地球寒冷化:槌田(1)
2011-02-10
大陸氷河も山岳氷河も、氷河が出来上がる原因は、冬の寒さではない。
夏の「涼しさ」が原因なのである。このことに注意を喚起したい。
つまり、氷河の形成は雪が多く降ることではなく、冬に積もった雪が夏に溶けきらないこと。
これに起因するのである。
つまり、北西ヨーロッパの場合ならば、夏の曇天(くもり空)。
これが、鍵である。
いったん形成されると、雪氷は熱も反射するので、氷河の形成は年々加速する。
地球の寒冷化については「寒冷の予感」、「激しさを増す異常気象」、「異常気象は小氷期の前触れか」に書いてきたところです。
世界の学会などではもともと地球の寒冷化が心配されていたのだが、ソ連崩壊の前あたりから新自由主義の台頭と軌を一にして、CO2による地球温暖化危機説が始まった。
気候に与える影響としては、そもそもCO2などより、比較にならない影響力をもつ環境要素は水蒸気、雪氷、噴火の粉塵、太陽黒点数等数多くある。
こんな中学生でも解る偽理論が、いつの間にか日米欧政府とマスコミにより常識化されて、異論を唱えるものはマスコミに出さない、学会で出世させないなどまるで新自由主義の手口とそっくりなのは偶然ではない。
新興国の産業化に対する嫌がらせ、原発推進の魂胆、排出権取引などの利権が絡んでいるのだろうが、国民をマインドコントロールしてはいけない。
昨年のビルダーバーグ会議は「温暖化」を取り下げて「地球寒冷化」を課題の一つにしてしまった。
「2010ビルダーバーグ会議」を御覧ください。
あまりの珍説では、世界を騙すには無理があるためだろう。
日本の政府とマスコミだけは依然として、CO2だのエコだの一周遅れの洗脳を続けている。日本人の政府・マスコミ盲信性の民族実験をしているつもりか。
CO2珍説もさることながら、「温暖化脅威論」自体の危険性は、本当に脅威である寒冷化の研究を抹殺しようとしていることだ。
蛇足かもしれないが、地球の気候は誕生以来変遷を続けている。5度の温暖化と同じ5度の寒冷化なら、人類にとってどちらが危険かは分かりきったことだ。
まして、数十万年を赤道直下で生き延びた人類が世界に広まったのはわずか数万年前。温暖対応は簡単でも、寒冷対応の方は、この文明水準と人口を抱えて、絶滅の危険を伴うほどの大変なことと言わざるを得ない。
従って、地球寒冷化の研究は、温暖化の珍説などとは比較にならないほど重要と考える。
やはり、いわゆる二酸化炭素温暖化論なるものを、一度きちんと論破しておく必要がある
CO2が地球温暖化の原因で、温暖化は人類の脅威だ。などという珍説が排出権取引など利権のためにまかり通っている現状に対して、真面目な研究者を代表する碩学である、槌田敦氏の小論を掲載します。
槌田氏は化学物理学、熱力学、環境論の日本における権威。理化学研究所、東大理学博士の碩学であると共に、反原発を主張。二酸化炭素温暖化脅威説を論破している。そして、寒冷化問題の研究がないがしろにされ、研究者が迫害されていることに強烈な心配をされているようである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下、槌田氏から引用。
環境経済・政策学会 和文年報 第4集より
CO2温暖化脅威説は世紀の暴論
― 寒冷化と経済行為による森林と農地の喪失こそ大問題 ―
槌田敦(名城大学商学部)
CO2温暖化脅威説は,たとえば南極ボストーク基地における氷床の調査により,大気中のCO2濃度と気温とが過去22万年にわたって関係があることなどを根拠にしている.
しかし,2つの現象が長期にわたって関係するとき,どちらが原因でどちらが結果なのか,または別に本質的な原因があって,この両者はともにその結果なのか,その考察をすることなく,人々はCO2濃度上昇で気温が上がると信じ,その対策を一大国際政治課題にしてしまった.
