fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

日米地位協定と言う「暴力問題」とマスコミ

 オスプレイ

 日米地位協定、日米安保の問題はマスコミによって、沖縄の問題としてくくられていることが多い。
 しかし、日米安保の問題は日本全体の問題で、日米地位協定の不条理や不合理は、実は日本人全体が受けている。
 自国民を守らない政府、米国のカイライであることを誇りとしているかのようなマスコミ。
 ーーーーーーーーーーーーーー 
【日米地位協定入門】孫崎×前泊対談より考察する日米地位協定という名の構造的「暴力問題」 2/3 Sekilala&Zowieから

ニコニコにてチャンネルを開設し定期的に生中継を行ない、情報を発信している孫崎享さんの1月26日の放送は、元琉球新報の論説委員長で、現在、沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛さんを迎えて、30分の短い対談が行われた。
そのなかで、創元社から「戦後再発見」シリーズの第二弾として上梓される「本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)」の紹介があった。

これは第一弾である孫崎享氏の戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)に続くもので、こちらも冒頭42Pが無料で読むことができるようになっている。立読み
創元社HP→http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=30052
お二人の対談(主に孫崎さんが聞き手)をほんの少しだけ文字起こしたい(要約)。
 ------------
<日米地位協定とは>

孫崎氏「この本のどこを一番自分としては訴えたい?そこを教えていただけますでしょうか?」

前泊氏「日米地位協定、日米安保の問題は沖縄の問題としてくくられていることが多い。
日米安保の問題は日本全体の問題で、日米地位協定の不条理や不合理は、実は日本人全体が受けているのに、そのことに気が付いていない。
沖縄に矮小化されているが、実際には日本人全体の権利や生存権、罪サイン権を侵害している中身が分かると思う」

孫崎「特に具体的な事実として、どんなものがありますか?」

前泊「一番分かりやすいのは、横田ラプコン(航空管制権)。それは、羽田空港で南に飛ぼうとすると、いきなり急上昇する。
よく調べてみると、横田に管制権を米軍が握っているエリアがあり、そこには入れない
そのために高い崖を急上昇して登っていかなければならない。あるいは、そのエリアの中に入っていくと、日本の領空内なのに、米軍の管理下に置かれ、民間機が飛行しなければいけない。
それが横田ラプコンだったり、岩国のラプコンだったり、つい最近までは嘉手納ラプコンだったり、管制権自体が日本の管制権が米軍の管理下にあるという問題もある」

<似たようなケース>

前泊「オスプレイが沖縄普天間基地に12機配備されている。これも岩国に一旦配備されて、その後沖縄に配備されたが、いよいよこれが本格的に日本中で訓練を開始する。
その訓練エリアは四国にも九州にも、中国地方(ブラウンルート)にも、長野、東北、北海道まで、訓練空域が設定されている。
そこで150メートル以下の低空飛行ができるという、アメリカに自由に使わせている。
これも他ではあり得ない。イタリアも米軍が駐留していたときに、低空飛行訓練をさせていたが、ゴンドラのロープを切って、多くの死傷者を出したことがあった。
これによりイタリアは怒り、次からアメリカが訓練する時はイタリア軍の許可をもらえと。許可なしに訓練はできないと。
その後、米軍は事実上飛べなくなった」

孫崎「どうしてイタリアができることを日本ができないのか?」

前泊「同じ敗戦国のイタリアができるのに。それはむしろ孫崎先生のほうがお詳しいんじゃないかと思うが(笑)」

<日米地位協定の読み方という虎の巻>

孫崎「敏腕新聞記者のときに、日米地位協定の普通は出回らない文書を入手されたと聞いているが?」

前泊「『地位協定の考え方』というマニュアル本、虎の巻。これは日米安保を担当する職員にとっては、虎の巻で、これがないとどう対処していいか分からないという、虎の巻。
地位協定の仕組みが分かるという本。地位協定の問題についても分かる。
あるところから入手して、国民の知る権利に基づいて全文を新聞に出した」

孫崎「具体的に、条文と解説本の例を?」

前泊「地位協定自体に不備が多いという問題がある。環境条項がないとか。
もう一つは、書いてあることが守られないということがこの機密文書で分かった。
地位協定で守られてないことがたくさんある。

