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もうすぐ北風が強くなる

ガンダーセン、カルディコット対談「福島の現実」(4)

 ガンダーセン、カルディコット対談「福島の現実」(3)からの続きです。
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カルディコット : そしてこれは氷山の一角に過ぎません。
この手の、金や権力に媚び、あらゆる状況を検証もせず安易な安全論を口にする科学者は、原子力発電の推進者よりも悪質です。

あなたがおっしゃるように科学者がごまかしを言ってはなりませんし、まして医療の分野においてはごまかしなどは論外です。
医療の分野でごまかしを行えば、患者の様態を悪化させるか、死に至らしめるか、そのどちらかになってしまいます。
そのようなごまかしを行えば、私たちは医師免許を剥奪される事になります。
医療にごまかしは許されないのです。
自分自身が何を言っているのか、それすら理解できない人々にコメントする権利はありません。

それでもあえて口を出そうとするなら、彼らは犯罪者と呼ばれるべきです。

なぜならこうした科学者たちが口を出す事で、人々は真実がわからなくなり、その結果自分の身を守れなくなってしまうからです。
その行き着く先は…
身を守れなくなった人々はやがて病気を発症し、場合によっては死に至る事があります。
この良心の無い科学者の問題は、きわめて、きわめて深刻な問題なのです、アーニー。

ガンダーセン : 私が日本政府、そして日本社会の仕組みに対して平静ではいられない点も、まさにそのことです。
世界中の医師は、医師になるときヒポクリティック(hypocritic – 偽りを語る者、という意味)の誓いを立てているはずです。

カルディコット : あら、アーニー、ヒポクリティックでは無く、正しくはヒポクラテスですよ。似ていますけど、でも確かに…

ガンダーセン : そうそう、あなたのおっしゃる通りでした。ヒポクラテスの誓いを立てた医師の事ではなく、日本のごまかしばかりを言っている人間についての話になってしまいました。

カルディコット : 本当にそうですね(笑)。

ガンダーセン : そう、私が心配しているのは、医師たちが被災してしまった人々を助ける事より、国家の利益を優先してしまっている、という事なのです。

カルディコット : もう一つ、これまで議論してきた事と、また別の疑問があるのですが。
使用済み核燃料を格納している、プールの冷却に使った水についてです。
この水もまた、高い放射性を帯びているのでしょうか?
そして今どうなっているのでしょうか?
24時間循環し続けているのですか?
この水は最初に原子炉そのものを、冷却するために使用された水なのでしょうか?
この水こそが主要な冷却手段なのですか?
使用済み核燃料プールの中にある水と、原子炉を直接冷却している水の放射性濃度は同じなのでしょうか?

ガンダーセン : 原子炉4号機の汚染は、4号機の使用済み核燃料プールと比較すれば、低くなっています。
しかし原子炉そのものを冷却し、浄化装置を経由しながら循環している冷却水の汚染濃度は、どの使用済み核燃料プールの水よりも高く、普通では考えられないほどひどく汚染されています。
使用済み核燃料は損傷している事が考えられ、プール内が汚染されている事は明らかですが、しかし格納容器内の、原形をとどめていない核燃料に接している冷却水の汚染とは比較になりません。
核燃料プールと原子炉は、それぞれ別の冷却システムを使っています。

カルディコット : そうですか。

ガンダーセン : しかし、これらの水はまだきれいな方なのです。そもそもの始まり、他のどこでも無く、最初から原子炉内にあった水、その汚染は極めて深刻です。

カルディコット : そしてこれが本当に最後の質問になります、アーニー・ガンダーセン。
日本はこの使用済み核燃料を、どうするつもりなのでしょうか?

ガンダーセン : これこそが大きな難題なのです。
あなたにはお話ししましたが、私は来週、8月27日から9月7日まで、福島の問題を検証するために日本に行ってきますが、この問題が最も大きなテーマの一つになるでしょう。

使用済み核燃料を最終的にどう処分するのか、原子力業界の高い地位にいる人々は、この問題に決して触れようとしません。

一体どこに持っていくつもりなのでしょうか?
原子力産業界は、あたかも再処理が存在するかのような説明をしています。

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六ヶ所村の再処理施設群。
稼働できる可能性は極めて低いが、稼働すればしたで、原発が排出する汚染水一年間分を一日で、
「毎日」海に放出することになる。


しかしもちろん、再処理が成功した事など無いのです。

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ガンダーセン : 高速増殖炉のもんじゅは事故を繰り返すばかりで、これまでにかかった費用は、巨額という表現すら愚かしい程の恐ろしい金額になっています。

日本は地震が多発する島国であり、あちこちに断層があるため、事故現場から高放射性核廃棄物を取り出したところで、どこにもおく場所が無いのです。
日本は現在、これをモンゴルなどの国外に運び出す事が出来ないか、検討しているのです。

カルディコット : それは本当ですか?!

ガンダーセン : モンゴルは賢明にも、そんなものは要らないと言っています。
もはや日本には、どのような解決手段も無くなってしまいました。
日本の当局は決して認めようとしませんが、地球上で最も地震が多発する岩盤上に存在する国、それが日本なのです。

この問題に答えを出せる人間など、この地上に存在しないのです。

カルディコット : 私の祖国であるオーストラリアに送ろうなどと、言い出す人間が決していませんように…

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ガンダーセン : 日本人はとにかくこの高放射性核廃棄物を国外に持ち出したい、その一念だと私は確信しています。
なぜならこれまで私が話をした地震学者は、口を揃えてこう語っています。
地震が多発する日本の国土に、核廃棄物を「安全に」保管できる場所などどこにも無い。
この高放射性核廃棄物は最低でも数千年間、理想的には25万年もの間、「安全に」保管し続けなければならないのです。

カルディコット : まさに。
オーストラリアでは国土の真ん中を通って、核廃棄物を輸送するための線路を建設した会社があります。
ハリバートンという企業です。
ハリバートンのCEOが誰だかご存知ですね、アーニー?

