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もうすぐ北風が強くなる

復興するイスラムの力

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 2/3 秘密警察と治安部隊を中心とした「大統領派」なる集団が、反政府デモ参加者に殺戮行為を始めた。
 馬と駱駝に騎乗し、銃撃を加えている。7人の死亡確認。
 27日の略奪行為者からも秘密警察のパスが見つかっている。

 3日の「大統領派」からAFPが把握しただけでも4枚の秘密警察パスが見つかっている。
 国軍は威嚇空砲のみで介入していない。
 軍は、兵士は勇気と決断を迫られている。

 依然、予断を許さない状況が続いている。
 政権が変われば秘密警察も治安部隊幹部も訴追され、刑務所に入るだろう。彼らは必死の行為に出たのだ。
 穏健な民主化ではすまないことを、彼らが示してしまった。

 軍にムスリム同胞団などのイスラム勢力がどれくらい浸透しているか、あるいはこの間に兵士がどの程度アラブ・イスラム的な気運になりつついあるかが鍵だろう。
 
 いずれにせよ、この十数年のイスラム世界は着実にイスラムの復興が進んでいる。
 かつてのアラブ復興社会主義は、旧ソ連に依存したが故に、冷戦終結と共に、結局シオニズムに敗北した。
 最後のバース党政権はアメリカが武力殲滅してしまった。

 イラン、ハマス、ヒズボラ、トルコ、イラク。
 アラブ復興社会主義よりも、イスラムの思想的な力。
 その強さを、大衆は、感じ取ってきた。
 これは、この20年来の中東の、歴史の流れであり、多分に逆流することのない流れであると考える。
 

 マスコミに載らない海外記事から
 腐敗と武力がエジプト国内で作り上げたもの

Chris Hedges
2011年1月31日

エジプトにおける暴動は、国から軍事独裁者ホスニ・ムバラクを追い出したいという、ほぼ共通な願望を軸に連合してはいるものの、非宗教的政権から離れ、イスラム教による統治容認へと向かうという、アラブ世界内における不可避な動きの予兆でもある。
民主主義にまつわる、口の達者なスローガンやら、西欧の記者達による軽薄な報告に騙されてはいけない。彼等はほとんどアラビア語を話せず、地域での経験も持っていないのだから。

エジプト人はアメリカ人ではない。
彼等には彼等の文化があり、彼等独自の一連の不満や、彼等独自の歴史がある。そして、それはアメリカのものとは違う。彼等は我々同様、自国の統治に発言権を持ちたいと願っているのだが、彼等の発言権は、特に国民の半数以上を占め、一日約2ドルで暮らすエジプトの貧しい人々の間では、ムスリム同胞団やイスラム教諸政党への幅広い支持が含まれる。

アラブ世界において最も人口が多い国において、政治制度が本当に何らかの形で開放されれば、これらイスラム教
運動が力を持つようになるだろう。
そして、政治制度を更に閉じようとするいかなる企ても、たとえばムバラクを他の軍事独裁者で置き換えるようなことをすれば、必ずエジプトや、他のアラブ世界における一層の急進化をひき起こすだろう。

アメリカが支援したムバラク政権に反対意思を表示する唯一の方法は、過去30年間、ムスリム同胞団から、より過激なイスラム教集団に至るまで、イスラム教運動によるものだったが、彼等の一部は暴力を容認している。
ムバラクの後釜が誰であれ(そうなるのは、まず確実と思われる)、最初こそ、穏健で非宗教的な指導者達によって支配されるかも知れないが、選挙が実施され、民意が表現されれば、イスラム教の色彩を帯びるだろう。新政権が、エジプト国民の信頼性を維持するためには、ワシントンの要求には、より積極的に逆らい、イスラエルに対しては、いっそうあからさまに敵対的とならざるをえない。

エジプトで起きていることは、チュニジアで起きたことと同様に、イスラエルとワシントンを窮地に陥らせつつあり、イスラエルとワシントンが、パレスチナ人やイスラム世界に対する政策を根本的に改めない限り、ユダヤ人国家を窒息させる恐れが生じ、また、中東におけるアメリカの影響力も劇的に縮小するだろう。

