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ガンダーセン、カルディコット対談「福島の現実」(3)

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 ガンダーセン、カルディコット対談「福島の現実」(2)からの続きです。
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カルディコット : あなたが指摘された、格納容器のいたるところから放射性物質が漏れ出している問題ですが、1号機、2号機、3号機併せてどれだけの量が毎日漏出しているのでしょうか?

ガンダーセン : 液体、気体あわせて1日10億ベクレル程度なら、驚くには当たりません。1秒ごとに10億回の放射性崩壊が、毎日続いているという事です。
そしていったん放射性崩壊が始まれば止めることはできません。それが今、原子炉の外側で起きているのです。そして世界中に飛散し、崩壊し続けるのです。
いま10億ベクレルと言うと非常に大きな値のように思われるでしょうが、事故発生直後はその後ろにゼロが12個ついていたのです(1,000,000,000,000,000,000,000ベクレル)。
当時と比較すれば、10億ベクレルでも相当に低い数値なのです。
しかし何の問題も起きていない原子力発電所と比較すれば、きわめて莫大な量の放射能が漏れていることになります。

カルディコット : 1日10億ベクレル。それはつまり1秒間に10億回の崩壊、1日に10億回ではないのですね?

ガンダーセン : 違います、1秒間に10億回、それが毎日です。その状態が10億ベクレルの放射性物質が放出されているという事なのです。

カルディコット : わかりました、10億ベクレルですね。ところで一番最初の放射能の放出規模はお分かりですか。

ガンダーセン : ごめんなさい、10億の下にゼロが15個付いた値(1,000,000,000,000,000,000,000,000ベクレル)なのですが、何と言う単位で呼べばいいのかわからないのです。

カルディコット : えーと、百、千、万、億、兆…

ガンダーセン : テラベクレルの単位で表せばいいと思います。

カルディコット : テラベクレルとはどのような単位ですか?

ガンダーセン : ゼロが15個付いた単位です。

カルディコット : ゼロが15個…

ガンダーセン : つまり100,000テラベクレルになります。ゼロが20個という汚染規模。

カルディコット : ゼロが20個という汚染、それが毎日!

ガンダーセン : そうです。1の次に20個のゼロをつけましたが、今日はここに電卓を持って来ていないので正確なことは言えませんが、100,000テラベクレルであれば100ペタベクレルという事になります。

カルディコット : ペタベクレル。それは10の20乗近い数という事ですか。

ガンダーセン : おおよそです。ペタベクレルは10の18乗になります。しかしこれだけ巨大な数字になると、感覚的にお分かりにならないでしょう。

カルディコット : そしてもっと問題なのは、これ程の規模で汚染、つまりは放射性物質を生み出しているものは何なのですか?
その正体を教えてください。

ガンダーセン : まず最初の爆発ではもちろん、キセノン、クリプトンといった希ガス化学物質が発生した事はすでにお話しました。これらは病院で検査の際など、あなたもお使いになることがありますね。

カルディコット : 強力極超短時間パルス放射線発生装置の事ですね、ええ使います。

ガンダーセン : そしてもちろん放射性ヨウ素です。半減期はわずか8日間ですが、人間の甲状腺に選択的に集まります。
これに関して私は先週、価値のある研究に出会いました。広島の被爆者に関するものです。
子供の時に原爆に遭った被爆者は、50代、60代、そして70代になっても甲状腺に問題を抱え続けていたのです。
ですからこう考えることができるかもしれません。

あなたがもう成人に達していれば、最初の2年間で甲状腺がんを発症しなければ、そのままこの問題に遭遇せずに一生過ごすことができるかもしれない。
しかし子供たちはそうではないのです。
彼らの甲状腺は成長の途上にあります。
一度問題を抱え込んでしまったら、一生ついて回る可能性があるのです。
放射性ヨウ素の厄介な問題が明らかになったのかもしれません。

カルディコット : そうです、広島と長崎の被爆してしまった子供たちは、主に外部ガンマ線による影響を受けましたが、放射性ヨウ素が発する内部ガンマ線に関してはそれほどではありませんでした。
しかしそれから長い年月を経た今でも、えーと45年、いや60年以上を過ぎた今も甲状腺がんの発症が続いているのです。
そして甲状腺がんを発症した患者の3分の1の人々が、がんの転移により亡くなられました。