たとえば、潜水艦
日米同盟があるとしても、国際法上も領海内に入ってくるときは、浮上して旗を立てて入ってきなさいとなっている。それをやらなければいけないが、米軍については、それが守られていない。
それについて、外務省の機密文書には、いくらお願いしても聞いてくれないと書いてある。

それから、NHKの受信料
米軍は払わなきゃいけない。これも地位協定上、払うと決められているのに、NHKの受信料を踏み倒している。
それについても、外務省の機密文書には、払ってくれとお願いしているのに払ってくれない、と書いてある。これもおかしな話。

それと、国民の権利に関する重大な問題。
二見寛さんという山口県の若者がアメリカに出稼ぎに行った。行ったらいきなり徴兵されてベトナムに送り込まれることになった。
調べてみると、日本とアメリカの間で徴兵免除協定が結ばれていなかった。
そのために半年以上アメリカに滞在していると徴兵の対象になると。それで、徴兵されてアメリカの軍隊に入れられた。
この二見さんはカナダに亡命した。逃げた。脱走米兵となる。カナダは日本へ強制送還。

そこで、千葉の知り合いの家に身を寄せていたら、外務省の職員が来て『脱走したらいけませんよ、あなたアメリカに帰りなさい』と。
『グリーンカードがもらえなくなるよ』と一生懸命説得して、送り帰したというふうに外務省は言っている。
脱走米兵の引き渡しに沿って、地位協定に沿ってやったと言っているけれども、しかしこれも実は、日米地位協定は、日本に駐留する米兵に対して効くわけで、帰国した二見さんはアメリカで採用され、アメリカの本国の脱走米兵とはいえ、これがなぜ日米地位協定の基づいて処理されたのかと国会で問題になった。

そもそもなぜ徴兵されたのかと言えば、外務省の手落ち。
タイやマレーシアなど他の国とは、徴兵免除協定を結んでいるが、アメリカと結んでいなかったために日本人がたくさん徴兵されてベトナムに送り込まれた。
国会の議論、これも機密文書の中に書いてある。

その時、何人行ったんだ?と聞くと、500人ぐらいかなと。詳細は把握してませんと。
把握されないで、日本人がベトナムに送り込まれる。こういうことが起こる。
しかも、二見さんの場合、日本人なので、日本人が徴兵されて亡命した場合、日本に逃げ帰ってきている。
これ、実は地位協定よりも国際法上、自国民の保護というのは、世界中が認めている権利。

なのに、外務省は地位協定を優先してしまった。
日本国民の命を守れない協定のミスがあったうえに、逃げ帰ってきた人に地位協定を適用して米国に帰してしまう。
自国民を守れない外務省。そういうことが起こっていた。それも書いてあった」
 ---------------
以上、ほんの一部の書き起こし(要約)

NHKの受信料を米軍は払っていない。NHKはこれを放置して、他方、放送法第4条に違反すると思われる数々の偏向報道、意図的誤報などを今でも繰り返しながら国民からは公共料金を強制的に徴収している。
これは、日米地位協定の問題、米軍に対する怒りもありながら、アメリカに媚びへつらうNHKの、日本国民に対する差別的な対応に非常に大きな怒りを感じざるを得ない。
この一件においても、NHKに支払う受信料の正当性、その根拠希薄な公平公正さを欠くものだ。

07年琉球新報記事より
NHK受信料、米軍未払い30億 「地位協定で免除」主張

琉球新報2007年2月21日 ryukyushimpo.jp/news/storyid-21488-storytopic-1.html

 【東京】在日米軍が日米地位協定を盾にNHK放送受信料の支払い義務を否定し、30年以上も支払い拒否を続けている。政府は国内法に基づく支払いを求めているが、米側は「受信料は税金」とする認識を主張
 NHKの基地内立ち入りを米軍が認めず徴収を行えない状態だ。
 照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に対し政府は20日、「受信設備を設置した米軍隊の構成員等は受信契約を結び、受信料を支払う義務がある」と回答、あらためて米軍の未払いの不当さを指摘した。
 1995年の政府見解によると、米軍人らが支払うべき受信料は78―94年までの17年間で、累計約15億7000万円。これをもとに試算すると、未払いは現在までに30億円近くに上るとみられる。
 政府は64年、受信料は「NHKの維持・運営のための特殊な負担金」であり税金には当たらないとの見解をまとめた。
 ところが在日米軍司令部は78年、国内の米軍基地に「受信料は一種の税金であり、米軍人・軍属は地位協定により支払いが免除されている」とする指示を出し、双方の見解の相違が表面化した。

