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もうすぐ北風が強くなる

世界通貨戦争(21)欧州は危機も運命共同体

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 先に「世界通貨戦争(14)ユーロは夢の終わりか」ヨーロッパの通貨と国家の抱える基本的な制度的欠陥について指摘しました。
 領土と暴力装置と徴税権を確保し、その国民経済に最大の力を行使する「国家」。そこから通貨=金融政策のみが分離されて共通統一的に行使される矛盾である。

 一般的には、貿易などの対外赤字が慢性に続くと外貨準備は底を付き国家も財政悪化し、通貨は下落する。
 通貨安によって交易条件が回復し、対外黒字が続くと、外貨準備は増え、通貨は発行余地が拡大し、国家財政も回復する。
 これが一般均衡論であり、現実にこのまま適用されるものではないが、(投機性はもちろん日本特有の対米従属性とか計画的成長論とか)これが根底に無ければ、様々な応用である、金融政策、財政政策も効果が知れなくなるのは当然と言って良い。

 例えばギリシャがいくら対外赤字が債務が増大しても、通貨は共通ユーロのため通貨安にならない。
 ドイツがいくら黒字を増やしても、同様に通貨高にならない。

 ユーロ圏周辺のEU諸国は、概ねドル・ペッグならぬユーロ・ペッグをとっているので、様相はますます複雑な「罠」となってきている。

 欧州各国は主権国家なのだが、ユーロに囲われている点では運命共同体なのである。

 hillser氏からの引用です。

 EU(ヨーロッパ)財政赤字 大きな政府・高い消費税で削減困難(2)
 2011/02/02 21:31


 伝統的に欧州諸国は政府支出が大きい。
 
つまり 「大きな政府」 が昔から続いており、構造的に財政赤字が
高止まりやすい傾向にある点だ。
欧州は他先進国と比べて、こういった政府支出の規模が大きいだ
けでなく、消費税も高い。

 1月13日のブログで各国の消費税を一部だけ掲載したが、実は
欧州連合(EU)の規定では、最低でも15%の消費税を義務付け
られているのだ。
だから最も低いキプロスやルクセンブルクでも、消費税は15%に
設定してある。
 
つまり何が言いたいのかといえば、欧州は今以上の増税余地が
無いに等しいことだ。
 
 政府支出についていえば、日本はGDP比で40%程度に対して、
フランスは56%、英国は52%、イタリアやポルトガルも50%を超えている。
 米国は日本よりやや高く42%弱だ。
つまり日本や米国が 「小さな政府」 であるのに対し、欧州諸国は
「大きな政府」 であるという点だ。

 それも欧州はこれからの景気低迷で、一層政府支出が増える可能
性がある。

 つまりECBや各国の財務省による国債購入が、今より一層増える
ことになるだろう。
 
 ではでは欧州の景気低迷で、ユーロ安が進めば民間企業が潤うか
ら良いことではないか・・・ということについても、簡単な話ではない。
ユーロ安で恩恵が受けられるのは、ドイツやオランダといった慢性的
な貿易黒字国だけだ。

 フランスやイタリアは若干な赤字国だから、ユーロ安になれば物価
の上昇を招きやすい。
 つまりインフレが起きやすくなる。

 スペイン、ポルトガル、ギリシャは完全な赤字国だから、もっと深刻
に陥るだろう。
 
 ユーロ安はドイツ経済にバブル懸念をもたらす。
世界的競争力のあるドイツ製品は、いくら不況の真っ只中にある国
でも必要なものは必要である。
つまりドイツは景気の過熱を抑えるために、金利を引き上げたいと
いう思惑が起るだろう。

 しかしユーロ圏では一国が勝手に金利を上げることはできない。
ユーロ圏の政策金利を決めるのは、あくまでECBである。
それなのに財務省は各国にバラバラにある。 何という矛盾か!?
 
 とにかくPIIGS諸国は金利を引き上げられば、経済が一層困難を極めることになるから、ユーロ経済が持続的に改善するということ
にはならない。

 あくまでもデフォルトを一時的に回避することしか打つ手はない。
それがECBによる国債購入の継続である。

 なぜECBはこういったジャンク債の購入に奔走するのか?
最後に理由をつけ加えておこう。
 
それはPIIGSの国債を膨大に保有しているドイツやフランスの金融
システムに影響が及ぶからである。
残念ながら、どっちにしても欧州全体に危機が波及してしまうと
いうことだ。
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