現在福島は事故を起こしてから18か月目に入りましたが、これまで36,000人の15歳~18歳以下の子供たちの検査が行われ、そして本当に残念なことに、超音波検査によって36%の子供たちに嚢胞(のうほう)や小結節が見つかりました。
この嚢胞(のうほう)や小結節が、悪性かどうかの生体検査は行われていません。

これは医療の上で、著しく無責任な行為です。

行政はこの問題を軽視したあげく、この検査結果が本当に意味するところを、子供たちの両親には伝えていないのです。

ガンダーセン : かつて私が見た資料では、こともたちの甲状腺に異常が見つかる確率は1%に過ぎなかったはずです。これは明らかに…

カルディコット : 福島では36%です。これ程の数値を示す資料は、これまで存在したことがありません。
しかも発症が早すぎるのです。

見てください、チェルノブイリの例からは考えられない程、発症が早いのです。チェルノブイリでは事故後3年から4年後に、子供たちの甲状腺に腫瘍が出始めたのです。しかし福島はまだ事故が発生してから18ヶ月しか経っていません。
したがって呼吸によって、汚染された食品によって、莫大な量の放射性ヨウ素が、福島の子供たちの体内に入ってしまった可能性があるのです。

そしてこれは氷山の一角に過ぎません。
今度は内部ガンマ線により、各種のガンの発症が始まりつつあります。
彼らの肝臓、彼らの心臓、彼らの脳、彼らの筋肉、彼らの骨やその他、すべての場所に生命の危険の兆候が現れ始めているのです。

ガンダーセン : そうなってしまうのです。だからこそ私たちは希ガス化学物質、放射性ヨウ素、そしてさまざまな種類のセシウムについて、深刻な問題として取り上げているのです。
セシウム134、セシウム137、ストロンチウム、ルビジウム、その他の放射性物質について。

カルディコット : あなたは原子力技術者ですね。この問題についての情報をもっと教えていただけませんか、アーニー。きっと人々の役に立つと思うのですが。

ガンダーセン : 私が一番心配しているのはウラニウムそのものです。
実は日本で核燃料がメルトダウンを起こしたことの証拠集めを行っていた際、収集したサンプルの中にウランが混じっていました。ウランのように非常に重い物質が300km以上離れた場所で発見されたことに、私たちは驚いています。
東京で採取したサンプルの中にウラニウムがあったのですから。
これは原子炉の内部などから、直接外に漏れ出したものがあることを証拠立てるものなのです。
100マイル離れた場所の異なる2軒の家の中に、全く同じ塵が落ちていたことを証明する資料が、ヨーロッパで作られたことがありました。
ただし私たちが今話しているのは、1立方メートル当たり184kgの重量があり、1秒間に100,000回の放射性崩壊を起こす塵についてです。
そしてこの塵が大量に確認されているのです。
このことにも、日本人は目を閉ざし、問題の存在を認めていません。

カルディコット : うーん…

ガンダーセン : ですから福島第一原発から100マイル(約160km)離れて暮らしている人々は、肺の中、口の中に、その他の器官にこの放射性物質である塵を貯めこんでいる可能性があります。
ですから日本の人々は、危機を脱してなどいないのです。
そして先ほども別の問題においても指摘した通り、日本の政府や自治体はこの問題を認めようとしないのです。
さらに不幸なことは、日本の医学界もこうした政府や自治体の対応に、同調してしまっていることです。
日本の医学界は、ヒポクラテスの誓いを忘れてしまっているのではないでしょうか。
実際には様々な症例に遭遇しているはずですが、それが放射線によるものだと証言することを拒否し続けているのです。

カルディコット : 福島の子供たちの甲状腺に異常が現れ始めたことを除けば、私たちはまだ、これが放射線によるものだ、という具体的症例には遭遇していません。
しかし正常な白血球数が減少し始め、白血病の領域に近づき始めている症例、そして肺の機能に異常を呈し始めている子供たちが確認されるようになりました。
そして鼻血を出す子供たちの症例が多数報告されていますが、これは血小板の数が減少している可能性があり、放射線被ばくの影響が考えられます。