これにより,寒冷化説をとりつづける地道な学者は,研究費が得られず,また研究してもこれを発表する場をレフェリー制度によって奪われ,さらに圧倒的に多い温暖化論者の前に意欲を失い,沈黙を余儀なくさせられたように見える.
寒冷化説の指摘した問題点は,現在もなお有効である.
ここでは,CO2温暖化脅威説やO3ホールのフロン原因説が間違っており,また京都議定書を受けて提案される太陽光や原発などの取組みが無意味であることを示す.
さらに,穀物の過剰生産,自由貿易,債務という経済行為を原因とする農地と森林の喪失がこのCO2温暖化説の陰に埋没しているという現実を打破するため,あえて思うままを率直に書くことにした.
1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する
2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化
3.両半球大気中のO2濃度の季節変化
4.海洋での炭素循環
5.気温を決めるのは太陽光と地球の受光能
6.温暖化ガスとしてのCO2の効果
7.地球寒冷化の心配
8.大気汚染による寒冷化と温暖化
9.無意味な温暖化対策
10.原子力発電ではCO2排出量も減らない
11. ナンセンスといえばオゾンホールも
12. 森林と農地の喪失こそ最大の環境問題
13. 債務返還と利子払いが途上国の農地破壊を加速
14. 途上国における森林破壊
15. 環境問題を正しく理解するには、開放系の熱学が必要
1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する
多くの研究者は,大気中のCO2濃度の増大が気温を上昇させるという.しかし,事実は逆である.ハワイのマウナロア観測所でのCO2の長期観測者として知られるC.D.Keelingグループの研究によれば,図1に示すように,気温の上がった半年~1年後にCO2が増えている.〔1〕
(事実①)
図1 気温の変化とCO2濃度の変化の対応.CO2は気温の上昇より遅れて変化していることがわかる

また,C.D.Keelingらは,エルニーニョ発生の1年後にCO2が増えたことも発表した[1],[2].赤道付近の海面温度の上昇がCO2濃度の上昇の原因となっているのである.
(事実②)
したがって,大気中のCO2濃度の増加で温暖化するのではなく,気温(海面温度)の上昇でCO2濃度が増えるというべきである.根本順吉は,このC.D.Keelingらの仕事に注目し,「現在の温暖化のすべてを温室効果ガスによって説明することはたいへん無理である」と述べた[3].しかし,このC.D.Keelingらの研究も,根本氏の見解も無視されたまま,現在に至っている.
2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化
人間が発生させたCO2が大気中に留まるとする説の論拠は,海洋の表層水は10~20℃で軽く,深海水は0~5℃で重いから,これらの海水は混合しない,また,表層水のCO2溶解量は少ないから,大気と表層水との間でCO2交換があってもその量は少なく,大気中のCO2濃度に深海水のCO2が影響することはない,という考え方に基づいている.
しかし,それでは,北半球で大気中のCO2濃度に10ppm程度の季節変化があるが,南半球でほとんど季節変化がないという周知の事実を説明できない.
(事実③)
北半球と南半球の違いは海と陸の面積の違いである.北半球(30゚N~70゚N)では海と陸の面積はほぼ等しいが,南半球(30゚S~70゚S)では海は90%以上を占めている.その南半球で,夏,表層水で植物プランクトンが活発に光合成するが,大気中のCO2を必要としていない.
表層水での光合成に必要なCO2は深海水から供給される以外には考えられないから,表層水と深海水の間にCO2のやりとりがないとする説は正しくないことを示している.
3.両半球大気中のO2濃度の季節変化
R.F.Keelingらは,大気中のO2濃度が北半球でも南半球でも季節変化していると発表した[4].海の生物にとって,表層水に溶けているO2だけでは不足し,またCO2と違って深海からのO2の供給は考えられないので,大気中のO2が必要なのである.
(事実④)
ここで,大気中のO2とCO2濃度を合計すると,生物の光合成や呼吸の効果を消去できる.R.F.Keelingらによれば,この合計の季節変化は,北半球,南半球とも,生物効果とほぼ同じ大きさである.
