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もうすぐ北風が強くなる

安倍の過激刺激策は過去のミス繰返し:人民網

 安倍某の「経済政策?」に対する、中国人民日報評論員の論評。
 まさに「?」疑問を投げかけている。
 さておき、20年にわたる日本のデフレ不況(デフレ恐慌)についての分析がなかなか真っ当な認識と思われる。

 ただし、バブル崩壊がソロモンなどの国際金融資本の介入と日銀のタイミングを合わせた行動が引き金となったこと。
 デフレ循環を引き起こした橋本政権の消費増税が米国の圧力に屈した行動であったこと。
 円安は巨額の為替介入を装った米国への資金供給と日米金利差3%を保つことで円キャリーを持続させた結果の円安であり、米国への資金循環であったこと。
 日本の円高、ゼロ金利、デフレは米国の利益にかなうものであったこと。

 上記これらの点については、当然ながらまったく触れていない。
 また、内政干渉的な具体提言は慎重に省かれている。
 だが、非常に経済原理、原則を外さない思考をしているので、真っ当な展開となっている。

 資本の循環は信用創造であり、資金需要に投資需要である。企業投資には内需であり、内需は家計消費が必要である。
 従って消費性向の高い勤労家計への「再配分」を強化しなければならない。
 単なる通過増発やら公共事業やらが、そのほんの0.1%でも家計に波及するには十年以上かかるだろう。
 (参考まで中国はGDP成長計画に合わせて流動性供給を調整し、「成長率+物価上昇率」により最低賃金を決定しているようだ。ブラジルの最低賃金は公然と「成長率+物価上昇率」である。これは内需を成長させる国民経済維持の原則なので、通常は労働運動や国家規制で均衡する。)

 実際20年近く家計に波及しなかったのである。
 それまでの間には、十二分に政策破綻してしまうと考えられる。
 つまり、最悪の場合デフレ恐慌の下でのインフレ破綻(家計、企業、政府)が危惧され、その程度が問題となろう。

 上記の日米関係などを「伏字」と考えて読んでもそのまま当てはまるだろう。
 関連は「安倍某の経済政策?恐怖のシナリオか?」。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
  安倍氏の過激な刺激策 過去のミスの繰り返しに 1/8「人民網日本語版」(人民日報) 

 過去20年間に渡り日本経済は低迷を続けているが、これを受け景気刺激が政策の主な基調になっている。
 景気刺激賛成派は、さらに過激派と慎重派に分かれ、2つの派閥が代わる代わる政権を担当し、経済政策を制定している。
 このほど正式に首相に就任した安倍晋三氏は、過激派に属する。安倍氏の首相就任は、日本の金融政策が今後一定期間に渡り「過激」になることを意味する。証券時報が伝えた。

 安倍氏の経済政策の主な内容は、大規模拡張だ。安倍氏は首相就任後すぐに、10兆円規模の2012年度補正予算案を制定するよう、関連部門に求めた。
 この動きは、安倍氏が前政権による刺激の程度に満足しておらず、一日の間もあけず刺激を強化しようとする意志を示すものだ。安倍氏は金融政策面で、過激な姿勢を見せている。
 安倍氏は物価上昇率2%を目標とすると公言しており、日銀に対して無制限の貨幣提供を求めている。安倍氏はさらに、協力しなかった場合は日銀法を改正すると圧力をかけている。

 長期間に渡り、日銀の独立性は先進国において最も低い。
 バブル経済とその崩壊により、日本社会は日銀の独立性の重要性を見なおしており、1998年に法律を通じて日銀に高い独立性を与えた。これは数少ない制度変革の一つである。
 安倍氏は日銀を政権運営の障害としており、安倍氏の政策の過激度は過去20年間で稀に見るものになるだろう。

 それでは、安倍氏の過激な政策は予想通りの効果を得るだろうか。その結果は根本的な解決には至らず、安倍氏の過激な政策は日本政府がかつて犯したミスを繰り返すだけになるだろう。

 日本のバブル経済は1990年より崩壊し、株価と地下が暴落し、1500兆円の資産が失われた。日本の銀行システム、企業の資産負債表に現代の世界経済では稀に見る打撃が加えられた。
 国民の消費意欲も大幅に低下した。バブル経済の崩壊後の一定期間に渡り実施された緩和的な財政・金融政策は、極端な保守主義者でなければ、一概に否定するべきではない。
 政策は最終的な需要を創造し、流動性を確保することで、景気悪化を防ぐべきだ。
 しかし財政・金融拡張を長期間実施したにも関わらず、日本経済が根本的に回復することはなかった。
 これは日本経済の症状が、古い処方箋を用いても治らないことを示している。長期間に渡りカンフル剤を投与すれば、体がそれに持ちこたえられなくなる可能性もある。

