マスメディア情報工作が生んだ「元の木阿弥政権」:植草
2012-12-17
総選挙の結果について、私なりのまとめを「一夜が明けて、マスコミに負けた日本」に書きました。
もとより国民の好き嫌いでなく、国民の生活利害、幸福ならば原発廃止、消費増税阻止、TPP反対である。
だが、マスコミの圧倒的な情報操作と洗脳に国民は負けたのである。国民は自分に不利を選ばされてしまったのである。
嘘を真実にくつがえせる可能性は、その逆よりはおおいにある。
手始めは記者クラブ解体、電波入札制などマスコミの改革である。
以上ですが、うち前半の結果の現状把握については同意の植草氏から。
ーーーーーーーーーーーーーーー

マスメディア情報工作が生んだ「元の木阿弥政権」 12/17 植草一秀 (文中※ は北風の注釈。)
第46回衆議院議員総選挙が実施され、自民党が圧勝した。
マスメディアの流布した情報が現実化した。
今回の選挙結果を生み出した要因は以下の三点である。
第一は、政権与党の民主党が主権者国民から総スカンを喰らったこと。
菅直人首相、野田佳彦首相の行動実績を見れば、この民主党が主権者国民の信頼をことごとく失うことは当然のことである。
第二の要因は、民主、自民に対抗する、いわゆる第三極陣営が、マスメディアの偏向情報操作によって攪乱されたこと。
本来は、民主党内で主権者国民との約束を守ろうとして民主党を離党して新党を結成した勢力が、民自に対抗する第二極、あるいは第三極の中核に位置すべきであった。
しかし、これをマスメディアが徹底的に妨害した。
妨害の方法は、小沢一郎氏を貶める報道を全開の状態にしたことと、橋下徹氏を誇大宣伝し続けたことである。
橋下新党を大宣伝し続ける一方で、小沢新党については完全に報道を封殺した。
いわゆる第三極はメディアの偏向報道によって分断され、反民自勢力の伸長が阻止された。
第三の要因は、自民党の前回落選者が多数存在したために、いわゆる「次点バネ」が強く効いたことである。
「次点バネ」は政権与党が失態を晒す局面で、より強く威力を発揮する。
政権与党が主権者国民の信頼に応える政権運営をしたなら、「次点バネ」の威力は低下するが、政権与党が大失態を演じれば、「次点バネ」の威力は最大に発揮される。
そして、今回の選挙結果をもたらした最大の原動力はメディアの情報操作にあった。
メディアは次の情報操作を展開した。
第一は、自民党圧勝予測を流布することによって、「勝ち馬に乗る」有権者の行動を引き出したことだ。いわゆる「バンドワゴン効果」が強く表れた。
第二は、選挙結果が確定的であるとのイメージを植え付け、投票率の上昇抑制が誘導されたこと。
今回総選挙での小選挙区投票率は59%前後となり、戦後衆院選で最低投票率を記録した1996年の59.65%を下回る可能性が浮上している。
投票率が高まると、原発即時ゼロや消費税増税撤回を公約に掲げる勢力に投票が流れる可能性が高まると見られていた。
原発や消費税増税推進勢力は、投票率をできるだけ低位に抑制することを目論んでいた。この目的に合わせてマスメディアが徹底した情報操作を行ったと見られる
今回総選挙の最重要争点である原発・消費税増税・TPPを陰に隠し、成長戦略や憲法問題などを争点に位置付けるなどの工作も展開され、主権者国民の選挙への関心が人為的に引き下げられた。