(事実⑤)
このO2とCO2の濃度の合計の季節変化は主に,海洋と大気の間のこれらの気体の交換の結果である.夏には海洋から大気へ,冬には大気から海洋へこれらの気体が移動している.海洋と大気の間で気体の移動は少ないとすることが間違いであることがわかる.
4.海洋での炭素循環
深海水との関連で表層水のCO2濃度を論ずるには,海洋における炭素の全体の流れを考える必要がある.それは海洋の炭素の上下循環で決まる[5].
表層水への炭素の供給は炭素濃度の高い深海水の湧昇でなされている.赤道で貿易風が吹くと西向きの海流が生ずるが,この東端で深海水が湧昇する.太平洋ではペルー沖である.中緯度で赤道に向かう風が吹くと赤道に向かう海流が生ずるが,これは地球の自転についていけず,西向きに方向を変える.
この海流と大陸西海岸との間にすき間ができるが,ここで深海水が湧昇する.太平洋ではカリフォルニア沖とチリ沖である.また極洋では,冬に表層水の温度は氷点の-2℃になる.この温度の海水は最大密度であり,また氷結によって塩分濃度も増えるため重くなって沈降し,代わりに0~3℃の軽い深海水の湧昇となる.
この深海からの湧昇水は炭素化合物とリンや窒素などの養分が豊富である.表層水に供給された炭素化合物は細菌などの餌となり,大気から供給されるO2によってたちどころに酸化されCO2になる.この豊富なCO2と養分によって海洋の光合成が進行し,この湧昇海域は漁場となる.
ここで生育した海洋生物は,世界の海に拡散し,海洋動物の餌となり,結局は糞になる.糞は海水より重いので沈降し,炭素と養分は深海に帰っていく.つまり,表層水のCO2濃度は深海永の湧昇と糞の沈降で決まることになる.
植物プランクトンの元素構成比(Redfierd 比)はC:N:P=106:16:1であるが,深海の元素構成比もこれとほとんど同じであるから,湧昇海域では,光合成に必要な養分濃度とCO2濃度は過不足なく均衡している.したがって,南半球の光合成にとって大気のCO2は必要がなく,その濃度は季節変化しないのである.
(以下、地球寒冷化:槌田(2)へ)
夏の「涼しさ」が原因なのである。このことに注意を喚起したい。
つまり、氷河の形成は雪が多く降ることではなく、冬に積もった雪が夏に溶けきらないこと。
これに起因するのである。
つまり、北西ヨーロッパの場合ならば、夏の曇天(くもり空)。
これが、鍵である。
いったん形成されると、雪氷は熱も反射するので、氷河の形成は年々加速する。
地球の寒冷化については「寒冷の予感」、「激しさを増す異常気象」、「異常気象は小氷期の前触れか」に書いてきたところです。
世界の学会などではもともと地球の寒冷化が心配されていたのだが、ソ連崩壊の前あたりから新自由主義の台頭と軌を一にして、CO2による地球温暖化危機説が始まった。
気候に与える影響としては、そもそもCO2などより、比較にならない影響力をもつ環境要素は水蒸気、雪氷、噴火の粉塵、太陽黒点数等数多くある。
こんな中学生でも解る偽理論が、いつの間にか日米欧政府とマスコミにより常識化されて、異論を唱えるものはマスコミに出さない、学会で出世させないなどまるで新自由主義の手口とそっくりなのは偶然ではない。
新興国の産業化に対する嫌がらせ、原発推進の魂胆、排出権取引などの利権が絡んでいるのだろうが、国民をマインドコントロールしてはいけない。
昨年のビルダーバーグ会議は「温暖化」を取り下げて「地球寒冷化」を課題の一つにしてしまった。
「2010ビルダーバーグ会議」を御覧ください。
あまりの珍説では、世界を騙すには無理があるためだろう。
日本の政府とマスコミだけは依然として、CO2だのエコだの一周遅れの洗脳を続けている。日本人の政府・マスコミ盲信性の民族実験をしているつもりか。
CO2珍説もさることながら、「温暖化脅威論」自体の危険性は、本当に脅威である寒冷化の研究を抹殺しようとしていることだ。
蛇足かもしれないが、地球の気候は誕生以来変遷を続けている。5度の温暖化と同じ5度の寒冷化なら、人類にとってどちらが危険かは分かりきったことだ。
