宇都宮氏11/15インタビュー
2012-12-04

相手が怖くても、助けを求める人のためならなんとか頑張れる。頑張ってきた。
と言う感じのようですね。
中道保守からリベラル、左派までが支持表明しました。
つまり、「右翼のゴロツキ」以外はまともな流れはすべて支持です。
脱原発、消費増税阻止、TPP反対。
生活権、人権を守り反貧困へ。
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「数々の修羅場踏み腹の据わった弱者の味方」宇都宮けんじ氏インタビュー岩上安身11/15 書き起こし「kiikochan.blog」から
岩上:
70年代後半から多重債務問題とか消費者ローンの問題、
サラ金被害者問題に取り組まれた。
これ、当時っていうのは、なんかタブーっていうか…
”イソ弁”されていたって今おっしゃいましたけれども、
それで「出て行け」って言われたって、それって本当、事実なんですか?
どういう事なんですか?
宇都宮:
最初の”イソ弁”の事務所で、あんまり長くいすぎたんで、
大体”イソ弁”というのは3年から5年で独立するのが一般的だったんですね。
最初は私は事務所に8年いたんで、”ボス弁”から呼び出されて、
「あんた長いね」って。「他の人はみんな独立してるよ」と。
岩上:”ボス弁”っていうんですか、
宇都宮:
だから、ボス。
これは業界用語なんですね。経営者側。
”イソ弁”と。
それで、普通独立する時には顧客とかね、顧問会社が何社かあってというように
安定した収入が得られるようになって独立するんですけれど、
わたしは、生まれが愛媛県の漁村で、育ったのが大分県の国東半島の開拓農家なので、
あまり営業能力が無かったんですね。
だから自分の顧客があんまりいなかったんですよ。
岩上:
それもやはり生い立ちというか
故郷とかの結びつきとか、そういうのが重要だったりするんですか?
宇都宮:
まァ、だからあとから独立した人に聞くと、やはりみんなこまめに努力して、
小中高大の同窓会にこまめに出たり、
中小企業の社長さんなんかとゴルフに行ったり、
なかにはロータリークラブとかライオンズクラブに出て名刺を配ったり、
そういうきめ細かい付き合いをやられていたんですけど、
私自身はそういう社会性が無かったので、あんまりそういうのは得意じゃないのでね、
お客はそんなに広がらなかった。
それで2回目の”イソ弁”の口を探しに弁護士会に行って、
”イソ弁”を探している事務所の情報をもらって、就活をやって、
4件目ぐらいに採用を認められるんですけど、
ちょうどそのころサラ金問題が社会問題になって、相談者が弁護士会に殺到した時期なんですね。
ところが全く新しい事件だし、当時は規制法が無かったので、
まぁ、いまのヤミ金とそう変わらないような取り立てをやってて、
相談者があんまりお金がなさそうだったので、みんなたらい回しをしたんですね。
それでとにかく受けてくれる弁護士がいないので、弁護士会の職員も困っていたところに、
えー、その、私が”ボス弁”のリストを見せてもらった職員が、
法律相談センターを担当する職員で、「一人暇そうな弁護士がいる」と。
「8年経ってもまだ”イソ弁”の口を探しにきた人がいますよ」と、
「宇都宮さんなら受けてくれるんじゃないかな」という事で、
それでサラ金事件を紹介されたのが最初なんです。
それでやってみたら、
これは非常にしんどい事件だけど、遣り甲斐がある事件で、
依頼者からは感謝されるし、
それで依頼者の、ある意味では命とかですね、生活がもう、かかっている事件ですから、
どんどんのめり込んで、それをやり出して弁護士会にも働きかけて相談窓口をつくると、
どんどん、どんどん増えるものでですね、
業者からの電話もすごいわけですね、
罵詈雑言(ばりぞうごん)ですね。
それで二回目の事務所からまた、
「残ってもらってもいいけど、条件はサラ金事件から手を引いてくれ」と。
「品が悪い」と。
それでもうその頃は、弁護士会の他の弁護士に呼び掛けて、
「これはもう非常に重要な事件だからね、みんなやってくれ」って呼び掛けてたから、
一抜けたじゃ抜けられない立場なんで、
また二回目の事務所も4年目に「お世話になりました」って辞めちゃうことになったと。
岩上:
ああ、先生その、罵詈雑言と言っても、簡単さらって今おっしゃいましたけれども、
その頃のね、サラ金というのは法規制が無いという事でヤミ金そのもので、
背景に暴力団もいたでしょうし、
「身辺に危険が及ぶんじゃないか」という、そういう恐怖感とかですね、なかったんですか?
宇都宮:その頃はありましたよね。
岩上:ありました。脅しとか?