 日米地位協定13条は、「米軍隊は日本の租税または類似の公課を課されない」と定めるが、受信料への適用で日米の見解が対立している。
 総務省情報通信政策局は「見解の相違が埋まらず、受信料徴収のための基地立ち入りができない状態」と説明。
 照屋衆院議員は「公平性を欠いている」と指摘した。


アメリカは、NHKの公共料金を税金だと主張しているのだという。
NHKは、これを以って裁判にも訴えず、ポーズだけの請求なら、他方で国民数人を見せしめに訴え徴収率アップ効果を狙ったとしても、米軍の主張を認めたことにもなり得る。
沖縄県がNHKの公共料金徴収率が低いと聞いたことがあるが、その理由がこれで良く分かる。

更に「潜水艦」の問題も、「オスプレイ」の問題も、「航空管制権」の問題も驚くが、二見寛さんの話で彷彿とするのは、山崎淑子さんの官憲&外務省の話。
二見さんの話は、昭和43年ごろの話で、国会で質問に立った川上貴一氏の発言も残っている。
 -----------
昭和43年8月1日外務委員会kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/059/0110/main.html
質問者:日本共産党・川上貫一
外務大臣 三木武夫
外務大臣官房領事移住部長 山下重明

○川上委員「・・・これは 外務大臣御承知のとおり、山口県の下松市、ここに本籍を有する二見寛という青年です。この青年は、昭和二十九年に渡米して以来、在留邦人として米国に居住しておったわけです。
これが先ごろアメリカの「普通軍事訓練及び兵役法」によって徴兵されて、アメリカの部隊に入隊を命ぜられた。
同君は入隊後、ベトナムに派遣されるとの不安と過酷な訓練に耐えられず、本年三月二日にカナダのバンクーバーへ脱走したことは、御承知のとおりだと思います。

しかし、カナダは日本人の亡命を認めていないため、カナダ政府は本人の希望に従うて日本へ強制送還する手続をとって、同君は、四月二十八日ビクトリア発の新山下汽船の諏訪春丸によって五月十日に名古屋へ着いておるはずです。
これも外務大臣御承知のとおりだと思います。以後、同君は千葉県のおばの家に保護を受けていた。
ところが、外務省は在日米軍司令部から脱走米兵の逮捕引き渡し要求があった、こう称して、同君が日本に居住することを希望しておるにもかかわらず、同君に対してアメリカへ戻ったほうがよいと説得を続け、
ついに同君をアメリカに送り返して、所属部隊に出頭させておる、こういう事実がある。
これは外務大臣重々御承知だと思うのです。

 右の事実に関して、以下数点を私は質問して、御答弁をお願いしたい。
 この事例で、二見君に対して説得に当たったという係官の氏名、官職及びその経過、
 この問題に関する外務大臣の指示の内容、
これを具体的にお知らせを願いたい。
これが一点です。

 第二点は、この事例において、日米政府は二見君を米国政府に引き渡すといういかなる義務も負うていないと思う。
すなわち、二見君が所属していたのは、在米部隊であって、在日米軍ではありません。
したがって、日米安保条約に基づく地位協定第十七条の五項、この五項は時間の関係で私は読みませんが、読まないでも外務大臣御承知のとおりです。
在日米軍ではありませんから、この五項(a)の対象には全くこれはならぬはずであります。ことに安保条約のもとにある日米の協定、この協定にあるはずはない。
まして、二見君は日本国籍を有している。自国民に対して引き渡しをしないという国際法上の原則があります。
自国民不引き渡しです。
日本政府は、二見君を米国政府に引き渡す義務を絶対に負うていない。これは明瞭だと思う。
これは一体どうしたのか。
してみれば、一体日本政府はどういう根拠で、どういう理由と手続によって二見君をアメリカに送り返したのであるか。これが私の次の質問なんてす。

