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もうすぐ北風が強くなる

地球寒冷化:槌田(2)

 5.気温を決めるのは太陽光と地球の受光能

 このように,大気中のCO2濃度はヘンリーの法則により海洋表層水の温度とそのCO2濃度で決定される.表層水の温度は太陽活動と地球の受光能で決まる.
 太陽活動の大きさは黒点の数と対応している.黒点の数の変化と気温の変化は直接関係し,CO2の変化はこれに遅れて続くという事実も報告されている[1].
(事実⑥)

 また,図2に示すように,北極圏では,過去350年にわたる気温の変化と太陽光の受光量の変化はよく対応している[6].
(事実⑦)

図2 北極圏における気温,CO2濃度,照射量の比較
2.gif

 さらに,1992年から2年間,人間がCO2の放出をやめたわけではないのに,大気中のCO2濃度はまったく増えていない.CO2温暖化説によれば,このCO2は完全に行方不明ということになる.
(事実⑧)

 この原因は1991年のピナツボ火山の噴火により,微粒子が成層圏に放出され,地表の受ける太陽光が減ったからである.
 これらの事実によって,大気中のCO2濃度は人間の発生するCO2によって決まるのではなかったことがわかる.
 そもそも,人間社会の発生したCO2が大気中に溜まるとすると,その半分が行方不明になるという欠陥は20年も以前から指摘されていた.これを放置したまま,CO2温暖化説を信じたことに間違いがあった.


ヘンリーの法則

 ある温度における比較的水に溶けにくい気体の溶解度は、気体の分圧に比例する。ある温度 t において1気圧の気体の溶解度をF(t) とすると、気体分圧がp(atm) の場合の溶解度は、F(t)・p で求められる。

 下図に、二酸化炭素の溶解度の温度効果を示す。
下図

 6.温暖化ガスとしてのCO2の効果

 以上述べたように,気温の上昇で大気中のCO2濃度が上昇する.しかし,そのCO2が気温を上昇させる効果も2次効果としては無視できない.ところで,温暖化ガスの中でもっとも影響の大きい気体はH2Oである.多くの議論ではこのことが無視されている.

 熱帯または温帯の夏,大気中のH2Oの量が多いので,CO2が多少増えたところでCO2による影響はない.しかし,寒帯または温帯の冬,大気中のH2Oの量は少ないので,地表から放出される遠赤外線は宇宙にそのまま逃げていく.これはいわゆる放射冷却である.ここで,大気中のCO2濃度が増えるとこの放射冷却は妨害され,地表は保温されることになる.
(事実⑨)

 これは温室での保温効果ではない.地球の温室効果は他に実在し,重力が原因である.これにより窒素や酸素は地球から抜け出せず大気を作っている.この大気がなければ地表の温度は-18℃となる.CO2による温暖化効果を温室効果(greenhouse effect)と呼びつづけることは大きな間違いをそのままにすることである.

 H2OやCO2温暖化効果は,これらの分子が遠赤外線を吸収し,また放出する能力によって生じる.この温暖化効果は,真綿をかぶると空気の出入りが自由であるのに,暖かい効果が得られるのと同じである.したがって,このH2OやCO2の温暖化効果は,真綿効果(silk effect)とでも呼ぶべきであろう.

 このCO2の二次的な保温効果によって,寒帯または温帯の冬は暖かくなるが,この温暖化は,地球上の生命にとって悪い効果をもたらしたことはない.
 5000年以前の古代文明(日本では縄文文明)や1000年前のノルマンの侵略(日本では平安末期)以前の気温の高かった時代を,気象学者は,ヒプシサーマル(気候最適期)と呼び,人類にとって高温時代は暮らしやすいと判断していたのである.

 7.地球寒冷化の心配

 逆に,気温が低い時代は人類は不幸であった.その理由は,陸の光合成は気温が15℃以上でなければならないからである.
(事実⑩)

 現在,平均気温が15℃ということは,陸地の半分で光合成ができないことを意味する.これが低温になると,この面積が増えて,食料が得られなくなる.
 1950年代,暖冬続きで地球の温暖化が問題になった.そのころ南極の氷がとけて海面が上昇し,大都会が水没するおそれがあると騒がれた.ところが1970年代に入り,気温が上がらず,地球寒冷化が問題となった.

