷
そうでしたね。
◆小出
はい、東京湾の入口に巨大な原子炉が動いているという、そういう状態になっています。
◆西谷
かなり都会と近いから〜。
◆小出
圧倒的に近いですね。
◆西谷
あれが事故したらえらいことになりますね。
◆小出
はい。
ですからまあ日本では、原子力安全委員会というものがあって、すべての原子炉は安全審査をしないと認めないということにしていたわけですが、え〜、ジョージワシントンの原子炉、あるいは米軍の原子力潜水艦の原子炉などは、一切の安全審査を受けないままあるわけです。
◆西谷
一切の安全審査を受けてなくて。
◆小出
はい。
◆西谷
アメリカの技術を頼るだけですか。
◆小出
え〜、米国が安全だと言っているから安全だということになっているのです。
◆西谷
もう先生、それは安全神話の最たるものですね。
◆小出
むふふ、そうですね。
◆西谷
本当にそれ盲点ですよね、そういう危険なものがぁ。
◆小出
はい。
◆西谷
都会の近所にあるっていうのはねぇ。
◆小出
はい、横須賀の人たちは長い間そのことを、あの〜、問題だと言って声をあげ続けてきてくださっているのですが、日本のマスコミも取り上げませんし、ほとんどの方は知らないままだと思います。
◆西谷
やはりあの先生、今日はあの貴重な盲点をあの〜明らかになってよかったです。
◆小出
はい。
◆西谷
今日は、原発輸出について、え〜、小出先生にお聞きいたしました。
え〜、小出さん、どうもありがとうございました。
◆小出
はい、ありがとうございました。
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