 財政政策の面から見ると、日本の公共債の対GDP比は上昇を続けており、現在すでに210%という驚異的な数値に達している。これは現在危機に陥っている欧州の負債国の水準を大幅に上回る。
 しかし政府の歳出は民間の投資・消費を刺激しておらず、効果なき大量の投資が国民の富を浪費しており、国民の消費意欲を低下させている。
 一般的な日本人は、長年のニュースを通じ、国家の財政負担を知り抜いている。またこれらの負担が最終的に自らの負担になることを知っている。これでは消費を促すことはできない。
 さらに長期的なゼロ金利により、預金で利息を得ることができない。
 国民は消費水準を維持するため、より多くの貯蓄を確保しなければならない。

 金融政策の面から見ると、日本はゼロ金利と量的緩和という悪例を初めて作り出した国だ。
 日本は1999年にゼロ金利を開始し、2001年に初の量的緩和策を実施した。
 2006年は世界経済の好転によるプラスの影響があり、量的緩和が一時的にストップされたが、これを除けば日銀は常に非定期的な金融政策の実施を続けてきた。
 日銀は2012年10月にも、資産購入規模の拡大を宣言した。

 日本はすでに、現在までに計11回の量的緩和を実施している。
 日本は過去10年間に渡り、金融機関に約40兆円の資金を注入し、銀行の貯蓄が6-7倍に膨れ上がったが、これらの資金のほとんどは金融システム内に収められるか、円キャリー取引により日本から流出したため、実体部門に流入した資金はごくわずかだ。
 同期の日本のM2は約35%しか増加しておらず、年間平均の増加率はわずか2-3%のみだ。
 現在の環境は過去10年間から根本的に変化しておらず、日銀が安倍氏の意向にそうようにして無制限の金融緩和を行なったところで、根本的な変化が生じることはない。

 外需に対する過度の依存から、歴代の日本政府は円安を主要目標としてきた。
 日本政府は先ごろ頻繁に外国為替市場への干渉を行ったが、得られた効果は短期的な微々たるもので、円高進行が続いた。
 また頻繁な干渉により、日米間の政治的対立が生じた。安倍氏は今回、市場干渉から紙幣発行の増加に重心を移そうとしており、米国・欧州より過激な紙幣発行を通じ円安を促す構えだ。
 先ほど大量の資金が円キャリー取引により日本から流出し、円安に対して多少の影響をもたらした。
 しかし現在は日本ばかりではなく、世界各国がゼロ金利・低金利国になっており、円相場に対する影響力が低下している。


 野村證券のリチャード・クー(中国名:辜朝明)氏は、「バブル経済崩壊後の日本企業は、表面化している以上の損失を被った。企業は1990-2005年に渡り、経営利益によりこの損失の埋め合わせをしていた。限られた資金は企業の借入を促さず、むしろ企業は借金返済を続けている」
 と指摘した。これは日銀の大規模な金融緩和にも関わらず、資金が実体に流入しない原因をある程度説明している。
 しかしこれは、2005年から現在に至るまで、企業の投資意欲が依然として低下していることの説明にはならない。

 日本経済の問題解決に関する長期的な議論により、金融派・財政派・構造派が形成された。
 無制限の金融緩和により日本の経済問題が解決されるという理論はすでに淘汰されている。
 財政派の、政府投資が経済のより深刻な低迷を防ぐという意見は一部の事実を言い当ててはいるが、史上例を見ない規模に達した公共債は、将来の最大の脅威になっている。
 日本は米国のように外資の流入に依存することはないが、膨大な債務が現在までに崩壊していない主因は、ゼロ金利だ。

 ゼロ金利が終了した場合、日本の債務は爆弾のように破裂するだろう。
 財政派は、債務が経済を好転させるため、債務の膨張を恐れる必要はないとしている。
 しかし経済が好転した場合、ゼロ金利が終了を迎えることになる。
 財政派の考え方に従うならば、日本には次の二つの選択肢しか残されていない。つまり債務の増加を続けるか、経済好転により債務の破裂を招くかだ。どちらの選も結局は失敗に終わるだろう。

 日本のミスは短期的な財政にあったはずだが、金融政策の長期化に伴い、非定期的な政策を定期的にしてしまった。
 日本の長期的・根本的な問題は、構造にある。高齢化、内需と外需の不均衡、閉鎖的な市場、人材市場の弾性の不足、閉鎖的な文化、新たな世界イノベーション競争における敗北、時代遅れの産業政策が徹底的に改善されなければ、日本の経済成長率は低水準を維持するだろう。

 需要管理政策が奏功しないことは、過去20年間ですでに証明された。
 安倍政権はこれらの政策を激化させようとしているが、市場を一時的に刺激するがせいぜいだ。
 長期的に見れば、安倍氏の政策は根本的な問題を解決する難易度をさらに高めるだろう。(編集YF)
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