第三は、小沢新党に関する報道を徹底的に封殺したことだ。これに先立ってメディアは、2009年以来、3年以上の長期にわたって、小沢一郎氏に対する「人物破壊工作」を徹底的に展開した。
今回総選挙の最大の目的は、小沢新党つぶしにあったと思われる。
小沢一郎氏をここまで徹底して攻撃対象に位置付けた理由は、小沢氏が日本の政治構造を、「既得権益の政治」から「主権者国民の政治」に変質させてしまう恐れがあったからだ。
2006年に小沢氏が民主党代表に就任して以来、小沢氏に対する失脚工作は連綿として実行され続けた。
しかし、小沢氏はその攻撃をかわして、2009年に政権交代の大業を成就させた。
既得権益はこの事態に直面して、猛烈な反撃に出た。目的のためには手段を選ばぬという、暴走に次ぐ暴走を繰り返したのである。
その集大成が今回総選挙であったと見ることができる。
変質した民主党は自民党と変わらない。既得権益にとっては、民主党が大敗しても、自民党が圧勝すれば何の問題もない。
唯一許されないことは、小沢新党が強い力を維持することである。
小沢新党が力を維持すれば、再び「既得権益の政治」が破壊され、「主権者国民の政治」が構築される危険が残る。
この認識から、既得権益は総力を結集して小沢新党せん滅を最重要目標に掲げて今回総選挙に臨んだのだと思われる。
野田佳彦氏もこの点を踏まえていた可能性が高い。
この選挙で政権を維持できると考えていたのなら、とてつもない阿呆としか言いようがないが、恐らく(※米国軍産複合体から)野田氏に与えられたミッション=使命は、小沢新党つぶしであって、この意味では野田氏は与えられたミッションをこなしたのだと思われる。
このようなことで、今回選挙は既得権益の思惑通りの結末を迎えた。
選挙集計等で大がかりな不正が行われたとの見方も存在しているが、この点については現時点では何とも言えない。
結局、2009年の政権交代実現から3年余の時間を経過して、「元の木阿弥政権」が誕生したことになる。
すべては、既得権益が「主権者国民の政治」を力ずくで破壊しようとした、その流れに沿うものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
このブログの中で、植草一秀氏に関するページ一覧。
テレビが伝えない原発の状況
植草:11年度消費税大増税悪魔構想が浮上
迫っている危機、無脳で無責任な政権
滅亡か、米国債売却による経済復興か
植草:復興特会設置し、財源に外貨準備を活用せよ
迫るデフレ恐慌に無能政権の打倒を
東京電力の原因者責任を明確にせよ
火事場泥棒を狙う「震災復興構想会議」
政権と与党の争点は反増税、対米自立、脱原発!
米国債で巨額損失、国を滅ぼす財務官僚
世界経済を壊す財政再建原理主義者ども
世界の死を招く超緊縮財政
日米欧の超緊縮財政が世界経済を破壊する
野田某とは、政策詐欺の国民地獄政権だ
謀略のNHK、それでも177票の力
米国と財界の政治を倒し!国民の政治を!植草
植草:最近の経済社会と政策
TPP全物品を関税撤廃対象としていた政府:植草
貸した金を返せと言えない奴隷政府
人権侵害の控訴に反撃を:植草
さようなら原発、さようなら談合政権
ヨーロッパ金融危機と日本経済:植草
戦後米国支配とかいらいマスコミに鉄槌を
尖閣(釣魚)問題への基本スタンス
植草:9/1講演「生活が第一」支援集会
前原と石原、領土問題を煽るマスコミと米国奴隷
戦後最大の売国奴、吉田茂
財政危機の大嘘、消費増税と原発再稼働阻止!