これらはすべて放射線による障害の警告として扱われるべきですが、日本では闇から闇に葬られています。

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そして医療。症例によって放射線の脅威に目を向けるべきだとの警告が発せられることは、まず期待できません。この症例でも、別の症例でも、あれも、これも…
環境疫学(環境要因が与える人体影響について調査すること)に基づく研究が必要になります。
被ばくした人々と、影響を受けなかった人々との比較研究を行わなければなりませんが、そのためには何年も何年もかかります。多額の費用が掛かりますし、時間もかかります。
見たところ、日本の医師たちはあまり乗り気ではないようです。

もう一つの問題は病院の検査結果や福島の被災地で実施された各種の調査結果、これら本当の結果を手に入れようと思っているのですが、今のところ壁にぶつかったままです。
正しい資料が無ければ私は何も判断する事が手来ませんし、医師なら誰でもそうだと思います。
現在私たちは暗闇の中を手探りで真実の資料を手に入れようとしていますが、真実を確認できずにいる状態です。
しかしこれので明らかになったデータを検証する限り、日本の状況はきわめて深刻である、そう結論せざるを得ません。

ガンダーセン : あなたのご見解とは明らかに逆の結論に達した記事が、つい最近ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されました。この記事、残念な事は福島の事故により日本が原子力発電を止めてしまった事であり、これから30年間、福島第一原発の事故の影響による死者は100人前後だと書いています。

カルディコット : ええ、知っています。

ガンダーセン : 私はスリーマイル島の事故の一部始終を、専門家として検証しました。
この時も原子力産業界は、同じような事を言ったのです。
彼らは事故による影響を出来るだけ小さく、放出された放射線による被ばく量を出来るだけ小さく、さらには被ばくした人々の数も出来るだけ少なく見せようとしました。
あげく、内部被ばくについてはも触れようともしなかったのです。
そうして今回ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたような、あり得ないような低い数字を公表したのです。

カルディコット : はい、そのウォール・ストリート・ジャーナルの記事は私も読みました。よくもこんな記事を書けるものだと、お考えになりませんか?
この記事を書いたのはひとりの物理学者ですが、彼は放射線生物学を理解していませんし、内部被ばくについてまったく無視しています。

この手の、金や権力に媚び、あらゆる状況を検証もせず安易な安全論を口にする科学者は、原子力発電の推進者よりも悪質です。

あなたがおっしゃるように科学者がごまかしを言ってはなりませんし、まして医療の分野においてはごまかしなどは論外です。
医療の分野でごまかしを行えば、患者の様態を悪化させるか、死に至らしめるか、そのどちらかになってしまいます。
そのようなごまかしを行えば、私たちは医師免許を剥奪される事になります。
医療にごまかしは許されないのです。
自分自身が何を言っているのか、それすら理解できない人々にコメントする権利はありません。

それでもあえて口を出そうとするなら、彼らは犯罪者と呼ばれるべきです。

なぜならこうした科学者たちが口を出す事で、人々は真実がわからなくなり、その結果自分の身を守れなくなってしまうからです。その結果行き着く先は…
身を守れなくなった人々はやがて病気を発症し、場合によってはしに至る事があります。
この良心の無い科学者の問題は、きわめて、きわめて深刻な問題なのです、アーニー。

ガンダーセン : 私が日本政府、そして社会構造に対して平静ではいられない点も、まさにそのことです。
世界中の医師は、医師になるときヒポクリティック(hypocritic – 偽りを語る者、という意味)の誓いを立てているはずです。

カルディコット : あら、アーニー、ヒポクリティックでは無く、正しくはヒポクラティスですよ。似ていますけど、でも確かに…

ガンダーセン : そうそう、あなたのおっしゃる通りでした。ヒポクラテスの誓いを立てた医師の事ではなく、日本のごまかしばかりを言っている人間についての話になってしまいました。

カルディコット : 本当にそうですね(笑)。

ガンダーセン : そう、私が心配しているのは、医師たちが被災してしまった人々を助ける事より、国家の利益を優先してしまっている、という事なのです。
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 ガンダーセン、カルディコット対談「福島の現実」(4)へ続きます。
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コメント

ガンダ―セン、カルディコット対談「福島の現実」(1-4)

この対談を全文シェアさせていただきました。感謝いたします

Re: ガンダ―セン、カルディコット対談「福島の現実」(1-4)

ありがとうございます。
しっかりと読んで転載していただけるのは大歓迎ですよ。
できれば、URLをお願いします。

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