 実は,1940年以後,気温は徐々に下がっていることが確かめられた.そこで気象学者の多くは1980年ごろから,寒冬・冷夏が増え,小氷河期の気候に近づくと予想した[7].

図3 過去2万5000年間の北半球の気温の変化
3.gif


 図3は,過去2万年の花粉,樹相,氷河からまとめた気温の変化(連邦研究協議会記録,1975年)である[8].これによれば,7000年前に高温期があり,それ以後長期低下傾向にある.とくに注意すべきは,その間に3回,約2000年の間隔で,約2℃の温度降下をもたらす小氷期がある.

 前回の最高気温期が2000年前であるから,現在が最高気温であり,まもなく気温が下がっていくとした1970年ごろの気象学者の予想はやはり正しいのである.
 蛇足であるが,世論に迎合して寒ければ寒冷化説を主張し,暖かくなれば変更の理由も示さず温暖化説を唱えるような,最近の気象学者の生態には,私はとてもついていけない.

 8.大気汚染による寒冷化と温暖化

 人間による地球気候への影響について,もっとも考慮すべきは,CO2ではなく,大気汚染である.
 地球を開放系の熱物理学の対象とするとき,重要な事項は入力としての太陽光の受光状態,出力としての宇宙への放熱状態,そして地球に存在する物質循環の3点である[9].

 まず,太陽光を15℃の地表で受ける.次に,対流圏上空のマイナス23℃で宇宙に放熱する.これによって,下が熱せられ,上が冷やされるので,対流圏の大気の循環活動が成立する.まさに地球エンジンである.この大気の循環が,地表の水と大気中の水蒸気の間の循環活動を作る.
 つまり,地球は空冷と水冷の機能をもつことになる.この大気と水の循環は海水の上下循環活動を発生させ,また養分の循環を作って生態系を成立させている.つまり,大気の循環こそが地球での諸現象の根源である.

 そこで,この大気の循環を阻害する人間活動を考える.それは,大気汚染である.まず,可視光と赤外線に対して汚染物質が白い場合,太陽光は宇宙に散乱されるから気温を降下させる.
 大気汚染が,可視光と赤外線に対して黒くて,成層圏にある場合,太陽光は吸収されて成層圏の温度は上がるが,この熱はそのまま宇宙へ放熱され,対流圏の大気循環に対してはほとんど影響がない.
 しかし,この汚染は地表に届く太陽光を少なくするので,白い汚染と同様に寒冷化をもたらすことになる.

 黒い汚染物質が対流圏に放出される場合は,深刻な影響を受ける.太陽光はこの汚染物質に吸収されてその高度の大気を加熱する.そして,地表に到達する太陽光は減少する.その結果,上が加熱され,下が減熱されることになるので,大気の循環は阻害され,地表は熱平衡に近づく.また,大気循環が滞るため,風が吹かず,水があっても蒸発しない.地球の持つ空冷と水冷の機能を損なうことになる.これは温暖化というよりも,熱地獄である.
(事実⑪)

 この現象は都市気象(ヒートアイランド)として知られるが,これが世界各地に広がっている.インドネシアやブラジルの焼畑を原因とする熱帯林の火災による煙は,赤道上空を覆い,貿易風や積乱雲の発生を妨害して,赤道海面の温度を上げる原因となった.
 また,北極圏では,工場や航空機の黒い煙による対流圏大気の汚染がある.これは北極圏の気温上昇の一因である.

 以上述べたように,CO2温暖化脅威説は11の事実から否定される.CO2温暖化脅威説では,まず人間の活動を考えた.
 しかし,人間の活動はまだ地球全体に及ぼすほど大きくはない.したがって,より根源的な事象としてまず太陽活動,次いで地球の受光能,そして人間活動の地域に及ぼす影響の順に考えることである.
 これを逆にすれば矛盾した結果になるのは当然である.

 (以下、地球寒冷化:槌田(3)へ)
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