まして、数十万年を赤道直下で生き延びた人類が世界に広まったのはわずか数万年前。温暖対応は簡単でも、寒冷対応の方は、この文明水準と人口を抱えて、絶滅の危険を伴うほどの大変なことと言わざるを得ない。
従って、地球寒冷化の研究は、温暖化の珍説などとは比較にならないほど重要と考える。
やはり、いわゆる二酸化炭素温暖化論なるものを、一度きちんと論破しておく必要がある
CO2が地球温暖化の原因で、温暖化は人類の脅威だ。などという珍説が排出権取引など利権のためにまかり通っている現状に対して、真面目な研究者を代表する碩学である、槌田敦氏の小論を掲載します。
槌田氏は化学物理学、熱力学、環境論の日本における権威。理化学研究所、東大理学博士の碩学であると共に、反原発を主張。二酸化炭素温暖化脅威説を論破している。そして、寒冷化問題の研究がないがしろにされ、研究者が迫害されていることに強烈な心配をされているようである。
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以下、槌田氏から引用。
環境経済・政策学会 和文年報 第4集より
CO2温暖化脅威説は世紀の暴論
― 寒冷化と経済行為による森林と農地の喪失こそ大問題 ―
槌田敦(名城大学商学部)
CO2温暖化脅威説は,たとえば南極ボストーク基地における氷床の調査により,大気中のCO2濃度と気温とが過去22万年にわたって関係があることなどを根拠にしている.
しかし,2つの現象が長期にわたって関係するとき,どちらが原因でどちらが結果なのか,または別に本質的な原因があって,この両者はともにその結果なのか,その考察をすることなく,人々はCO2濃度上昇で気温が上がると信じ,その対策を一大国際政治課題にしてしまった.
これにより,寒冷化説をとりつづける地道な学者は,研究費が得られず,また研究してもこれを発表する場をレフェリー制度によって奪われ,さらに圧倒的に多い温暖化論者の前に意欲を失い,沈黙を余儀なくさせられたように見える.
寒冷化説の指摘した問題点は,現在もなお有効である.
ここでは,CO2温暖化脅威説やO3ホールのフロン原因説が間違っており,また京都議定書を受けて提案される太陽光や原発などの取組みが無意味であることを示す.
さらに,穀物の過剰生産,自由貿易,債務という経済行為を原因とする農地と森林の喪失がこのCO2温暖化説の陰に埋没しているという現実を打破するため,あえて思うままを率直に書くことにした.
1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する
2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化
3.両半球大気中のO2濃度の季節変化
4.海洋での炭素循環
5.気温を決めるのは太陽光と地球の受光能
6.温暖化ガスとしてのCO2の効果
7.地球寒冷化の心配
8.大気汚染による寒冷化と温暖化
9.無意味な温暖化対策
10.原子力発電ではCO2排出量も減らない
11. ナンセンスといえばオゾンホールも
12. 森林と農地の喪失こそ最大の環境問題
13. 債務返還と利子払いが途上国の農地破壊を加速
14. 途上国における森林破壊
15. 環境問題を正しく理解するには、開放系の熱学が必要
1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する
多くの研究者は,大気中のCO2濃度の増大が気温を上昇させるという.しかし,事実は逆である.ハワイのマウナロア観測所でのCO2の長期観測者として知られるC.D.Keelingグループの研究によれば,図1に示すように,気温の上がった半年~1年後にCO2が増えている.〔1〕
(事実①)
図1 気温の変化とCO2濃度の変化の対応.CO2は気温の上昇より遅れて変化していることがわかる

また,C.D.Keelingらは,エルニーニョ発生の1年後にCO2が増えたことも発表した[1],[2].赤道付近の海面温度の上昇がCO2濃度の上昇の原因となっているのである.
