「医療」の餌食にならない、無作為化対照試験(RCT)
2012-10-23
無作為化対照試験「Randomized Control Trial」(RCT)についての解説。
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無作為化対照試験 10/21 リー湘南クリニックから
無作為化対照試験「Randomized Control Trial」(RCT)を理解しておけば、ニセ医療の餌食にならずに済みますよ。
キーワードは 2つ、被験者を「無作為に群分け」すること、そして「評価点(end point)」。
RCTの歴史は意外と浅く、1953年に肺結核に対するある抗生物質の効果が検討されたのが人類史上はじめての RCTである。
これ以前は、例えば A薬と B薬の効果や副作用を過去に遡って調べていた。これは、後ろ向き試験(retrospective study)とよばれ、研究者の思い込み(バイアス)が入るので当てにならないということが知られている。
また、前向き試験でも患者を群分けする際、医者が「この患者は C薬に耐えられないだろう」と判断し、無治療群に振り分けたりした。この場合もバイアスが加わり、結果は当てにならない(=再現性が乏しい)。
「正当な手順により実施された RCTの結果を遵守することを証明医療」という。
ベトナム戦争の頃から、欧米で活発に RCTが行われるようになった。
例えば、膀胱炎を治すのに「抗生物質の種類」や「投与期間」の優劣つけるには、無作為化した患者群で、治癒率や再発率などを評価点とし比べる。
感染症に対する RCTは、短期間に行えるので、相当数の RCTが実施され、最良の治療法(標準治療)が確立されてきた。
癌治療の評価点は、かつては奏効率といって「癌病巣が 50%以上縮小した患者の割合」で判断した。
ところが、癌病巣が縮小しても延命効果がないことが判明したため、総生存(overall survival)(そして/また、治療開始後、50%の患者死ぬまでの期間「50%生存」)を評価点として、RCTが行われている。
ただ、それには長い年月(10~12年)を要する。
「がん検診の有用か否かを評価」するのもしかり、莫大な数の被験者、そして膨大な費用と長い年月を要する(参考:恥の上塗り、神経芽細胞腫)。
「癌治療」や「がん検診」の RCTに参加された尊いボランティアのおかげで「治る可能性のある癌は、絨毛癌、精巣癌、リンパ腫の一部、そして急性白血病だけ」、
「現存のすべてのがん検診は無効」、「早期前立腺癌に対する根治的前立腺全摘術は無効強調文」「化学療法が有効な癌でも 50%生存期間の延長は、最長 3ヶ月、全滅までの期間は延長しない」などが明らかにされてきた。
厚労省は、RCTをむやみに行うべきではないと主張し、有害無益な「がん検診」を RCTなしに普及させようと本腰だ(芸術的情報操作)。
この辺のことは、近藤誠・著「抗がん剤は効かない」(2011年5月 第一刷)に詳しい。
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関連ページ。
がん検診の無理、効果に根拠はない
癌の縮小(奏効率)で患者は延命しない
薬の犠牲、薬害をまき散らす医師
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無作為化対照試験 10/21 リー湘南クリニックから
無作為化対照試験「Randomized Control Trial」(RCT)を理解しておけば、ニセ医療の餌食にならずに済みますよ。
キーワードは 2つ、被験者を「無作為に群分け」すること、そして「評価点(end point)」。
RCTの歴史は意外と浅く、1953年に肺結核に対するある抗生物質の効果が検討されたのが人類史上はじめての RCTである。
これ以前は、例えば A薬と B薬の効果や副作用を過去に遡って調べていた。これは、後ろ向き試験(retrospective study)とよばれ、研究者の思い込み(バイアス)が入るので当てにならないということが知られている。
また、前向き試験でも患者を群分けする際、医者が「この患者は C薬に耐えられないだろう」と判断し、無治療群に振り分けたりした。この場合もバイアスが加わり、結果は当てにならない(=再現性が乏しい)。
「正当な手順により実施された RCTの結果を遵守することを証明医療」という。
ベトナム戦争の頃から、欧米で活発に RCTが行われるようになった。
例えば、膀胱炎を治すのに「抗生物質の種類」や「投与期間」の優劣つけるには、無作為化した患者群で、治癒率や再発率などを評価点とし比べる。
感染症に対する RCTは、短期間に行えるので、相当数の RCTが実施され、最良の治療法(標準治療)が確立されてきた。
癌治療の評価点は、かつては奏効率といって「癌病巣が 50%以上縮小した患者の割合」で判断した。
ところが、癌病巣が縮小しても延命効果がないことが判明したため、総生存(overall survival)(そして/また、治療開始後、50%の患者死ぬまでの期間「50%生存」)を評価点として、RCTが行われている。
ただ、それには長い年月(10~12年)を要する。
「がん検診の有用か否かを評価」するのもしかり、莫大な数の被験者、そして膨大な費用と長い年月を要する(参考:恥の上塗り、神経芽細胞腫)。
「癌治療」や「がん検診」の RCTに参加された尊いボランティアのおかげで「治る可能性のある癌は、絨毛癌、精巣癌、リンパ腫の一部、そして急性白血病だけ」、
「現存のすべてのがん検診は無効」、「早期前立腺癌に対する根治的前立腺全摘術は無効強調文」「化学療法が有効な癌でも 50%生存期間の延長は、最長 3ヶ月、全滅までの期間は延長しない」などが明らかにされてきた。
厚労省は、RCTをむやみに行うべきではないと主張し、有害無益な「がん検診」を RCTなしに普及させようと本腰だ(芸術的情報操作)。
この辺のことは、近藤誠・著「抗がん剤は効かない」(2011年5月 第一刷)に詳しい。
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関連ページ。
がん検診の無理、効果に根拠はない
癌の縮小(奏効率)で患者は延命しない
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