宇都宮:
で、だんだん私はそういうことでグループを作って、告発なんかをやって、
マスコミで、メディアで取り上げられる位になると、相手方が警戒してなかったんで、
最初はもう名もない落ちこぼれの弁護士ですからね、
あの・・・一回あの、乗り込んできた、
若い衆を連れてですね、ドスを持ってきた人がいてですね、
それで「手を引け」っていうんですね。
岩上:短刀ですか?
宇都宮:
ええ、懐刀。
それで、自分のアパートに帰ったらですね、
夜中の2時から4時ぐらいまで、毎日無言電話がかかってくるんですよ。
電話取ったら、向こうでワーワー騒いでいるから、
昼間来たヤツじゃないかなという事で、
それで、あの、
岩上:ワーワーというのは音だけで無言なんですか?
宇都宮:
ええ、無言です。
なんか向こうで騒いでいるようなところだけど、午前2時から4時ぐらいまでずーっとね。
それで、何とかしなきゃという事で、
その連れてきた業者、サラ金業者を相手にして、
債務不存在確認訴訟というのを、川崎の裁判所だったんですけど提訴してですね、
そして、向こうの帳簿を出させるために文書提出命令を出して全部やって、
利息制限法で計算したら、200万ぐらい請求されていたんですけれど、
もう、残り3万位で話しがついたんですね。
ま、そういう事がありまして、
それが解決した後ですね、そのサラ金業者からですね、廊下で
「ちょっと先生話がある」って言うからね、
「何ですか」って言ったら、
「この前先生を脅かしに連れて行った若い衆がね、
主婦を監禁していま警察につかまっているから弁護を引き受けてくれ」と頼まれたんですけどね、
「まぁ私は結構弁護料が高いんだよ」って言って断りましたけど、
まぁそういう事が何回かあって、だんだん冷静に対応できるようになってきて
岩上:
ああ、修羅場踏みまくってw、
でも、先生も最初からそういう経験がおありになったわけでもないでしょうしね、
大変だった…
怖いと思わなかったですか?
宇都宮:
それはやっぱり怖い事は怖いです。
そんなにわたしは柔道・剣道をやったりね、あの・・あれはないけど、
ただ、もし私が手を引いちゃうと、そういう脅しが全部依頼者のところにいくのでね、
まだ依頼者よりかは強い立場なんですね、
だから、それはもう依頼者の事を考えたらね、ここで手を引くわけにはいかないと、
そういう事でずっと頑張れたと思いますね。
岩上:
その腹の据わりようというのはね、
すみません、これ立候補どうのこうのとは違う話と別な興味にいっちゃうんですけれど、
あの、どこから由来するものですか?
それはたとえばその生い立ちで
大変貧しいご家庭に生まれて苦労されたというのはお聞きしているんですけれども、
お父さんが傷痍軍人で、多分大変働くのもご苦労されたと思いますし、
それから、さらっとおっしゃいましたけれども、
国東、大分の方へ入植、
入植っていう事は、ま、開墾したわけですよね
宇都宮:そうそう。
岩上:電気もなかったというように聞いています。
こういう生い立ちについて少しお話を頂いて、
何ででしょうね、
どこにその腹の据わり方というのが生じたのかを教えていただきたいんですけれども。
宇都宮:
ん…だからまあ、一番根本的にあるのはそういう生い立ちもあるかとおもいますけど、
最終的には、今お話しましたように、
素朴なヒューマニズムや正義感という事になるんじゃないかと思います。
自分がやっぱり引いたら、自分より弱い人がもっと苦しむことになりますからね、
その家庭には子どももいるわけですよね。
そういうところ、ま、そういう人たちの、え…こう、依頼に背中を押されてやったということでね、
それから、後、2回目の時も他の人に、やっぱり
「これは重要な事件だから」という事でね、呼び掛けておきながら、
自分は「事務所がクビになるから、いち抜けた」ではね、
卑怯な人間になっちゃうんではないかというふうに考えてですね、
そういうことはできなかったですよね。
だから、基本的な考え方はそういう事ですけど、
だから基本的には、私は何か自分の事ではですね、
あの、結婚した時に私は分譲マンション、ある団地で借家だったんですよね。
その大家さんが
「子どもが結婚するから、先生ちょっと空け渡してもらえませんか」と言われたんですけれども、
他人から頼まれたら、
これは正当理由が無いと借家借地法のね頑張れるんですけど、
自分の事はですね、なかなか抵抗できなくて、
「長い間お世話になりました」って菓子折持って引っ越しましたけどねw
だけど、人が困っている時で、そのためにやらなきゃいけないっていうときは、
結構人間は強くなれるんだなと思って、ね、人のためにね。
だからそういう人が、自分以上に弱い立場にある人であればですね、
自分がどいちゃったら、その、暴力団とかサラ金の取り立てが本人にいっちゃいますから、
自分がまだ衝立になった方がですね、あの、いいんだということでね。
そういうことで。
岩上:すごい話。
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