イスラエルによる、パレスチナ人の緩慢な民族浄化を、アメリカ合州国が止め損ねていることが、当然の報いをもたらすのだ。
イラクやアフガニスタンにおいてのみならず、クウェートとサウジアラビアに設置された中継基地等、イスラム教の土地にアメリカ軍兵士が駐留しているがゆえに、大半のアラブ人が感じている集団的な屈辱と怒りを認識し損ねていることが、当然の報いをもたらすのだ。

アメリカの同盟者達によって、中東の諸国民に対して行使された、拷問、検閲や不正選挙の広範な利用を含む弾圧を糾弾し損ねていることが、当然の報いをもたらすのだ。
アメリカ人には、これら政権の悪臭が染みついている。癌を患っているといわれているムバラクは、金と権力のために、自国民とパレスチナ人を裏切った人物、アメリカの傀儡と見なされている。

アメリカが自分自身を見るように、イスラム世界が、アメリカを見ているわけではない。

我々アメリカ人は気がついてはいないがイスラム教徒達は、何万人ものイスラム教徒を、イラクやアフガニスタンやパキスタンでアメリカが殺害したことに気がついている。我々は家族、村や国々を脅してきた。
我々は、イスラエルによる戦争犯罪がパレスチナ人やレバノン人に対して遂行されるのを可能にし、擁護している。
実際、我々は、虐殺を遂行するための武器と軍事援助をイスラエル人に与えている。
我々は何千人もの死者を"巻き添え被害"だといって片づけてしまっている。ところが、占領に反対して戦っている人々が、アメリカ人やイスラエル人を殺害すると、具体的な状況と無関係に、彼等はテロリストだといって、我々は非難するのだ。
アメリカの偽善は、アラブの街路上では気づかれてしまっている。イラク・アフガニスタン戦争の残忍で心をかき乱すような画像を、アメリカのテレビ画面では検閲されている画像を、大半のアラブ人達は日々見ている。アメリカ人に、彼等はうんざりしたのだ。

パレスチナ人の苦難に対し、口先だけ同意はするものの、一切立ち入ろうとはしないアラブの諸政権に、彼等はうんざりしたのだ。
ワシントンから資金を貰い、支持されている専制的支配者に支配されるのに、彼等はうんざりしたのだ。アメリカ人は、イスラエル人同様、イスラム世界に対して話かけるのに、主に、力と暴力という下品な言葉を使うことを、アラブ人は理解している。
また、武力を投入できるという我々の力と能力にアメリカ人が恍惚状態でいるために、アメリカ人は、惨めなくらい実態を把握できていない。イスラエルとアメリカの諜報機関は、チュニジアでも、エジプトでも、大衆暴動を予見していなかった。
イスラエルの新諜報局長官アヴィヴ・コチャヴィ大将は、先週火曜日、イスラエル国会のメンバーに、"今のところ、エジプト政府の安定性については何の懸念もない"と語っているが、その火曜日、なんと何十万人ものエジプト人が街頭へと繰り出し、全国的な抗議デモを始めた日だったことが後に判明した。

エジプトで起きていることは、エジプト・ヨルダンと、イスラエルとの間の脆弱な平和条約を損ない、おそらくは解体するだろう。
秘密軍事施設の巨大ネットワークの中へ、アメリカが姿を消し去らせた人々を拷問するための監獄利用を含め、これらアラブ諸国の諜報機関とワシントンの協力関係も途切れてしまいそうだ。イスラエルと、これらのアラブ諸国との間の経済的な絆も打撃を受けるだろう。