悪化する日中関係に笑う米国
破滅の緊縮財政か、恐慌を断ち切る財政出動か
小沢一郎氏はよみがえる:植草
脱原発・消費増税阻止・反TPPの統一戦線を:植草
もとより国民の好き嫌いでなく、国民の生活利害、幸福ならば原発廃止、消費増税阻止、TPP反対である。
だが、マスコミの圧倒的な情報操作と洗脳に国民は負けたのである。国民は自分に不利を選ばされてしまったのである。
嘘を真実にくつがえせる可能性は、その逆よりはおおいにある。
手始めは記者クラブ解体、電波入札制などマスコミの改革である。
以上ですが、うち前半の結果の現状把握については同意の植草氏から。
ーーーーーーーーーーーーーーー

マスメディア情報工作が生んだ「元の木阿弥政権」 12/17 植草一秀 (文中※ は北風の注釈。)
第46回衆議院議員総選挙が実施され、自民党が圧勝した。
マスメディアの流布した情報が現実化した。
今回の選挙結果を生み出した要因は以下の三点である。
第一は、政権与党の民主党が主権者国民から総スカンを喰らったこと。
菅直人首相、野田佳彦首相の行動実績を見れば、この民主党が主権者国民の信頼をことごとく失うことは当然のことである。
第二の要因は、民主、自民に対抗する、いわゆる第三極陣営が、マスメディアの偏向情報操作によって攪乱されたこと。
本来は、民主党内で主権者国民との約束を守ろうとして民主党を離党して新党を結成した勢力が、民自に対抗する第二極、あるいは第三極の中核に位置すべきであった。
しかし、これをマスメディアが徹底的に妨害した。
妨害の方法は、小沢一郎氏を貶める報道を全開の状態にしたことと、橋下徹氏を誇大宣伝し続けたことである。
橋下新党を大宣伝し続ける一方で、小沢新党については完全に報道を封殺した。
いわゆる第三極はメディアの偏向報道によって分断され、反民自勢力の伸長が阻止された。
第三の要因は、自民党の前回落選者が多数存在したために、いわゆる「次点バネ」が強く効いたことである。
「次点バネ」は政権与党が失態を晒す局面で、より強く威力を発揮する。
政権与党が主権者国民の信頼に応える政権運営をしたなら、「次点バネ」の威力は低下するが、政権与党が大失態を演じれば、「次点バネ」の威力は最大に発揮される。
そして、今回の選挙結果をもたらした最大の原動力はメディアの情報操作にあった。
メディアは次の情報操作を展開した。
第一は、自民党圧勝予測を流布することによって、「勝ち馬に乗る」有権者の行動を引き出したことだ。いわゆる「バンドワゴン効果」が強く表れた。
第二は、選挙結果が確定的であるとのイメージを植え付け、投票率の上昇抑制が誘導されたこと。
今回総選挙での小選挙区投票率は59%前後となり、戦後衆院選で最低投票率を記録した1996年の59.65%を下回る可能性が浮上している。
投票率が高まると、原発即時ゼロや消費税増税撤回を公約に掲げる勢力に投票が流れる可能性が高まると見られていた。
原発や消費税増税推進勢力は、投票率をできるだけ低位に抑制することを目論んでいた。この目的に合わせてマスメディアが徹底した情報操作を行ったと見られる
今回総選挙の最重要争点である原発・消費税増税・TPPを陰に隠し、成長戦略や憲法問題などを争点に位置付けるなどの工作も展開され、主権者国民の選挙への関心が人為的に引き下げられた。
第三は、小沢新党に関する報道を徹底的に封殺したことだ。これに先立ってメディアは、2009年以来、3年以上の長期にわたって、小沢一郎氏に対する「人物破壊工作」を徹底的に展開した。
今回総選挙の最大の目的は、小沢新党つぶしにあったと思われる。
小沢一郎氏をここまで徹底して攻撃対象に位置付けた理由は、小沢氏が日本の政治構造を、「既得権益の政治」から「主権者国民の政治」に変質させてしまう恐れがあったからだ。
2006年に小沢氏が民主党代表に就任して以来、小沢氏に対する失脚工作は連綿として実行され続けた。
しかし、小沢氏はその攻撃をかわして、2009年に政権交代の大業を成就させた。
