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遺伝子組換えの毒性、批判への回答:仏オプセルヴァトゥール誌

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 世界のGM作物の作付面積

 遺伝子組換え食品に毒性の疑い:仏ルモンド紙で紹介した仏カーン大学セラリーニのグループによる実験研究は、やはり遺伝子組換え賛成派が猛烈な反論を加えてきたようだ。
 だが、以下のスピルー博士による「批判への回答」をみる限りは、賛成派は十分な根拠がないためにまとめて一蹴されたようである。
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モンサント遺伝子組み換え食品実験:9つの批判と9つの回答  オプセルヴァトゥール誌 翻訳10/14 「Entelchen」氏のブログから

モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシの毒性を証明したセラリーニの実験に対しては、即座に猛烈な抗議が寄せられました。批判者曰くこの研究は「偏っている」「実験基準がなっていない」「改竄されている」「価値がない」・・・ そしてしまいには実験を行ったセラリーニは「非科学的」のレッテルを貼られてしまったのです。 そう言えば低線量の内部被爆の危険を訴えることも、よく日本のマスコミでは「非科学的」と言われますね。

セラリーニの共同研究者であるジョエル・スピルー博士が、実験に対する批判に対して、フランスの「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」誌上で答えました。

OGM 9 critiques et 9 réponses sur l'études de Séralini

遺伝子組み換え セラリーニ研究9つの批判に対する9つの回答
モルガンヌ・ベルトラン記

NK603遺伝子組み換えトウモロコシのラットに対する毒性を証明したジル・エリック・セラリーニの実験は数多くの批判の声を巻き起こした。共同研究者であるジョエル・スピルー博士が批判に回答する。

遺伝子組み換えトウモロコシNK603を与えられたラットを生涯に渡って観察したジル・エリック・セラリーニの実験が公開されると、この実験に使用された条件や信憑性をめぐって数多くの批判や疑問が発せられた。実験の共同著者・副リーダーであり、Criigen(遺伝に関する情報・研究独立委員会)の会長であるジョエル・スピルー博士が回答を行った。

批判その1: 200匹というラットのサンプル数はしっかりした実験を行うには少なすぎる

「グループごとに20匹、計200匹というサンプル数は、モンサント自身が三ヶ月の期間で行った実験に使ったラットの数と同じです。私達はしかもモンサントよりも毒性パラメーターを多く使用しました。さらにラット数を増やすにはもっと資金が必要でしたが、この研究にはすでに3,200万ユーロ掛かっています。」

批判その2: 実験に使われた"SDラット(Sprague-Dawley)" は腫瘍が出来やすいことで知られている

「確かにそうですが、世界中の毒性研究で使用されているラットの系列でもあります。このラットのメリットは生物学的また肉体的に安定していることです。すべての固体がほとんど同じ体形、同じ体重を持つのですモンサント社も含め、遺伝子組み換え作物を製造する企業が当初から研究に使用してきたのもこのラットです。そして事実は私達の目前にあるとおり、ラウンドアップとの組み合わせの有無に関わらず、遺伝子組み換えトウモロコシを与えられたラットには、より多くの発病が観察されたのです。それも非常に速いスピードで。 」

批判その3: 結果をよく見ると、遺伝子組み換えトウモロコシを与えられたラットのオスにおける腫瘍の発生は、参照グループよりも総合的に多いわけではない

「注目すべきは、正確には腫瘍の発生するスピードです。実験措置を与えられた3つのラットのグループでは腎臓や肝臓の腫瘍や疾患は4ヶ月目に既に現われ、11から12ヶ月目に爆発的に増えます。これは人間に置き換えると35~40歳の年齢です。一方参照グループのラットでは、腫瘍が現われるのは特に晩年、つまり23~24ヶ月目頃です。これはラットにおいては自然なことと考えられます。」
(※もうすぐ北風の注釈:ラットでも人間でも、「老衰死」ではほとんどが癌の痕跡を持っている。晩年に腫瘍があるのは自然な事実である。)

批判その4:ラットに与えられた餌の具体的な構成内容に関する情報が少なすぎることを科学者達は指摘する

標準的な ラットフードです。これもまた遺伝子組み換え会社が自分達の研究に使用しているものと同じです。唯一の違いは、私達は遺伝子組み換えトウモロコシの含有率を正確に計測したことです。第1グループには11パーセント、第2グループには22パーセント、そして第3グループには33パーセントと言う具合に。」

批判その5:ラットが摂取した遺伝子組み換え食物量は人間が摂取するものよりはるかに多い

間違い。私達が使用したNK603トウモロコシの量は、遺伝子組み換え食品の販売が自由で、表示義務のないアメリカ大陸の住民が生涯摂取する量に匹敵します。そもそもそのために遺伝子組み換え食品を発病要因として見極めることが妨げられ、病気との因果関係の否定が可能になっているのです。例えば”アメリカ人は15年来遺伝子組み換え食品を食べているのに病気になっていない”という主張が聞かれるのもそのためです。」

批判その6:研究を公表した "Food and Chemical Toxicology" はアメリカではさほど評価の高い媒体ではない

「二流誌とは程遠い、国際的な名声を持つ科学誌です。掲載される記事は、反対意見も発せられる委員会によって査証されます。モンサントや他の遺伝子組み換え作物会社がすべての再鑑定を公開しているのもこの雑誌です。」

批判その7:ジル・エリック・セラリーニは反遺伝子組み換え活動家として知られており、自分に都合の良い実験結果を作り出した

完全な間違い。ジル・エリック・セラリーニと Criigen (遺伝に関する研究及び情報独立委員会)、そしてカーン大学研究所の研究員達は、遺伝子操作を行った生体に関する研究も行っています。
それは生命体を知ることへの扉を開くからです。彼らは医薬品の製造に遺伝子組み換え生体を使用することには反対していません
例えばインシュリンは遺伝子組み換え生体をもとに製造されていますが、私は迷うことなく糖尿病患者に処方しています。
こうした医薬品は、説明書の中に”再結合プロテイン”と言う表現が使用されていることから見分けることが出来ます。つまり医薬研究所での遺伝子組み換えの使用には賛成なのです。
しかしジル・エリック・セラリーニも我々も、農業作物における遺伝子組み換え生体の使用に対しては反対です。表示が行き届いておらず、長期に渡る毒性についての研究も不十分だからです。」

批判その8:研究チームは癌の専門家ではなく腫瘍については無知だ・・・

「確かに我々は癌の専門家ではありませんし、そのことを隠し立てもしていません。これは癌の発生ではなく毒性に関する研究ですから異なる規定条項に従っています。そもそも私達は、”腫瘍”が”癌性”のものであるとは一言も言っていません。ラットの老化とトモに癌に発展する可能性を持つ乳腺繊維腺腫や皮膚腫瘍です。」

批判その9:再鑑定が必要だ

「それには賛成です。我々も再鑑定を望んでいますが、遺伝子組み換え会社ではなく独立の研究者によるものでなければなりません。現在の欧州食品安全機関(EFSA) の立場ではダメだと言うことです。」
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