 第三点は、日本政府は、日本国民の基本的人権を守る責任を負うていると思うのです。それにもかかわらず、日本国籍を有する二見君が日本に居住することを望んでいることを無視して、米国に送り帰した。
これは明らかに人権じゅうりんではないかということです。
それはかりではなしに、日本国民は、憲法第九条で戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認を全世界に誓うておる。
本件において、二見君を米国に送り返す、こういうことは、日本国民にすなわち軍隊への入隊を強制することである。
さらに、二見君の所属する部隊がベトナムに派遣される可能性を持っているということから考えて、日本政府が日本国民をアメリカのベトナム侵略戦争に参加させることを意識的に強要しておると言うて差しつかえないと思う。この問題において、日本政府が同君を米国に送り返したことは、明らかに日本国憲法に違反する行為ではないか、これが一点です。

 大きい第二点は、本件における二見君のように、米国に滞在中の日本国民が「普通軍事訓練及び兵役法」によって徴兵された事例は、これまでもたびたび聞いておるのです。報道されてもおるのです。
このように米国で徴兵された日本国民が、今日まで一体何人おるのか。その氏名、それが戦死したかどうか、負傷したかどうか、この数、アメリカからベトナムに派遣された日本人の数、これをお知らせを願いたい。

 日本国民がこのように米国で徴兵されることについて、日本政府はこれまでどういう措置をとってこられたのであるか、この問題です。
現在日本とパキスタンとの間では、友好通商条約第三条三項(a)に、「いずれの一方の締約国の国民も、他方の締約国の領域内において、すべての強制軍事服役及びその代りに課されるすべての課徴金を免除される。」こう明記してある。こういう趣旨は、イギリス、インドネシア、ノルウェー、ユーゴとの間でも条約で明確にされておる。
ところが、アメリカとの間には、条約上こういった軍事服役免除が取りきめられていないのではないか。
この理由は一体何か
今後このような条約上の取りきめを米国政府との間で行なうお考えはあるのかどうか。これもやらぬのか。この点についてどうお考えになっておるかということを明らかにしてもらいたい。

 概要以上の点ですが、私は非常にはしょって質問しましたが、この要点だけは外務大臣お聞き取りだと思うのですが、この質問について、その一つ一つを、時間がありませんからまとめて質問しましたので、お答えをお願いしたい。

○三木国務大臣 川上委員の御質問、事実問題に関連することが多いので、事務当局からお答えをいたさせることにいたします。

○山下説明員 二見寛さんの件についてお答えいたします。
 いま先生が御質問になった点、先生が得られた情報が若干間違っておるというところに基づいておるのだと思いますが、まず第一に、外務省がアメリカに帰るように説得したという事実はありません。
われわれが心配したのは、むしろ本人が日本にいたいというときに、アメリカ軍との間に何かトラブルがあるといかぬという点は、若干心配しましたけれども、何らその間にトラブルはありませんで、
結局、その次の第二番目に入りますが、アメリカ軍から引き渡し要求があったかということに対しては、引き渡し要求はございませんでした。
それで、われわれとしては、もちろんこれは地位協定に含まれていないと考えております。

 それからその次に、日本に居住を望んでいたのを帰した、それで軍隊に入れたという御質問ですけれども、これは御本人が自発的に帰りたいと言い出したわけであります。
それは、御本人の方は五、六歳のころから長く米国におられて、日本語はしゃべれないし、お母さんやきようだいの人もみんなロスアンゼルスで永住権を持っていて、日本に来ておばさんのところにいましたけれども、やはり自分は結局アメリカへ帰って、兵役を済ませて、アメリカの市民権をとったほうがいいというような、親族の説得なんかがありまして、それで外務省に、自分は帰りたいから帰りますということで、その費用も自分で払った。
親威の人から借りたのだそうですけれども、払って、民間機でロスアンゼルスへ行って、ロスアンゼルスから自分で原隊に復帰したというふうに報告を受けております。

 それから四番目に、米国滞在中に選抜徴兵にとられた人の数、それからベトナムに派遺された者の数、それから死亡した者の数というものは、残念ながらわれわれのほうは正確な数字はつかんでおりません。
ただし、この選抜徴兵のことですが、これは選抜徴兵法で、半年以上滞在すると登録するということになっているのですが、短期の旅行者なんかでもよくそういうケースができまして、その場合でも、御本人が、自分は二年勉強に来たのだからということで、登録免除を要請すると免除されているようです。
その場合に、すぐ帰れというようなことはないので、あるいは将来市民権をとるときにそれは若干影響があるかもしれませんけれども、実際上は多くの人が登録を受けないでおるようでありまして、この点は、われわれとしても、海外に旅行される人にもう少し十分に説明する必要があるかと存じます。

