総選挙と私たちの生活、幸福と利害
2012-12-16

総選挙に向かっての、基本的な政策課題について私の考えをまとめてみました。
考えの基本は、国民の大多数を占める、私たち勤労者の利害です。
1 脱原発
原発と放射能の影響は、100世代にわたって増加すると考えなければならない。
その間に遺伝子の拡散は地球全面に影響を広げるだろう。
東京電力の原発事故によって、今現在も1000万Bq/時の放射能が放出されている。毎日2億4千万Bq/日である。
先ずは、一刻も早く封じ込めなければならない。責任逃れでネグレクトしてる場合ではない。予算等いくらかかろうが、カネなどの問題ではないのだ。 国土と国民、地球の将来に禍根をつくる最も緊急の重大問題である。
直ちに放射能の封じ込めと、子どものいる家庭、青少年の避難保障をすること。
最初から放射能廃棄物の処理のあてもない原発など、作ってはならないものだったのである。
今ある原発はすべてをただちに停止し、今すぐに廃炉と廃棄物保管の技術開発を進めなければならない。
技術開発は十年後の2022年に完全廃炉をメドとすること。
反原発を世界に呼びかけること。
2 消費増税の阻止
日本の「消費税」を欧米の付加価値税などと混同してはならない。
消費税はすべての生活必需品にかけるという点で、世界に類をみない(累進税でなく)「逆進税」なのである。
貧困な階層ほどに税が高負担になるという、極めて非人道的な税制なのである。
また、いびつな輸出依存国を除けば、国民経済の7割は国内需要が占めるべきであり(日本の高度成長期)その有効需要は消費が先行して、企業投資を引っ張るものであることはいうまでもない(消費が増えないのに投資したら企業は傾くだけである。)。
その消費需要の核心が勤労家計の可処分所得である。しかも消費性向は貧困な層ほど高いのもいうまでもない。
つまり、日本の「消費税」そのものがこの国民経済の「背骨」を叩き折る武器となっているのである。
97年の消費増税の結果をみるまでもなく、消費税は非人道的で、国民経済を破壊するものである。
「消費税」は廃止しなければならない。
さらに、欧米の付加価値税と異なるのは、日本の消費税は生活必需品すべてとしたためにインボイス(税額の申し送り)が無いことである。
このために、15年に及ぶ勤労家計の縮小、貧困化のなかで小売り価格(ほぼ消費者物価に近似値)は緩やかな下降をたどっている状態で、消費税の価格転嫁が困難な状態に追い込まれている。
では、ある程度は消費者が負担しているにしても、残った税額は結局は誰が負担しているのか?
これは皆さんご存知の通りで、生産、流通、小売りの過程で「弱い者」が負担させられているのである。
農家、漁師、零細各種製造業、運送業などは流通者に消費税上乗せどころか、流通に買い叩かれ値引きされている実情である。
流通、小売りは勤労者収入減のなかで値下げしなければ売れないので、これは主観的な良し悪しではなくデフレ経済の現実である。
以上の状態のなかで消費税を廃止するどころか、増税するとどうなるのか?
農林漁業、各種製造業、運送業などはTPPを待たずしても困窮と崩壊に向かうことは疑いない。
また勤労家計は結果に生じる雇用の更なる劣悪化と失業の増大により、ますます窮迫を深めることも疑いない。
デフレ恐慌が一大深刻化するというのはこんな事態になることである。
3 TPPに反対
農林漁業や保健医療も重大問題であるが、「非関税障壁」なる制度で様々な固有の文化的慣習法まで根こそぎに米国式を植え付けられることが重大である。
国家主権を侵害されること。また交渉が秘密(非公然)で行われること。
米国の対中国包囲ブロック化に利用され、対中貿易が最大の日本にとってはほとんどのメリットがないこと。
すべて反対の十分条件であるが、もっとも明白に懸念されるのは「日米関係が対等でない」ということである。
仮に対米自立の政権ができて交渉し、双方の利害を真面目に調整しようとしても、「後ろからマスコミなどが鉄砲を撃ってくるだろう(榊原英資)」。
まして、民自公や維新、石原などの対米屈従派がまともな交渉を出来るとは、「誰も思わない」。
4 沖縄の米軍基地、とオスプレイなど対米自立の主張を
原発稼働、消費増税、TPP推進の根っこにあるのはすべてが米国の利害であり、国民の利害では全くない。
いずれも米国の公然、非公然の指示により「唐突に」始まった政策方針である。
従って、「TPPには慎重だが、脱原発を基本」などという党派は文字通り「できもしないことをするふり」をして、国民を騙しているだけである。
「対米従属」であるかぎり、本気で脱原発、消費増税阻止、TPP反対などはできない。
米国の利益を損なうことなど彼らに主張できるわけがないのである。
このことは沖縄の米軍の問題、これから全国にひろがるオスプレイ配備の問題もまったく同じである。
日本の現在、重要な問題はほとんどすべてが対米従属との闘いなしには解決しない。
最後に、この総選挙にあたっての選択は対米自立を根っこのポイントにすえると分かりやすいと思える。
米国とかいらいマスコミにつぶされかけた実績は、
小沢氏を中心とし亀井静香氏を含む日本未来、鈴木宗男の大地、社民党ということになる。
右翼のゴロツキと民自公、怪しげな「みんな」とかを除く、中道保守から左派のリベラル対米自主である。
候補者がいない場合も「棄権は敵を利する」だけだ。
小沢氏叩きに加わっていた疑念はあるものの、せめての共産だろう。

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