ガンダーセン : ディック・チェイニー。

カルディコット : カルディコット : ディック・チェイニー(アメリカの政治家、実業家。ブッシュ大統領時代のアメリカ合衆国副大統領)、その通りです。
彼こそはオーストラリアにとって、不吉な存在です。
ハリバートン社の鉄道線路のすぐわきに、先住民族であるアボリジニの人々が儀式を行う、マケイディー・ステーションと呼ばれる場所がある事がわかりました。
この場所は浅い帯水層の上に位置し、この帯水層はオーストラリアの砂漠地帯に古くから水を供給してきた、グレートアティジアン盆地の水脈とつながっている可能性があります。
そしてこの場所こそ、ハリバートン社が核廃棄物の一時保管場所を、建設しようとしている場所なのです。
ここにアメリカとオーストラリア間で現在も続いていると見られる、『国際原子力発電パートナーシップ』という名の協約があります。
ジョージ・ブッシュ元アメリカ合衆国大統領とジョン・ハロルド元オーストラリア首相が署名し、これにより諸外国の核廃棄物のオーストラリアへの持ち込みが可能になりました。
この『諸外国』にはアメリカも含まれるものと考えられます。
そして日本もこの協約に入り込む可能性があるのです。
なぜなら日本の原子力発電所の核燃料、ウランはオーストラリアで産出されたものだからです。
現時点で、オーストラリアにとって良くない諸条件が整いつつあります。

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 再処理施設内の核廃棄物。英国。

ガンダーセン : これまで原子力発電を支持する人間たちが、核廃棄物の保管は『もちろん』安全に行われていると、人々に信じ込ませようとしてきたことをお話ししました。
彼らは25万年もの間、高放射性核廃棄物を安全に保管する方法を知っているのです?!
そして同じ人間たちが、太陽光発電では夜通し充分な電力を供給することは不可能だと主張しているのです。
笑うしかないでしょう?!
人間が高放射性核廃棄物を25万年間も安全に保管する技術を持っているなら、再生可能エネルギーによる発電を軌道に乗せ、太陽光発電によって得られた電気を夜間利用することなど、簡単確実にできるはずです。

カルディコット : 太陽熱反応炉が現在スペインで建設されています。そして液体塩、融解塩による発電装置が建設されている場所もあります。
ですから、飽くまで原子力発電を推進しようとする人間たちが指摘する、再生可能エネルギーの欠点は『furphy』、ファーフィ、オーストラリアのスラングで言うところの『作り話』でしかありません。
そして最後にこうつけ加えさせていただきましょう。
原子力産業界が『安全だ』『安全は確保されている』という言葉を口にしたら、私は必ず、核廃棄物の問題について、人類はもうお手上げなのだという事を思い出すようにします。
そうそうこれも言わせてください、検査によってすい臓がんが発見されたら、そま人の余命は概ね半年です。
しかし私は腕の良い医者です、私に任せなさい、私が治療法を見つけてあげます。(笑)

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 太陽熱反応炉

ガンダーセン : この場にお招きいただき、ありがとうございました、ヘレン。

カルディコット : 改めてお礼申し上げます、アーニー。
皆あなたに感謝しています。

カルディコット : 今日、『もし地球を愛するなら』にご出演いただいたのは、アメリカで30年間原子力工学に携わり、様々な場でアドバイザーとして活躍しておられるアーニー・ガンダーセン氏でした。
彼は最も人気のあるゲストです。
福島の現状について分析し、その将来を見通すのに、これ程適任の方は他にはいらっしゃいません。それはあなたが今日、お聴きになった通りです。

 〈 完 〉
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 そして、この国の隠蔽体質は今も変わらず、ガンダーセン氏の真摯な姿勢も変わりません。
 下に、このブログ内のガンダーセン及びカルディコット氏関係記事のリンク一覧。

・ 第一原発、絶えず新たな危機、現場は限界に
・ 3号機は核燃料プールが臨界爆発
・ 
グンダーセン:最も危険な4号機、そして3号機
・ ガンダーセン:インタビュー(1)原発の状況
・ ガンダーセン:インタビュー(2)4号機の危険
・ ガンダーセン:インタビュー(3)被曝と汚染
・ ガンダーセン:インタビュー(4)汚染と除染
・ 3号機の使用済み核燃料プールは空っぽ
・ ガンダーセン:深刻な放射能汚染、黒い雨
・ 車のエアフィルターと呼吸による被曝
・ 10シーベルト超の致命的な放射線:ガンダーセン
・ ガンダーセン:日本に重要な警告
・ ガンダーセン:日本政府は重大さを認識せよ
・ ガンダーセン:原発の欠陥と過小コスト計算の欠陥
・ ガンダーセン:マーク1型原発の全て閉鎖を提言
・ ガンダーセン:フィルターや靴紐の汚染が示すこと
・ ガンダーセン2/20会見「事故の真相と展望」
・ 放射性廃棄物の焼却は原発事故の再現だ
・ 福島の子どもたちが危ない:Business Insider
・ 36%に甲状腺異常、見解と提言:カルディコット
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