 それから、選抜徴兵法が妥当なものであるかどうかということになりますが、これは、やはりそれぞれの国が自国民並びに自国に来る人をどういうふうに取り扱うかという、多分に国内的な問題で、もちろんパキスタンその他先生が申されたようなほかの国のようにそういうものが免除されればいいですけれども、免除されないからといって、こちら側でこうしろと言うわけにいかない問題でありますので、われわれとしても十分検討して、将来善処していきたいというふうに考えております。
 以上非常に簡単にお答えいたしました。

○川上委員 いまの答弁は、ちょっと聞いてそのままにするわけにいかないのです。
外務大臣がおられますが、この私の質問は抽象的にしておるんじゃない。相当の調べをしているのです。
家族もはっきり言うておる。外務省の人が来て、そうして帰れということを説得したというのです。
そこで、家族の人は、むしろ率直に言うと、外務省に感謝しておる。行かなかったらえらい目にあったんだ、外務省が来て帰れ帰れと言われたから助かったということまで言うておる。
これは抽象的なことを言うておるんじゃない。相当に調べてある。
いまの御答弁は間違いないだろうと思いますが、このままではちょっと聞き捨てになりません・・・

 -----------
この件について、日本ジャーナリスト会議の古いほうのサイトにこの件に関する取材を行なったと思われる記者の記事がある。

書かれざるスクープ
米国で徴兵された日本青年脱走事件
共同通信社・社会部 I記者
〈1968年8月25日発行 第134号〉

 8月7日の衆院外務委で川上貫一氏(共産)が「米国本土で徴兵された日本青年が基地から脱走し、カナダ経由でこの5月に日本へ帰ったが、外務省の手で再びひそかに米国に送り返された」事件を取りあげ、外務省を追及した。
 この事件は日本人の生命より日米関係への影響を重視するという、安保体制下の日本政府の対米姿勢を露骨に示したもので、まれにみる大きなニュース。「赤旗」をはじめ読売、東京、東タイ、西日本など各紙で大きく報道した。

●社長が取材中止命令
 ところが、このニュースは共同通信社会部が5月にキャッチ、名古屋支社編集部とともに取材を開始した直後に、外務省幹部の意を受けた福島慎太郎共同社長から「取材中止命令」を受けていた“書かれざるスクープ”だった。
 同社社会部代表は8月16日の福島社長と共同労組との団交の席上「社長が外務省の一方的な言い分を聞いただけで、現場と相談もせずに取材中止を指示したのは納得できない」と強く抗議し、公開質問状を手渡した
 この事件をその後最も詳細に報道した共同通信によると、事件の経過は次のようなものだった。

 山口県出身の在米日本人・二見寛君(21)が昨年、米国の選抜徴兵法により徴兵され、在米基地に配属された。しかし、同じころ海兵隊に志願入隊した弟の彰君(20)がベトナムの激戦地ケサンに派遣されたことから、自分もベトナムへ送られるのではないかと不安を強め、ことし3月2日、カナダのバンクーバー市へ脱走した。

●外務省から圧力
 カナダ政府は「日本へ帰りたい」との二見君の希望に添って、二見さんを日本船で日本に送り返した。
 5月9日名古屋に上陸、その後千葉県船橋市に住む伯母一家で保護されていたが、同20日になって、突然再び米国に帰ってしまった。
 外務省は「二見君は気持ちが変わって自発的に帰米した。外務省が説得した事実はないし、在日米軍からも引き渡し要求は受けていない」と釈明している。
 だが、家族の話によると、外務省の態度は途中から変わり、「帰った方が本人のためだ。米軍からの引き渡し要求もやがて押えきれなくなる」と家族に圧力をかけたことはまぎれもない事実。
 このほか米軍当局も、たまたまベトナムから来日中だった弟の彰君の休暇を延長し、兄に“接触”するよう指令している。
 二見君はこうした圧力の中で家族の説得を受け、心ならずも帰米した――というのが真相のようである。

