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もうすぐ北風が強くなる

田坂:11/2質疑応答(3)

  今後の原子力の課題について 田坂広志 11/2 自由報道協会 質疑応答 書き起こし「kiikochan.blog」から

 5.核武装「『プルトニウムを減らすために大間を稼働しなければいけない』は詭弁

質問:
AP通信の山口と申します。
核燃料サイクルを維持する理由のもう一つとして、
外国からのプレッシャーというか、アメリカの意向が反映されているという議論があったんですけれども、
核セキュリティーの観点から余剰プルトニウムをためないために、
原発で燃やし続ける必要があるという議論があることについて、どういうふうにお考えになりますか?

田坂広志:
これもね、最近日本が脱原発に行くと
「アメリカとの関係がおかしくなる
」とかですね、
核不拡散について非常に問題が大きいんじゃないか」とか、いろいろおっしゃる方がいますが、
実はあまり一貫した筋の通った議論というのは拝見したことがないんですね。
なんとなく気分として語られている方が多いような気がします。

むしろこの手の話は表層的な議論よりも、本質論で見つめた方がすっきりしていますね。

核不拡散」という事の一つの意味は、当然のことながら、
「日本は核武装はしません」とか、
核兵器に転用することはありません」という事のもとで、
再処理まで、核燃料サイクルまで認めてもらっている訳ですね。

したがって、この議論は私は少し詭弁だと思っています。

日本はプルトニウムが、もうある。
これは燃やして無くさないと日本は核武装するんじゃないか」と思われる。
「したがってこれは、燃やさなきゃいけない」
そうすると、「大間のようなプルサーマルの原発を稼働しなきゃまずい」
もしくは、「再処理工場と高速増殖炉を、核燃料サイクルを維持しなきゃダメだ」という、
これは極めて、私は詭弁だと思います


それをやってもプルトニウムはまた次に出てきますから、
グルグル無限に続くような話
になってしまいます。

そうではなくて、もし本当に脱原発の方向に向かうのであれば、
もう今すでに存在している40何トンかのプルトニウムについてはですね、
わたしは、国際的な査察にゆだねる
ような新たな政策論を世界的に提唱するべきだと思います。

つまり日本はこれについてはもう全く、「核兵器への転用はいたしません」と、
従って、
世界的なしっかりとした管理のもとで、使わないような仕組み制度を受け入れますという事で、やるべきで、
場合によってはそれを、国際的な機関で、空間的にも別の場所に持っていくことはあり得るかもしれません。
で、それがすぐにできるわけではないですが、
そういう姿勢を政策的に一挙に示すという事ですね。
つまりそういう姿勢を日本が明確に世界に対して示すという事で、まず国際的な信頼を得るいうことで、
そこをごちゃごちゃやっていると「怪しげだ」と思われると思います。

ただ、あの…
日本ではやっぱり、プルトニウムだとか、再処理というものを、
ごく少数かもしれませんが、
日本での核武装、潜在的核武装はやっておくべきだという論者の方もいらっしゃいますので、
こういう方々からすれば、むしろ再処理技術、濃縮技術そしてプルトニウム、
こういうものは何らかの理由を付けて
日本にずっと置いておきたいという考えがあることも一面の事実かとは思います。

このあたりはまた非常に難しい政治的な議論になってくると思います。

 6.原子力規制委員「何を言うよりも大切なことがある。誰が言うかだ」

質問:
ロイター通信Maedaと言います。
原子力規制委員会というのが、発足してもう2カ月経って、
実際に今度は再稼働に向けての安全性を見るという事で、
地層の部分の調査、今日は大飯にみなさんパネルの方々が行ってらっしゃるんですけれども、
そちらの方向にどんどん、
つまり安全であることを確認して、
安全でないものと安全であるものを分けると、いうような形に、
今原発の政策の在り方がなってきていると思うんですけれども、
このまま行っていいのかな?という素朴な疑問がありまして、
かなり今回の原子力規制委員会は法的には力を持っていると思うんですね。
なので、そこを誰がどのようにコントロールできるのかな?
その、最終処分場の問題は原子力規制委員会で、議論するものではなくなってますので、
その部分をどういうふうに、現実の原子力発電というものと、つなげていったらいいのかな、
ちょっとわからないので、もしご意見があったらお願いします。


田坂広志:
あの、いずれにしても、原発をたとえば再稼働するとかしないという事はですね、
どこかの組織なり、何かの公的機関が決めざるを得ないのは事実ですね。

仮に止めたにしても「誰が決めたのか?」という問題になってきますので、
その意味においては私は、原子力規制委員会が、ある役割を果たすことは当然あり得るんだと思います。

で、むしろ問題はですね、
国民の納得感だと思うんです。

これはどうしてか?というとですね、
仮にですけれど、今みなさんが原発に対して非常に疑問を持っている方で、
皆さんがたとえばこの中で誰か一人を選ぶ。
この人はもう本当に、頭が下がる位に
国民の命と安全の観点からだけ判断する人だという信頼があったらですね、
仮にその方が、
「とはいってもみなさん、全体のエネルギー状況を考えた時、これについては安全を徹底確認しました。
だから、これは例外的にまずはこの稼働を認めて下さい」と言った時の受け止め方とですね、

なんかよく分からないけれどもどうしてあの人が選ばれたの?となってですね、
その人が同じ事を同じ文脈で言った時の受け止め方が違うんだと思うんですね。

これは人間心理で、
「何を言うよりも大切なことがある。誰が言うかだ」という名言がありますが、
同じ事を言ってもあの人が言うとなんか信用できない。
この人だったら、なんか信用できるといった世界は現実にあります。

これは誰かを固有名詞的に誰かを批判している訳ではありません。

そもそも原子力規制委員会のメンバーが、
本当に適任かどうかというような議論を私が決めつける立場にはありません


むしろ、この方々が選ばれるプロセスが、なぜあのような形を取ってしまわれたのか?
わたしには、残念です。
私が逆にあの委員の立場だったとしても、
あの首相指名というような形は止めていただきたい

逆に選定のプロセスから、広報の段階から国民的な討議にかけて、いろんな情報もオープンにして、
まさにパブリックコメントなんかも受けた中でですね、
最後にある部分国民の意見も反映した形で選ばれていくような、
そして国会同意人事をとられれば、納得感がもう少し高まるわけですね。

どこまで高めるかというのは、この後細やかな議論があり得ますけれども、
少なくとも今のやり方だと、
「この人達は政府から見て信頼できる人だ」
「経歴調べてもほんとにちゃんとした人だ」
「いろいろヒアリングしたけれども、原発についてはしっかりしたものを持ってる。
もうその通りなのかもしれませんが、

原子力の問題のほとんどすべての問題は、
パブリックアクセスタンスの問題です。
国民がそれを受容するかどうか?納得するかどうか?
これは特に放射性廃棄物使用済燃料の問題は、全ての問題はパブリックアクセスタンスの問題です。

従って、政府はこういう国民の納得と了解、信頼を得るという事についての手順論を、
もっと成熟するべきです。

今は私から見ると相当荒っぽいやり方をされているように見えます。
これは残念ながらそう言わざるを得ないと思います。
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