(事実②)
したがって,大気中のCO2濃度の増加で温暖化するのではなく,気温(海面温度)の上昇でCO2濃度が増えるというべきである.根本順吉は,このC.D.Keelingらの仕事に注目し,「現在の温暖化のすべてを温室効果ガスによって説明することはたいへん無理である」と述べた[3].しかし,このC.D.Keelingらの研究も,根本氏の見解も無視されたまま,現在に至っている.
2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化
人間が発生させたCO2が大気中に留まるとする説の論拠は,海洋の表層水は10~20℃で軽く,深海水は0~5℃で重いから,これらの海水は混合しない,また,表層水のCO2溶解量は少ないから,大気と表層水との間でCO2交換があってもその量は少なく,大気中のCO2濃度に深海水のCO2が影響することはない,という考え方に基づいている.
しかし,それでは,北半球で大気中のCO2濃度に10ppm程度の季節変化があるが,南半球でほとんど季節変化がないという周知の事実を説明できない.
(事実③)
北半球と南半球の違いは海と陸の面積の違いである.北半球(30゚N~70゚N)では海と陸の面積はほぼ等しいが,南半球(30゚S~70゚S)では海は90%以上を占めている.その南半球で,夏,表層水で植物プランクトンが活発に光合成するが,大気中のCO2を必要としていない.
表層水での光合成に必要なCO2は深海水から供給される以外には考えられないから,表層水と深海水の間にCO2のやりとりがないとする説は正しくないことを示している.
3.両半球大気中のO2濃度の季節変化
R.F.Keelingらは,大気中のO2濃度が北半球でも南半球でも季節変化していると発表した[4].海の生物にとって,表層水に溶けているO2だけでは不足し,またCO2と違って深海からのO2の供給は考えられないので,大気中のO2が必要なのである.
(事実④)
ここで,大気中のO2とCO2濃度を合計すると,生物の光合成や呼吸の効果を消去できる.R.F.Keelingらによれば,この合計の季節変化は,北半球,南半球とも,生物効果とほぼ同じ大きさである.
(事実⑤)
このO2とCO2の濃度の合計の季節変化は主に,海洋と大気の間のこれらの気体の交換の結果である.夏には海洋から大気へ,冬には大気から海洋へこれらの気体が移動している.海洋と大気の間で気体の移動は少ないとすることが間違いであることがわかる.
4.海洋での炭素循環
深海水との関連で表層水のCO2濃度を論ずるには,海洋における炭素の全体の流れを考える必要がある.それは海洋の炭素の上下循環で決まる[5].
表層水への炭素の供給は炭素濃度の高い深海水の湧昇でなされている.赤道で貿易風が吹くと西向きの海流が生ずるが,この東端で深海水が湧昇する.太平洋ではペルー沖である.中緯度で赤道に向かう風が吹くと赤道に向かう海流が生ずるが,これは地球の自転についていけず,西向きに方向を変える.
この海流と大陸西海岸との間にすき間ができるが,ここで深海水が湧昇する.太平洋ではカリフォルニア沖とチリ沖である.また極洋では,冬に表層水の温度は氷点の-2℃になる.この温度の海水は最大密度であり,また氷結によって塩分濃度も増えるため重くなって沈降し,代わりに0~3℃の軽い深海水の湧昇となる.
この深海からの湧昇水は炭素化合物とリンや窒素などの養分が豊富である.表層水に供給された炭素化合物は細菌などの餌となり,大気から供給されるO2によってたちどころに酸化されCO2になる.この豊富なCO2と養分によって海洋の光合成が進行し,この湧昇海域は漁場となる.
ここで生育した海洋生物は,世界の海に拡散し,海洋動物の餌となり,結局は糞になる.糞は海水より重いので沈降し,炭素と養分は深海に帰っていく.つまり,表層水のCO2濃度は深海永の湧昇と糞の沈降で決まることになる.
植物プランクトンの元素構成比(Redfierd 比)はC:N:P=106:16:1であるが,深海の元素構成比もこれとほとんど同じであるから,湧昇海域では,光合成に必要な養分濃度とCO2濃度は過不足なく均衡している.したがって,南半球の光合成にとって大気のCO2は必要がなく,その濃度は季節変化しないのである.
(以下、地球寒冷化:槌田(2)へ)
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