●異例の申し入れ
 共同通信は二見君が日本に上陸した5月9日にその事実をつかみ、すぐ取材を始めた。
 ところがその数時間後には斉藤外務省官房長から福島社長に「出稿をやめてほしい」という趣旨の電話があり、福島社長はその場でこれを了承、永江社会部長を通じて現場に取材中止を指示した。
 外務省側の言い分は「現在、本人が円満に除隊して日本にとどまれるよう米側と交渉中であり、この交渉が落着するまでは表面化させないでほしい」というもの。
 社会部は福島社長が現場にまったく相談せずに外務省の要求に応じた点を不満としながらも、一応取材を中止し、①外務省との話し合いをトップ交渉でなく、安全保障課長―社会部長のレベルに下げる、②外務省が共同の“特ダネ”を尊重し、結論が出た場合には共同に知らせるよう約束する―の2点を条件として、外務省の申し入れを受けてもよい旨社長に申し入れた。

 しかしその後数回にわたる督促にもかかわらず、社会部の要望がいれられた気配はなく、出先記者が外務省で取材しようとしても、「あの事件は社長を通じで話がついている」と断られる始末。ついに本人や親せきから直接話を聞く機会もないまま、5月20日、二見君は極秘のうちに米国に出発してしまったのだった。
 団交の席上、社会部代表は福島社長への公開質問状で、①外務省との交渉経過、社会部の要求が満たされなかった理由、②新聞記者経験もない社長が当事者の一方の側(外務省)から話を聞いただけで事態を判断したのは納得できない、③今後同じようなケースをどう処理するか――などの点について、社長の文書による回答を要求している。

 --------------
いま、安倍晋三首相は、訪米を前にあらゆるアメリカから突きつけられている諸問題(日本国民にとっては命や健康なども含め主権に関わる重要な問題)を「おみやげ」として差し出そうとしている。
TPPの交渉参加の手付金「三条件(自動車、郵政(保険)、牛肉)」を払うつもりだ。
牛肉のBSE問題では月齢20カ月から30カ月に引き上げられ、NHKでは、問題なしというグラフを掲げ、安全デマを拡散していた。USTRは、そうした日本の付け入る隙に、さらなる緩和を求めるとまで言ってきている。

TPPに関する与党自民党の推進議員の発言、更にはマスメディアの一切批判なしの垂れ流し報道の中身、これらすべて「ごまかし」に終始する。
交渉ができるというのもウソ、例外を取れるというのもウソである。
経済連携があたかもTPPしかないような世論形成もウソである。

アメリカは、手土産を掲げての安倍の面通し訪米を前に、更に安倍を混乱に陥れることを言ってきているようだ。
 ---------
集団的自衛権「中国刺激」と難色 米側、首脳会談の事前調整で
2013/02/02 共同通信www.47news.jp/CN/201302/CN2013020101002316.html

 2月に予定されている日米首脳会談に向けた事前調整で、米国が日本の集団的自衛権行使容認へのオバマ米大統領の支持表明は「中国を刺激する懸念がある」として難色を示していることが1日、分かった。
 複数の日米関係筋が明らかにした。会談で大統領の支持を得て、同盟強化を内外にアピールしたい安倍晋三首相が会談に向けた戦略練り直しを迫られるのは必至の情勢だ。
 関係筋によると、日本政府は同日までに、東京とワシントンの外交ルートを通じ、集団的自衛権の行使を可能とするため憲法解釈見直しを目指す首相の姿勢への理解と協力を米側に打診。

-----------
米国内の勢力図も理解できずに、日本の安倍支持者のツイートも「アメリカは弱腰」だの「しょせん共同通信」だのと発狂しているから笑える。
この自民党支持者の特徴は、自分たちに不都合な情報は、その判断基準が事実であろうがなかろうが、言いがかりをつけて否定するところにある。
だから、NHKが一生懸命にジャパンハンドラー達の意図をくんだ全く瓜二つな政策を掲げる安倍政権を大本営のごとく持ち上げているにもかかわらず、少しでも疑問符を唱えようもんなら、それが「犬HK」呼ばわりに豹変する。
NHKであろうが民放であろうが、彼らエリートは必ず、自らの逃げ道を作る「ハーフ・トゥルース」という手法を用いるんだという認識すらない残念な支持者たち。
100%安倍政権を称賛しないと気が済まないイタイ連中だ。つまり、北朝鮮化しないと気が済まないらしい。安倍ジョンイル様を求めているわけだ。