既得権益はこの事態に直面して、猛烈な反撃に出た。目的のためには手段を選ばぬという、暴走に次ぐ暴走を繰り返したのである。
その集大成が今回総選挙であったと見ることができる。
変質した民主党は自民党と変わらない。既得権益にとっては、民主党が大敗しても、自民党が圧勝すれば何の問題もない。
唯一許されないことは、小沢新党が強い力を維持することである。
小沢新党が力を維持すれば、再び「既得権益の政治」が破壊され、「主権者国民の政治」が構築される危険が残る。
この認識から、既得権益は総力を結集して小沢新党せん滅を最重要目標に掲げて今回総選挙に臨んだのだと思われる。
野田佳彦氏もこの点を踏まえていた可能性が高い。
この選挙で政権を維持できると考えていたのなら、とてつもない阿呆としか言いようがないが、恐らく(※米国軍産複合体から)野田氏に与えられたミッション=使命は、小沢新党つぶしであって、この意味では野田氏は与えられたミッションをこなしたのだと思われる。
このようなことで、今回選挙は既得権益の思惑通りの結末を迎えた。
選挙集計等で大がかりな不正が行われたとの見方も存在しているが、この点については現時点では何とも言えない。
結局、2009年の政権交代実現から3年余の時間を経過して、「元の木阿弥政権」が誕生したことになる。
すべては、既得権益が「主権者国民の政治」を力ずくで破壊しようとした、その流れに沿うものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
このブログの中で、植草一秀氏に関するページ一覧。
テレビが伝えない原発の状況
植草:11年度消費税大増税悪魔構想が浮上
迫っている危機、無脳で無責任な政権
滅亡か、米国債売却による経済復興か
植草:復興特会設置し、財源に外貨準備を活用せよ
迫るデフレ恐慌に無能政権の打倒を
東京電力の原因者責任を明確にせよ
火事場泥棒を狙う「震災復興構想会議」
政権と与党の争点は反増税、対米自立、脱原発!
米国債で巨額損失、国を滅ぼす財務官僚
世界経済を壊す財政再建原理主義者ども
世界の死を招く超緊縮財政
日米欧の超緊縮財政が世界経済を破壊する
野田某とは、政策詐欺の国民地獄政権だ
謀略のNHK、それでも177票の力
米国と財界の政治を倒し!国民の政治を!植草
植草:最近の経済社会と政策
TPP全物品を関税撤廃対象としていた政府:植草
貸した金を返せと言えない奴隷政府
人権侵害の控訴に反撃を:植草
さようなら原発、さようなら談合政権
ヨーロッパ金融危機と日本経済:植草
戦後米国支配とかいらいマスコミに鉄槌を
尖閣(釣魚)問題への基本スタンス
植草:9/1講演「生活が第一」支援集会
前原と石原、領土問題を煽るマスコミと米国奴隷
戦後最大の売国奴、吉田茂
財政危機の大嘘、消費増税と原発再稼働阻止!
悪化する日中関係に笑う米国
破滅の緊縮財政か、恐慌を断ち切る財政出動か
小沢一郎氏はよみがえる:植草
脱原発・消費増税阻止・反TPPの統一戦線を:植草
- 関連記事
-
- ウォルフレン:官僚独裁の勝利か (2012/12/20)
- 福島を忘れる日本人:仏ルモンド紙 (2012/12/20)
- 自公325議席でやり放題 これでいいのか!この国 (2012/12/19)
- 北の衛星発射と中国の尖閣領空侵犯:田中 (2012/12/18)
- 国民の選択肢、富の再配分 (2012/12/18)
- マスメディア情報工作が生んだ「元の木阿弥政権」:植草 (2012/12/17)
- 一夜が明けて、マスコミに負けた日本 (2012/12/17)
- 検察とマスコミの解体的な改革を:戸田 (2012/12/16)
- 自民党が勝つとこうなる (2012/12/16)
- 総選挙と私たちの生活、幸福と利害 (2012/12/16)
- 世論調査、Net調査と大した差はない代物 (2012/12/13)
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/1493-47947789