カイロとガザ・ハマース政府間の現在の対立は、より公然の協力によって置き換えられよう。ガザに通じるトンネルの破壊、諜報情報の共有や、イスラエルの戦艦と潜水艦のスエズ運河航行を含む、エジプト政府のイスラエルとの協力は、深刻な危機にさらされよう。
たとえモハメド・エルバラダイのような親西欧派の非宗教主義者に率いられる暫定政府であれ、いかなる政府であれ、信頼と支持を得たいと願うのであれば、イスラエルやワシントンとの関係において、こうした変更をせざるをえまい。
我々が目にしているのは、ワシントンのいいなりになったり、イスラエルにおびえたりはしない新たな中東の勃興だ。

アメリカ合州国に支援されたアラブの非宗教的な諸政権は信用を落とし、滅亡寸前だ。
エジプトの指導者ガマル・アブドゥル・ナセルや、元々のバース党員達が擁護した、汎アラブ連合という気高い展望は茶番と化した。
ワシントンと西欧大国に対する、ナセルの果敢な抵抗は、属国に置き換えられてしまった。
モロッコからイエメンに至るまで、アラブの非宗教的政権は、西欧とのつながりにも関わらず、自国民に、自由、尊厳、機会、繁栄を与えはしなかった。

彼等は、ヤーセル・アラファートが率いた非宗教的なパレスチナ抵抗運動同様、見事にしくじったのだ。
そして、悪化する貧困に苛立ち、耐えているアラブの人々は、何か目新しいものに期待しているのだ。パレスチナのハマース、レバノンのシーア派ヒズボラ、そしてイラクやアフガニスタンで戦っている聖戦戦士達のような過激派イスラム教集団は、特にアラブ世界の大部分を占めてる若者にとって、新たなヒーローなのだ。

そして、こうした過激派を称賛する人々の多くは、戒律を順守するイスラム教徒ではない。
彼等がイスラム教主義者を支持するのは、彼等が反撃しているからだ。イデオロギー勢力としての共産主義は、イスラム教の教義と対立するがゆえに、イスラム世界では決して根付かなかった。

エジプト等の国々における自由市場の擁護は、壊滅的な貧困を改善することは一切なかった。その目に見える唯一の成果は、ムバラクの息子で後継者として指名されていたガマルを含め、エリートを富ませることだけだった。
イスラム教革命運動は、こうした失敗のおかげで、非常に魅力的なものとなっている。

そして、それこそが、ムバラクが"イスラム教が解決策だ"というスローガンの使用を許さず、スリム同胞団を禁止した理由だ。
これらの非宗教的なアラブ政権は、イスラエル人同様、ハマースやイスラム教過激派を深く憎み、恐れている。しかもこの憎悪、彼等の栄光を高めるばかりだ。

エジプトの都市から警察を撤退させ、治安を軍にゆだねるという決定は、つまり、ムバラクとワシントンにいる彼のハンドラーは、厳しい選択に直面しているということだ。
軍が、チュニジアと同様に、抗議デモへの介入を拒否し、つまりムバラクを排除するか、あるいは、何千人ではないにせよ、何百人もの死者・負傷者を生じるであろう、抗議デモを力で鎮圧しようという動きをするかだ。

兵士と群衆との親睦は、"ムバラクは倒れるぞ"という類の落書きで飾られた戦車の存在とともに、ワシントン、イスラエルやエジプト政権にとって良い前兆とは言えない。
西欧観光客の要求を満たすホテルで、バーや、ナイトクラブや、ベリー・ダンスさえも禁止されるという、忍び寄るエジプトのイスラム化には、軍も影響されずにはいられないのだ。

1990年代、ニューヨーク・タイムズ特派員として駐在していた頃、カイロで中堅将校の宴会に出席したことがあるが、将校の夫人連は全員かぶり物を身につけていた。ムバラクは間もなくおしまいだろう。
周囲アラブ諸国の非宗教的政権もそうなるだろうと私は考えている。有力なイスラム教政党の勃興は不可避に思える。
それが不可避に見えるのは、コーランや、後進的な伝統のせいではなく、アメリカとイスラエルが、腐敗と力によって、アラブ世界の熱望をアメリカの意思の方向に曲げることができると信じているためだ。

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/item/what_corruption_and_force_have_wrought_in_egypt_20110130/
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