しかし、上記共同通信の報道は、安倍支持者がいちゃもんをつけている「関係筋」の話だとしても、アメリカ世論全体(一般人、知識人など)の流れ、米中経済の密接な関係(米国債保有高など)アメリカの戦略的経済政策と、中国囲い込みの軍事的なオフショアバランシングを見ていれば、十分予測できる内容だ。
これまで、日本が尖閣に火をつけて反中世論を煽り、右傾化を狙い、取るものを取ったら、引き始めるアメリカ側の「目的」も分からずに日米安保を妄信していると片側しか見えてこない軍事オタクにとっては発狂しかねない事態だが、これが「真実」なのだ。

それから一つマスメディアの問題。アルジェリアの人質事件の問題を日揮に集中させ、フランスのマリ侵攻と関連付けず、その裏で、橋下閣下の問題を話題の中心に据えて報道してきたが、
それが鎮静化すると次の同種の事件を探し、見つけたのが柔道界を揺るがす暴力問題。
全メディアが横並びで連日報道(暴力事件なら刑事事件、しかし教育問題なら責任を指導者一人にして叩く手法は、メディアスクラムによる小沢叩きとなんら変わらない)する裏で、フランス侵攻、加速するアメリカの関与、シリアへのイスラエル爆撃と、中東・北アフリカ地域がきな臭くなってきていることを一切問題視しないのは、「憲法改正」や「集団的自衛権行使」問題に繋がる世論の高まりを避けるための意図的なスピンコントロールではないかと睨んでいる。

ひたすら、暴力はいけない、体罰はいけないと連日の報道。
それなら、マスメディアの暴力はどうなんだ。なにも肉体的苦痛だけが問題でなかろう。
その本質にあるものは、精神的苦痛という根本問題、その原因こそが重大だろう。それによって自殺してしまうくらい追いつめられてしまう。
そうであるなら、「マスメディアの暴力」の問題を抜きにして、正義を振りかざし、「いじめ問題」「体罰問題」をとりあげるなど、ちゃんゃらおかしいということを言わなければいけないだろう。

さらに言うなら、アメリカの長年にわたる日本に対する「いじめ(日本の政治家・官僚らが自ら望んだ部分もあるが)」←いじめを通り越して、「かつあげ(日本にジャンプさせ、ポケットのカネを巻き上げる)」問題、
要するに「相手に恐怖心を与えて政治的目的を達する=テロ」となんら変わらない米国のやり口を批判せずに、一方的にアメリカ・イギリス・フランスなど西側が言う「テロとの戦い」に同調する稚拙な言論人は、その「いじめ」る側の加担者として批判の対象になることを認識してもらわないといけないだろう。

その多くの諸問題の根源にあるのが、まさに本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)にあるということになろうかと思う。
最後に、日米地位協定の考え方、という虎の巻全文が掲載されたサイトがあった→機密文書「日米地位協定の考え方」
商品詳細を見る

ここで言う<構造的「暴力問題」>を、孫崎さんのツイートより<「占領利権」による「占領継続体制」>と、こう言いかえることもできるだろう。
 -------以下、孫崎亨
「尖閣は棚上げがいい」(WP)、「集団的自衛権は進めるな」(共同報道)、「歴史の修正主義はストップしろ」、米国から次々注文が出てきている。
本来日本の政治家や言論人が述べ、日本自体で直すべきことを。
踊らされるのも米国頼み、修正も米国頼み。
淋しい国だ。日本は。

多分、私と“真正”右派とに共有する部分がある。対象は単に言論界だけでない。
政・官・財、日本の権力機構の全てに蔓延してる。
正論3月号小堀桂一郎「占領によって言論機関は“自国に対する忠誠義務から解放され”、外から日本国を動かす或る強大な異国の権力に忠実を誓って、能動的な活動をする敵性情報宣伝機関になった。
GHQの意向に迎合し、忠実に努めている限り、そこから加えられる庇護と勧奨は絶大。
それによってえられる特権的利権は占領利権。
一度その旨味を覚えると、最早それを手放す気にはならず、利権供与者への迎合とその権力の借用が、やがて利得権者の体質となる。
江藤(淳)氏は“日本のジャーナリズムの隠微な自己検閲システムは不思議なことに平成改元以来再び勢いを得はじめ、次第にまた猛威を振るいつつある”との観察を記している」
右翼だったら日本社会の占領継続体制の糾弾が最も重要だろう。
 ---------
放送法http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM#s2
第4条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/1569-b28da532

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん